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入社3年目で転職は難しい? 転職を実現させるコツと成功例・失敗例

入社3年目 転職

新卒で入社し、社会人となって3年目。転職を考え始める人も少なくありません。「異業種への転職は可能か」「大手企業に行けるチャンスはあるか」など、入社3年目での転職可能性について、人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント粟野友樹氏が、成功・失敗の事例も交えて解説します。

入社3年目の転職は本当に難しいのか?

入社3年目での転職は、それほどハードルは高くありません。「第二新卒」層を歓迎する求人は多数あり、実際多くの人が転職を実現させています。第二新卒を対象とする求人には「未経験可」とするものも多く、異業種・異職種へのキャリアチェンジのチャンスがあります。

新卒入社3年目の転職事情について、調査データをご紹介しましょう。

新卒入社3年目で離職した人は3割を超える

厚生労働省が令和4年に公表した「新規学卒就職者の離職状況」によると、大卒の新規就職者(平成31年3月卒業者)の就職後3年以内の離職率は31.5%と、3割を超えています。この数値は前年数値(31.2%)より0.3ポイント増加しています(※)。

※出典:「新規学卒就職者の離職状況(平成31年3月卒業者)」(厚生労働省)

転職エージェントにも、就職後3年以内の皆さんからの転職相談が多く寄せられています。転職を考える理由として、「人間関係」「労働時間・休日」「給与」などに対する不満のほか、「今の仕事は自分に向いていない」「もっとスキルアップしたい・成長したい」「仕事にやりがいを持ちたい」といった声がよく聞かれます。

終身雇用が崩れてきた近年、「キャリア自律」という概念が広がり、若手層は「自分のキャリアは自分で構築する」という意識を高めています。今後のキャリアを考えた結果、早い時期に転職を選択する人が増えているのです。

企業から見た入社3年目の人材ニーズ

入社3年目で転職を図る人が増えていますが、受け入れる企業側はどのように捉えているのでしょうか。

少子化が進み、労働人口が減少に向かう日本において、企業にとっては若手人材の獲得が長期的な課題となっています。新卒採用の競争は激化。多くの企業が、計画していた採用人数を満たせない状況にあります。

そこで、新卒入社から3年程度以内の「第二新卒」をターゲットとする中途採用が活発に行われています。新卒採用ができている企業であっても、3年以内の退職者は一定数出ており、補充目的で第二新卒の採用を図るケースも見られます。

なお、中小企業やベンチャー企業では、あえて第二新卒をターゲットに採用を行う企業が少なくありません。基本的なビジネスマナーやスキルを身につけており、かつ新しい環境や仕事に適応しやすい第二新卒層に期待を寄せているのです。

大手企業や異業種への転職も可能

近年の人材不足は大手企業であっても例外ではありません。多くの大手企業が第二新卒を積極的に採用しています。

また、異業種・異職種へのキャリアチェンジも可能です。リクルートエージェントの調査によると、「異業種×異職種」へ転職した人の割合は20歳~24歳で5割超(52%)、職種を変えずに「異業種」へ転職した20代も約3割となっています。

第二新卒を歓迎する企業では、経験よりも「ポテンシャル」に期待し、未経験でも自社で育てる方針で採用を行っているのです。

【年代別】転職時の業種・職種の異同状況
出典:『リクルートエージェント』の転職決定者分析(2009年度~2020年度)より

 

20代で転職を経験している人は4割近い

リクルートが行った「就業者の転職や価値観等に関する実態調査2022」によると、20代で「転職をしたことがある」と回答した人は37.4%と、4割近くに達しています。

また、20代での転職平均回数は1.8回。転職歴1回の人が6割強と最多ですが、2回の人も2割強、3回以上の人も1割強見られました。この中には、入社3年以内で転職を経験した人も一定数といると考えられます。

出典:「就業者の転職や価値観等に関する実態調査2022」第1弾 転職経験や転職意向等について(株式会社リクルート)

