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転職の準備は何をしたらいい?効率的に進めたい9つの準備チェックリスト

転職 準備

転職活動にはさまざまなプロセスがあります。転職活動を行う際は、しっかりと準備をすることで納得感が高い転職を実現できる可能性が高まります。計画を立てるところから自己分析、応募書類作成、求人情報収集、面接、退職まで、各プロセスで準備しておきたいことについて、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。

転職活動の流れとおおよその期間

転職活動のプロセスを大きく分けると、「事前準備/応募」「面接」「内定」「退職/引継ぎ」の4つに分けられます。転職活動のおおよその期間は、早くても2カ月程度、通常は3カ月程度、長引いて6カ月程度が一般的です。すでに退職していて面接の日程調整を柔軟に対応できたり、オンライン面接が多かったりすると、転職活動期間が短くなる傾向があります。

転職活動スケジュールの例
(※)作成:編集部

転職活動に必要な9つの準備

転職活動のプロセスに沿って、準備しておくことをチェックリストにまとめ、具体的なポイントを解説します。

1:転職スケジュールを立てる

転職活動スタートから転職先への入社までのスケジュールを立てておきます。以下の手順で行いましょう。

【やることリスト】
□ 就業規則を確認する
□ 退職時期を決める
□ 逆算してスケジュールを立てる

就業規則を確認する

仕事を続けながら転職活動を行う場合、在籍企業の就業規則を確認しておきます。企業によっては、退職の申し出期間が定められている場合があります。退職日の何日前までに退職意思を申し出る必要があるかを把握しておきましょう。

退職時期を決める

現職の繁忙期や担当プロジェクトの進捗状況などを踏まえて、退職希望時期を決めておきます。

退職日から逆算してスケジュールを立てる

退職希望日から逆算して転職活動のスケジュールを立てましょう。なお、年末年始・ゴールデンウィーク・夏季休暇の時期は、選考が停滞しがちです。また、面接日程の調整に時間がかかったり、応募企業の選考が長引いたりして想定より時間がかかる可能性があるため、スケジュールには余裕を持たせておくと安心です。

2:自己分析を行う

転職候補先企業を選ぶにあたっては、「軸」を明確にしておくことで、自身に合う1社を見極めやすくなる可能性があります。自己分析を行って、自身の強み・志向・仕事に対する価値観などを認識しておきましょう。

【自己分析の項目例】
□ 仕事において自分が大切にしたいことは何か
□ 自分の強みは何か。その強みを今後どう活かしたいのか
□ どのような仕事や環境なら楽しく働けるのか
□ どのような場面でやりがいを感じるのか
□ どのような仕事や環境で苦痛やストレスを感じるのか
□ 人とどのようなスタイルでコミュニケーションをとっているか
□ 周囲の人からどのような人物だと言われるか
□ 将来どのような自分になりたいのか。憧れる人物像はあるか

3:キャリアの棚卸しで、過去の経験を整理する

「キャリアの棚卸し」を行っておくと、応募企業選び、職務経歴書作成、面接対策などが進めやすくなるでしょう。これまでの業務経験や培ったスキルをすべて書き出し、整理しておきましょう。所属企業や部署、担当職務だけでなく、以下の項目について洗い出してみてください。

【キャリアの棚卸しの項目例】
□ どのような成果を挙げてきたか
□ どのような行動や工夫が成果につながったのか
□ どのようなスキルを身に付けたか
□ 特に自分が得意とすることは何か
□ 社内外のどのような人たちと、どのように連携してきたか
□ どのような失敗体験があるか。そこから何を学んだか
□ 壁にぶつかったとき、どのように乗り越えたか

4:転職の目的を明確化する

自己分析やキャリアの棚卸しを踏まえ、今後目指すキャリアビジョンを描いてみましょう。その実現に向けて、今回の転職の目的を明確化します。これにより、企業を選ぶ際の軸が定まるでしょう。

【やることリスト】
□ 将来、どのような自分になりたいか、キャリアビジョンを描く
□ キャリアビジョンの実現に向け、今回の転職では何を実現したいのかを考える
□ 現職への不満から転職を決意した場合、どのような環境から改善できるかを考える
□ 転職によって改善したいこと・実現したいことに優先順位を付ける

5:情報収集、業界・企業研究をする

転職市場について情報収集を行い、自身にどのような可能性がありそうかをつかみましょう。また、業界・企業研究も重要です。自身がどのように活躍できるかをイメージしながら調べてみるといいでしょう。方法としては、以下を参考にしてみてください。

