
転職活動を始める前に、まず大まかな活動の進め方とスケジュールの目安を知っておくことは大切です。特に在職中に活動する人は、仕事に追われるうちについ日が経ってしまうもの。転職活動全体の流れをつかんだうえで計画的に動くことが、前に進むコツです。全体の流れと具体的な計画の立て方のコツについて、キャリアアドバイザーのアドバイスを見てみましょう。
転職活動の期間は、3カ月から半年程度が目安
内定獲得後、現職での引き継ぎ期間まで含めると、求人情報を探し始めてから次の会社に入社するまでの期間は、3カ月から半年程度を目安に考えるといいでしょう。
転職活動期間が長くなるか、短く終わるかは、「面接」に左右されるケースが多いようです。在職中の場合は、どうしても面接に出向くことができる日時が限られます。特に多忙な役員面接の場合は、想像以上に面接日時の決定に時間がかかることがあります。また、面接が無事に終了しても、応募企業がほかの候補者と比較して迷っている場合、結論までの時間が長引いたり、再度面接が設定されたりするケースがあります。このような事情も想定し、「転職活動には3カ月から半年程度の時間がかかる」という前提でスケジュールを組むようにしましょう。
転職活動の進め方
転職活動は、下図のように「キャリアの棚卸し」から始まり、「情報収集」「書類作成」「応募」「面接」と進むのが一般的な流れです。とはいえ、まずは気になる企業の求人に応募し、面接準備をしながらキャリアの棚卸しを進めるのも一つの方法。必ずしも図の通りに進める必要はありません。
キャリアの棚卸し
これまでの自身の経験を振り返って棚卸しし、自分にできることは何か、強みと弱みは何か、転職で何を実現したいのか、考えてみましょう。事前にしっかり自分自身と向き合うことで、転職先の条件が明らかになるほか、自己PRのポイントがつかめ、応募書類や面接の精度も上がります。
情報収集
転職先に求める条件が明らかになったら、それをもとに情報収集を行いましょう。条件に合った求人情報を探して企業研究を行ったり、志望業界の動向や将来性について調べたりするなど事前に情報を集めれば、多くの求人情報の中から自身に合う企業を見つけ出す選択眼が磨かれるうえ、企業に伝える志望動機にも厚みが出ます。
書類作成
多くの場合、応募の際に求められるのは、履歴書と職務経歴書です。履歴書は記入漏れがないように注意し、すべての項目を埋めましょう。全体のバランスを見ながら、空白が目立たないように注意を。職務経歴書は、まず数行の職務経歴の要約(サマリー)を入れたうえで、職務経歴、志望動機、自己PRを記しましょう。どんな経験、スキルを持っているのか、そしてそれを応募先企業でどう活かせるのかを示すのがポイント。A4サイズ1~2枚が目安です。
応募
希望の業界・職種、仕事内容、勤務地などといった条件から、希望に沿った求人情報を探しましょう。気になる求人に出会えたら、企業ホームページや求める人材像を読み込み、自分の希望に合うかどうか、活躍できそうな環境があるかどうか、確認しましょう。
面接
面接で聞かれることの多い質問は、「自己紹介」「転職理由」「志望動機」「自己PR(強みと弱み)」「仕事での成功体験・失敗体験」です。応募企業に合わせ、あらかじめ準備をしておきましょう。マニュアル通りのような受け答えにならないよう、自分の言葉でまとめることが重要です。また、面接のマナーや身だしなみにも気を配りましょう。
なお面接は、企業が自社に合った人材を選考する場ではありますが、応募者側が「この企業は自分の希望に合っているか、活躍できる環境がありそうか」と企業を量る場でもあります。冷静な目で企業を判断しましょう。
内定
内定が出たら、労働条件を確認したうえで問題が無かったら承諾の連絡をしましょう。
退職・引継ぎ
在職中の場合は速やかに退職手続きを行い、自分が持っている業務の引き継ぎを進めましょう。
スケジュールは、退職しやすい時期から逆算を
在職中の人は、退職交渉や業務の引き継ぎに予想以上の時間がかかることがあります。スムーズに転職するためには、退職しやすい時期から逆算してスケジュールを立てるといいでしょう。業務の忙しさに波がある場合は、繁忙期を避けて退職する、長期のプロジェクトを抱えている人は、節目となる時期に合わせて退職するなど、職場への支障がなるべく少ない時期に合わせて退職できるように調整しましょう。