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【履歴書の自己PR例文集】企業の印象に残る書き方のコツ

履歴書 自己PR

転職の応募書類で、自分の「強み」をアピールする自己PR。履歴書の限られたスペースで自己PRを書く時は、どのようなポイントを押さえれば、応募企業に響くものになるのでしょうか。履歴書の自己PRの「アピールポイント(強み)別」「事例別」例文やNG例、自己PRを書く際のポイント、注意点について、組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタントの粟野友樹氏にうかがいました。

【アピールポイント別】自己PRの例文集

アピールポイント(強み)別の自己PR例文のリンクをご紹介します。自己PRを作成する際は参考にしてください。

●真面目
●協調性
●責任感
●計画性
●行動力
●継続力

【事例別】自己PRの例文

「同業同職種」「未経験」「管理職」「第二新卒」という転職ケース別の自己PR例と、よくあるNG例についてご紹介します。ご自分の状況に近いものを参考にしましょう。

同業同職種への転職

【事務職→事務職の例】
「私の強みは業務の改善力です。現職の管理部門は人員が少なく業務が属人化しており、業務効率化・情報共有化が課題でした。そこで私が中心となって各部門にヒアリングを行い、ITツールによって改善できる業務を抽出し、RPA×AIの導入によって残業時間を○%削減しました。さらにワークフローシステムの導入で社内決算時間を○時間短縮し、生産性の向上を実現しました。貴社では、事務業務の生産性を高める人材を求めているとうかがっております。入社後はこれまでの経験を活かし、貴社の業務効率化に貢献していきたいです」

同業同職種でも、応募者の多い求人であれば「経験者だから有利」とは限りません。応募企業で求められている要件を意識したうえで、現職(前職)の経験とマッチし、短期間で戦力として貢献できることを具体的に伝えましょう。

【同・NG例】
「私の強みは業務改善力であり、RPA×AIやワークフローシステムなど、様々な情報システムやツールの導入経験があることです。この経験を活かして貴社の管理部門の業務効率化にも貢献できると考えております」
「私は仕事の正確性に自信があります。タスクは常に前倒しで進めるように管理を徹底し、ダブルチェックの時間を設けているため、大きなミスもなくゆとりを持って仕事に取り組むことができています」

前者はシステムやツール導入の背景や具体的な数字がないため、せっかくのアピールが弱くなってしまいました。後者は、応募企業が求める「事務業務の効率化」を汲み取らず「事務作業の正確性」という、ずれたアピールになってしまった例です。

未経験での転職

【コンサル業界 ITコンサル → 小売り ネット事業開発の例】
「私の強みは、小売業向けのデジタル戦略立案と実行支援にあります。現職では○年間、売上○兆円規模の大手から中堅企業まで、ITを活用した経営戦略支援に携わってきました。特に、既存事業と自社内競合を起こす中で、どのように社内の合意形成をしながらデジタル事業を伸ばすか、融合するかの調整や、戦略性が求められる取り組みを得意としています。貴社においても、社内横断的なプロジェクトメンバーを募り、社外専門家も巻き込みながら推進することで、これまでの知見を活かせると考えております」

未経験業界や未経験職種への転職であっても、これまでの経験・スキルを活かして即戦力になれると伝えることが重要です。過去の業務内容と応募企業との接点や、現職と希望職種の共通項を洗い出し、入社後どのように活かせるかをアピールしましょう。

管理職の転職

「私の強みは、営業組織をゼロベースから立ち上げるノウハウがあることです。現職は既存の営業組織がありましたが、さらなる売上拡大を目指し、○年度より組織体制も営業方法もゼロベースで見直す再構築に取り組みました。短期的には売上が落ち、離職者が出るなど混乱もありましたが、結果的に売上を○年間で○%向上を実現し、組織の規模も10名から100名規模まで拡大させることができました。事業や組織をこれからつくっていくという貴社であれば、経験とノウハウを活かした強い営業組織づくりで貢献できると考えております」

管理職の中途採用の場合、企業が求めるマネジメントは「事業立ち上げ」「生産性の向上」「人材の育成」などピンポイントであることが多いものです。応募企業でのミッションと自分の経験との接点を探し、どのように貢献できるのかを具体的に示しましょう。

【NG例】
「私には○名規模のマネジメント経験があり、特に傾聴力を活かした部下育成に強みがあります。管理職として、常に部下のモチベーションを高めることを考えてきました。その傾聴力や育成力を活かして貴社に貢献したいと考えています」

管理職には傾聴力や育成力も大切なスキルですが、応募企業が成長段階にあり「組織を立ち上げるマネジメント」を求めている場合、ニーズと合致しない自己PRになってしまうでしょう。

第二新卒の転職

「私の強みは周囲の人を巻き込む力です。営業としては副担当ですが、○億円規模の案件に携わった時、『成功させるには周囲の信頼と協力の獲得が不可欠』と考えました。部内では報連相を徹底し、部署横断で協力体制を構築し、お客様にもプロジェクトを共につくる仲間として接することで、売上を達成することができました。社内外約○名の様々な利害関係者が関わる営業プロジェクトで、実行計画立案・推進の基本と難しさを学んだ経験でした。貴社においても会社・事業を成長させる上でこの経験を活かし、周囲を巻き込む力をさらに伸ばしていきたいです」

第二新卒に企業が求めるのは、主に仕事へのスタンス、課題分析力や立案実行力などの業界や職種を問わず活かせる「ポータブルスキル」です。これまでの経験を通じて自分がまだ成長過程にあることを意識しながら、さらなる成長意欲を示していきましょう。

【NG例】
「私の強みは、高いプロジェクト推進力です。……○億円規模の案件を推進する経験を通じて得られた、卓越したプロジェクト推進力を貴社でも活かしていきたいと考えております」