【やることリスト】
□ 転職情報サイトなどで採用トレンドを紹介している記事や動画を見る
□ 転職エージェントと面談し、情報を入手する
□ ビジネス系のメディアやSNSで業界のニュースやトレンド情報を入手する
□ 『会社四季報』『就職四季報』などを閲覧する
□ 社外の友人・知人から情報収集する

6:履歴書・職務経歴書など、応募に必要な書類を作成する

求人に応募する際に提出する「履歴書」「職務経歴書」を作成します。また、クリエイティブ職種などでは、自身が手がけた作品などの実績をビジュアルなどで伝える「ポートフォリオ」の提出を求められることもあります。

【やることリスト】
□ 履歴書を作成する
□ 職務経歴書を作成する
□ ポートフォリオを作成する(クリエイティブ職種など)

履歴書の書き方

履歴書は市販の履歴書用紙や、インターネットでダウンロードできるテンプレートを利用します。厚生労働省が作成した様式の他に、志望動機や自己PR欄が設けられているものなど、複数のフォーマットがあります。

例えば、転職回数が多い場合は学歴・職歴欄が大きいものを、第二新卒で志望意欲や仕事への姿勢をアピールしたい場合は志望動機や自己PR欄が大きいものなど、自身の経歴に合わせたフォーマットを選びましょう。

職務経歴書の書き方

職務経歴書は具体的な職歴や経験・スキル、自己PRを伝える書類です。履歴書の職歴欄では伝えきれない業務内容や実績などを記載するため、選考に影響する重要な書類です。

履歴書と違ってフォーマットが決まっていないため、採用担当者が読みやすい内容にまとめることが基本です。冒頭で職務経歴の要約を入れて、職務経歴や実績、これまでに得たスキルや自己PRを記載します。

志望動機の書き方

志望動機を記載する場合、まず「なぜその会社を選んだのか」が伝わるように、応募企業に対して感じた魅力を端的に伝えます。続いて、魅力を感じた背景・理由と、その根拠となる具体的なエピソード、入社後にどのようなことを実現したいのかを伝えます。さらには自身の強みを活かして、入社後にどのような活躍・貢献ができるかも記載するといいでしょう。

自己PRの書き方

職務経歴やスキルだけでは、応募者の人柄は伝わりません。仕事に対してどのようなこだわりを持ち、どのような強みがあるのかを自己PRで伝えることで、企業の採用担当者が応募者の人物像をイメージすることができます。そのため、自己PRはできるだけ具体的なエピソードを盛り込み、成果は数値を交えて伝えるようにしましょう。

ポートフォリオの書き方

Webデザイナーを例にとると、ポートフォリオには次のような項目を盛り込みます。

  • どのようなジャンルで、どのようなテイストのサイトを制作してきたか
  • 制作工程のどの部分を担当したか(サイト全体の構成/サイトの一部のみ/バナーなど)
  • どのようなスキルを身に付けているか(デザイン/デザイン&コーディングなど)

7:求人を探して応募する

求人情報を収集し、候補企業を比較検討して応募します。求人情報はさまざまな方法で入手することができます。自身の状況にあわせて、複数の方法を組み合わせて活用することで、選択肢が広がるでしょう。

【やることリスト】
□ 転職サイト・求人情報誌・ビジネスSNSなどで求人を検索する
□ ハローワークに相談する
□ スカウト機能を持つ転職サービスに登録し、オファーを待つ
□ 転職エージェントに登録し、求人紹介を受ける
□ 合同転職イベント・企業の説明会に参加する
□ 興味がある企業の採用ページを確認する
□ 友人・知人に紹介を依頼する(リファラル採用)
□ 候補に挙がった求人を比較検討し、応募する企業を絞り込む
□ 企業に応募する

効率的な応募方法

企業への応募・選考を効率的に進めるために、以下のポイントを意識してみてください。

【やることリスト】
□ 複数の企業に併行して応募する(1社ずつ応募すると転職活動が長期化する可能性があるため)
□ 選考結果を踏まえ、応募社数を調整しながら、次の企業に応募する
□ 内定が出る時期が揃うように調整を図る(転職エージェントのサポートの活用も有効)

