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転職に年齢制限はある?年代別の転職活動のポイント

転職 年齢

一般的に、「年齢が高くなると転職が難しくなる」と言われますが、実際はどうなのでしょうか。転職と年齢の関係や年代別の転職活動のポイントについて、人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント粟野友樹氏が解説します。

年代別の転職入職率

厚生労働省が公開している「平成30年雇用動向調査」の、年齢階級別の転職入職率(常用労働者数に対する転職入職者数の割合)を見てみると、男性が19歳以下で17.5%、20~24歳で12.2%、25~29歳で11.7%、30~34歳で8.9%、35~39歳で7.7%、40~44歳で5.9%と、年齢を追うごとに転職入職者率は下がる傾向にあるようです。パートタイム労働者を除いた女性の一般労働者では、19歳以下で16.7%、20~24歳で12.9%、25~29歳で16.2%、30~34歳で10.6%、35~39歳で9.9%、40~44歳で9.9%と、男性とは異なり25~29歳で上昇しますが、その後は下降します。

参考:平成30年雇用動向調査

男性は50~54歳から、女性は55~59歳から転職入職率が上昇を始め、60~64歳でピークを迎えます。「転職入職者が前職を辞めた理由」を見ると、60~64歳で「定年・契約期間の満了」と答えた人が男性59.4%、女性51.9%と高くなっており、転職入職率の背景に定年退職があることが分かります。

転職入職者が前職を辞めた理由別割合

参考:平成30年雇用動向調査

転職の「限界年齢」は35歳?

以前は「35歳が転職の限界」と言われることもありましたが、前項で挙げたデータを見る限り、35~39歳で著しく転職入職率が低下しているわけではありません。ただし、男女ともに年齢が高くなるに従って転職入職率は緩やかに下がっているため、限界年齢はないものの、年を取るごとに転職する人は減る傾向にあるようです。

年齢が高くなると転職入職率が下がる理由は?

年齢が高くなると転職する人が減る理由として、「マッチする求人が少ない」ことが挙げられます。年齢が上がるに従って、求職者側も企業側も、求める条件が複雑化するからです。例えば求職者側は「これまで培った××業界の○○スキルを活かして働きたい」「家族を養うため年収は下げられない」など、条件が増える傾向にありますが、企業側も30代半ばくらいから、即戦力となる「専門スキル」に加えて「マネジメント経験」を求めるようになります。あえて外部から管理職を採用するため、社風との相性や人柄なども判断材料となり、選考のハードルは高くなります。管理職やスペシャリストのポジション自体があまり多くない上に、両者の条件が増えてマッチしにくくなるため、転職入職者率が下がるのです。

もちろん、年齢が高くなると転職できないわけではありません。雇用対策法の見直しにより、人材募集では年齢制限の禁止が義務化されています。また、少子高齢化に伴う労働人口の減少により、就職氷河期世代やシニア層を積極的に活用する企業も増えています。中長期での転職活動を意識し、条件の優先順位をつけてアピールポイントを工夫することによって、転職を実現することができるでしょう。

年代別転職活動のポイント

年代によって、企業が重視するポイントが変わります。企業が判断していることを理解し、応募先選びや自己アピールに繋げましょう。

20代の場合

第二新卒や20代前半の場合は、就職活動と同様に「ポテンシャル」と「スタンス」が重視されます。社会人経験が増えるに従い、ポテンシャルとスタンスに加えて「ポータブルスキル」や「リーダーシップ」をチェックされるようになります。ポータブルスキルとは、会社や業界・職種が変わっても持ち運ぶことのできるビジネススキル。「課題解決力」「調整力」「分析力」「達成意欲」などが挙げられます。

20代はキャリアチェンジの転職も多い年代。キャリアチェンジに不安を持つ方もいるかもしれませんが、ポータブルスキルを整理しアピールすることで、異業界・異職種への転職も可能になります。自分なりに工夫した点や仕事へのこだわりを応募書類や面接の自己PRで伝えましょう。

30代の場合

30代になると、「ポータブルスキル」が重視されたうえで、「テクニカルスキル」と呼ばれる業界や職種の専門知識・スキルも評価のポイントとなります。特に即戦力を求める仕事では、どのような専門スキルを発揮して仕事で成果を出したのかを具体的にアピールする必要があるでしょう。30代でもキャリアチェンジは可能ですが、求人をしっかり読み込んで、応募する仕事に活かせるポータブルスキルを意識しておくことが重要です。

また、30代も後半になると「マネジメント経験」を求められるケースが増えていきます。リーダーやマネジメント経験がある場合は、役割やメンバーの人数なども職務経歴書に記載しておきましょう。

40代の場合

40代になると、「ポータブルスキル」を前提として、「テクニカルスキル」と「マネジメント経験」を求められるようになります。もちろん、マネジメント経験を持たなくても、高い専門スキルを評価するケースもありますが、いずれにしても特定の領域の経験・スキルをピンポイントで求めるケースが増加します。転職先に、これまでの待遇やポジションと同水準を求める求職者も多いため、希望に合致した求人が非常に少ないと感じるのがこの年代の傾向です。

経験が豊富だからこそ「経験・スキル」と「強み」の整理が不十分で、書類選考を通過しないケースも増加します。ご自身が自覚している経験・スキルへの評価と転職市場での評価が一致しなかったり、これまでの経験を網羅的に応募書類に盛り込んでしまったりするためです。転職市場でのニーズを掴んで、どの経験・強みで転職活動に臨むのかを決めましょう。また、条件に優先順位をつけることも重要です。

求人が少なく厳選採用になりやすい40代の転職は、「柔軟性」が求められます。転職活動を通じて条件や応募先、自身のスタンスなどを適宜見直しながら進めていくことをお勧めします。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

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