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第二新卒の面接で聞かれる自己PR・転職理由・志望動機などの質問対策【回答例付き】

第二新卒 面接

第二新卒が面接に臨む場合、どのような準備をすれば良いのでしょうか。第二新卒の面接で聞かれることが多い「自己紹介」「自己PR」「転職理由」「志望動機」などの質問への答え方について、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。回答例文もご紹介しますので参考にしてみてください。

第二新卒の面接の基本的な流れ

第二新卒の面接の基本的な流れは、一般的な中途採用の面接の流れと同じです。
もちろん企業によって面接の進め方は異なりますが、多くの場合は挨拶・自己紹介から始まり、募集背景・仕事内容の説明を受けた後、質疑応答に移ります。質疑応答では「職務経歴の詳細」「転職理由」「自己PR」「志望動機」などが聞かれやすい傾向があります。また、最後に応募者から企業に質問する時間も設けられます。面接の段階にもよりますが、希望年収や入社可能日の確認をすることもあります。

<一般的な面接当日の流れ>

  • 挨拶
  • 自己紹介
  • 採用担当者から、募集背景・仕事内容の説明
  • 採用担当者からの質問(職務経歴書の詳細、転職理由、自己PR、志望動機など)
  • 採用担当者からの条件確認(希望年収や入社日など)
  • 応募者からの質問

採用担当者が第二新卒の面接でチェックしていること

第二新卒の面接において採用担当者がチェックしているポイントは、企業によって異なります。しかし、多くの企業が共通して重視しているポイントとして、下記が挙げられます。

熱意やポテンシャルがあるか

ビジネスの経験が浅くても、熱意やポテンシャルが高い人であれば「成長力」があり、中長期的に組織の成長に貢献してくれるのではないかと期待を寄せられる傾向があります。

前職(現職) の経験やスキルを上手く活かせそうか

ビジネス経験が数年程度でも、その間には何かしらの専門知識やスキルが身についているでしょう。それが自社でも活かせるかどうかに注目しています。

基礎的なビジネスマナー・ビジネススキルが備わっているか

書類選考では応募書類の書き方やマナー、面接時には質疑に対する受け答え、言葉遣い、立ち居振る舞いなどがチェックされる傾向があります。

新卒入社した会社と同様に早期退職しないか

「自社に入社しても、新卒入社した会社と同様に早期退職するのではないか」といった懸念を抱く採用担当者もいるでしょう。その場合、早期離職の可能性を探るための質問を投げかけられる可能性があります。特に「転職理由」「志望動機」などから見極めようとする傾向があります。

第二新卒の面接でよく聞かれる質問と回答例

第二新卒の面接において、よく聞かれる質問と回答例をご紹介します。ご自身が回答を準備する際の参考にしてください。

自己紹介をお願いします

面接の冒頭で自己紹介を求められることがあります。面接担当者は応募者の経歴を大まかに把握し、面接で詳しく聞くポイントを判断していると考えられます。「簡潔にまとめて伝える力」「コミュニケーション力」「表情や話し方を含めた第一印象」などが見られていることもあります。

回答例

「○○○○と申します。本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございます。私は○○大学を○年に卒業後、○○社において○○サービスの法人営業を○年間経験してまいりました。新規顧客開拓を中心に担当し、社内の複数部署と連携した組織営業を強みとしています。御社が注力されている○○サービスの拡販に私の経験を活かせると考えたこと、チャレンジする社風に魅力を感じたことから応募いたしました。本日はどうぞよろしくお願いいたします。」

ポイント

自己紹介で話す内容は、以下のような流れで組み立てましょう。

  1. 氏名、挨拶(面接に招かれたことへの感謝も伝えるとよいでしょう)
  2. 簡単な経歴(卒業大学・学校名や入社年度なども入れるとよいでしょう)
  3. 現職について(社名・所属・職種など)※離職している場合は直近の前職
  4. アピールしたいことの要点(強み・スキル・今後の目標など)
  5. 締めの言葉(志望動機や入社意欲を伝えるとよいでしょう)

