転職エージェント トップ > 転職成功ガイド > 自己PR > コミュニケーション能力を自己PRする例文・言い換え・伝え方まとめ

コミュニケーション能力を自己PRする例文・言い換え・伝え方まとめ

自己pr コミュニケーション

応募書類や面接での自己PRで「コミュニケーション能力」をアピールしようと考える人は多いのではないでしょうか。効果的にアピールするためにはどのようなポイントを意識し、どのような伝え方をすればよいのか。組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント粟野友樹氏が解説します。

企業に評価されるコミュニケーション能力とは?

コミュニケーション能力は、他者と良好な関係を築くために必要な社会的能力の一つとされています。コミュニケーション能力があれば、意思疎通や情報共有がスムーズになり、信頼関係の構築にもつながるため、さまざまな業界・職種で求められる力と言えるでしょう。

企業がコミュニケーション能力を求める理由

企業が人材採用においてコミュニケーション能力を求める理由の一つに、「生産性の向上」「効率化」があります。特にチームワークを重視する企業では、上司や同僚との人間関係を築き、報告・連絡・相談を円滑に行うことでチームワークを向上させたいと考えます。

コミュニケーションが活発化すれば、組織が活性化し、社員がモチベーション高く働ける風土醸成にもつながるでしょう。

また、営業・コンサルタント・販売・サービスなど顧客に向き合う職種においては、コミュニケーション能力を発揮することによって顧客のニーズをつかんだり、適切な提案ができたりします。業績に直結するため、コミュニケーション能力は欠かせません。

コミュニケーション能力を構成する要素

ひと言で「コミュニケーション能力」といっても、タイプはさまざまです。大きく分類すると「聴く力」「伝える力」「連携する力」の3つが挙げられます。

自身が強みとするコミュニケーション能力がどのタイプに該当するかを認識しておくと、アピールする際に適切に言語化することができるでしょう。

聴く力

相手の話を聴き、意図を汲み取る力です。「コミュニケーション能力が高い」というと「話題が豊富」「おしゃべりが上手」といったイメージを持たれがちですが、相手に寄り添いながら話を聴く「傾聴」が重要です。

相手に興味を持ち、相手を否定せず、考えや気持ちに共感しながら話を聴くことで、心を開いて本音を話してもらいやすくなり、信頼関係の構築につながります。

なお、相手が発する言葉だけでなく、表情・声のトーン・身振り手振りといった「非言語(ノンバーバル)」情報から相手の感情や真意を読み取れることも、コミュニケーション能力の一つです。

伝える力

相手に自分の考えや気持ちを伝える力です。ただ話せば伝わるというものではなく、相手が理解できるように伝える必要があります。

例えば「結論を先に述べてから理由を話す」「目的を先に述べてから具体的内容を話す」といったように話の流れを組み立てる、専門用語や難しい言葉ではなく相手が理解できる言葉を使うなど、伝えるための工夫が大切です。

また、状況や目的に応じて「電話」「メール」「チャット」「直接会って話す」など、コミュニケーションの手段を適切に選べることも、コミュニケーション能力と言っていいでしょう。

連携する力

相手を説得したり、交渉によって協力を得たりする力です。近年、バックグラウンドが異なる人々が連携してプロジェクトを進める場面が増えています。

また、「アサーティブ・コミュニケーション」とも呼ばれる、「相手を尊重しながら自己主張・自己表現し、意見を交換する」コミュニケーション能力が注目されています。

コミュニケーション能力を言い換えよう

応募書類や面接で「私の強みはコミュニケーション能力です」とだけ伝えても、採用担当者は納得できないでしょう。「コミュニケーション能力」とは抽象的で曖昧な言葉であり、具体的にどのようなスキルがあるのかを判断しづらいためです。

コミュニケーション能力の定義や解釈は、人それぞれです。ほかの応募者との違いが伝わりにくい上、「漠然としている」「自分の能力の棚卸しができていないのでは?」などと、ネガティブな印象を持たれる可能性もあります。

そこで「コミュニケーション能力があります」ではなく、他の表現に言い換えてアピールすることをおすすめします。そして「○○力があります」だけにとどまらず、その力を発揮している場面や成果を挙げた経験などのエピソードも伝えるといいでしょう。

以下、言い換えの例と、エピソードに応じた伝え方の一例をご紹介します。

「聴く力」の言い換え例

  • 相手の話を深く理解する力
  • 相手の考えを察する力
  • 話の要点を押さえて聴く力
  • 相手の立場を考えて気持ち良く話をさせる力
  • 相手に共感して寄り添う力
  • 相手の本音を引き出す力
  • 相手のニーズを引き出す力
【エピソード例】
・相手の考えの裏側まで理解する力とニーズを引き出す質問力によって、顧客の要望を汲み取る営業・提案ができた
・相手の気持ちを察して寄り添う共感力を活かし、クレーム処理におけるトラブルをゼロにできた
・相手の立場になって気持ち良く話してもらう力を発揮したことで、先輩・後輩が自由に意見を出せる環境を作り、会議の活性化にも貢献した

