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退職理由は面接でどう伝える?上司にはどう伝える?

転職活動においては「退職理由」に向き合わなければならない場面が最低2回あります。1回は応募先企業での面接。「なぜ退職(転職)するのですか?」という質問に答えなければなりません。もう1回は「退職交渉」。上司が納得する説明ができなければ、強く引き留められるなどして円満に退職できないケースも。両方の場面での退職理由の伝え方について、リクルートのキャリアアドバイザーが解説します。

「退職理由」、面接でどう伝える?

退職理由と転職理由の違い

面接においては、「なぜ退職する(した)のですか?」あるいは「なぜ転職するのですか?」と、いずれかの質問が投げかけられます。相手の質問意図を正確につかむためにも、まずは「退職理由」と「転職理由」の違いを整理しておきましょう。

退職理由=転職を決意したきっかけ、理由
転職理由=退職理由+転職によって実現したいこと

では、求人企業はどういう目的で「退職理由」をたずねるのでしょうか。
理由は大きく2つあります。

● また、同じ理由で辞めてしまうことにならないだろうか?
● 退職理由である不満点を、自社で解消してあげることはできるのか?(うちに入社して、この人は幸せになれるのか?)

つまり、退職理由として答えた内容について、相手企業が「うちの会社でも同じことが起こり得る」と判断すると、採用を見送る可能性が高くなるといえます。例えば、応募者が退職理由を問われ、「転勤が多く、単身赴任を避けたい/腰を落ち着けて働きたい」など、と語ったとします。その会社に転勤が多ければ、「この人はうちに来るべきではない」と判断するでしょう。

また、退職理由として多く見られる「人間関係」。これをそのまま「上司や同僚とうまくいかなくて」と答えたら、相手はこう思います。

「人間関係の悩みはどの職場にもつきもの。うちに入社しても、人間関係がうまくいかなければまた辞めてしまうのだろうか」
「人間関係がうまくいかないのは、あなた自身に問題があったのではないか」

このほか、退職理由は人それぞれですが、「辞めたい」と思った理由を正直に話すと、多くは「不満」「不安」などネガティブな内容になりがちです。そこで、「退職理由」だけで話を終わらせるのではなく、「転職理由」に繋がるように伝えることをお勧めします。

「退職理由」を「転職理由」に繋げるポイント

同じような状況で退職を考えたとしても、「これまで」を伝える表現を少し変えて、さらに「これから」の話も加えれば、印象はかなり変わってきます。

次の【A】【B】の伝え方の違いを参考にしてください。

【A】「今の会社は考え方が古くさくて、上司も頭が固いんです。上司と私は相性が悪く、よく意見が衝突し、嫌がらせも受けます。こんな環境ではもうやっていけないと思い、退職を決意しました」
【B】「今の会社は、どちらかというと保守的な風土で、上司も慎重なタイプです。私は、****など最先端の手法を取り入れるべきだと考えて何度も提案したのですが、新しいチャレンジをすることが認められません。私としては、自分の成長のためにも新しいことに取り組んでいきたいので、転職を決意しました。チャレンジを推奨する風土の御社でなら、新しいアイデアを試していけると考えて志望しました」

【A】【B】を見比べて、どんな印象を受けたでしょうか。
【A】は「悪口と不満だけで終わっている」のに対し、【B】は「自分なりに努力したこと」「仕事に対する前向きな意欲」を伝えています。そして、退職理由を説明しつつ「転職理由」へ、さらには相手企業への「志望理由」につなげています。つまり「自己アピール」へ展開できているのです。

【A】は「愚痴が多く、不満があれば辞める人」という印象が残りますが、【B】は「困難があっても乗り越えようとする人。入社したらがんばってくれそうだ」という期待感を持たれる可能性があります。

まとめると、退職理由の伝え方のポイントは次のとおり。

● 「不満」だけで話を終えない。不満に対し、自分なりに改善の努力をしたことも伝える。
● 環境や人間関係への不満であっても、「仕事」と結び付けて、「~が嫌だ」ではなく「~したい」という表現で話す。

この2点を心がけてみてください。

「退職理由」、退職交渉でどう伝える?

今いる会社を退職するにあたっては、まず直属の上司に退職の意思を伝えます。このとき、強く引き留められ、退職手続きが難航することもあります。退職理由をどう伝えるかは、とても大切です。

基本的には「具体的に話さない」で、退職の意志が固いことを示し続けることが、スムーズに進める秘訣です。具体的な理由を話すと、相手は「辞めさせずに問題を解消する方法」を探り始め、「考えるからしばらく待ってくれ」などと言われてしまう可能性もあります。それでは、後任者の選定や引き継ぎも遅れ、入社日に間に合わなくなってしまうかもしれません。一方で相手の話を聞く姿勢を見せるも大切です。

<伝え方一例>
「一身上の都合により、退職させていただきたいと思います」
「新しい環境で働いてみたいという気持ちが強くなりまして、退職させていただきたいと思います」
「別の業界を経験してみたいという気持ちが強くなりまして、退職させていただきたいと思います」

――こう伝えると、当然ながら「どういうことか」と突っ込まれると思いますが、「すでに意思を固めました」と、強い決意を見せることで、深い詮索を防げることもあります。それでも突っ込んで聞かれ、具体的に話すことを避けられない場合は、次のような伝え方を意識してみてください。

相手が反論しづらい理由があれば伝える

「○○がやりたいから転職します」と伝えた場合、「うちの会社にいてもできるじゃないか」と、異動の可能性などの話を持ちかけられ、退職願の受理を引き延ばされてしまうこともあり得ます。「○○がやりたい」という強い意思を示すとともに、「確かにそれはうちの会社ではできないな」と、そのやりたいことが現職にないことが明らかである理由があれば伝えてみましょう。

<伝え方一例>
「海外事業をやりたいから転職します」
「エンドユーザー向けの自社Webサービスを開発したいから転職します」

ネガティブポイント(不満)だけを伝えるのはNG

今の会社への不満や不安だけを口にすると、「だからといって逃げるのか。逃げて解決できるのか。それで後悔しないのか」といった論調で引き留めにあうケースが多く見られます。また、「不満解消のために努力するから、とりあえずとどまってくれ」と請われることも。

それよりも、「こんなチャレンジがしたい」というポジティブな決意を示し、「それができる場所を外に見つけた」と伝えるほうが相手も納得しやすいもの。部下の成長を願っている上司であれば、新たなチャレンジを応援してくれる可能性があります。

いずれにしても、相手を納得させるためには、自分自身の中で「何のために転職するのか」「転職先で何を実現したいのか」の目標を明確にしておくことが大切です。

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