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内定辞退はメールだけで大丈夫?内定の断り方とメール例文

転職で応募した企業から内定が出たものの、他社でも内定が出たり、条件が合わなかったりして内定を辞退したい場合、いつまでに、どのような方法で伝えれば良いのでしょうか。また、設定された期限内に回答を出せない場合、応募企業に待ってもらうことは可能でしょうか。内定辞退をする際に気をつけたいことや、メールや電話で回答する際のポイントについて、人事コンサルティングSeguros代表コンサルタントの粟野友樹氏に伺いました。

内定辞退はいつまでに誰へどのように伝える?

企業から内定が出た後、内定を承諾するかどうかについて返信するまでには一週間ほどの猶予があるケースが多く、その期間中であれば、内定を辞退しても問題はありません。

例えば複数企業から同時期に内定をもらい、どこに入社するかを比較検討する方もいます。また、仕事を続けながら転職活動をしてきた方の場合は、当然、現職に残るという選択肢もあるからです。

内定辞退を企業に伝える場合の基本的な考え方や注意点について解説します。

内定辞退はできるだけ早く採用担当者へ伝える

転職サイトなどを通じて自分で企業に応募した場合、内定辞退を伝える相手は、窓口になっている企業の人事などの採用担当者です。直接企業に電話やメールをして、採用担当者に内定辞退の旨を伝えましょう。転職エージェントを利用している場合は、担当のキャリアアドバイザー経由で企業側に伝えてもらうようにします。

内定通知をもらい、承諾するか辞退するかの意思が決まったら、指定された回答期限に関わらず、できるだけ早く承諾するか否かを伝えることが大切です。何かを断る連絡は心理的にしづらいものですが、他の求職者の選考をストップするなどの対応をしている企業にとっても、辞退するなら早い時点で断ってもらう方がありがたいでしょう。求職者も早く区切りを付けた方が、気持ちを引きずらず、他の選考に集中できるはずです。

なお、内定に対する回答を迷っている場合も、応募企業を不安にさせないよう、内定通知を受信した旨だけでもすぐに返信しておきましょう。

メールだけでも構わないが電話もすると丁寧に

応募した企業の内定を辞退する場合、連絡方法は基本的に電話でもメールでも構いません。とはいえ、最近はリモートワークをしている企業が増えていることや、メールの方が相手の業務に割り込むことがなく、文面として記録が残るという理由から、メールでの回答が一般的になってきているようです。

ただ、メールは見落とされたり、採用担当者が休暇で見られなかったりする可能性もゼロではありません。送信日の翌日いっぱいを目処に、相手から返信がない場合は、電話をかけて「○日付でメールにてお返事いたしましたが…」と改めて口頭で伝える方が確実であり、より丁寧な印象になるでしょう。

回答期限を延長したい場合もなるべく早く連絡する

他の企業の選考が並行しており、回答期限までに合否が分からない場合などは、期限の延長を交渉することもできます。「実は他の企業の選考が進んでおり回答が〇日になりそうです。内定承諾まで少々お時間をいただくことは可能でしょうか」などと、内定企業に相談すると良いでしょう。そうした場合、選考中の他の企業へ早く結果を出してもらえるように働きかけるなど、内定を出した企業になるべく迷惑をかけない配慮も大切です。

ただし、企業側は入社予定日も考慮して求職者に内定を出しています。数日から1週間程度の延長であれば受け入れてもらえる可能性もありますが、あまりに長い場合や、内定企業の状況や評価によっては他の求職者を優先され、待ってもらえないリスクもあります。

なお、回答期限の延長を願い出る場合も、その旨をできるだけ早く伝えることが大切です。期限ぎりぎりになって延長を申し出れば「最初から分かっていたのに、なぜ今言うのか」「うちへの志望度が低いのではないか」などと、内定企業の心証を害することがあるので注意が必要です。

内定承諾後も辞退はできるが、慎重に検討しよう

求職者が一度内定を承諾した後に「家族の事情」「現職の状況が変わった」など、何らかの理由で入社を辞退することは、法的には認められています。

例えば、求職者から企業に「入社前にこの研修を受けたいので費用を負担して欲しい」と申し出て、その際に「○年以内に自己都合により退職したときは費用を全額返還する」といった契約をした場合、内定を辞退して費用を払わなければ、訴訟に発展する可能性はあるでしょう。ただ、そうしたレアケースを除けば、法的なトラブルになることはまずありません。

とはいえ、企業側は採用活動にコストをかけており、内定を承諾した以上は入社準備も進めています。企業にとっては採用活動が振り出しに戻り、選考が進んでいた他の求職者も採用が見送られて、キャリアの選択肢を奪われている可能性もあります。転職エージェントが関わっていれば、内定承諾後の辞退を起こしてしまったことで、企業との信頼関係が損なわれるでしょう。

