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自己分析の簡単なやり方|転職を成功に導くおすすめの方法を紹介!

自己分析は転職活動の成否を分ける1つのポイントとなるものです。しかし「そもそも、自己分析のやり方がわからない」「時間がないから簡単にできる方法が知りたい」と考えている人も少なくはないでしょう。組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタントの粟野友樹氏に、自己分析の簡単なやり方や、おすすめの方法などをうかがいました。

自己分析の簡単なやり方を4ステップで紹介

自己分析を行う際に整理するポイントを、4つのステップで紹介します。

【STEP1】これまでの経験を洗い出す

これまで経験してきた業務を振り返り、以下の項目を整理してみましょう。

  • どんな業界でどんな業務を担当してきたか
  • 社内外のどんな人たちと、どのように関わってきたか
  • 組織の中でどんな役割を果たしてきたか
  • どんな成功体験があるか。成功した要因は何か
  • どんな失敗体験があるか。そこから何を学んだか

【STEP2】強みとするスキルを整理する

STEP1で洗い出した経験をもとに、身に付いたスキル、特に長けていると思うスキルを挙げてみましょう。

次のスキル一覧を参考に、自分に該当するものをピックアップしてみてください。

  • 他人に関わる力

親しみやすさ/気配り・ホスピタリティ/チャーム(可愛がられる要素)/素直さ/誠実さ/真面目さ/約束を守る/協調性・チームワーク力/指導・育成力/働きかける力(巻き込み力)/わかりやすく伝える力/傾聴力/プレゼンテーション力/ 理解力/調整・交渉力

  • 自分に関わる力

決められたことをやり抜く力/忍耐力/継続力/粘り強さ/実行力/活動意欲/集中力/ストレス耐性/主体性(自分で考え行動できる力)/挑戦心・チャレンジ精神/改善・成長意欲/前向き志向/学ぶ姿勢/度胸・本番に強い/感情をコントロールする力/タフさ(精神力)/使命感・責任感/目標指向性・達成意欲/パッション(情熱)/探究心/どんな仕事でも面白みを見つける好奇心/変化対応力・柔軟性

  • 課題に対する力

論理的思考力/物事の本質を突き止める力/課題発見力/企画力/計画力/想像力/提案力/分析力/広い視点で捉える力/正確性/スピード/PCスキル/文章作成力/計算能力

【STEP3】自分の特性、価値観を客観視する

以下の質問について掘り下げ、自分がもともと持っている特性や、価値観を見つめ直してみましょう。

  • 周囲の人からどんな人物だと言われるか
  • 人とどのようなスタイルでコミュニケーションをとっているか
  • 仕事をする中で、どんな場面で喜びややりがいを感じてきたか
  • 仕事をする中で、どんな場面で苦痛やストレスを感じてきたか
  • 仕事をする中で、どんなことを大切にしているか
  • どんなビジネスパーソンに憧れるか。「自分もこうなりたい」と思う人物像

【STEP4】今後目指したい目標、ビジョンを描く

STEP1~3で導き出した内容をもとに、今後やりたいこと、目指す将来像を考えてみてください。以下の質問に答える形で整理してみると良いでしょう。

  • 今後、どんなスキルを活かしていきたいか
  • 今後、どんなスキルを伸ばしていきたいか
  • どんなやりがいを感じながら働きたいか
  • どんなことを大切に働きたいか
  • 将来どんな自分になりたいか

自己分析で導き出した「自分にとって大事なキーワード」を意識することで、求人票や求人広告をチェックする際に、マッチする企業を見つけやすくなります。

自己分析のおすすめのやり方「モチベーショングラフ」

自己分析では「モチベーショングラフ」を作成してみることもおすすめです。以降で具体的なやり方を紹介します。

モチベーショングラフとは?

モチベーショングラフとは、過去に自分に起きた出来事や体験を振り返り、時系列でそのときに感じたモチベーションの動きをグラフ化する手法です。「自分自身のモチベーションが上がることは何か」を分析することができます。

 

 

具体的なやり方

横軸を「時間軸」とし、縦軸を「心の充実度」とします。子ども時代までさかのぼり、自分が取り組んできたこと、頑張ったこと、印象に残っている出来事などを振り返って年表のように書き込んでいき、同時に、そのときの心の充実度をグラフ化しましょう。

自分の歴史を年表化しながらそれぞれの出来事について振り返る中で「自分はどんなことに楽しさや喜びを感じてきたのか」「何をしているときがつらかったのか」などが明確に見えてきます。自分が人生の中で大切にしたいことを具体化することができるでしょう。応募企業の選定や職種や仕事に求めることの軸を明確にすることに役立つはずです。

自己分析のおすすめのやり方「マインドマップ」

マインドマップとは、キーワードから連想する言葉やイメージをどんどん書き出し、自分の思考をマップのように具現化する手法です。頭の中に思い浮かんだことを直感的に書き出してつないでいき、そのまま形にすることができるため、自分の考えや記憶、発想などを整理することに役立ちます。ビジネスのアイデア出しなどにも使われている手法です。

マインドマップとは?

