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自己PRで「リーダーシップ」はどうアピールすればいい?【例文つき】

「自己PR」は、自身の「強み」や「応募企業にどう貢献できるのか」をアピールするもの。履歴書や職務経歴書に記すほか、面接で聞かれることもあり、企業が採用選考において重視するポイントの一つです。

ここでは「リーダーシップ」をアピールしようと考えている方のために、「自己PR」を書く際のポイントや例文を交えてご紹介します。

企業が求める「リーダーシップ」とは?

リーダーシップとは、プロジェクト成功に向けてチームをとりまとめていく力のことです。以下、具体的にご説明します。

チームを統率する力

「統率」とは、目標に向かって多くの人をまとめて率いることを指します。
リーダーがチームの目標達成に向けて、最適な判断やメンバーのスキルに適した指導などを行うと、メンバーも目標達成に向けて責任感を持って仕事をするようになるでしょう。結果、企業と従業員に良い影響をもたらすのです。
そのため「チームを統率する力」は、リーダーシップを発揮する上で欠かせない能力と言えます。

臨機応変に対応できる力

予期せぬトラブルが起きても冷静に対応できる、人の意見を柔軟に受け入れられるなど、臨機応変に対応できる能力もリーダーシップとして求められます。どんな仕事でも想定外のトラブルは付きものですが、そういった状況で判断を誤ってしまうと、新たな問題を引き起こすなどさらに事態を悪化させるケースもあるからです。
あらゆる状況でも冷静に原因を見極めた上で、臨機応変に対応できる人は会社にとって貴重な存在と言えるでしょう。

人のモチベーションを上げる力

自分とメンバーのモチベーションを上げる方法は異なるもの。チームで目標達成するにはチームメンバーのモチベーションを保つ必要がありますが、リーダーシップを発揮できる人は、他人のモチベーションを引き出すのが上手で、自分の価値観を押し付けることもしないものです。
リーダーシップがある人は、一人ひとりに短期目標と長期目標を提案したり、目標や成果を「見える化」したりするなどの工夫によって、モチベーション維持やアップにつなげています。

企業の目標を達成させるためには、メンバーのモチベーション維持が欠かせません。リーダーシップをアピールしたいのであれば、人のモチベーションを上げるために、どんな工夫をしてきたかを具体的に語れると評価されやすくなるでしょう。

客観的に捉える力

「状況を客観的に捉えられる力」もリーダーシップとして求められる能力です。
特に迅速な判断が求められる場面やトラブルが発生した際に、物事を客観的に捉えられるような人がいれば、正しい解決策を導き出し、会社に良い影響を与えられます。
また、物事を客観的に捉えられる人は、自分の仕事も客観視できるのでミスが少なく、他人にも適切なアドバイスもできるでしょう。

職務経歴書の自己PR欄で「リーダーシップ」を伝える例文

自己PR欄で「リーダーシップ」を伝える例文を紹介します。

営業職でリーダーシップを自己PRする例文

「既存顧客のリピート率を高める必要があると考え、そのための新サービスの開発を提案したところ、開発プロジェクトのリーダーを任されることになりました。各部署からメンバーを集めてチームを組成するところから始めたのですが、同じテーマに対して捉え方や気にかけているポイントが部署ごとに異なるため意見がうまくすり合わず難航し、徐々にメンバーのモチベーションも下がってきたことに気づきました。

そこで、一人ひとりのメンバーが大切にしたいこだわりを聞いた上で、皆に共通する部分を洗い出し、目指す方向性をとりまとめました。チームの目線を合わせることでコミュニケーションが円滑におこなわれるようになり、その結果、進行スピードも上がりメンバーのモチベーションアップにつなげることができました。こうして約半年で新サービスを立ち上げ、リピート率50%アップという成果を挙げました」

