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勤務地に悩んでいる間に、転職のチャンスを逃した

転職を「成功した人」と「失敗した人」は、それぞれどんなきっかけで、どんな方法で転職活動を進めたのでしょうか。
ここでは、転職にまつわる成功・失敗事例を通じて転職活動を上手に進めるコツをご紹介します。

半導体業界から、異業界に転職したい

転職事例:平井さん(29歳)
技術アウトソーシング会社 半導体エンジニア → 未定
年収 : 380万円 → (未定)万円
・半導体業界以外で、優位性がある分野に移りたい
・長く働ける企業に入りたい

技術アウトソーシング会社で、半導体の回路設計を担当しています。半導体業界は、もともと景気の変動が激しい業界。ここ数年は特に厳しい環境に置かれ、強い不安を感じたことから、異業界に移りたいという思いが強くなり、リクルートエージェントに相談しました。CA(キャリアアドバイザー)さんから提案いただいたのは、自動車業界。これにはすぐに納得できました。日本の自動車産業は世界で強い競争力を持っているわけですからね。自動車業界でこれまでの経験を生かせるなら、願ったり叶ったりです。けれど、難点がありました。ちょうどそのとき、大手メーカー系列のA社が募集していたんですが、勤務地が東海エリアだったんです。

関東エリアにも、半導体以外の業界で半導体経験を生かせる求人はあるものの、かなり難易度が高く、僕の経験レベルでは書類選考通過は難しいだろうとのこと。しかし、A社が今出している求人であれば、僕のスキルでも採用される可能性が十分あるとのことでした。

しかし、結局、A社には応募しませんでした。実家が埼玉で、今は神奈川県で1人暮らしをしているんですが、東海エリアに引っ越すのは何となく不安で…。関東圏を離れられないような事情は特にないのですが、やはり住み慣れた場所で暮らし続けたい。しばらく待てば、関東エリアでも求人が出てくるのではないかと期待し、チャンスを待つことにしました。

 

転職成功のポイント!
勤務地条件を緩和すれば、チャンスが広がる

電気・機械系エンジニアの皆さんが転職を考えるなら、対象勤務地を広げることでチャンスが広がります。首都圏にこだわらず、地方勤務を視野に入れることで、社格アップ、キャリアアップ、年収アップの可能性があります。特に半導体エンジニアは、東海・関西エリアが狙い目。簡単には地域移動できない事情もあるかと思いますが、長期的視点で、今、何を優先して選択すべきかを考えてみてください。

「あのときチャレンジしていれば…」。一足遅れで後悔

ところが、4ヵ月待ってみても、関東圏で希望に合う求人は見つからない。そうこうするうちに、社内の業績がさらに悪化し、リストラの噂が囁かれるようになったんです。他社でもリストラが進んでいるようですし、このままだと転職市場でのライバルが増え、転職がさらに厳しくなるのでは…と、危機感を覚えました。

そこで、CAさんのアドバイスを改めて思い返したんです。 「A社には、業界トップクラスの技術力を身につけるチャンスがあります。そこでキャリアを確立すれば、いずれ関東にUターンする必要が生じたとしても、選択肢は複数あると思いますよ」。

長期的に考えれば、確かに魅力的なキャリアプランです。東海エリアには今まで縁がなかったけれど、「住めば都」と気持ちを切り替え、具体的に話を聞こうと、久しぶりに担当CAさんに連絡をとりました。

すると、「A社は予定採用数が充足し、1週間ほど前に募集を打ち切りました」と…。他に求人がないかたずねましたが、僕の経験レベルで応募できる企業に、A社ほどの有力企業はありませんでした。A社のような求人は、今度いつ出てくるかわからないとのこと。僕は、行動するべきタイミングを逃してしまったんです。

 

転職成功のポイント!
求人は「生もの」。判断の遅れが後悔を招くことも

このところ求人が動くスピードが加速しています。以前のように通年で大量採用を行うケースは見られず、募集開始~選考~募集締め切りのスパンが短くなっています。転職は一生に関わることですから、慎重になるのも無理はありませんが、判断が一歩遅れることで貴重なチャンスを逃すことも。ときには、「まずは応募」して、書類選考結果を待ちながら企業研究をするなど、スピーディな決断と行動が重要です。

 

「すばやい行動・決断」を肝に銘じ、次のチャンスを待つ

今思うと、大した事情もないのになぜ勤務地があれほど引っかかってしまったのか、と悔やまれます。CAさんは、僕と同じような経歴のエンジニアが多数、東海エリアへのIターン転職を果たしているとおっしゃっていました。その具体的な事例を聞くこともできたのに、それすら拒んでしまった。ちゃんと話を聞いてみれば、東海エリアでの仕事や生活をイメージすることができ、もっと早く決断できていたかもしれません。

今は不安を抱えたまま仕事を続けながら、次のチャンスを待っている状態。今度、いい求人に出会えたら、すぐに行動を起こし、すばやく判断できるようにしたいと思います。

 

担当キャリアアドバイザーより

A社の内定者のプロフィールからすると、平井さんにも十分採用の可能性がありました。入社に至れば、年収50万~100万円アップも実現できていたでしょう。もちろん、最新技術も身についたはず。担当アドバイザーとして、A社にチャレンジする意義を伝えきれなかったことが残念でなりません。
生活にも大きな変化をもたらす転職は、当然、迷いも大きいことでしょう。私たちキャリアアドバイザーは過去の転職事例から、皆さんがどう考え、どう決断したかをお伝えすることができます。場合によっては、転職後の仕事ぶり、生活ぶりをお伝えできることもあります。重要な決断をするための材料として、キャリアアドバイザーが持つ情報を活用してください。