
「転職を考えているけど、行動するならどのタイミングがいい?」
「今の年齢で動いてもOK?」
「異分野に転職するならどの業界・職種が狙い目?」
転職をするならどんなタイミングが最適なのか──そんな疑問に、転職活動を始めるタイミングから、狙い目の業界・職種まで、詳しくお答えします。
転職するなら、どのタイミングがいい?
「年齢」から見極める
次の転職先でもこれまでの経験・スキルを活かしたい場合、「転職適齢期」は人それぞれです。「年齢が高くなるほど転職は難しい」と言われており、確かに求人の選択肢は少なくなります。しかし、経験・スキルが買われ、40代~50代でも転職して年収アップ・ポジションアップを実現する人も少なくありません。
また、30代以上では「マネジメント」「人材育成」の有無によって、その経験を活かす道での転職チャンスも広がります。 ただし、「異業界」「異職種」への転職を目指す場合は、年齢的に早いタイミングで決断することをお勧めします。実際、異業界・異職種への転職を実現している人たちのデータを見ると、20代~33歳くらいまでがボリュームゾーンとなっています。
20代半ばくらいまでは、経験がなくても「意欲」「ポテンシャル」を重視して採用を行う企業が多数。「まだまだ経験が浅いから」と自信を持てない人も見受けられますが、「前の会社のやり方がしみついていない人がほしい」「自社の教育体制が整っているので、成長意欲を重視している」といった考えから、社会人経験1~3年未満の「第二新卒」を求める企業も多くあります。
また、20代後半~30代前半は、前職で培ったポータブルスキル(=業界問わず持ち運びができるスキル。コミュニケーション力・交渉力・調整力・課題解決力など)を武器に、異業界へ転職できるチャンスがあります。
20代後半~30代前半は、「経験・スキルを活かして同業界・同職種に転職」と「異業界・異職種にチャレンジする」、両方の求人の選択肢が豊富な時期といえるでしょう。
「現状の不満から逃げたい」という理由であれば、安易に転職に踏み切ることはお勧めできません。しかし、「今の会社では自分が望むような成長ができない」と判断したのであれば、早めに行動を起こすのも一つの手といえます。
【参考記事】年代別転職の特徴と企業選びのポイント
● 20代転職の特徴と企業選びのポイント
● 30代転職のポイントと企業選びのコツは?
● 40代転職のポイントと選択肢を広げる方法
「景気動向」「社会ニーズ」から見極める
求人数は、当然ながら景気に左右されます。好景気の時期は全般的に求人数が増えますが、景気にかげりが見え始めると採用門戸を閉じる企業も出てきます。
景気の潮目が変わると、数ヵ月~1年のうちに求人の選択肢が大幅に減少することもあります。「転職を決意してはいるけれど、何となく先送りにしている」という人は、求人市場が活況であるうちに行動を起こすのが得策です。
また、景気動向は「業界」によっても異なります。時期によって、特定の業界が好況で採用活性化していることもあれば、その逆もあります。目指す業界の状況について、経済ニュースなどにアンテナを張っておきましょう。
さらには、「職種」によっても求人動向は変わってきます。例えば、景気が落ち込んだ場合、売上アップに貢献する「営業職」の求人は一定数ある一方、人事(採用)だけではなく、バックオフィス部門の求人は減る傾向にある、 といったことが起こります。
このように、景気の変動と社会ニーズを踏まえ、自分の経験・スキルの「売り時」を見極めましょう。
とはいえ、社会のニーズと自身の経験・スキルのすり合わせをするのは、独自では難しいといえます。その場合は、転職エージェントに相談し、「今の自分の転職市場価値」をつかむ方法もあります。
転職するなら、狙い目の業界・職種は?
異分野への転職を目指すなら、チャンスが多いのはどんな業界・職種なのでしょうか。
現在、「業界・職種ともに未経験でもOK」「職種経験があれば業界未経験でもOK」「業界経験があれば職種未経験でもOK」など、異分野出身者にも門戸を広げている求人の一例をご紹介します。
住宅・不動産業界の営業職・販売職
未経験者を歓迎しているのは、主に個人顧客を対象とする販売・営業職の募集。一口に住宅・不動産といっても扱う商品は幅広く、「注文住宅」「建売住宅」「分譲マンション」「売買仲介」「賃貸仲介」「リフォーム」「投資用マンション」「土地活用、資産運用」などがあります。
教育業界の教室長・マネジャー候補
学習塾・予備校・専門学校などの「運営スタッフ」「教室長候補」など。生徒や保護者の相談対応、カリキュラム企画、講師のコーディネート、イベント企画など、運営に関する幅広い業務を担う仕事です。
生命保険業界のプランナー
近年は、営業スタイルが多様化。「保険ショップで来店客に対応する」「既存の契約者のフォローを中心に行う」といったポジションの求人も見られます。
広告業界の営業職
広告業界の中でも、ネット広告、求人広告を扱う営業は未経験からの転職者も多数。企業によっては、企画・制作職も未経験者を受け入れています。
IT・Web業界のエンジニア・営業
プログラマ、システムエンジニア(SE)、インフラエンジニアなど、社内教育体制を整え、未経験者を採用している企業が多数あります。法人向けに自社システムやサービスを提案する営業職も。
人材業界の営業・コーディネーター・キャリアアドバイザー
法人向け営業をはじめ、人材紹介会社のキャリアアドバイザー、人材派遣会社のコーディネーターなど。前職の業界・職種経験を活かして、その業界・職種の採用支援・転職支援を手がける人も多く見られます。
フードサービス・小売業界の店長候補・SV候補
外食・宅配・テイクアウトなど、チェーン展開するフードサービス企業、あるいは量販店やドラッグストアといった小売店などでは、「店長候補」「スーパーバイザー候補」を求めています。
【参考記事】未経験でも転職できる?─狙い目の業界と成功のポイントとは
このほか、業種に関わらず「事業拡大中のベンチャー企業」「新規事業を立ち上げた企業」などでは、増員採用を行っています。上記に限らず、業界の動向や採用ニーズは常に変化しています。
定期的に発表されている「有効求人倍率」(業種・職種)の情報 にも注目してみるといいでしょう。
「転職活動の開始時期」を見極める
転職するなら、いつ活動を開始するか――これも、当然ながら人それぞれです。
在職中企業の繁忙期に活動すると、面接日程がうまく組めなかったり、企業研究や面接対策が十分にできなかったりする可能性が大。また、内定を得て退職を申し出る時期が在職中企業の繁忙期にあたった場合、反感を買ったり引き継ぎが進まなかったりと、スムーズに退職できないケースもあります。
また、転職によって引っ越しをする場合、子どもの進級・進学などのタイミングを考慮する必要もあるでしょう。
では、そうした個々の事情とは別に、転職活動を始めるのに適した時期はあるのでしょうか。
1年を通して、求人が出てきやすいのは次の時期です。
● 5月のゴールデンウィーク明け頃、今年度の事業計画・人員計画が定まり、採用が動き始める。「大量採用」がスタートするのもこの時期が多い
● 「ボーナスをもらって退職する人」が増える7月前後・12月前後、「年度末で退職する人」が増える2~3月は「欠員補充」の求人が出やすい
【参考記事】転職活動を始めるのに適した時期・タイミング・年齢は?
世の中で求人が増えるタイミングと、自分の仕事の状況を照らし合わせ、活動スケジュールを組み立ててください。
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