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初めての転職活動は何から始める? 失敗しないための準備と進め方

「転職を決意した」、あるいは「いい会社があれば転職しようかと考え始めている」。けれど、「転職は初めてで、どう進めればいいかよくわからない」――そんな皆さんが、就活のときと同じ感覚で活動を始めると、失敗を招くこともあります。就活と転職活動の違いや、転職活動の流れ、失敗しないためのポイントなどについて、組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタントの粟野友樹氏に解説していただきました。

初めての転職で何からすればいいかわからない人へ

転職活動を不安に思うのは当然

転職活動に不安を感じる人は少なくありません。リクルートの調査によると、転職経験者の3分の2以上が「転職活動に不安を感じたことがある」と答えています。中でも特に多かったのが、次の3つの不安でした(※)。

  • 希望の転職が実現できるか、自分に合った求人や転職先を見つけられるか不安
    (希望の勤務条件や年収などで転職できるか、入社後に希望した条件通りに働けるか、新しい人間関係や社風に馴染めるか……など)
  • 自分の経験・スキルが通用するか、面接を通過できるか、内定を得られるかが不安
  • 転職活動の進め方が不安
    (転職活動の期間はどのくらいか、何社くらい応募すれば良いのか、書類の作成方法や書き方、企業研究や自己分析はどうしたらいいか、仕事をしながら転職活動できるか……など)

まして「転職は初めて」という場合、経験のないことに対して不安を感じたり、「失敗したらどうしよう」と恐れたりするのは当然のことです。この不安を払拭するために、まず学生のときの就職活動との違いを意識しながら、転職活動の特徴を把握していきましょう。

※参考:リクナビNEXT 転職成功ノウハウ「転職したいけど失敗したらどうしよう…」不安解消のための7つのアドバイス

転職活動と就活の違いについて

就活との違いを踏まえながら、転職活動について知っておきたいことを解説します。

自分が決めた時期に一人で活動する

学生時代の就活は、会社説明会~面接~内定のプロセスがほぼ一律のスケジュールで進みます。友人たちと情報交換しながら活動した人も多いことでしょう。それに対して転職では、企業ごとに募集があり、求職者も自分の状況に応じて転職活動を開始します。自分の仕事やプライベートのタイミングも考えて時期を選べる半面、基本的に単独行動であり、活動スケジュールは自分で組み立てる必要があります。 さらに、最終的に転職する・しないの判断も自分次第になります。

仕事経験やスキルが評価対象になる

就活において、企業は学生の潜在能力や将来性に着目した「ポテンシャル採用」を行っています。具体的には、学生時代の専攻分野や成績、資格、筆記試験、意欲、ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)や自己PRなどが評価の対象となります。それに対して転職では、主に「即戦力採用」が行われます。つまり、社会人になってからの仕事経験や身につけたスキル、実績を評価される点が、就活との大きな違いです。ただし、難易度は上がりますが、未経験の業界や職種へ転職することも可能です。その場合は、業界・職種を問わず活かせる「ポータブルスキル」(=業界問わず持ち運びできるビジネススキル。コミュニケーション能力、情報収集力、課題設定能力など)が評価の対象となります。

情報収集の手段や、利用できる支援サービスが多い

就活の場合、求人情報は各種ナビサイトでほぼ網羅することができます。主要な新卒ナビサイトに登録すれば、大企業から中小企業、スタートアップベンチャーまで、幅広い企業に応募ができるでしょう。一方、転職活動には、様々な情報収集の手段や、転職を支援するサービスがあります。例えば、自分で求人を閲覧できる「転職サイト」や「ハローワーク」、キャリアアドバイザーが転職活動全般に対してサポートする「転職エージェント」、自分のキャリアを登録して企業のヘッドハンティング・スカウトを待つサービスなどです。自分のキャリアの方向性や強み、興味関心、希望する働き方、自分に合った進め方に応じて、転職活動の方法を選択することができます。なお、これらの転職支援サービスは、複数同時に登録してもOKです。

転職活動の流れ

転職活動の基本的な流れを理解しておきましょう。

転職活動のスケジュール作成

自分が転職したい時期から逆算して、転職活動のスケジュールを立てます。転職活動は、準備期から新しい企業に入社するまで、だいたい3カ月〜6カ月ほどかかるのが一般的です。

キャリアの棚卸し・自己分析

自身の経験を振り返って、「できること」「強みと弱み」「転職で何を実現したいのか」を考えます。これによって、企業選びの軸が定まり、自己PRのポイントもつかめます。

情報収集

企業選びの軸が明らかになったら、それに合った求人情報を探します。応募先の候補企業について、ホームページ、メディアの記事、SNSなど、多方面から情報収集をしましょう。企業単体の研究だけでなく、志望業界の動向や将来性などマクロな視点でも情報収集することをお勧めします。

応募書類作成・応募

転職活動では多くの場合、履歴書と職務経歴書を提出します。職務経歴の羅列だけで終わらず、「仕事での成果・実績」「成果を出すためのプロセス」「仕事に対するスタンス」を具体的に書きましょう。

面接

一般的な面接でよく聞かれるのは、「自己紹介」「転職理由」「志望動機」「自己PR(仕事での成功体験・失敗体験など)」です。応募企業に合わせ、あらかじめ準備をしておきましょう。

