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転職成功の秘訣は「やることの把握」。各プロセスのポイントをプロが解説

転職 やること

転職活動を始めてから新しい会社に入社するまでには、意外に時間がかかることもあります。しっかりと完走するためにも、転職準備から入社に至るまでにやることの全体像を把握し、イメージしておくことは大切です。そこで、組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタントの粟野友樹氏に、転職活動で求職者がやるべきことと、各過程のワンポイントアドバイスをうかがいました。

転職活動全体の流れを確認しておこう

転職活動をするなら在職中がお勧め

転職活動でやるべきことや、どのくらい時間がかかるかは、求職者が在職中か離職中かという状況によっても大きく違います。ただ、よほどの事情がない限り転職活動は在職中にすることがお勧めです。

転職活動は予想よりも長引くことがあり、無収入の期間が続くと経済的な不安が増します。その結果、妥協して入社を決めてしまい、後悔してまた転職を繰り返すことにもなりかねません。また、ブランク期間があまり長くなると選考でも不利になりがちです。

さらに、必ずしも「転職活動=転職」ではありません。転職活動をしたことで改めて現職の良さに気づき、納得して留まる方も少なくないのです。「すぐ会社を辞めたい」と思っても、転職先のあてがないまま安易に退職を選ばない方が良いでしょう。

転職活動でやるべきことをリスト化して把握する

まず、転職活動のおおまかな流れをリスト化し把握しておきましょう。

下のように「キャリアの棚卸し」「情報収集」などの準備期間を経て「書類作成」「応募」「面接」「内定」「退職、引き継ぎ」「入社」というのが一般的な流れになります。とはいえ、まず気になる求人に応募して、自己分析と面接準備を同時進行する場合もあり、必ずしもこの通りに進める必要はありません。

  1. 自己分析、キャリアの棚卸し(約1週間)
  2. 情報収集         (約1週間)
  3. 書類作成、応募      (約2週間)
  4. 面接対策、面接      (約1カ月)
  5. 内定、内定承諾      (以降約1カ月〜1カ月半)
  6. 退職交渉、引き継ぎ
  7. 入社準備、入社

各過程の目安になる期間については、ひとつの例として参考にしてください。

転職活動の期間は3〜6カ月程度が目安

希望条件や応募数、退職交渉の進み方などによって幅がありますが、一般的に転職準備開始から入社までは3~6カ月が目安と考えると良いでしょう。

希望の退職時期から逆算してスケジュールを立てよう

転職活動は思い通りに進まないものです。例えば、面接で高評価を得たのにライバルの登場で選考が長引いたり、内定後の退職交渉に思わぬ時間がかかったりすることもあります。

転職活動のスケジュールを立てるときは、そうしたことも想定して余裕を持たせ、退職しやすい時期から逆算するといいでしょう。例えば進行中のプロジェクトの終了に合わせる、繁忙期を避けるなど、現職への影響がなるべく少ない時期に退職できるよう調整をお勧めします。

1)自己分析、キャリアの棚卸し

ここからは上の1)〜7)の項目に沿って、各プロセスで何をしたらいいのか、その際に注意したいポイントをご紹介していきましょう。

「自己分析」でなぜ転職したいのかを明確にする

転職活動のスタートに自己分析をお勧めする理由は大きく2つ。ひとつは、企業選びの基準となる「転職の軸」を明確にするため。もうひとつは書類や面接を通じて企業に自分のことを伝え、理解してもらうためです。

まず「自分がなぜ転職するのか」を明確にしましょう。目的があいまいなまま求人を探しても、選択肢が多くて絞りきれませんし、何となく興味を持った企業に応募したとしても、明確な志望動機を語れず選考を通過できないでしょう。
自己分析により「仕事で大切にしたいこと」「どんな仕事や環境なら楽しく働けるのか」「将来どんな自分になりたいのか」などを整理することで、企業選びの軸も明確になります。

「キャリアの棚卸し」で転職の軸を定める

入社1年目、2年目…と、どんな業務を担当したか時系列で書き出してみましょう。これまでの経験を洗い出し、「自分にできることは何か」「強みと弱みは何か」「転職で何を実現したいのか」を考えます。自分自身と向き合うことで転職先の条件が明らかになるほか、自己PRのポイントがつかめ、応募書類や面接の精度も上がります。

【ポイント】転職以外の解決方法も模索しよう

転職はあくまでも、自分のキャリア上の問題を解決する方法のひとつです。転職ありきで走り出す前に、「なぜ転職したいのか」をしっかり考えれば、現職で状況を改善する方法が見つかるかもしれません。例えば上司との小さなコミュニケーションで不満が解消されたり、配置転換で解決できたりするケースも多々あります。

