
転職を「成功した人」と「失敗した人」は、それぞれどんなきっかけで、どんな方法で転職活動を進めたのでしょうか。
ここでは、転職にまつわる成功・失敗事例を通じて転職活動を上手に進めるコツをご紹介します。
安定し、変化のない日々。もう一度、刺激的な仕事がしたい
転職事例:北田さん(33歳) |
転職活動に踏み切った理由。それは、昔のように仕事に対してワクワクする気持ちを感じられなくなってしまったことでした。
大学卒業後、当時マイナーだったあるスポーツの専門誌を発行する出版社に入社しました。仕事内容は、広告営業担当として関連ショップや観光業界などを巻き込み、プロモーションのためのさまざまな仕掛けをすること。自分の考えた企画がヒットしてメディアに取り上げられたりすることは嬉しかったし、何より自分の手でブームを起こし、そのスポーツの認知度が広がっていくことにやりがいを感じていました。度々の大規模なプロモーションに加えて時代の後押しもあり、そのスポーツは一躍メジャーになり、会社は成長。広告収入も安定するようになりました。その反面、努力や工夫をしなくても受注できるようになり、新しいことに挑戦する機会は減っていったのです。
そんな時、紙媒体が衰退しつつある中で新しい情報発信・サービスの形を模索していかなければならないはずだと考えた私は、Webを活用した展開を経営陣に提案しました。しかし、会社は保守的で、現状の路線を変えることはないとの回答。提案は全く受け入れてもらえませんでした。
紙媒体に固執する会社に対して期待できないと感じた私は、リクルートエージェントを訪れ、「新しいことにチャレンジできる環境」「出版業界から離れたい」という希望を伝えました。同時に、勢いがある大手インターネットメディアの求人数社に自分で書類を送り、応募。しかし、書類選考に全く通過しなかったのです。
転職成功のポイント!
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何気ない雑談から見つかった、思いがけない選択肢

CA(キャリアアドバイザー)さんから聞いたところによると、やはり大手インターネットメディアは人気で、倍率も高く、未経験というだけで不利になってしまうとのこと。そんな中CAさんから提案されたのが、幼児教育をメイン事業とする教育関連会社でした。既にWebを活用したサービスに取り組んでいて、さらに強化を図ろうとしている企業です。これまで経験してきたことと全く業界は異なりますが、実は僕には3歳になる子どもがいて、そのことを雑談の中でお話したことを覚えていてくれたんですね。
「お子さんが喜ぶ顔、成長する姿を見るのを心から楽しんでいますよね。それを仕事に生かしてみてはどうでしょう?」こう提案されたんです。
それまでは世の中全体への影響力の大きさから大手のインターネットメディアにこだわっていましたが、その言葉を聞いて、たとえ規模が小さくても、興味のある分野で刺激的な仕事に取り組み、世の中に影響を与えていけるのであればそれも自分のやりたいことと言えるのではないかと納得できたのです。
ただし、CAさんによると、その会社に過去内定した人もやはりWebの経験者だったとのこと。そこでCAさんと、企業に評価される自分の強みは何か、徹底的に棚卸しを行いました。
その結果、Web経験はないものの、これまで旅行代理店や観光協会など異業種の組織とコラボレーションしたり、メディアミックスの仕掛けをしてマイナーだったスポーツの認知度を上げることに貢献してきたという成果、また、その実績を生かしてどのような打ち手が転職後可能か、面接の場で具体的に提案することにしたのです。結果、これまでの実績と経験の汎用性を評価していただき、無事内定を得ることができました。
転職成功のポイント!
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残業が減り、プライベートとビジネス共に充実
転職した今、Webの勉強に励みつつ、さまざまな企業と提携交渉を行っています。前職でお付き合いしていた旅行業界でも、教材と連携したツアーを組むなど新たな形でパートナーシップを結ぶことができそうです。自分のアイデアで教育業界、子どもたちやその親に影響を与えられる可能性があると思うとワクワクしますね。久々に味わう感覚です。
残業が減ったため年収は下がりましたが、後悔はありません。自分の働きで業績を挙げ、収入を上げていけばいいのですから、むしろやりがいがあります。それよりも、自分の子と触れ合う時間が増えたことは大きなメリットです。扱っている商材が幼児教育なので、子どもと過ごす中で発見することを、ビジネスの企画にも生かせるのではないかと思っています。
担当キャリアアドバイザーより当初は大手メディアにこだわられていましたが、実は北田さんのモチベーションが上がるのはメディアの規模ではなく、いかに自分の裁量権を持ちながら新しい取り組みにチャレンジするかということ。 そこで、お子さまとの時間をとても大切にされているというところから、今後Web領域を伸ばしていこうとしている幼児向け教育関連会社をご提案しました。 |