
転職を「成功した人」と「失敗した人」は、それぞれどんなきっかけで、どんな方法で転職活動を進めたのでしょうか。
ここでは、転職にまつわる成功・失敗事例を通じて転職活動を上手に進めるコツをご紹介します。
給料が安いことで不満が募り…
転職事例:中野さん(33歳) |
大学時代から樹脂材料の研究をしてきた私は、中堅の化学樹脂メーカーに就職、材料開発の研究に従事していました。しかし、長年勤めてもなかなか給料が上がらないことに不満が募り、ついに転職を決意したのです。
研究職としてのキャリアを活かしつつ給料を上げるには、コンサルタント業務に就くのがいいというイメージがあり、その方向に的を絞って転職活動を開始。人と折衝するのが苦でないため、未経験職でもやっていける自信はあったのです。そして、ある転職紹介会社で紹介された、ベンチャーの化学技術コンサルティング会社に転職することになりました。決め手は、待遇の良さと私にも務まりそうな業務内容、研究に携われる環境でした。
予想通り、業務はそう難しくはなく、待遇も大幅に改善され、大満足な転職と言えました。ただ、思っていたよりも研究の場から遠い業務だったのが大きな誤算でした。新しい知識が一切得られないので、これまで蓄えた知識だけで顧客と折衝しなければならないのです。自分の成長が止まる焦りを感じて、私はいつしか研究職が恋しくなっていきました。
転職成功のポイント!
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一回の失敗の大きさを知る
結局、そのコンサルティング会社は1年足らずで辞めることにしました。年収への未練は少し残りましたが、研究の現場への思いは断ちがたく、再度の転職活動に踏み切ることにしたのです。
今度はリクルートエージェントに相談することにしました。昔の同僚から、研究職の求人にも強いと聞き及んでいたからです。
最初の面談でキャリアアドバイザー(CA)さんからは、しばらく研究職から離れたことと、前職の就業期間が短いことを懸念され、なかなか書類が通らない可能性がある旨を伝えられました。
たった一回の失敗で、自分がそんな不利な立場になってしまうなんて夢にも思わなかったので、今さらながら前回の転職を後悔しました。
CAさんに、「不利を払拭するほどの強みがアピールでき、それが先方のニーズにマッチしさえすれば、必ず転職はできるはず」と励まされたこともあり、長期戦を覚悟して、前向きに活動に臨むことにしたのです。
転職成功のポイント!
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やっとの書類通過に安堵する
数ヵ月活動を続け、書類選考で落とされた数は20社にのぼりました。
ある程度覚悟していたとはいえ、ここまでの苦戦は予想もしておらず、心が折れそうになりました。CAさんからの励ましがなければ、絶対に活動を続けることはできなかったと思います。
やっと書類通過の朗報が届いたのは、5ヵ月目のことでした。その会社は以前勤めていた化学樹脂メーカーのライバル会社。多少複雑な思いは渦巻いたものの、そんな些細なこだわりは、湧き出る喜びの大きさには敵いませんでした。知らせを聞いたときには、思わず声をつまらせてしまいましたね。
面接のほうも概ね上手くいきました。その会社は、材料開発の研究者にコンサルティングの職能も求めているようで、自分が最適な人材として受けとめられたという印象を持ったからです。
結果はまだ出ていませんが、もし内定をいただけることがあれば、今度は事前に勤務内容の詳細を確認してから入社することも忘れてはいません。
担当キャリアアドバイザーより中野さんの失敗ポイントは、年収アップだけを目的とした会社選びをしたことと、職務内容を確認しないまま入社したこと。実は、こうしたパターンでの失敗は、意外と多いのです。 私たちリクルートエージェントでは、常にお客さまに一度立ち止まって考えることをお勧めしていますし、そのお手伝いもしています。転職活動を始める前に、自分のやりたいことを確認していただくのはもちろんのこと、内定が出た場合には、入社することを決定する前に、しっかりと待遇や職務内容についてご確認いただくようにしているのです。ともに、成功する転職活動を目指しましょう。 |