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転職のきっかけや理由は?ケースごとの具体例と転職の前にしておきたいこと

転職したいけれど、こんな理由で転職していいのだろうか…と迷っている人はいませんか?

転職経験者がどんなきっかけで転職しているのかわかれば、不安が軽減でき、前向きな一歩を踏み出せるかもしれません。この記事では、代表的な転職の理由や、転職したいという気持ちを整理する方法などをご紹介します。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

転職しようと思ったきっかけ・理由とは?

リクルートが転職を実現したビジネスパーソンに行った調査によると、「転職を考えたきっかけ」は主に次のような理由が挙げられます。

● 会社の将来に不安を感じた
● 年収アップを目指したい
● 他の会社で、これまでのキャリアをさらに伸ばしたい
● 他の会社で新しいキャリアを身に付けたい
● 職種または業界を変えたい
● 時間的・精神的なゆとりがほしい
● 社風が合わない
● 評価に納得がいかない
● 人間関係に不満(上司・同僚と合わない)
● 雇用形態を変えたい(派遣→正社員など)
● 希望しない人事異動・出向・転勤を命じられた
● 通勤圏を変更するため(Uターン・Iターンなど)
● やむにやまれず(リストラ・倒産など)

出典:リクルート「第31回転職世論調査」
調査対象:株式会社リクルートの転職エージェントサービス<リクルートエージェント>の登録者で、何らかの手段で2015年12月~2016年5月に転職を実現された3,906名

このように、転職のきっかけ・理由はネガティブなものもポジティブなものもあり、人によってさまざまですが、なかでも代表的な転職理由をピックアップし、詳しくご紹介します。「自分と似たような境遇だ」と共感できるものがあるかもしれません。

会社の将来に不安を感じた

会社のビジョンや方向性、経営陣の考え方などに共感できず、会社の成長性に疑問を覚えたり、働き続けることにストレスを感じたりする人は少なくありません。それを機に、ビジョンや方向性に賛同できる会社で、やりがいをもって働きたいと考える人が転職に踏み切るケースがあるようです。

具体例
「自社は業界3番手で他社とは違ったことを手掛けるべきなのに、いつも業界トップ企業の真似や後追いばかりしている」
「会社の方針がコロコロ変わり、ついていけない」
「対外的には顧客第一主義というビジョンを掲げているのに、実態は自社の売り上げが第一で、顧客は二の次」
「変化が激しい中、顧客のニーズに沿った営業戦略を立てるべきなのに、会社が作りたいもの、作れるものを基準に考える“プロダクトアウト志向”から抜け出せない」

ほかの会社で新しいキャリアを身に付けたい

仕事内容や仕事のやり方が合わない、扱う商品やサービスに共感できないなどの理由も多いようです。仕事内容がどうしても合わず、心機一転、新天地で一からやり直す若手ビジネスパーソンも少なくありません。

また、今後のキャリアを考えるうえで、「今の会社ではできない業務経験を他社で積みたい」というケースもあります。

具体例
「先行き不透明な中でも安定成長が見込める〇〇業界で働きたい」
「心からいいと思える商品・サービスを扱える会社で、自信を持って仕事がしたい」
「若いうちから裁量権を与えられる職場で責任を持って働きたい」
「早くからマネジメント経験が積める会社に移りたい」
「販売職でのコミュニケーション力を活かし、営業職を目指したい」
「中小企業相手に法人営業のスキルを積んだので、今度は大手法人を担当して守備範囲を広げたい」
「派遣社員から正社員になり、責任ある仕事を任されるようになりたい」

上司や同僚など、人間関係に不満

人間関係を理由に転職を考える人は多いものです。上司や先輩、同僚とそりが合わないというだけでなく、社風が合わない、職場の雰囲気に馴染めないなどの理由で、もっと居心地のいい環境を探したいと考えるようです。