長所と短所を教えてください

面接担当者が長所と短所を聞く意図は、「自分自身をしっかりと客観視できているか」を確認しようとしているケースが多いでしょう。自分の長所・短所を把握しており「長所を活かしながら磨く」「短所をカバーできるよう努力する」という意識を持っている人はプラス評価につながります。

回答例

「長所は、計画性を持って物事を進められることです。目標から逆算し、いつまでに何をするか、何を達成するかを考えて計画を立て、実践しています。営業活動においては、3カ月目標から月単位、週単位、1日単位に落とし込んで行動計画を立てることで、目標達成を続けています。
短所は、心配性であるがゆえ、行動が遅れる場面があるところです。起こり得るリスクとその対策を想定してから行動に移す傾向がありますが、これまでにはスピードを優先すべき場面もあったと反省しています。そこで状況に応じ、熟考とスピーディな行動のバランスを取ることを心がけています。」

ポイント

長所は、主に性格・気質を中心に伝えます。仕事に取り組む姿勢がイメージできるように、具体例を交えて話すといいでしょう。短所については、明らかに業務に支障が出そうな特性を挙げることは避け、「見方を変えれば長所にもなり得る」短所を伝えましょう(例文の場合、心配性→リスク対策ができる)。
また、短所を克服しようと努力していることも併せて伝えると良いでしょう。

自己PRをお願いします

「自己PRをしてください」のほか、「あなたの強み、得意とすることを教えてください」などと聞かれます。この回答から採用担当者は「自社が求める人物像と一致しているか」「入社後に活躍できそうか」などを見極めようとしています。自身の強みを自由にアピールできるチャンスなので、事前にこれまでの経験を振り返って自己分析を行い、強みを言語化しておきましょう。

回答例

「私の強みは、粘り強い行動力です。法人営業として、3年間取引が途絶えていた企業の担当になったことがあります。前任者に不信感を抱かれていたため、信頼を取り戻すことを最優先し、週に一度の訪問や業界動向の情報提供をしたり、先方が主催するイベントの準備を手伝ったりと、地道な行動を重ねました。その結果、取引が再開し、以前から売上を3倍に伸ばしました。今後も粘り強い行動力を活かし、顧客の信頼獲得とマーケットシェアの拡大に貢献したいと考えております。」

ポイント

第二新卒の自己PRでは、経験・スキルだけでなく、仕事に取り組むスタンスやマインドなどをアピールすると良いかもしれません。「仕事で大切にしていること」「工夫していること」「主体的に行動を起こしたこと」など、具体的なエピソードも交えて伝えると説得力が高まります。「入社後、その強みを活かしてどんな成長・貢献ができるか」まで語れると良いでしょう。

なお、自分が自信を持っていることを一方的にアピールするだけでなく、「相手企業が求めていること」を踏まえてアピールすることも大切です。ホームページや採用ページなどから応募企業が人材に求めている要素をつかみ、自身の強みと共通するポイントをアピールすることを意識してみましょう。

転職理由を聞かせてください

一般的に転職理由とは、「現職を辞めたい(前職を辞めた)理由」だけにとどまらず、「転職によって叶えたい希望」という意味も含んでいます。面接担当者は、「入社後に同じ理由で辞めることはないだろうか」「当社で希望を叶えてイキイキと活躍できるか」という観点から判断しようとしていると考えられます。

回答例

「経理職として、請求管理や月次決算を担当しています。非効率だと感じる作業が多いのですが、改善を提案しても、これまでの慣習を変えることに抵抗感を抱かれ、耳を傾けてもらえませんでした。私としては各部署での事務処理が円滑化するように、業務改善を図っていくことで組織に貢献し、自身もスキルアップしたいと考え、転職を決意しました。」

ポイント

現職(前職)での「不満」が転職理由である場合、それだけを話して終わったのではネガティブな印象を残してしまうでしょう。「不満を解消したい」というより、「これをやりたい」「これを目指したい」という思いを伝えることで、ポジティブな印象で受け止めてもらえるでしょう。

当社を志望した理由を聞かせてください

志望理由は、「なぜ当社に応募してくださったのですか?」「当社ではどんなことをやりたいと考えていますか?」といった聞かれ方をすることもあります。「転職理由」からの流れで質問されることが多い傾向にあるため、転職理由との整合性がとれるように答えることが大切です。