「伝える力」の言い換え例

  • 論理的に考えを伝える力
  • 相手を説得する力
  • プレゼンテーションする力
  • 相手の感情に訴えかける力
  • 相手の理解力に合わせて説明する力
  • 会話の中で親近感や安心感を与える力
【エピソード例】
・論理的に意見を伝える力を活かし、協力会社に対する説得を担い、プロジェクトを成功に導いた
・相手の感情に訴えかけるプレゼンテーションで、競合他社とのコンペに勝ち、新規案件を受注した
・相手の理解力や状況に合わせた言葉で説明することを常に心がけ、幅広い顧客に信頼されるようになった

「連携する力」の言い換え例

  • 相手に協力を仰ぐ力
  • 相手と交渉する力
  • 複数の意見を調整する力
  • 多様な人の橋渡しをする力
  • 利害関係を踏まえて合意形成する力
  • 立場や価値観が異なる人と協働する力
【エピソード例】
・相手に協力を仰ぐ力と交渉能力を発揮し、低予算でプロジェクトを実現した
・多様な人の橋渡しをする力を活かし、部署間連携のプロジェクトでチームのメンバーをまとめた
・複数の意見を調整し、合意形成する力によって、数社の企業と一緒に大規模なITシステムを構築した

自己PRでコミュニケーション能力を効果的にアピールする例文

自己PRでコミュニケーション能力をアピールするにあたり、効果的に伝える例文とポイントをご紹介します。

実績や取り組みを具体的に伝える

私の強みは、立場が異なる人々の間に立って調整し、関係者全員が納得する形で改善を進めることです。
経理部門で経費精算を担当してきましたが、各部署からの申請の遅れが頻発し、時間のロスや残業が発生していました。そこで各部署に遅れの原因や経理部門でサポートしてほしいことなどをヒアリングし、改善策を検討。部署ごとに問題点や要望が異なっていましたが、いずれの部署も納得できる落としどころを探り、新たなシステムの導入を実現しました。結果、各部署に「効率が上がった」と喜ばれ、経理部門においても月○時間の残業削減を達成しました。

●アピールポイント
コミュニケーション能力は数値化しにくいものなので、具体的なエピソードで実績を伝えます。数字で表現できる成果があれば、より説得力が増します。また、成果として語れることがない場合は、「どのような取り組みをしたのか」「どのようなことに貢献できたのか」を具体的に伝えましょう。

自身の職種にマッチすることをアピールする

複数の関係者との合意形成の力を強みとし、協力会社3社と連携する1億円規模のプロジェクトを実現しました。システム開発と運用のどちらも手がけた経験があるため、双方の意図を踏まえ、実現可能な範囲を理解したうえで取捨選択ができる点も強みとしています。
3社と連携したプロジェクトでは、顧客の要望と、社内外の各領域のエンジニアの考えをすり合わせるために情報共有ツールを導入。月次定例会では、進捗や方針の確認と着地点を共有し、段階的に合意形成を行うことを意識した結果、当初の予算・納期・仕様で達成できました。
貴社案件のプロジェクトマネジャーも多方面との協業が必要とお見受けしますので、私のプロジェクトマネジメント経験が活かせると考えております。

●アピールポイント
応募企業や応募職種で求められるコミュニケーション力を想定し、マッチする力をアピールするといいでしょう。「あの社員の仕事ぶりに近い」「ここの部署に合うのでは?」「こんな顧客の担当を任せてみたい」など、入社後に活躍する姿をイメージしてもらいやすくなります。

応募先企業の仕事でどう活かせるかまで伝える

「顧客との距離を縮めるヒアリング能力」を強みとしています。これまで飲食店を対象とする○○ツールの営業として、新規顧客開拓を担当。客として店舗を利用した上で、ユーザー目線で感想や意見を伝えながら店舗運営の課題をヒアリングすることで、潜在ニーズを引き出してきました。結果、信頼関係を築くことができ、担当エリアの売上対前年比120%達成に貢献することができました。
○○店舗を対象とするサービスを展開している貴社においても、私の店舗向け営業経験を活かし、マーケット拡大に貢献できると考えています。

●アピールポイント
応募先企業で自分のコミュニケーション能力をどのように活かして貢献できるのか、採用担当者がイメージできるように伝えましょう。

転職を考えたら、まずは転職エージェントに相談してみよう

転職活動を開始するとき、「自分の強みが分からない」「何をアピールすればいいか分からない」と悩むこともあると思います。

そのようなときは転職エージェントに相談し、「キャリアの棚卸し」からサポートしてもらう方法もあります。転職市場に精通したプロの客観的な視点でこれまでの経験を見てもらうことにより、自身では気付かなかった強みを発見できることもあります。

もしかすると、自身がアピールしようと考えていた「コミュニケーション能力」以外にも、転職市場で高く評価される経験・スキルを持っているかもしれませんので、アドバイスを受けてみてはいかがでしょうか。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏


約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

記事作成日:2020年06月26日
記事更新日:2022年11月29日
記事更新日:2023年06月22日
記事更新日:2024年03月21日 リクルートエージェント編集部

リクルートエージェントでは、転職でお悩みの方に適切なアドバイスをお送りしています。また、企業の面接対策や職務経歴書の作成サポートや、スムーズな退職のためのサポートを行っています。お悩みの方はぜひ一度相談に来てみてください。