事務職でリーダーシップを自己PRする例文

「営業事務内では、他部署と比較して「残業時間が長い」という傾向があったので、労働環境改善のために、チーム全体の目標として「残業時間を20%削減」を掲げました。残業が長くなっている原因を調べたところ、他部署と比較して「書類の郵送作業が手間」「印鑑をもらう時間がかかる」など、非効率的な業務が原因でした。

そこで、まずは上司に現状を報告し、メールで対応できるものは郵送ではなくメール、電子署名で済むものは印鑑でなく電子署名といった業務効率化を提案。それらの取り組みにより、目標を上回る「残業時間30%削減」を達成することができました。」

販売職でリーダーシップを自己PRする例文

「店舗には毎月の売上目標がありましたが、スタッフのモチベーション維持ができず、達成できるスタッフが少ない状況でした。モチベーションが上がらない原因を分析したところ、スタッフ同士のフィードバック不足であると考えました。そこで売上目標をチーム制にし、チーム内でお互いの良いポイントを共有したり、改善点を話し合う時間を作ったりしました。

その結果、2ヶ月後には店舗の売上目標を達成することができました。それ以降は売上額を毎月更新しています。この経験を活かして、貴社での売上達成に貢献したいです。」

自己PRで「リーダーシップ」をアピールする際の基本ステップ

自己PRで「リーダーシップ」をアピールするための基本ステップを順番にご説明します。

ステップ1:志望企業で求められている「リーダーシップ」のタイプを探る

どんな組織においても「リーダーシップ」は大切ですが、どんなチームを、どんなスタイルで統率することを求めているかは、企業によって異なります。例えば、経験の浅い若手が多いチームで、メンバーの気持ちを盛り上げながら目標に向かって走らせるリーダーシップを求める企業もあれば、さまざまな専門職のエキスパートが集結したチームで、互いをうまく連携させながらプロジェクトを進めるリーダーシップを求める企業もあります。

また最近では、時代の変化に対応するために事業や組織の変革に取り組む企業も増えており、固定観念を打ち破って新しいことへのチャレンジを推進していけるようなリーダーに期待を寄せるケースも多く見られます。
応募先企業について、会社組織や社内の雰囲気、仕事内容などを調べ、自分のリーダーシップがどのように活かせるかを考えてみましょう。

応募先企業が重視しているものを知るためには、企業ページや求人詳細のほか、社員インタビュー記事なども調べて読んでみるといいでしょう。また、中途採用としての応募だとしても、新卒採用ページにも目を通すことをおすすめします。学生向けに作られたページということもあり、仕事内容がわかりやすく、具体的に説明されています。

特に「リーダー」「マネジャー」がチーム作りについて語っている記事に注目を。このような記事を公表しているということは、これから入社する人にも同様の動きを期待している可能性が高いと言えます。どんな社員が活躍しているかを知ることで、その会社が求めている要素をつかんでください。

ちなみに、昨今は「リーダーが決めた方針、やり方にメンバーを従わせる」というよりも、「メンバー一人ひとりの価値観を尊重し、個の強みを引き出しながら同じ目標に向かわせる」というスタイルでチームマネジメントを行ってほしいと考える企業が増えてきているようです。

以下はリクルートワークス研究所による『Works人材マネジメント調査2017』(東証一部上場の日本企業約2,200社対象)において、管理職(課長相当職)に求める要素として挙げられた項目です。ここでも「部下の動機づけスキル」が重視されている傾向が見られます。
しかしながら、企業によって何を最重視するかは異なりますので、ここに挙げられた指標を意識しながら、企業研究や自己分析をしてみてはいかがでしょうか。

ステップ2:自身の経験で「リーダーシップ」を発揮したエピソードをピックアップ

過去の体験を振り返り、応募先企業が求めているようなリーダーシップを発揮した場面を思い出してください。当時の状況や、自分がとった行動を具体的なエピソードとしてまとめましょう。シチュエーションがリアルに想像できるように表現することで、企業の採用担当者は「この会社でもこんなふうに活躍してくれるといいな」と、イメージを描けます。
なお、社会人歴がまだ浅く、会社でリーダーを務めた経験がない人は、学生時代のサークル、アルバイトなどでリーダーシップを発揮した経験を伝えてください。