求職者にとっても心理的な負担が大きく、今後、内定企業の関係者や転職エージェントと転職活動や仕事で関わる可能性もあり、多方面に影響を与えることになります。従って、承諾後に内定を辞退するのが自分にとって本当に良いのか、慎重に検討することをお勧めします。入社に際してどうしても不安な点があれば、内定企業に面談を願い出たり、転職エージェントに確認してもらったりすることもできるでしょう。その上で辞退する気持ちが固まったなら、企業に対してきちんと背景や理由を説明し、真摯に謝罪の気持ちを伝えるようにしましょう。

内定辞退を伝える際のポイント

企業に内定辞退を伝える場合に、何をどのように伝えると良いか解説します。

「お礼」+「辞退の意と理由」+「お詫び」+「結び」で構成

メール、電話のどちらで内定辞退の連絡をする場合でも、「お礼」+「辞退の意と理由」+「お詫び」+「結び」の4つのポイントを押さえておけばOK。内定に対するお礼を伝えた上で、辞退したい旨を続けます。そして、内定辞退を詫び、結びの言葉で締めます。メールを送る場合は、件名を「内定辞退のご連絡/氏名」などにして、メールボックスの一覧だけでも内容が分かり、見落とされないようにするのもポイントです。

辞退理由は簡潔に伝える

内定を辞退する理由は、必ず添えなければならないわけではありませんが、採用担当者の多くは今後の採用活動の参考にするためや、企業内部での報告のために、内定辞退の理由を確認したいと考えます。条件がマッチして、入社への期待が高まっている企業の場合は、辞退を回避できないか、理由を明らかにして交渉を検討するケースもあります。

採用担当者から理由を聞かれる可能性があるため、辞退の電話やメールにも、伝えられる範囲で理由を準備しておくと、やり取りがスムーズになるでしょう。

辞退理由は下記のように、簡潔な内容で十分です。

「他社の内定を承諾することにした」
「改めてキャリアの選択肢を考え直すことにした」
「希望するキャリアに合致していなかった」
「現職に留まることにした」

より詳しく聞かれた場合、「希望年収より〇万円下回っていたため」「担当する業界が希望と異なっていたため」など、相手を否定したり不快にさせたりする内容でなければ、率直に伝えてかまいません。ただ、どうしても言いたくない理由がある場合は「申し訳ありませんが、お答えできません」でもいいでしょう。

内定辞退メール例文と電話での伝え方

 転職エージェントを経由せず、企業から直接内定通知メールを受け取った場合に内定を辞退する時の例文をご紹介しますので、参考にしてください。

メール例文

件名:内定辞退のご連絡/氏名
本文:

〇〇〇株式会社 人事部
△△△様

大変お世話になっております。
内定のご連絡をいただいきました〇〇です。

この度は、内定をいただき、誠にありがとうございました。
ご提示いただいた労働条件等も含めて慎重に検討した結果、
他社とのご縁をより強く感じたため、大変恐縮ではございますが、
内定を辞退させていただきたく、ご連絡を差し上げました。

内定までに何度も面接のお時間を割いていただいたにも関わらず、
このようなご連絡となってしまい誠に申し訳ございません。
また、本来であれば貴社へお伺いし、直接お詫びをするべきところではございますが、
メールでのご連絡になりましたこと、重ねてお詫び申し上げます。

△△△様をはじめ、面接でお世話になった皆様には心より感謝しております。
末筆ながら、貴社のますますの発展をお祈りしております。

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署名
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電話での伝え方

自分「大変お世話になっております。私、〇日に内定の通知をいただいていております〇〇〇〇と申します。人事部の□□様はご在席でしょうか?」
人事「はい、私が□□です」

自分「この度は内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。
大変申し上げにくいのですが、慎重に検討させていただいた結果、御社からの内定を辞退させていただきたく、ご連絡をいたしました」

人事「そうですか。差し支えなければ、辞退の理由を教えてもらえますか」
自分「はい。今後のキャリアについてじっくりと考え、現職に留まることに決めました。御社には大変魅力を感じていたため迷いましたが、ご期待に添えず大変申し訳ございません」

人事「○○さんにはぜひ入社いただきたいと考えていたので、とても残念ですが、また機会がありましたらよろしくお願いします」
自分「ご理解いただきありがとうございます。本来であれば御社へ伺って、直接お詫びをするべきところですが、電話でのご連絡となり申し訳ございません。
この度は、□□様を始めみなさまには大変お世話になりました。それでは失礼いたします」

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。
記事作成日:2022年3月1日 記事更新日:2023年2月24日

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