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第二新卒で大手企業に転職は可能?転職成功のポイントと注意点

新卒の就職活動で内定を得られなかったり、企業に入社した後で、企業で目指したい企業が明らかになったりして、第二新卒で大手企業を目指す方は少なくありません。そこで、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏に、第二新卒で大手企業を目指す場合の転職活動のポイントなどを伺いました。

第二新卒で大手企業に転職は可能?

応募先によりますが、第二新卒で大手企業への転職できる可能はあります。第二新卒で大手企業を目指す際に知っておきたい、第二新卒の定義や企業の採用ニーズについて解説します。

第二新卒はどこまでを指す?

第二新卒とは、学校(高校、専門学校、短大、高専、大学、大学院)卒業後、おおむね3年以内を指しています。株式会社リクルートキャリア(現:株式会社リクルート)が2019年に人事担当者向けに行った調査によると、「『第二新卒』についてご自身の会社で何歳までと定義されていますか」という質問に対して、「25歳まで」23.4%に次いで、「30歳まで」と回答した企業が21.3%に上りました。企業側は、第二新卒を広い範囲で捉えているケースが多いことが分かります。

※出典:リクルートキャリア「若手の中途採用・転職意識の動向 【企業】社会人経験1年未満者の採用企業は約8割 【20代転職者】ライフフィット×成⾧機会を求める傾向」

第二新卒の採用ニーズ

また、同様の調査で、20代前半かつ社会人経験1年未満の第二新卒を採用した実績の有無を聞いたところ、78.1%の人事担当者が「採用実績がある」と回答。社会人経験が短い第二新卒でも、企業の採用実績があることがわかります。

企業が第二新卒を採用する理由

企業は、社会人経験の少ない第二新卒をなぜ採用するのでしょうか?よくある背景について解説します。

新卒採用だけでは採用予定数を満たせない

採用ニーズが高まる中で、新卒採用を行っていても採用予定数を満たしていない企業が一定数あります。それは、大手企業と比べて採用が苦戦する中小企業に限ったことではありません。大手企業も同様に、新卒採用で充足できなかった採用枠を第二新卒採用で補おうとしています。

早期入社を期待している

中途採用と比べると、新卒採用は内定から入社までの期間が長く、大学4年生の秋に内定を出したとしても、入社までは半年近くかかります。そのため、新卒採用の人数目標は達成したものの、想定よりも事業の成長スピードが速く、入社を待つ間に人材不足が明らかになるケースもあります。

また、新卒の場合は入社してすぐに即戦力となるわけではなく、ビジネスマナーや業界知識など、一定の教育が必要となります。一方、第二新卒の場合は最低限のビジネスマナーを備えているため、新卒よりも早期育成が期待できます。そのため、新卒が充足していたとしても、第二新卒を含めた中途採用を行い、追加採用を行うこともあります。

新卒採用したものの、退職者が多い

新卒採用した若手が退職してしまったために、中途採用で第二新卒を採用することもあります。

大手企業の第二新卒採用の傾向と注意点

大手企業の第二新卒の採用の傾向を知っておくことで、転職成功の可能性が高まります。大手企業の採用傾向と、転職タイミングについて解説します。

大手企業の採用傾向

大手企業の場合は、特定の期間で採用を行うケースがあり、必ずしも通年で第二新卒の採用を行っているとは限りません。狙っている企業がすでにある場合は、企業の採用ページをこまめにチェックしたり、転職サイトで企業をブックマークしたりして、タイミングを逃さずに応募するようにしましょう。

大手企業への転職タイミング

大手企業の採用が始まるタイミングは、企業によってバラバラですが、「1月1日入社」「4月1日入社」「10月1日入社」など、人事異動がある半期、四半期での入社を想定し、そこから逆算して3~4カ月前に募集を始める企業が多いようです。

特に、「4月1日入社」は、新卒社員と一緒に導入研修を行えるというメリットがあるため、4月1日を目指して前年の秋頃から採用を開始する企業が増加します。

【出身企業規模別】大手企業への転職のポイント

大手企業に転職するポイントを、大手企業から転職する場合と、中小企業から転職する場合、そして大手企業のグループ会社に転職する場合の3つのパターンで解説します。

大手企業から大手企業への転職

第二新卒を採用には、「ビジネスの基本を身に付けていて、一から教育する必要がない」という企業側のメリットがあります。

転職理由として、「やりたい仕事ができない」を挙げるケースも多いのですが、大手企業の場合は様々な部署や職種があり、事業展開も幅広いため、「異動」の可能性を探る手もあるはずです。あえて「転職」を選択した背景を、論理的に説明できるようにしておきましょう。

