
転職を「成功した人」と「失敗した人」は、それぞれどんなきっかけで、どんな方法で転職活動を進めたのでしょうか。
ここでは、転職にまつわる成功・失敗事例を通じて転職活動を上手に進めるコツをご紹介します。
自由な風土を求めて複数企業に応募。しかし、面接で不採用が続き…
転職事例:宮本さん(27歳) |
大学卒業後、金融機関に入ったのですが、3年経った頃に見切りをつけました。縦割りの組織風土が、自分には合わなかったんです。何を決めるにも面倒な根回しや稟議があって、若手が自分の考えを言えるような雰囲気もなくて。
そこで、リクルートエージェントに相談し、「アイデアをすぐに実行に移せるような企業に行きたい」と訴えました。さまざまな業種の企業を紹介していただき、30社ほどに応募。書類選考はほとんど通過しました。ところが、面接で立て続けに不採用になってしまったんです。CA(キャリアアドバイザー)さんを通じて企業の評価を聞いたところ、「志望動機につかみどころがない」という声が多かったようです。
CAさんの分析はこうでした。「宮本さんはその場の空気に合わせてうまく立ち回るのは得意だろうと思う。それが裏目に出たのではないか。その場その場で相手の調子に合わせて話すうちに、自分の『軸』というものがないように思われてしまったのでは」。
確かに、僕はその場のノリで発言することがよくあるんですよね…。いろいろな業種を受けていたこともあり、自分でも整理がついていなかったようです。
転職成功のポイント!
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社風が気に入って入社したものの、仕事内容に強いストレスを感じる

そんな中でもIT企業・A社から内定をいただいたんです。即、入社を決意しました。迷いはなかったですね。A社の面接を受けたとき、社内の雰囲気を感じ取り、僕が理想とする社風であることを確認できていましたから。
ただ、CAさんは不安そうでした。A社の求人を紹介されてすぐ、あまり深く考えずにすぐ応募したし、書類選考から面接までの期間もあっという間だったので「A社のことを十分理解できていますか?」と。他社でも選考が進んでいたこともあり、「もう少し比較検討して決めてもいいのでは」と言われました。
でも、直感を信じてA社に決めてしまいました。
そして、いざ入社してみると…。社風は確かに自分に合っていて心地よかったです。自由に意見が言えるし、意思決定も早いし。ところが、肝心の仕事内容が、自分の性格に合っていなかったんです。
プログラミング業務からのスタートだったんですが、黙々とPCに向かい、長時間集中し続けるのが苦痛で苦痛で…。嫌々やっているから上達するわけもなくて。半年以上経っても、会社が求めるレベルに到達することができず、再び転職活動をする羽目になってしまいました。
転職成功のポイント!
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社風と仕事内容、2つの「軸」で納得できる会社を選びたい
再度リクルートエージェントに相談し、2回目の転職活動を開始しました。今回も社風にこだわる気持ちは変わりませんが、仕事内容についても自分がこだわりたいポイントを見つめ直しました。
CAさんとも話し合った結果、自分は「人と対話しながら相手を理解し、相手に喜ばれる提案をする」という仕事にやりがいを感じることを発見。それを「仕事軸」として求人を探すことにしました。
さまざまな業界の営業職を紹介いただきましたが、今、興味を持っているのは、個人向けサービスで成長している企業です。社風の話を聞き、自分に合っていると感じて応募しましたが、面接では、どんな顧客と接し、どんな点に気をつけながらコミュニケーションを取る必要があるのかなど、仕事内容もくわしく確認するようにしています。次こそは、社風にも仕事内容にも納得できる転職を実現させたいですね。
担当キャリアアドバイザーより宮本さんは「社風」だけに気をとられて失敗した経験をふまえ、「仕事内容」という2つ目の軸を持って2回目の転職活動に臨み、現在順調に進んでいます。転職先を探す際には、「転職の目的」「大切にしたいこと」といった「軸」を複数用意しておき、それに優先順位をつけておくことをお勧めします。さまざまな求人情報を見ていると、つい目移りして、当初の目的を見失いがちです。最初の段階で「軸」を明確にしておくことで、迷わず適切な判断を下しやすくなります。 |