入社3年目の転職を成功させるポイント

入社3年目の人が転職成功を目指すのであれば、次のポイントを意識しながら転職活動に臨むとよいでしょう。

ネガティブな転職理由は、前向きな理由に転換する

今の会社に不満や不安を抱いて転職活動を始めたとしても、「不満の解消」だけを目的にしてしまうと成功にはつながりにくいものです。面接で、「現状から逃げたいだけなのではないか」と思われてしまうと、キャリアの門戸は開かれません。

転職を考えたきっかけは不満であっても、「転職によって実現したいことは何か」を考え、前向きな転職理由を打ち出すことが大切です。

以下に言い換えの一例をご紹介します。

「人間関係に不満」→「価値観が合う仲間と一緒に目標を追いたい」
「やりがいを感じない」→「より社会貢献を実感できる事業に携わりたい」
「残業が多い」→「効率的に働き、時間を有効に活用したい」
「給与が安い」→「成果が正当に評価され、報酬に反映される環境で働きたい」

今後何をやりたいのか、どんなスキルを身につけたいかを明確にする

転職理由を「前向き」に切り替えるには、転職後に「やりたいこと」は何なのかを考えましょう。転職した先で「こんな経験を積みたい」「こんなスキルを身につけたい」、さらにはもう少し長期的な視点で「こんなキャリアを築きたい」といった目標を描くのです。それを言語化し、面接で語れるようにしておきましょう。

描いた目標について「今の会社では本当に実現できないのか」を考える

入社3年目程度でビジネスパーソンとしてはまだまだ経験の浅い人が、面接で今後の目標やキャリアプランを伝えた場合、「それは今の会社では実現できないのか?」と突っ込まれることはよくあります。

自分の部署やチームのことしか見えておらず、「今の会社ではやりたいことができない」と思い込んでいるケースは多数あります。別の部署に異動すれば、今の不満を解消し、やりたいことができる可能性もあるかもしれません。今の会社に対しても、視野を広く持って見てみることをお勧めします。

これまでの経験で身につけた「ポータブルスキル」を整理し、アピールする

入社3年の経験では、専門スキルのレベルはまだまだ低いと見られることもないとは言えません。そこで、これまでの経験で身に付けた「ポータブルスキル」を整理し、選考でアピールしましょう。

ポータブルスキルとは、あらゆる業種・職種に活かせる、「持ち運び可能な汎用スキル」を指します。例えば、コミュニケーション力、課題発見力、交渉力、調整力、数値分析力など。特に異業種・異職種へのキャリアチェンジを目指す場合、ポータブルスキルを武器として活用するのが有効です。

入社3年目で転職した成功例・失敗談

新卒入社3年目で転職に踏み切った方々の事例をご紹介します。成功のポイント、失敗を防ぐために注意すべきポイントを参考にしてみてください。

成功例1:営業職から人事職へキャリチェンジ

新卒で人材サービス会社に入社し、企業の採用を支援する営業を務めていたAさん。顧客企業の人事担当者や経営陣と対話する中で、企業の成長には「採用」だけでなく、「育成」「働く環境作り」が重要だと実感。人事の専門職としてそれらを手がけてみたいと考え、入社3年目に転職活動を行いました。
「未経験OK」の人事職求人を探し、面接で「採用」の知見と、営業として培った「課題分析・解決力」をアピール。採用担当からスタートし、いずれは育成プログラムの企画や人事制度企画も担える企業に入社しました。

【成功のポイント】
異分野への転職を図る場合、これまでの経験を活かせる業務から入り、入社後に目指す業務に携わっていくステップを踏むのも有効です。また、前職で培ったポータブルスキルもアピールしましょう。

成功例2:「営業はもう嫌だ」から一転、自分にマッチする営業職を発見

ITサービスの営業を担当していたBさん。目先の目標数字に追われることや、会社から顧客に必要とは思えないオプションサービスを売るように指示されることに強いストレスを感じ、入社3年目のタイミングで転職を決意。転職エージェントのキャリアアドバイザーに「もう営業はやりたくない」と訴えました。
しかし、アドバイザーと対話し、これまでの経験でやりがいや喜びを感じた場面を振り返った結果、「顧客満足を追求する」「チームワークで顧客の課題解決に取り組む」といったスタイルの営業であれば自分の志向に合っていると発見。そうしたスタイルで働けるIT企業に転職しました。