内定

内定が出たら、労働条件を確認し、問題がなければ承諾の回答をします。

退職・引継ぎ

在職中の場合は速やかに退職手続きを行い、業務の引き継ぎを行います。

初めての転職活動で注意したいポイント

初めての転職活動で、特に注意しておきたい点について解説します。

選考では「経験・スキル」を中心に伝える

就活では、部活やサークル、アルバイト、ゼミといった活動を自己PRの材料としていたと思います。しかし、転職活動では「職務経歴」が重要な判断基準となります。

従って転職活動では、応募企業から履歴書だけでなく「職務経歴書」の提出を求められます。職務経歴書には単に所属部署と担当職務を羅列するだけでなく、企業側が「働く姿」をイメージできるように書くことが大切です。例えば営業職であれば、担当顧客の属性・担当顧客数・売上金額・新規開拓数など。また職種に限らず、「どんな課題に対し」「どんな戦略や計画を実行し」「どんな成果を挙げ」「どんな学びを得たか」までを記すといいでしょう。

企業選びの視点として「できること」が重要になる

就活時は、主に興味・関心で志望企業を選んでいたと思います。転職活動においても「やりたいこと」を追求することは大切ですが、それ以上に「自分の経験が活かせる」企業を選ぶことが転職成功の秘訣となるでしょう。

20代半ばくらいまでの「第二新卒」であれば、経験不問でポテンシャルを最重視する企業も多いのですが、社会人歴5年以上ともなると、「即戦力として活躍できるか」という視点から評価されるようになります。 その場合、必ずしも同業界・同職種の経験を求めているわけではなく、「課題分析力」「交渉力」「調整力」といったポータブルスキルにも注目されます。「自分が強みとするスキルを活かせる企業か」という視点が重要になるでしょう。

内定の回答期限が短い

就活では、「内定をもらったけれど、他の企業も検討したいからこれから応募する」ということも可能だったでしょう。しかし転職の場合は、内定通知を受けたら、入社するかどうかの意思決定をなるべく早く行わなければなりません。交渉をすることで返事の保留・延長をすることもできますが、遅くとも1週間以内程度で応募企業に回答することが一般的です。

中途採用において、企業の選考スケジュールはまちまちです。「第二志望以下の企業から想定より早く内定を得て、第一志望の結論が出る前に回答を迫られる」ということも起こりえるので、できるだけ同時進行できるように計画を立てて進めましょう。

在職中なら「退職交渉」「引き継ぎ」のプロセスがある

働きながら転職活動を行った場合、内定を得て入社意思を固めたら、会社に退職意思を伝えます。このとき、会社の引き留めにあって退職交渉が難航するケースもあります。「後任者の確保、引き継ぎに時間がかかる」という理由で、退職時期の延長を求められることも少なくありません。こうしたリスクも想定し、活動スケジュールを組むことが大切です。

初めての転職活動でありがちな失敗例

初めて転職活動をする人が失敗しやすいケースについてご紹介しましょう。

就活のイメージで大手企業や有名企業ばかりを検討する

そもそも大手企業は中途採用の募集が多くないうえ、求人が自身の経験・スキルに合致するとは限らないため、選択肢が限定されてしまいます。タイミング良く応募できたとしても、競争率が高いため選考を通過するのが難しく、なかなか転職先が決まらないことも。

就活時で行きたかったけれど落ちた企業に再挑戦する

就活時のリベンジや憧れだけをモチベーションにしても、応募企業を納得させるだけの転職理由や志望動機にはなりません。自身の経験・スキルや強み、キャリアの方向性を考えない転職活動は、結果に結びつきにくいでしょう。

ポテンシャルや意欲だけで選考が通過できると考える

主に第二新卒層に見られます。経験が浅いなりにも、キャリアの棚卸しをしたうえで、きちんと職務経歴書の作成や面接対策を行わないと、若手でも評価されにくいことがあるでしょう。

在籍企業や役職が高く評価されると考えてしまう

在籍企業や役職は1つの評価対象ではあるものの、それだけで採用に至ることはありません。面接が進めば、これまでの経験・スキルや実績に加えて、「それを活かして御社でこういう貢献活躍ができる」というアピールが必要です。

転職エージェントを活用するのもおすすめ

転職エージェントには、転職活動をスムーズに進め、成功に導くためのさまざまな機能やサービスがあります。 初めて転職活動をする方におすすめしたい理由は以下になります。

  • 求人サイトや企業の採用ページには載っていない「非公開求人」の情報を入手できる
  • キャリアの棚卸しや、自分の強み・弱みの分析作業を手伝ってもらえる
  • 客観的な視点で、自身の転職市場での「市場価値」を判断してもらえる
  • チャレンジしたい求人に対し、過去の採用・不採用事例をふまえ、「採用の可能性」をアドバイスしてくれる
  • 応募書類をどうブラッシュアップするか、具体的なアドバイスをもらえる
  • 模擬面接を受けることで、面接の練習ができる
  • 企業サイトや求人票ではわからない情報を教えてもらえることもある(面接で聞かれる質問や重視しているポイントの傾向、面接相手のキャラクターなど)
  • 面接日程などの調整や求職者の入社時期の希望を伝えてくれる
  • 転職活動のプロセスにおいて、不安や迷いが生じたときに相談に乗ってくれる。転職活動の「サポーター」「パートナー」として伴走してもらえる

転職活動に不安のある方は、ぜひ転職エージェントの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

「転職を決意した」、あるいは「いい会社があれば転職しようかと考え始めている」。けれど、「転職は初めてで、どう進めればいいかよくわからない」――そんな皆さんが、就活のときと同じ感覚で活動を始めると、失敗を招くこともあ

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏


約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

記事作成日:2019年06月06日 記事更新日:2023年04月13日

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