8:面接対策をする

以下のリストを参考に、面接対策を行いましょう。

【やることリスト】
□ 応募企業の公式サイト・採用サイト・SNS・メディア記事などを読み、企業理解を深める
□ 面接で聞かれることが多い質問を知っておき、回答を準備する
□ 採用担当者がチェックしているポイントを理解しておく
□ 鏡や動画撮影などで、自分が話す様子をチェックする
□ 面接にふさわしい服装、靴・カバン(対面の場合)などを準備する
□ オンライン面接の場合、通信環境・機器・ツールを用意し、映り方をチェックする

面接で聞かれやすい質問

面接で聞かれやすい質問は、回答を事前に準備しておくことで緊張が軽減されるかもしれません。回答を準備する際は、求人や企業の採用ページなどを確認し、企業研究を深めておきましょう。

  • 自己紹介
  • 自己PR
  • 志望動機
  • 転職(退職)理由
  • 経験・スキル・実績
  • 長所・短所
  • 逆質問(何か質問はありますか?)

採用担当者がチェックしているポイント

企業によって異なりますが、採用担当者が面接で確認しているポイントは、大きく分けて以下の3つがあると考えられます。ポイントを意識して伝えるようにしましょう。

  • 能力・資質・経験(CAN):能力・資質・経験が採用したい人物像と一致するか
  • 意欲・意気込み・将来性(WILL):本気で新しい仕事に取り組もうとする気持ちが感じられるか
  • 社風に合うか(CULTURE):仲間として迎えたときに前向きに働ける人か、仕事における価値観や目指す方向性にギャップがないか

面接でうまく話すコツ

面接前に、鏡やパソコン・スマートフォンのカメラ機能、動画撮影などで、話している様子をチェックしておくという方法があります。話し方のクセや表情、テンポなどを客観的に観察できるので、改善点が分かるかもしれません。また、面接は回数を重ねると段々うまく話せるようになることもあります。求人では気づかなかった魅力を知る可能性もあるので、応募する企業を絞り過ぎず、複数の企業の面接を受けるといいでしょう。

9:退職・入社の準備をする

応募企業から内定を得たら、在職中であれば現職への退職交渉を行い、退社・入社の準備をします。

【やることリスト】
□ 内定通知に返信する(入社を決めた場合、内定承諾書を返送)
□ 現職の上司に退職意思を伝え、退職日を相談する
□ 業務の引き継ぎのスケジュールを作成し、後任者への引き継ぎを進める
□ 取引先や関係者に退職の挨拶をする
□ 現職企業から貸与されていた備品などを返却する
□ 現職企業から必要な書類を受け取る
□ 転職先企業からの指示に従い、入社の手続きをする(必要書類の提出など)

退職手続き

現職に退職する意思を伝えて、退職の手続きを行います。残りの有給休暇日数や引き継ぎにかかりそうな日数などを考慮し、上司と相談しながら最終出社日を決めましょう。パソコンや携帯電話、名刺、入館証など、企業から支給されているものがあれば、全て返却しましょう。

引き継ぎ

退職時の業務一覧と引き継ぎのスケジュールなどを作成します。後任の担当者の着任時期を上司に確認し、それまでにマニュアルや引き継ぎ書類を整理しておきましょう。顧客や外部パートナーなどがいる場合は、後任とともに引き継ぎの挨拶ができるように日程を調整します。

入社手続き

転職先企業に入社するための書類を準備しておきます。入社に必要な書類は転職先企業によって異なりますが、源泉徴収票、マイナンバーが確認できるもの、健康診断結果、資格の証明書などがあります。指定された書類を揃え、指定された期日までに提出します。

転職活動の準備に悩んだら転職エージェントに相談を

転職活動の準備を進める中では、「自己分析」や「キャリアの棚卸し」が自分1人ではうまくできなかったり、自身にマッチする求人選定に迷ったりと、随所で立ち止まってしまうことがあります。

そのようなときは、転職エージェントに相談してはいかがでしょうか。客観的視点を持つ転職支援のプロと対話することで、「考えを整理できる」「新たな気付きが得られる」「想定していなかった求人を発見できる」といったこともあります。

応募書類の作成や面接対策、企業とのやりとりもサポートしてもらえますので、悩んだときは活用するといいでしょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

記事作成日:2020年12月10日
記事更新日:2022年3月31日
記事更新日:2023年2月28日
記事更新日:2024年7月16日
記事更新日:2025年02月27日 リクルートエージェント編集部

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