ステップ3:リーダーシップを発揮した結果、得られた効果・評価をまとめる

リーダーシップを発揮して仕事を進めた結果、どんな成果を挙げたかもまとめます。応募書類には成果まで記入することによって、好印象につながりやすくなります。

ステップ4:面接で自己PRを聞かれた際にも備えておく

応募先企業が、書類の自己PR欄を読んで興味を持ったなら、面接でくわしく聞かれる可能性があるでしょう。リーダーとしてどんなことを心がけてきたか、次のような観点で伝えられるように対策しておきましょう。

  • メンバーとどのようにコミュニケーションをとってきたか
  • メンバーの強みを引き出し、伸ばすためにどんな働きかけをしてきたか
  • 悩みを抱えるメンバー、意欲が低下したメンバーにはどのように対応してきたか
  • チーム運営のプロセスにおいて、どんな課題を発見し、どう解決したか

また、こうした自身の経験が、相手企業でどのように活かせるかまで語れるようにしておきたいものです。

「リーダーシップ」をアピールする際の注意点

「リーダーシップ」という表現は漠然としているため、面接担当者によって捉え方が変化します。

リーダーシップに含まれる能力の中でも、どのような能力を求めるのかは企業によって異なります。応募先の企業に適したアピールをするには「リーダーシップ」という言葉を使用せず、その応募先に合わせた表現で伝えるようにしましょう。

役職や立場ではなく行動でのエピソードを話す

企業が知りたいのは、これまでの役職や立場よりも企業で貢献するためにどんな行動をしてきたかという点です。リーダーシップは役職に関係なく発揮できるため、過去の肩書きばかりフォーカスして伝えてしまうと、「年数が長いからリーダーになっただけでは?」とマイナスの評価につながりかねません。

自己PRでは目標達成に向けてどんな計画を立てたのか、メンバーのモチベーションを上げるために何をしたのか、常にどんなことを意識して仕事をしているのかなど、行動ベースでエピソードを述べるのが大切です。
特に応募先の企業が必要とする能力でのエピソードがあれば、面接担当者も一緒に働く姿をイメージしやすくなります。面接に進んだ際には、任される業務について具体的に話が聞けたり、その場で意見を聞かれたり、軽いディスカッションができるかもしれません。

「自分勝手」と思われないように注意

リーダーシップを「自分一人でチームのみんなを引っ張ってきた」という方向性でアピールしてしまうと、企業によっては「強引で自分勝手な人」「他人に迷惑かけるかも」という印象を持たれるかもしれません。状況に応じては、メンバーを牽引するリーダーシップを発揮できる人も必要ですし、評価される企業もありますが、あくまで目的が「チームのため」「企業のため」からブレないようにしましょう。

自己PRのエピソードでは、自分がどれだけ人を引っ張ってきたかよりも、チームや企業に貢献するためにしたことをアピールすると効果的です。

リーダーシップのアピールが裏目に出ないように

ステップ1:志望企業で求められている「リーダーシップ」のタイプを探る」でも触れたとおり、昨今は、リーダーが独断で決めた方針に皆を従わせるような「トップダウン」型のリーダーシップではなく、一人ひとりの個性や強みを引き出して伸ばすようなリーダーシップを求める傾向が強くなっています。後者タイプのリーダーを求める企業に対し、「皆をグイグイ引っ張っていきました」というエピソードを披露しても、逆効果となるかもしれません。

企業ホームページなどで「ダイバーシティ&インクルージョン(組織に多様性を持たせ、個々の違いを受け入れて活かすこと)」「ボトムアップ」といったワードが見られる場合は、メンバーの考えに耳を傾けて受け入れるマネジメントスタイルを取っている可能性が高いと考えられます。応募先企業に適したリーダーシップをアピールできるよう、慎重に検討しましょう。

記事作成日:2019年04月16日 記事更新日:2023年1月25日

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