中小企業から大手企業への転職

中小企業から大手企業に転職する場合、「待遇がいいから」「安定しているから」「ステイタスを得られるから」といった志望動機では、採用担当者は応募者の入社後の活躍イメージがつきにくいでしょう。もちろん、それらも志望動機の1つかもしれませんが、応募企業に入社して「何をしたいのか」「どのように成長したいのか」を語れるようにしましょう。

また、役割分担が明確で組織化されている大手企業と比べると、中小企業は幅広い業務を担当し、ある程度の裁量権を任されている傾向があります。一方、大手企業の場合は、担当が細分化されており、入社直後は裁量権のある仕事を任せてもらえることが少ない可能性もあります。新しいアイデアを実現するためには、何重もの稟議や根回しが必要となる企業もあり、進捗スピードが遅いことにもどかしさを感じることもあるかもしれません。実際、そうした点に不満を抱いて、大手企業から中小企業・ベンチャー企業に転職する方も少なくありません。

どのような環境や役割で働きたいのかを再確認し、自分がフィットすると感じる企業を見極めることが重要です。

大手企業のグループ会社を目指す場合

グループ展開している企業はたくさんあります。親会社でグループ会社の採用を一括で行っている場合もあれば、グループ各社で独自に採用を行っていることもあります。希望する企業がある場合は、親会社やグループ会社を含めて採用状況を確認してみると良いでしょう。

なお、親会社・子会社の関係性は、設立の背景やグループ戦略などによって大きく異なります。親会社の子会社への影響力が強いケース、グループ各社がほぼ対等に協力関係を築いているケース、グループ各社が独自の戦略で動いているケースなど 、さまざまです。企業間の関係性によって、社風や仕事の進め方も異なります。自分はどのような働き方をしたいのかを整理した上で、それができる風土があるのかどうかを確かめましょう。

第二新卒が転職を成功させるためのポイント

第二新卒が転職を成功させるために、知っておきたいことを3つご紹介します。

転職理由を「不満の解消」にしない

「人間関係が悪い」「評価が納得いかない」など、現職の不満解消のために転職をした場合、転職先で同様のことが起こった場合に壁を乗り越えられず、転職を繰り返してしまう可能性があります。転職のきっかけ自体は不満でも構いませんが、「なぜ転職したいのか」をしっかり考えてみましょう。「これからどうしたいのか」を考えることが大切です。

これからどうしたいのかが明らかにならない場合は、「企業理念」「事業戦略」「仕事内容」「社風」「評価」「給与」など、さまざまな角度から、自分が望んでいることを整理してみましょう。

参考:「応募したい求人が見つからない!自分に合った企業や仕事の探し方のコツ」(リクナビネクスト)

「なりたい自分」を具体化する

転職活動を始める際に、「これからどのような経験を積みたいか」「どのようなキャリアを描きたいか」をイメージしておくことが大切です。抱いている希望がすぐに叶わないとしても、希望に近づくための1ステップと捉えて、次の転職で経験を積んでから次のステージに移るという選択肢もあります。中長期視点で、「自分はどうなりたいか」を描いてみてください。

自己PRを活用する

経験が浅い第二新卒の場合、職務経歴書に書けるような成果や実績が少なく、不安を感じている方もいるかもしれません。そこで、「どのようなことを心がけて仕事をしていたか」「自分なりに創意工夫したこと」「取引先や上司から褒められたこと」などを洗い出してみましょう。自分の行動を振り返ってみると、「密にコミュニケーションをとる力」「課題分析力」「複数の部署との連携・調整力」など、身についたスキルや強みが見えてきます。

職務経歴書の最後に「自己PR」の欄を設け、強みやその裏付けとなるエピソードを記載して、自身のスキルや強みを伝えましょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏


約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。

記事作成日:2019年08月22日 記事更新日:2023年08月09日

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