マインドマップは自分の思考を具現化するための手法です。キーワードから連想する言葉をどんどん書き出し、つないでいくことで、思考をマップのように表すことができます。頭の中で考えていることを可視化することに役立ちます。テーマとするキーワードから深掘りしていくことで、思考や発想を広げていくことができるでしょう。

自己分析にはさまざまな手法がありますが、その中でもマインドマップは「自分を深く知るために有効」とされています。ビジネスのアイデア出しなどでも使われている手法です。

具体的なやり方

マインドマップを作成する具体的なやり方を紹介します。

【STEP1】掘り下げるテーマを書く

最初に「自分」と書き、そこから線を引いてテーマとするキーワードを書き出していきます。転職活動の場合は「職務経験」「自己PR」「志望動機」「転職で実現したいこと」などをテーマにすると良いでしょう。また、紙に書くやり方だけでなく、PCやスマートフォンなどでマインドマップを作成できるツールなどもあります。WordやPowerPointなどを使う人もいるので、自分にとってやりやすい方法で始めてみましょう。

【STEP2】思い浮かんだ言葉を書き出していく

それぞれのテーマに対し、思い浮かんだことを周囲に書き出し、線を引いてつなげていきます。

職務経験では「過去に経験してきた業務」「担当したプロジェクト」を次々に書いていきます。自己PRでは「職務経験で実績を挙げたこと」「身に付けたスキル」「仕事で発揮できる強み・長所」「上司・同僚・顧客・取引先などから評価されたこと」を書くと良いでしょう。

志望動機は「応募する企業・職種・業界に対して魅力を感じたこと」「応募企業で活かせる職務経験・スキル・強みとその理由」「今後、目指したいキャリア」「経験したいこと・身につけたいスキル」「現職(前職)で不満に感じていたこと」などを書いてみましょう。

転職で実現したいことについては「年収・ポジション」「仕事のやりがい」「職場の人間関係」「労働環境」「目指すライフスタイル」「5年後・10年後に実現したいこと」などを書くことがおすすめです。

それぞれについて思いついたことを書き、そこからさらに思いついたことをどんどん書き足して発想を広げていきましょう。また「なぜそう思ったのか」も書いてみることで、より自分の思考を明確化できます。
小さなことでも構わないので、思いつくままどんどん書くことがポイントです。きちんとした文章を書こうとせず、箇条書きでひらめいたことを次々に書くことを意識しましょう。

【STEP3】結論として「自分が大事にしたいこと」を書く

それぞれの項目を掘り下げたら、マインドマップ全体を眺め、大事なポイントに赤線などを引いてみましょう。その上で「自分が大事にしたいこと」は何かを整理し、結論として書き込むことがポイントです。

これにより、各テーマに対する自分の考えや価値観を明確にできます。「転職先で実現したいこと」については、企業選びの軸とすることができるでしょう。また、そのほかのテーマは、応募書類に書く内容や、面接での回答内容などをまとめることに役立ちます。

自己分析はなぜ転職に必要?しないとどうなる?

自己分析をしないとどうなるのか、なぜ転職に自己分析が必要なのかを解説します。

自己分析をしないと転職活動に失敗しやすい

自己分析をやらず、自分の転職の目的を明確にしていない場合は、転職先に求める希望条件も明確化できていないと言えます。自分の考えを整理していないまま転職活動を行い、マッチする企業を選択することができず、転職後に後悔するケースは少なくありません。

また、自分の経験・スキルの強みや市場価値を理解していない場合は、企業の求める人物像と自分の実力がマッチしているか判断しにくいため、採用の可能性が高い企業を選ぶことが難しく、選考にも通過しにくくなってしまうでしょう。自己分析を行わない場合は、自分のことを深く理解できていないケースがよくあるものです。応募書類や面接で何をアピールすればいいのかもわからないまま、選考に落ち続けてしまうケースも多いので注意しましょう。

自己分析は企業選びの軸を明確にできる=転職先探しに役立つ

「どこかいい会社があれば…」「面白そうな仕事があれば…」というように、目的があいまいな状態で求人を探し始めると、選択肢が多すぎて目移りしてしまい、何を基準に企業を選べばいいのかわからなくなってしまいがちです。また「何となく興味を持った」会社に応募した場合は、そもそもマッチしていない企業を選んでしまっている可能性があります。さらに言えば、応募企業を選んだ目的があいまいなために「志望動機」をしっかり語ることができず、選考にも通過しにくくなってしまうでしょう。

「仕事において、自分が大切にしたいことは何なのか」「自分の強みはどんなところで、今後、どう活かしていきたいのか」「どんな仕事や環境なら、自分はイキイキと働けるのか」「今後何を目指し、将来どんな自分になりたいのか」などを整理することで、企業選びの軸も明確になります。

自己分析で自分の価値をアピールできる=選考通過率を高められる

転職活動では、A4サイズ1~2枚程度の職務経歴書と、1回につき1~2時間程度の面接で、自分の価値を相手に理解してもらわなくてはなりません。「自分のことだから話せるはず」と思っていても、いざ面接となると、なかなか言葉が出てこなかったり、適切な表現ができなかったりするケースはよくあります。

