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自分に合った仕事を知りたい!わからない人向けに適職の見つけ方を解説

自分に合った仕事

転職活動中やキャリアの悩みに直面した際、「自分はどのような仕事に向いているのだろう?」「今の仕事が合っていない気がする」といった疑問を抱く方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、「自分に合った仕事を知りたい」と考える方に向けて、適職の見つけ方を組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏に解説いただきました。

自分に合った仕事を見つける方法

本章では、自分に合った仕事を見つける方法として、下記表内の8つの方法について解説します。表内の項目を選択すると、各解説に遷移します。

方法 特徴
厚生労働省の自己診断ツールを利用する 興味や価値観など、さまざまな観点から適職を探索できるツールを用いて適職を探す方法。
無料の適職診断セミナーを受ける 無料で適職診断を受けられたり、転職支援のプロからアドバイスを得たりする方法。
転職エージェントに相談する 転職支援のプロとともに自分に合う仕事を模索する方法。
「企業に求めるもの」で考える 企業に求める項目を4つほど設け、各項目に点数をつけ、自分が何を求めているのかを数値を用いて可視化する方法。
「やりがい」で整理する 「やる気」×「結果」の4象限に区分したマトリクス表に過去携わった業務をプロットし、やりがいを整理する方法。
モチベーショングラフで捉える モチベーショングラフを使用し、仕事への興味や関心、価値観を明らかにする方法。
自己分析・棚卸しを行う 過去の職歴や経験、自身の強みや弱みを整理し、自分に合う仕事を探求する方法。
「Will・Can・Must」で整理する 「Will・Can・Must」と呼ばれるフレームワークを用いて現状から自分に合う仕事を明らかにする方法。

 

方法1. 厚生労働省の自己診断ツールを利用する

自分に合った仕事を見つける方法として、厚生労働省の自己診断ツールを利用する方法があります。下記の通り、仕事に対する興味や価値観など、さまざまな観点から適職を探索できるツールが用意されています。

  • 職業興味検査:仕事に対する興味から適職を探索する検査ツール
  • 価値観検査:仕事に対する価値観から適職を探索する検査ツール
  • 職業適性テスト(Gテスト):能力面の特徴から適職を診断するツール
  • しごと能力プロフィール検索:スキルや知識などから「しごと能力プロフィール」を作成して適職を探索するツール
  • ポータブルスキル見える化ツール:自身の持つポータブルスキルを活かせる職務・職位を探索するツール

他にも探したい職業のキーワード、仕事の性質、内容、必要なスキル・知識などから探索することも可能です。

出典:job tag(厚生労働省職業情報提供サイト(日本版O-NET))

方法2. 無料の適職診断セミナーを受ける

無料の適職診断セミナーを受けるのも、自分に合った仕事を見つける1つの方法です。転職を支援するサービスの中には、適職を無料で診断してもらえる「適職診断セミナー」などを開催しているサービスもあります。
自己分析を通じて適職を探す方法を聞くことができたり、キャリアアドバイザーとの質疑応答の中でキャリアに関する悩みを解消できたりすることもあるでしょう。

方法3. 転職エージェントに相談する

転職エージェントに申し込み、キャリアの棚卸しを通じて、自分に合った仕事を見つける方法もあります。客観的なアドバイスを受けられるため、新たな視点や発見が得られることもあるかもしれません。「一人で検討を重ねても方向性が定まらない」「効率的に自分に合った仕事を見つけたい」と考える方に向いている可能性のある方法です。

方法4. 「企業に求めるもの」で考える

企業に求めるものを4つほどの項目に分けて数値化することで、転職するにあたって自分が何を求めているのかを可視化する方法もあります。仕事選びの優先順位を明確にしたい時などに用いることもあります。

下記は、「企業に求めるもの」で考える方法の一例です。

■手順1
以下のA~Dの観点で、現在の仕事に対して点数をつけます。
各項目を10点満点で評価してみましょう。
A) 「理念やビジョンへの共感」…企業理念への共感やビジョンにワクワクする
B) 「業務内容の魅力」…扱う商品・サービスが好き、仕事内容が魅力的である
C) 「従業員の魅力」…風通しの良い社風、優秀な従業員が多い
D) 「雇用条件の魅力」…給与や福利厚生、勤務場所等