2)情報収集

転職に求めるものが明確になったら、情報収集を行いましょう。事前に情報を集めれば、自分に合う企業を見つける選択眼が磨かれ、志望動機にも厚みが出てきます。

求人情報を集める

企業の求人情報を探すには、例えば下のような方法があります。求人の内容だけで判断せず、企業サイトで経営理念や事業内容を確認するなどして、特徴を把握することもお勧めです。

  • 転職サイトや求人誌などの転職メディアやWebの求人検索
  • 転職エージェントなど、相談やあっせんをする職業紹介事業者
  • 業界団体や転職支援企業が開催する転職イベント
  • 各企業のコーポレートサイト

企業・業界の情報を知る

志望する業界や職種を最初から絞り込んでしまうと、キャリアを限定してしまうかもしれません。転職活動は今まで積んだスキル・経験を活かして自分の可能性を広げるチャンスと捉え、興味がある業界の動向を積極的にチェックしてみましょう。

【ポイント】最初の情報収集は大まかに

中途採用は、選考を進める速さ、募集背景、緊急度合い、求める人材要件も企業によって千差万別で、求職者は臨機応変に応募する必要があります。そこで情報収集ばかりに気を取られていると、「気づいたら希望の募集が終わっていた」ことにも。事前の情報収集は概要を把握するだけにし、個別の求人に合わせて企業や業界の理解を深めていけば良いでしょう。

3)書類作成、応募

応募する求人が決まったら、「履歴書」や「職務経歴書」などの書類を作成して応募します。
興味関心を強く持った求人には、スピード感を持って迷わず手を上げることが大切です。

志望動機や自己PRを整理

自己分析を元に「志望動機」と「自己PR」を整理しましょう。志望動機には企業のどこに強く興味を持ち、魅力を感じているかを書き、自分のキャリアや経験にどうマッチしているかを伝えましょう。一方、自己PRは「自分の強み」を書き、入社後にどう貢献し、活躍できるのかまで伝えるものだと考えましょう。

履歴書や職務経歴書の作成、応募

多くの場合、応募の際に履歴書と職務経歴書の両方を求められます。テンプレートはネット上で公開されているものなどから、使いやすい書式を選びましょう。

履歴書は記入漏れがないようにすべての項目を埋め、全体のバランスを見ながら空白が目立たないように注意します。職務経歴書は、応募者がこれまでにどんな仕事に携わり、どんな経験や技能を持ち、それをどう活かすことができるかを採用担当者に伝えるもの。数行の職務経歴の要約(サマリー)を入れたうえで、職務経歴、志望動機、自己PRを記入しましょう。枚数はA4サイズ1~2枚が目安です。

【ポイント】最初から完璧な書類を求めない

ときどき書類を作り込むあまり、応募がなかなか始められない人がいます。企業によっても評価するポイントは違うので、7、8割ぐらいの出来で応募を始め、転職活動を進めながら改善していきましょう。また、中途採用は募集開始から1カ月ほどで決着することも多いため、その中でいくつかの選考が同時進行するよう応募するのがコツ。なるべく複数の企業を比較検討できるように進めましょう。

4)面接対策、面接

書類選考が通過したら面接に進みます。面接は、応募企業に対して自分の経験や適性をアピールする場です。自分の強みは何か、それを応募先企業でどう活かせるのかを伝えましょう。

企業が面接で質問することは

面接で聞かれることの多い定番の質問は以下の通り。マニュアル的な受け答えにならないよう、自分の言葉で準備をしましょう。

  1. 自己紹介
  2. 転職理由
  3. 志望動機
  4. 強みと弱み(長所と短所)
  5. 仕事での成功・失敗体験
  6. 逆質問

面接対策でやっておきたいこと

少なくとも上記の質問に対して、それぞれ30秒〜1分ほどの回答を準備しておきましょう。ここで注意したいのは、各質問に個別に最適解を作ると、面接全体の印象がバラバラになりがちなことです。

大切なのは、「自分はこういう人です」と訴求したいテーマを軸に全体を構成すること。例えばチームワークを発揮した成功体験をアピールするのであれば、「チームワーク」というワードを自己紹介や自己PRに入れたり、他の回答にも絡めたりして、一貫性を持たせると良いでしょう。同じテーマの中でも、各企業が求める人物像にリンクするよう、面接ごとに表現や強調する点を調整することも大事です。