【成功のポイント】
同業種・同職種であっても、企業によって理念・方針・風土などが異なります。1社目での経験にとらわれず、視野を広げてさまざまな企業を見てみるといいでしょう。

失敗例1:イメージだけで選んだ転職先を早期退職

新卒で入社した金融機関で営業をしていたCさん。入社3年目に先輩や同僚がコンサルティングファームに転職していくことから自分も興味を持ち、転職活動を始めました。若手を大量採用しているタイミングだったので、スムーズに内定を獲得できたのです。
しかし入社してみると、抱いていたイメージと異なっていたことに気づきます。想像していたよりも地道な下積みの仕事が大量にあり、しかもスピードが速すぎてついていけない。結果、早期に退職してしまいました。

【注意ポイント】
若手は求人の選択肢が多く、内定も獲得しやすいため、安易に転職に踏み切ってしまう傾向があります。周囲に流されたりイメージだけで選んだりするのではなく、「転職によって何を実現したいのか」という軸を定めた上で企業を選びましょう。

失敗談2:「やりたいこと」だけに目を奪われ、転職後に後悔

広告代理店でインターネット広告の営業を務めていましたが、「子どもに関わる仕事がしたい」「教育に携わりたい」という思いが強くなり、入社3年目に教育サービス企業に転職。しかし、年収が大幅ダウンし、時間が不規則になった生活は想像以上にストレスが強く、半年後に再び転職することになりました。仕事のやりがいも大事だけど、ワークライフバランスも大事だと実感しています。

【注意ポイント】
「現状の不満を解消できればいい」「やりたい仕事ができればいい」など、視野が狭まった状態で転職すると、入社後、それまで意識していなかった部分で不満を感じることもあります。転職先を選ぶ際は、多面的に検討しましょう。

悩んだら転職エージェントを活用しよう

入社3年目で転職活動に臨む皆さんにとっても、転職エージェントにはさまざまな活用メリットがあります。活用法の一例をご紹介します。

経験内容の整理と「強み」の発見を手伝ってもらう

転職活動の第一歩は、キャリアの「棚卸し」を行い、応募先企業にアピールできる「強み」を発見することです。しかし、ビジネス経験がまだ浅い状態では、自身の強みを把握するのは難しいものです。

転職エージェントのキャリアアドバイザーと一緒に「棚卸し」の作業を行うことで、経験・スキルの整理がスムーズに運び、自身が認識していなかった強みを発見できるでしょう。

これから目指すキャリアの方向性を相談する

転職するかどうか決断できていなくても、また、転職先の希望条件が明確になっていなくても、転職エージェントに相談することができます。

キャリアアドバイザーと対話しながら、「今、抱えているモヤモヤ」や「自分が本当に求めていること」を整理するうちに、自身の価値観や志向に気付き、これから目指すキャリアの方向性が見えてくる可能性があります。

職務経歴書作成や面接対策へのアドバイスを受ける

自身の強みがしっかり伝わるような職務経歴書作成のポイント、面接での受け答えやアピールの仕方など、選考通過率を高めるためのアドバイスを受けましょう。

応募先企業では選考でどのようなポイントを重視するか、面接でどんな質問をされるかなどの情報を得られることもあります。

企業とのやりとりを代行してもらう

面接日程の調整、入社時期の相談など、企業とのやりとりを転職エージェントが代行してくれるので安心です。企業に対して面と向かっては聞きにくいことも、転職エージェントを通じて確認することができます。

初めての転職活動を1人で行うのは心細いものです。転職エージェントという「パートナー」を得て、迷ったときには相談しながら活動を進めてはいかがでしょうか。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。
記事作成日:2021年03月26日
記事更新日:2023年02月17日
記事更新日:2023年07月31日 リクルートエージェント編集部

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