具体例
「上司の厳しいマネジメントスタイルが自分に合わず、ストレスを感じる」
「アットホームな職場だが、互いに切磋琢磨し、刺激を与え合える環境ではない」
「一つの目標に向かって突き進む団結力に欠ける」
「互いに助け合い、教え合うのではなく、デキる人を蹴落とす雰囲気に耐えられない」
「若手の意見やアイディアを汲み上げようとしない」
「ドライで互いに干渉しない社風に馴染めない」

評価に納得がいかない

仕事に対する評価やそれに伴う報酬は、モチベーションを大きく左右するもの。一生懸命働いているのに、正当な評価が得られない、公正な評価がされていないなど、評価や処遇に不満を抱えて転職を考える人も多いようです。

具体例
「評価の基準が不明瞭。Aさんより成果を出した自分の評価が、Aさんより低いことに納得できない」
「責任ある業務を任され、激務が続いているにもかかわらず、以前よりボーナスが下がった」
「同期が次々と昇進・昇格しているのに、自分だけできていない」
「結果だけを見てプロセスを全く見ない評価制度に納得できない」
「後輩が自分より先に昇格し、追い抜かれてしまった」

辞める?思いとどまる?気持ちの整理方法

実際に転職するべきか、それとも思いとどまってもう少し頑張るべきか悩んだら、次のような方法で自身の考えや置かれた状況を整理してみましょう。

Step1:不満や不安を書き出してみる

一時の感情で決めるのではなく、客観的に状況を整理し事実ベースで判断するために、紙などに不満や不安を書き出してみましょう。書き出す過程で自分の思いが整理され、「辞めたい理由」を明確化することができます。

複数の要因がある場合は、その中でも特に解決したいものは何か考え、優先順位をつけておきましょう。

Step2:キャリア形成の障害になるかどうか考える

Step1で洗い出された「辞めたい理由」が、今後のキャリア形成の上で障害になりそうかどうか、客観的に判断しましょう。

辞めずにとどまった場合、自分が思い描くキャリアプランは実現できるのか、「辞めたい理由」を回避できなかったら今後のキャリアはどうなるのか、モチベーションは維持できるのか…など、今後を見据えながら考えてみましょう。

Step3:自分の努力や工夫で改善できるかどうかを考える

Step2の結果に限らず、自分の働きかけで現状が改善できるかどうか、考えてみましょう。自分でできることがあるようならば、それに挑戦することで今の環境が変わり、仕事がしやすくなるかもしれません。

また、努力や工夫をする過程で新たな発見が得られたり、経験値が増えるというメリットもあります。

ただ、自分一人では改善できないものだったり、「現状が改善しても今の会社では頑張れない」と思う場合は、転職を検討したほうが良さそうです。

転職の前にやっておきたいこと

転職の目的を整理する

上記で洗い出した「辞めたい理由」をもとに、転職の目的を整理しましょう。
ネガティブな理由であっても、その裏には転職で成し遂げたい前向きな思いが隠れています。例えば、「上司の管理や締め付けが厳しく、マネジメント方針に不満」は、「自身のアイディアを活かしながら裁量権を持ってのびのび働きたい」という思いの表れとも言えます。不満の内容を紐解き、自分の仕事観、キャリア観と向き合ってみましょう。

経験・スキルの棚卸しを行う

転職活動を成功させるために重要なのが「キャリアの棚卸し」。これまでの仕事におけるすべての経験を振り返って整理することで、応募先企業でも活かせる強みやスキルを洗い出していきます。それを応募書類や面接を通して伝えることで、よりマッチング度の高い転職が可能になります。

転職のスケジュールを考える

転職活動にかかる期間は、情報収集~応募・面接~内定・入社までに、おおよそ3カ月~半年かかると言われています。現職への不満が強く「今すぐ辞めたい」と思っていたとしても、転職活動が長引く可能性も考えて退職時期を冷静に判断しましょう。

携わっているプロジェクトなど、自身の業務のキリがいいタイミングを考え、そこから逆算してスケジュールをイメージするのもお勧めです。

転職活動の流れはこちらの記事も参考にしてみてください。
【参考記事】転職活動のやり方、準備から一連の流れと進め方ガイド

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