初対面の採用担当者に自分をアピールするためには、伝えたい要素を簡潔にまとめることが必要です。そのためには、自己分析で自分の強みや価値観、仕事に対する考え方や姿勢などを客観的に整理し、言語化しておくことが重要だと考えましょう。また、面接の場では、自分の話す内容に自信を持てることも非常に大事です。自己分析をきちんと行うことによって自信も芽生え、端的に自分のアピールしたいことを伝え切られるようになり、相手からの質問にも自然に回答できるようになります。

自己分析によって自分の目指すキャリアも見えてくる

自分の過去を振り返り、本質を知ることができる点もメリットです。自己分析には「学生が就職活動で行うもの」というイメージがありますが、昨今は、自己肯定感をアップすることを目的とした「大人の自己分析」なども登場しています。もしも経験・スキルに自信がない場合でも、自分に合う手法にトライすれば、必ずアピールできる部分が見つかるはずです。また、転職活動をきっかけに自己分析を行えば、過去の経験や今の自分を見つめ直すことができ、今後、目指したいキャリアも見えてくるでしょう。

他己分析や転職エージェントの活用も自己分析にはおすすめ

自己分析を進める中で、より客観的な視点を得るためには、他者の力を借りてみるのも一つの方法です。「他己分析」や転職エージェントの活用などもおすすめです。

「他己分析」で客観的に自分を知ることができる

上司、同僚、友人などから意見をもらうことも自己分析に役立ちます。自分自身では気付いていない強み、弱み、個性などを教えてくれるでしょう。「自分はどんな人間だと思うか?」「自分の強みはどういうところだと思うか?」などの質問をしてみることで、新たな自分の一面を発見できるかもしれません。

転職エージェントでは自己分析やキャリアの棚卸しもサポートする

転職エージェントではさまざまなサポートを受けることができます。転職の目的を明確にする自己分析や、自分の強みを発見するためのキャリアの棚卸しなどのサポートを活用することで、自分では気付かない一面や、意外な強みなどを発見できるでしょう。プロの視点で客観的なアドバイスをしてくれる上、自分にマッチする企業も紹介してもらえるので、選考の通過率をより高めることができます。

また、エージェントによっては自己分析セミナーなども開催しています。現地参加だけでなく、オンラインによる参加も可能なため、活用してみるのも良いでしょう。

リクルートエージェント「自己分析セミナー」

自己分析のよくあるQ&A

自己分析のよくあるQ&Aを紹介するので、疑問や不安の解消に役立てましょう。

転職の自己分析にはどのくらいの時間をかければいい?

転職活動の自己分析では、これまでの職務経験をベースに自分の考えを掘り下げていくので、新卒の就職活動よりも時間はかからないでしょう。自己分析にかける時間は人によって違うため、週末の1〜2日の間で終了するケースもあれば、じっくり数日間取り組むケースもあります。まずは自分にとってやりやすい手法に取り組み、ある程度納得がいくところまでやってみると良いでしょう。

おすすめの自己分析ツールは?

リクナビNEXTの「グッドポイント診断」は無料で利用できます。質問に答えていくだけで診断結果が出るので「自分でやるには腰が重い」という人にはおすすめです。自己分析の入り口として活用してみるのも良いでしょう。

リクナビNEXT「グッドポイント診断」

自己分析をやる時間がない場合は?

転職エージェントを活用すれば、面談や模擬面接などで必然的に自己分析を行うことになります。第三者目線のアドバイスを受けられるので、より効率的に進められるでしょう。自分自身で行う場合は、まとまった時間を取ろうとするとハードルが上がるので「毎日30分、1週間続ける」など、細切れで進めてみると良いでしょう。

自己分析をすると自己肯定感が下がりそうで怖い…。やらないとダメ?

自己肯定感が下がるパターンは2種類あります。1つは、自分の内面に集中するあまり、外の世界に広がっているさまざまな選択肢が見えず、自らの市場価値や可能性を客観視できていないパターンです。そしてもう1つは、外の世界に対する意識が強過ぎて、他人との比較ばかりしてしまい、「自分にはアピールできることがない」「ほかの人のようにやりたいことが見つからない」など、ネガティブになってしまうパターンです。こうした状態に陥らないためには、自分の内面と外の世界、両方に目を向ける意識が必要です。

例えば、転職エージェントを活用してみれば、転職市場の中で自分がどのような市場価値を持っているのか知ることができます。自己分析やキャリアの棚卸しなどの転職サポートを受ける中では、自分の良い面に加え、今後のために改善したほうがいい点まで客観的に教えてもらえるので、自己肯定感を下げることなく、前向きに転職活動に向かうことができるでしょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏


約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

記事作成日:2019年03月09日 記事更新日:2023年05月31日

リクルートエージェントでは、応募した企業の面接で質問されることなどの傾向や、どんな候補者が評価されるかなどの情報をお伝えすることができます。面接対策にお悩みの方はぜひ相談に来てみてください。