例として、以下の結果の場合、合計が28点になります。
A) 「理念やビジョンへの共感」…8
B) 「業務内容の魅力」…8
C) 「従業員の魅力」…7
D) 「雇用条件の魅力」…5

■手順2.
この28点を、転職後に目指したい状態に再分配します。
A) 「理念やビジョンへの共感」…7
B) 「業務内容の魅力」…6
C) 「従業員の魅力」…10
D) 「雇用条件の魅力」…5

現在の仕事でつけた点数を再分配することで、転職後の仕事に求める優先順位が明らかになるでしょう。今回の例の場合、C「従業員の魅力」が、新しい仕事を探す上で優先したい項目になると考えられます。

方法5. 「やりがい」で整理する

「やりがい」を軸に自分に合った仕事を探す方法としては、過去に携わった業務をメモに書き出し、「やる気」×「結果」の4象限に区分したマトリクス表に書き出した業務をプロットする方法があります。

「やる気」×「結果」の4象限に区分したマトリクス表
(※)作成:編集部

マトリクス表の中でも「やる気が上がる×結果が出せる」にプロットされた業務が、自身にとってやりがいを感じられ、かつ成果の創出も期待できると考えられます。プロットする業務の結果がわからない、数値で測れないなどの場合は、「上司から褒められた」など、周囲からの評価で振り分けるのも1つの方法です。

また、「やる気が上がる×結果が出せる」にプロットされる業務が少ない場合は、「やる気が上がらない×結果が出せない」にプロットされた業務や仕事を避けることでミスマッチが発生する可能性のある仕事に就くリスクを低減できるでしょう。

方法6. モチベーショングラフで捉える

モチベーショングラフを使用し、仕事に対する興味や関心、価値観を明らかにする方法もあります。
グラフの縦軸はモチベーションの上下、横軸は時系列を示します。時系列順に仕事での出来事を列挙し、各出来事における心の充実度に点を打ち線でつなぎます。線でつなぐと、モチベーションの上下が可視化されるでしょう。

モチベーショングラフ
(※)作成:編集部

モチベーショングラフが完成した後は、出来事ごとに当時の気持ちや背景を深掘りしたり、振り返ったりしてみましょう。共通する判断軸や仕事に対する価値観、大切にしていることなどが明確になり、自分に合った仕事が明らかになるかもしれません。

方法7. 自己分析・棚卸しを行う

自己分析や棚卸しも自分に合った仕事を見つける方法として有効な手段になると考えられます。
自己分析や棚卸しをすることで、これまでの経験やスキル、価値観、強み・弱みが整理されるでしょう。整理された結果を分析することで、やりがいを感じられることやパフォーマンスを発揮できる環境、仕事に求めるものなどが明確になることがあります。明らかになった事実から仕事を探すことで、自分に合った仕事にたどり着けるかもしれません。

方法8. 「Will・Can・Must」で整理する

自己分析のフレームワークである「Will・Can・Must」を活用する方法もあります。下記はWill・Can・Mustを整理する手順の一例です。手順例を参考にWill・Can・Mustを明確にしてみましょう。

1. Will(やりたいこと)を考える
やりがいを感じることや興味があること、モチベーションが上がることを書き出す。
2. Can(できること)を整理する
自分のスキルや経験を書き出し、仕事で発揮できる強みや能力を整理する。
3. Must(求められること)を見極める
社会や企業が求めるスキルやニーズを調べ、自分がどの部分で貢献できるのかを考える。

Will・Can・Mustを明確にすることで、やりたいこと(Will)を達成するために必要なこと(Must)が見えてくるでしょう。その中で、自分ができる仕事(Can)に絞り込んでいくと、自分に合った仕事が明らかになるかもしれません。

そもそも、「自分に合った仕事」とは?