採用担当者は、「志望度や入社意欲はどのくらい高いか」「入社後に活躍してもらえそうか」などを見極めようとしていると考えられます。また、自社について正しく理解しているかどうかにも注目しています。

回答例

「営業活動を行う中で、お客様から『○○さんに相談したい』と頼られる存在であることに喜びを感じています。しかし、今の会社ではサービスラインナップが少なく、お客様の課題やニーズに対して提案できることに限界を感じていました。多様なサービスを展開し、かつ業界で唯一○○サービスを提供している御社であれば、より幅広い顧客課題を解決できると考えています。△△業界の顧客を担当してきた経験・知識とネットワークを活かして、御社の顧客開拓に貢献できると自負しています。」

ポイント

志望動機に説得力を持たせるためには、応募企業の事業内容・仕事内容・風土などをしっかりと調べることが大切です。企業研究を行った上で、「他社ではなく、なぜその企業なのか」を伝えてください。加えて、これまでの経験を活かして入社後にどのような貢献ができるのかをアピールするとプラス評価につながりやすいでしょう。

将来目指しているキャリアイメージを聞かせてください

採用ポジションの業務に限らず、入社後にどのようなキャリアステップを歩んでいきたいのかを確認する質問です。自社の人事制度やキャリアパスが応募者の希望に合っているかどうか、中長期視点で成長していこうとする意欲があるかどうかなどに注目していると考えられます。

回答例

「現職ではサイト制作、キャンペーン用のランディングページやバナーの制作を担当しています。よりクオリティにこだわり、ユーザーの行動を喚起できるよう、UI/UXのスキルを磨いていきたいと考えています。顧客折衝や他部署と連携する経験も積んで、いずれは企画のコンセプトから手がけるプロデューサーの役割も担っていきたいと思います。」

ポイント

5年後・10年後など、一定期間を想定して「自分はどうなっていたいのか」「そのためにどのような経験が必要か」を想定しておきましょう。なお、キャリアプランを語る際には、転職理由や志望動機として語った内容と一貫性があるかどうかも意識してください。

何か質問はありますか?

面接の最後には、面接担当者から「何か質問はありますか?」と聞かれることがあります。これは「逆質問」と呼ばれます。現時点の疑問点を解消するほか、意欲や熱意をアピールするチャンスでもあるため、事前に準備しておくことをおすすめします。

回答例

「異業種からの転職で中途入社された方々は、どのような方法で専門知識をキャッチアップしているのでしょうか。」
「インタビュー記事を拝見し、○○の取り組みに興味を持ちました。それについて、今後の展開を詳しく伺えますでしょうか。」
「競合であるA社との違い、御社の優位性について、考えをお聞かせいただけますでしょうか。」
「部署間の連携が活発な風土であるとお聞きしましたが、具体的にはどのような形でコミュニケーションをとっているのでしょうか。」

ポイント

ホームページなどを見ればすぐに分かるような質問、待遇や条件などに関する質問は避け、事業や仕事の進め方、組織体制、風土などについて聞くと良いでしょう。

第二新卒の面接の注意点

第二新卒の方々が面接に臨むにあたり、注意しておきたいポイントをお伝えします。

新卒との違いを理解しておく

新卒の就職活動の面接と異なるポイントのひとつに、「ビジネス経験を自社でも活かせるか」が見られていることが挙げられます。1~3年程度の短期間であっても、目標に向けて戦略・計画を立てた経験、独自の工夫をした経験、困難や障害を乗り越えた経験、得られた成果などを振り返ります。それを具体的なストーリーを交えて伝えることで、採用担当者は「入社後に活躍してくれそう」というイメージが描けるでしょう。

