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コラム転職徒然草 - 悲喜こもごも編

第二新卒の波 (2013年9月18日)

就職した食品会社のA社を1年で辞め、しばらくアルバイト暮らしをしていたKさん(24歳)は、再就職のために我々のところにやってきた。
「農学部出身だったので、当初はバイオ関連の会社への就職を考えていたのですが、それが叶わなくてA社に就職することにしました。けれど、仕事が入社前に聞いていた話と全然ちがっていて…」
この年代には、よくある転職理由と言っていいだろう。Kさんは会社を辞めてすっきりしたといった様子で、転職で明るい未来が開けることに疑いすら持っていないようであった。

だが、再就職は簡単には進まなかった。就職時のリベンジと応募したバイオ関連の企業はすべて空振り。他の応募先でも一次面接を越えるのがせいぜいで、内定はおろか、最終候補に残ることもできなかった。
「もう、どうしたらいいのか分かりません」
最初の面談時、明るさいっぱいだったKさんも、あまりに不採用が続き、ついに泣き言を口にするようになっていた。

そこから、我々とKさんは長い時間、話し合いを重ねた。彼が最初の就職先で学んだこと、仕事をするなかで特に得意なこと、これからやっていきたい仕事について、等々。
「取り繕っただけのうわべだけの返答は、簡単に見抜かれてしまいます。自分自身をもう一度しっかり見つめ直してください」
ごく当たり前のアドバイスだが、面接で不調を重ねたKさんには胸を突く言葉だったらしい。その後、徐々に面接の評価も良くなり、相談があってから三ヶ月後、どうにかIT関連企業のB社の技術営業職で内定が決まったのだった。条件としては以前働いていたA社よりも若干悪くなるものの、考え抜いて決めた再就職先に、Kさんは満足した様子だった。

ところが、入社に向けた手続きが進む中、Kさんは突然、我々にこんな質問を投げかけてきた。
「これからもっと良い会社を探すことはできるのでしょうか?」
「Kさんがどうしても入社しないというなら、仕方ありませんが、なぜ急にB社が嫌になってしまったのでしょう?」
「B社が嫌なわけではありません。社長も部長も尊敬できる方ですし、僕は本当に良い会社だと思っています」
「では、何があったんですか?」
Kさんは、それから家族の反対があったことを我々に打ち明けてくれた。

Kさんは三人兄弟の末っ子、それぞれ8・9歳、年齢のはなれた姉と兄がいる。二人は共にKさんの同じ年齢、つまり第二新卒での転職を経験しており、兄は大手メーカー関連会社、姉は希望していた化粧品業界への転職に成功していた。
特に、一番上の兄がKさんの転職に懐疑的で
「お前は兄弟のなかでも頭が良くて、第一希望の大学にも合格した。転職でがんばれば、大手企業・希望の業界にいけるはず。もうちょっと粘ってみたらどうだ」
と、アドバイスしていたのだ。

兄姉が自身の経験から、『大企業、希望の業界』と言い出すのは理解できる。彼らが転職をしたのは、第二新卒に大きなチャンスが巡っていた時期だったからだ。

長引く不況で新卒採用を極端に控えていた企業は、景況が上向いた2005年頃、人員の不足に悩まされることになった。即戦力は欲しいが、どこの企業も採用を絞ってきたために、業務経験者は見つからない。そこで、業務経験はそれほど多くないが、社会人としての基本は身についており、柔軟性・吸収力が高い第二新卒層をターゲットにして、多くの企業が採用活動を行った。その結果、今からは考えられないような、ステップアップの転職が、当たり前のように見られた。

今も景況が上向いている点では2005年と同じだが、企業は先の経験から、ここ数年の不況期も、新卒採用を極端に減らすことはしなかった。そのため、業務経験者の転職は好調であっても、第二新卒の転職は以前ほど簡単にいかなくなっているのだ。

我々は、お兄さんのアドバイスは現在には当てはまりにくく、これから転職活動を続けても、B社以上の会社に巡り会えるは約束できない。Kさんは離職中なので、むしろ、月日が経つほど、再就職のハードルは高くなるだろうと説明せざるを得なかった。

新卒に好不況の波があるように、第二新卒にも波がある。Kさんも時節が合えば、またチャンスを掴む時も来るだろう。それまでは、目の前にあるできることをコツコツと積み上げるしかないのだ。

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