本来は、「自分が好きな仕事」と「向いている(得意な)仕事」が同じであることが理想的であると考えられます。好きな仕事が自分に向いているのであれば、仕事にかける思いが強くなり、大きな成果を残せる可能性も期待できます。ただし、必ずしも「好きな仕事」と「得意な仕事」が両立するとは限りません。「好きだけど向いていない仕事」や「興味はないけれど得意な仕事」というケースも中にはあります。

一般的に、自身が好きと感じる仕事はモチベーションが高まると考えられますが、適性がなければ成果が伴わないこともあります。一方で、興味は薄くとも得意であれば、成果を創出できる見込みが高くなる場合もあります。

こうした理由から、「自分に合う仕事」は、「好きな仕事」に限らず「得意な仕事」という観点から探すほうが、求められる成果を残せる可能性があり、合っていると感じやすいかもしれません。

自分に合わない仕事を続けることの注意点

本章では、自分に合わない仕事を続けることで生じると考えられる、下記3つの注意点について解説します。

  • 将来目指したいキャリアとは異なる経験・スキルしか身につけられない可能性がある
  • 成果を上げにくく自己肯定感が下がる恐れがある
  • 仕事を続けることが苦痛になってしまう恐れがある

注意点1. 将来目指したいキャリアとは異なる経験・スキルしか身につけられない可能性がある

自分に合わないと感じる仕事を続けると、将来目指したいキャリアとは異なる経験・スキルしか身につけられない可能性あります。
そのため、いざ転職やキャリアアップを目指した際に「自分が本当に必要としている能力や知識が不足している」という事態に直面することもあるかもしれません。

注意点2. 成果を上げにくく自己肯定感が下がる恐れがある

成果を上げにくく自己肯定感が下がる恐れがある点も、自分に合わない仕事を続けることで生じる可能性のある注意点だと考えられます。
自分に合わない仕事は、思うように成果を上げられないケースもあり、仕事の達成感や充実感が得られにくくなってしまうこともあります。その結果、自分に対する評価が低くなってしまうこともあるかもしれません。

注意点3. 仕事を続けることが苦痛になってしまう恐れがある

自分に合わないと感じる仕事を続けた場合、毎日の業務が苦痛に感じてしまう可能性があります。人によっては、「仕事に行くのが憂鬱」「働くこと自体がストレス」と感じるようになってしまうかもしれません。
状況が悪化すると、心身にも影響が及ぶ懸念があります。

自分に合った仕事を見つける上でのポイント

ここでは、自分に合った仕事を見つける上で意識したいポイントの例として3つ解説します。

  • さまざまな方法を実践して自分に合った仕事を見つける
  • 実際に世の中のさまざまな業種や職業を探してみる
  • 自分に合った仕事を見つけるだけで終わらず、行動に移してみる

ポイント1. さまざまな方法を実践して自分に合った仕事を見つける

自分に合った仕事を見つけるためには、1つの方法に絞らず、さまざまな方法から仕事を探すことが大切です。また、友人や知人に相談する、転職エージェントのキャリアアドバイザーに相談するなど、第三者に意見を求めるのも良いでしょう。

多角的な視点から広く自分に合った仕事を探すことで、思いがけない分野に自身の可能性を見出せることもあるかもしれません。また、自己理解が深まることで、より納得感のある選択ができることもあるでしょう。

ポイント2. 実際に世の中のさまざまな業種や職業を探してみる

世の中のさまざまな業種や職業を探してみるのも、自分に合った仕事を見つける上で意識したいポイントの1つです。

興味がある業種や職種だけに絞らず、幅広い選択肢の中から仕事を探すことで、新たな選択肢が生まれたり、より興味のある分野が見つかったりすることもあるかもしれません。

厚生労働省が運営している職業情報提供サイト「job tag」では、仕事の性質や業務内容、スキル、知識など、さまざまな観点から業種や職種を検索できます。「どのような仕事があるのか知りたい」と考えている方は、ぜひ利用してみてください。

ポイント3. 自分に合った仕事を見つけるだけで終わらず、行動に移してみる

自分に合った仕事を見つけるだけで終わらず、行動に移してみることも大切です。自分に合うと感じる仕事が見つかれば、さらに情報を集める、実際にその仕事に就くために転職活動を始めるなど、具体的な行動に移してみましょう。

実際に行動することで、自分の実現したいキャリアに近づくことができるかもしれません。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

記事作成日:2021年03月08日
記事更新日:2023年08月31日
記事更新日:2025年02月17日 リクルートエージェント編集部

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