【ポイント】必ず声に出して練習を

回答案を作ったら、必ず声に出して読んでみましょう。それにより論理的な矛盾や、話が長い、結論が明確でないなど、色々なことに気づきます。第三者に意見を聞くのが理想ですが、録音や録画をすれば自分でもある程度チェックが可能。なお、転職エージェントに相談して模擬面接を受ければ、キャリアドバイザーが企業の視点でチェックし、より的確なアドバイスをすることができるでしょう。

5)内定、内定承諾

内定を受けた時の回答

企業から内定が出たら労働条件を確認し、問題がなければ内定を承諾します。内定の連絡はメールなど書面で来ることが多く、回答期限は一般的に1週間ほどですが、中には2、3日で求められるケースもあるようです。

他にも選考が進行中であるなど、期限までに回答できない事情がある場合、期限を延ばしてもらえるよう交渉することはできます。ただ、企業に受け入れてもらえるかどうかはケースバイケースでしょう。

入社時期を決める

入社時期については、内定前に「いつなら入社できますか」と希望を聞かれるケースが多いようです。その後、内定通知とともに送られてくる労働条件通知書に記された労働契約の開始日が、新しい会社への入社日となります。

万一、引き継ぎなどの関係でその日に入社することが難しい場合や、退職交渉に予想以上に時間がかってしまった場合などは、再び企業側と入社日の変更について相談することは可能です。ただこの場合も、企業が承諾するとは限らないと考えておきましょう。

【ポイント】内定承諾の条件を明確にしておこう

内定承諾・辞退の回答期限は短いため、判断に迷う人は多いもの。複数企業に同時に応募している場合は、「この条件ならA社に行こう」「それ以下なら他を検討しよう」など、基準や優先順位をあらかじめ考えておくことをお勧めします。また、なるべく希望順に内定が出るよう、できる範囲で面接スケジュールを組み立てることも必要です。

6)退職交渉、引き継ぎ

転職先が決まったら次に取り組むのは「円満退社」の準備。転職活動は内定が出たら終了ではありません。新天地で心置きなく活躍するためにも、ここからの進め方が肝心です。

退職の切り出し方

内定が出たら、退職への手続きを始めます。最初は必ず直属の上司へ「退職する決心がついている」と伝え、退職までの社内での進め方を相談しましょう。業務の引き継ぎや有休消化などの期間を考えると、円満退社のためには希望日の2カ月〜1カ月半前には申し出をするのが望ましいでしょう。

退職理由は現状への不満ではなく、「今の会社で実現できないキャリアに挑戦したい」など、前向きで納得感のあるものにすることが大切です。

仕事の引き継ぎ

退職の意志を伝えたら、後任者への引き継ぎを行いましょう。業務量にもよりますが、退職日の1カ月前ぐらいからスケジュールを立て、引き継ぎを進めたいところです。取引先や顧客への引き継ぎの挨拶は、可能な限り後任者と一緒に行えば、その後の業務がスムーズに進みます。

【ポイント】転職する目的をもう一度確認しよう

転職は労働者に認められた権利ですが、いざ会社に申し出ると強く引き止められてしまい、決心が揺らぐケースは少なくありません。退職交渉を始める際には、改めて「なぜ転職するのか」という目的を再確認することをお勧めします。お世話になった会社に礼を尽くしながらも、自分の意志で物事を進めていく主体性を持って臨みましょう。

7)入社準備、入社

現職や転職先で必要な手続きを

退職から入社するまでには、さまざまな手続きや書類が必要です。退職時には、健康保険被保険者証や、身分証明書、業務で使った資料やデータを会社に返却し、離職票や雇用保険被保険者証などを受け取ります。新しい会社に入社する際にも多くの書類を提出します。
また、退職してから転職先へ入社するまでに日数が空く場合は、自分で公的な手続きをする必要があります。直前になって慌てることがないよう、事前によく確認しておきましょう。

【ポイント】キャッチアップは入社後で間に合う

中途採用が決まった方に「入社までに勉強した方がいいことは?」と聞かれることが良くあります。もちろん、新天地で早く戦力になりたいという意欲は素晴らしいのですが、ひとりで本を読むより、現場で業務をする方が遙かに習得が早いことも多いものです。入社まで時間がある場合は、今だからできる趣味などで気持ちをリフレッシュし、英気を養うのもひとつの考え方でしょう。

転職エージェントは全プロセスをサポート

転職エージェントでは、キャリアの棚卸しなどの転職準備から、書類作成、面接対策、さらには応募先企業との交渉まで、転職活動の伴走者としてさまざまなサポートをすることができます。もし転職活動のやり方で迷うことがあれば、どの段階からでも構いませんので、気軽に相談してみてはいかがでしょうか。

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組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏


約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

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