
転職を「成功した人」と「失敗した人」は、それぞれどんなきっかけで、どんな方法で転職活動を進めたのでしょうか。
ここでは、転職にまつわる成功・失敗事例を通じて転職活動を上手に進めるコツをご紹介します。
「安定」を求めて大手に応募したものの、すべて不採用
転職事例:山下さん(27歳) |
以前は100人規模のSIerでネットワークの保守・監視を担当していました。けれど、2次・3次請け案件が中心ということもあり、業績は不安定。不況で受注案件も減り、将来への不安から転職を考え始めました。リクルートエージェントに登録し、最初に出した希望は「安定した環境で働きたい。そのためには大手か大手グループの会社に移りたい」。
また、最近結婚したため、「年収を100万円上げたい」と伝えました。CA(キャリアアドバイザー)さんからは「現在のスキルでは、その希望を叶えるのはかなり厳しい」と言われましたが、譲歩する気にはなれず、大手系列を中心に数十社に応募しました。しかし、やはりスキル不足だったようで、ほとんどが書類選考で不採用に。それでも何社かは面接に進めたのですが、1次面接で不採用となりました。
面接後、CAさんを通じて聞いた企業からの評価は、「志望動機があいまい」「当社で何をしたいのかがわからない」というものでした。確かに志望動機を聞かれたとき、「安定したい」という本音をごまかそうとして、まとまりのないことを喋ってしまったような気がします。
転職成功のポイント!
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公共団体への転職に成功。しかし、半年後に再度転職活動をすることに

応募した会社は全て不採用となったため、CAさんからは、「今後は大手にこだわらず、対象企業を広げてはどうか」と勧められました。「今回不採用になったのはスキル不足のため。まずはスキルアップを目指せる企業を視野に入れては」と。
けれど、ベンチャーは、成長中の企業といえど一歩先はどうなるかわからないという不安があり…。やはり「安定」という条件を譲ることができず、応募を決意できずにいました。そんなとき、他の求人サイトで偶然、公共団体のシステム担当者の募集を見つけたんです。社会インフラに関連する分野の機関だったので、安定性が期待できそう。もちろん、すぐに飛びつきました。運よくスムーズに採用に至り、年収も50万円アップ。とても満足でした。
ところが、転職して半年後、再びリクルートエージェントに助けを求めることに…。理由を一言でいえば、僕の手には負えない職場だったんです。入った当初はネットワークシステムの整備に自分の得意分野を生かせたんですが、それが一段落すると、経験したことがない専門分野外のシステムも任されるようになりました。全組織でシステム担当者は僕1人。相談できる上司や先輩は誰もいない。日々の運用に加え、新しいシステムの企画、そのために必要な技術の勉強と、1人で全て抱え込むことになり、連日深夜まで残業。土日も休めない状態に陥ってしまったんです。これまでにしっかりと技術を身につけていれば、こんなことにはならなかったはず。ここでようやく、自分の「スキル不足」を身にしみて実感することになりました。
転職成功のポイント!
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長期的視点で、「今、身につけるべきスキル」を意識
今は再び転職活動を進めています。以前のように、「安定」「年収アップ」にはこだわっていません。長い目で見て、何年後かにそれらを手に入れるために、これからどんなキャリアを積んでいけばいいかを考えることが先決であると気付きました。 応募先企業も、そういう観点で選んでいます。CAさんとの相談の結果、「これまでの経験を生かして運用からスタートし、いずれは設計・構築も手がけられる企業」を目指したいと考えています。
担当キャリアアドバイザーより山下さんは、長期的キャリアプランを立て直し、再度転職活動を始められましたが、転職したばかりでまだ慣れない仕事をしながらの活動となってしまい、苦戦しておられます。また、今の職場を短期間で辞めることになるので、応募先にマイナス印象を与える可能性が大きく、不利となります。 もちろん、安定感や収入アップを目指すのは正当な転職理由であり、こだわる気持ちはよくわかります。しかし、不況下では、求人案件が見つからないまま、転職活動が長引く可能性が高くなってしまいます。今すぐに希望を叶えられなくても、将来的に「安定」「高収入」を得られるスキルを今のうちに身につけておく、という道も視野に入れることも重要です。年齢を重ねるにつれて、未経験から新しい経験を積める求人の選択肢は少なくなっていきます。長期的な視点で、今どう動くべきかを考えましょう。 焦って決断する前に、まずは私たちキャリアアドバイザーにご相談ください。客観的、長期的視点でのキャリアプランニングのお手伝いをいたします。 |