プロジェクトに関わったのは事実でも、自分が主体となって進めていないために「推進力」という漠然とした強みに終わってしまっています。実績を盛り込むのは良いですが、そこでの役割を明確にしないと、成長意欲や伸び代が伝わらない自己PRになりがちです。

履歴書の自己PRの書き方3ステップ

自己PRを作成する際は、その企業で発揮できる「強み」を伝え「入社後にどんな活躍・貢献ができるのか」までをイメージしてもらうことを意識しましょう。自己PRに盛り込みたい要素は、以下の3つになります。

1.結論=自分の強み
2.根拠となる理由(背景、エピソード、成果や実績)
3. 志望する企業・職種でどう活かせるか

次に、自己PRをまとめる際に参考にしていただきたい3ステップをご紹介します。

ステップ1 これまでの経験を洗い出す

まず、これまでの仕事内容を振り返り、経験や実績、身につけたスキルをできるだけ洗い出してみましょう。それらについて「なぜここで成果が出たのだろう」「どのような評価をされたのだろう」「どこにやりがいを感じたのだろう」という観点で俯瞰して、自分なりの仕事へのこだわりや、周囲からの評価、やりがいを感じることを探していきましょう。

ステップ2 応募先のニーズを読む

採用担当者が「この人は活躍してくれそうだ」とイメージできる自己PRを書くためには、応募企業のニーズを把握することが大切です。求人票などに書かれた「仕事内容」「必要な経験・能力」を熟読したり、転職エージェントから情報を得たりして、どのような人物が求められているのかを確認しましょう。「リーダーシップ」「顧客志向」「チームワーク」などのキーワードが浮かび上がってきたら、自分の経験や実績の中から、応募企業に対して何が最もアピールになるかを読み解いていきましょう。
なお、アピールしたい強みがたくさん見つかったとしても、あれもこれもと入れるのではなく、ひとつに絞ることをお勧めします。

ステップ3 具体的なエピソードで説得力を持たせる

アピールする強みが決まったら、具体的なエピソードを交えて文章をまとめましょう。冒頭で伝える強みについては「コミュニケーション力」「柔軟性」「責任感」など抽象度の高い言葉だけでなく「具体的にどのように活かされたか」を加えると、独自性をアピールできます。

【具体化例】
真面目→「日々コツコツ取り組み成果に繋げられる」「誠実さで信頼関係を築ける」
協調性→「関係者全員が納得する形で改善する」「異なる意見も大切にしながら目的を達成する」
コミュニケーション力→「顧客の気持ちに寄り添う提案」「潜在ニーズを引き出すヒアリング力」

強みの裏付けとなるエピソードでは、どのような意志や考えを持ち、どう行動したのか、その結果としてどのような成果を上げることができたのかを、具体的に書くことがポイントです。成果や実績を現す達成率や金額、関わった人数、期間などの数字も合わせて伝えると、より相手がイメージしやすくなるでしょう。

履歴書に自己PRを書く目的と注意点

企業が自己PRで見るポイント

企業は自己PRで応募者がアピールする強みに対して「それを活かして入社後に活躍できる人材か」を判断しています。また「求める人物像や社風にマッチし、長く働き続けてくれる人材か」を判断するケースも多いでしょう。自己PRを作成する際は、応募する業界・企業について調べ、企業が求める経験・スキルと自分の理解が大きくズレないようにすることが大切になります。

自己PRが自分の強みをアピールし「入社後にどのように貢献し活躍できるのか」を具体的に伝えるものであるのに対して、志望動機は主に「なぜこの会社のこの仕事を希望するのか」を伝えるものです。企業は、志望動機を通じて「自社への志望度の高さ」と、自社や業務内容についての「理解度の深さ」を判断しようとします。
志望動機は「過去の経験から、今の自分が考えていることや望むこと」、自己PRは「その自分が今できることや、将来に向けてやっていきたいこと」を中心に伝えるもので、それらは互いにリンクしているとイメージすると分かりやすいでしょう。

適切な文字のボリューム

一般的な履歴書に自己PRを書く時は、相手の読みやすさを考慮すると200〜300文字がお勧めです。ボリュームの目安としては、全体の8〜9割ほどの文字量で自分の強みやその背景となるエピソードを書き、残りの1〜2割程度で企業に対して貢献できる点や入社後の活躍イメージを書くと良いでしょう。
また、職務経歴書に詳細な自己PRを書くのであれば、履歴書の自己PR欄にはそれをまとめた要約を書く方法もあります。その場合は「1.強み」「2.根拠となる理由」「3.入社後の希望」のように箇条書きの形式でも良いでしょう。

志望動機との一貫性に注意

企業は、応募書類の記述や、面接での質問に対する回答の間に一貫性があるかどうかをチェックしています。「自社や募集職種を理解した上で志望しているのか」「認識のズレのためにミスマッチで早期離職しないか」を判断するのが目的です。仮に、志望動機を「貴社の自由で個人主義的な社風に惹かれた」としながら、自己PRで「協調性」をアピールしたとすれば、「真剣に考えて企業を選択しているのだろうか?」と疑念を抱かれてしまうでしょう。

応募企業に伝えるストーリーに一貫性を持たせるためには、自己PRを志望動機と絡めた内容にするのがポイントです。志望動機では、その企業を志望した理由や背景、思いに加えて「入社後にどんな活躍・貢献がしたいか」を伝えます。自己PRは、そのように活躍・貢献できるだけの能力や経験があることをしっかりとアピールする内容にしましょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

リクルートエージェントではレジュメ作成ツールの提供に加え、キャリアアドバイザーからも転職希望者の強みが伝わるような職務経歴書の書き方をアドバイスいたします。
※ただし、ご経験やご希望によってはサービスを提供できない場合がございますのでご了承ください。