人柄やポテンシャルをアピールするだけでなく、仕事での体験エピソードを整理し、ストーリー立てて語れるようにしておきましょう。

回答に一貫性を持たせる

一般的に、面接で聞かれることの多い質問が、「転職理由」「志望動機」です。この2つの回答に一貫性を持たせるように意識しましょう。

例えば「○○な環境を求めて転職を決意した」→「○○の環境がある御社に魅力を感じた」であれば、転職理由と志望動機が一貫しています。○○の部分に矛盾があると、転職に向き合う姿勢や自社への入社意欲に疑念を持たれる可能性があるため注意が必要です。

社会人経験を重ねるにつれてキャリアの軸が明確になり、転職理由や志望動機などの一貫性を保ちやすくなる傾向があります。一方、第二新卒の場合は、ポテンシャルを評価されてキャリアチェンジをするなど、多様なキャリアの選択肢があるために希望や目標が揺れ動くこともあるかもしれません。だからこそ、転職理由や志望動機の一貫性を保つように意識することが大切なのです。

退職理由はポジティブに変換する

退職を決意した理由が、仕事や職場環境への不満、会社・上司に対する不信感などネガティブなものであったとしても、面接で退職理由を聞かれたときにそのまま伝えることは避けましょう。

退職理由を偽る必要はありませんが、ポジティブな表現に変えることで、採用担当者側にプラスの印象を与えられるでしょう。以下の例を参考にしてください。

  • 残業が多くてつらい → 効率的で生産性が高い仕事の仕方を身につけたい
  • 職場の人間関係が悪い → チームワークを活かして働きたい
  • 会社の将来性が不安 → 新しい取り組みにチャレンジする会社で働き、成長したい

第二新卒を企業が求める背景・ニーズとは

「第二新卒」には明確な定義はありません。厚生労働省では「それぞれの企業の中で第二新卒の定義がある場合にはその定義によるものとし、特に定義がない場合は、学校(高校、専門学校、短大、高専、大学、大学院)卒業後、おおむね3年以内の者(学校卒業後すぐに就職する新卒者は除く。また、職務経験の有無は問わない)(※1)」としています。

(※)出典:「若年者雇用を取り巻く現状」(厚生労働省)

リクルートエージェントの求人を分析したところ、「第二新卒歓迎」という記載がある求人は、2009年~2013年度平均を1とすると2022年度には63.5倍と、大幅に増加しています(※2)。

リクルートエージェントにおける「第二新卒歓迎と記載がある求人」の推移
(※)出典2:「Z世代(26歳以下)の就業意識や転職動向」(株式会社リクルート(現・株式会社インディードリクルートパートナーズ ))

この増加の背景にあるのは、「新卒採用の充足難易度の上昇」です。新卒採用計画を満たせなかった企業では、第二新卒採用で補おうとするケースが多く見られます。少子化が進む中、第二新卒採用を行う企業は今後も増えていく可能性があるでしょう。

もちろん、企業によって第二新卒を求める理由は異なります。例えば、教育体制が整っていない中小・ベンチャー企業などでは、「新卒採用と比較し、基本的なビジネスマナーの教育が不要」という点にメリットを感じ、第二新卒をターゲットとして採用を行うケースも見られます。

第二新卒の面接で悩んだら、転職エージェントを活用しよう

第二新卒の方々は社会人経験が短いため、アピールできる職務経験やスキルが少ないことを不安に感じるかもしれません。転職エージェントのキャリアアドバイザーと一緒にこれまでの仕事経験を振り返ることで、取り組み姿勢やマインド、ポータブルスキル(業界・職種を問わず持ち運びできるスキル)など、自身では意識していなかった強みを発見できることもあります。

次に目指す業界・職種など、今後の方向性が決まっていない状態でも、転職エージェントを利用することは可能です。転職支援のプロの客観的なアドバイスや第二新卒の求人動向・転職成功事例などの情報を取り入れ、「これまでの経験を活かす」「新たな分野へキャリアチェンジする」など、多様な選択肢を検討してみましょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

記事作成日:2024年07月16日
記事更新日:2025年07月10日 リクルートエージェント編集部

※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。

リクルートエージェントでは、転職でお悩みの方に適切なアドバイスをお送りしています。また、企業の面接対策や職務経歴書の作成サポートや、スムーズな退職のためのサポートを行っています。お悩みの方はぜひ一度相談に来てみてください。

※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。