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40代転職を成功に導く。事務職の志望動機の書き方と例文・NG例

40代 転職

転職活動を始めると、必ず伝えることになる「志望動機」。
まずは、仕事の内容や適性を理解してから、自分の経験を振り返って、志望動機を作成することが、転職活動の成功へのポイントです。

40代で事務職を志望する場合、どのように整理し、作成すればいいのでしょうか。
志望動機の書き方のポイントをリクルートエージェントのキャリアアドバイザー小嶋正寿さんにお伺いしました。

小嶋 正寿氏
約12年間、リクルート(旧:リクルートキャリア)の転職エージェントサービス「リクルートエージェント」のキャリアアドバイザーとして、主に事務・管理部門の転職支援を担当し、現在はキャリアアドバイザー組織のスーパーバイザー職。

40代での事務職の転職に求められるものとは?

事務職経験には、一般事務、営業事務のほか、管理部門で専門性のある業務を担当する経理事務、人事事務などがあります。どの事務職においても、40代は、20代・30代に比べて、業務の担当範囲が広くなり、組織全体を見渡して会社に貢献するという意識が求められます。
業務の中で担当者から言われたことを対応するだけではなく、今までの社会人経験を活かして、後輩育成に携わったり、組織全体を見渡してコミュニケーションを取ったりと、広い視野で仕事に向き合うことになります。

求められるスキルや適性を理解しよう

事務職では、業務担当者の事務サポートが中心となるため、年齢を問わず次のような適性が求められます。

・正確な事務処理能力
・的確なコミュニケーション力

40代では、これに加えて、マネージャーやリーダーなど、組織を運営する立場から業務に携わっていく姿勢も求められます。事務職でマネジメント経験を積んでいる人は少数かもしれませんが、後輩への指導や、ナレッジ共有のためのマニュアル作成など、業務担当者としてだけでなく、組織運営の視点を持って仕事に取り組んできた人は、企業のニーズに合いそうです。

また、40代になると、特に専門的な知識と経験が求められます。経理事務であれば仕訳に関する知識や、人事事務であれば給与計算に関する知識など、業務経験を通して得られた知識が備わっていることも大切です。

営業事務や一般事務であれば、Excel、Power pointなど一般的に使われるPCスキルの得意分野を明確にし、業務レベルで何ができるのかを説明する必要があります。

これらの知識について、後輩への指導ができる水準だと評価が高くなります。

さらに、企業は40代に対して、組織を見渡して主体的に仕事をして欲しいと考えていますので、業務の課題を自ら捉え、学び、行動することが求められます。また、育成人材というよりは、即戦力として考えているため、入社以降の伸びしろがあるかどうかではなく、今すぐ会社に貢献してくれる人に期待が集まります。

事務職の志望動機の書き方

一般的に志望動機を考える際には、次の3つのポイントを抑える必要があります。

1.業界について
2.会社について
3.職種について

ただ、志望動機を文章にする際は、「業界」についてはあまりふれなくてよいでしょう。「職種」への志望理由を中心に、加えて「会社」への志望理由を整理していきましょう。

事務を志望する理由を整理しよう

職種についての志望動機を考える際は、次の3つのポイントを踏まえて整理してみましょう。

① 仕事について興味を持った点
② 仕事に対して貢献できる点
③ 希望職種での経験を通して実現したい将来像

まず、①について事務職の仕事内容を調べ、書き出しましょう。次に②について、今までの経験で得意なこと、人から評価されたこと、前向きに取り組めることなどを振り返り、書き出します。Excel、PowerPoint、Wordなど、汎用性のある事務スキルにおける強みは大事なポイントです。

ここまでそろったら、①と②を並べて、つながるポイントを探していきます。見つかったポイントが志望動機の軸となります。

その上で、③の将来像を具体的にしていきましょう。今までの経験の中から、さらに磨いていきたいこと、伸ばしたいことを整理しておきます。

40代の場合、これから約20年の社会人生活で何を実現したいのかを見直し、直近5~10年でのキャリアプランを具体的に描いていくことが必要です。営業経験で培ったプロセス管理能力とコミュニケーション力を活かして、これから成長するベンチャー企業のバックオフィス基盤を構築したいなど、今までの経験を振り返りながら、今後、事務職として携わる仕事を考えると、おのずとやるべきことが見えてくるのではないでしょうか。

その会社を志望する理由を整理しよう

会社に対する志望動機は「興味」「関心」「共感」をポイントに整理してみましょう。事業内容のどこに興味・関心を持っているか、会社のビジョンのどんな点に共感したかを自分の言葉で伝えられるように準備しておくとよいでしょう。

40代の場合は即戦力になれるかという点が大きいので、応募企業と同じ業種であったり、仕事の進め方が近かったりすると活躍のイメージが持ちやすくなります。

事務職の志望動機例文

志望動機は、今までの自身の経験をどのように活かし、貢献できるかを伝えることがポイント。例文を参考に、より自分に合った志望動機へカスタマイズしてみましょう。

事務経験者の志望動機例文

私は人事部の事務職として、組織をサポートして参りました。貴社では、「ヒト」が事業を創ると捉えておられ、人材育成、労働環境の向上に力を入れている点、自分自身が人事事務に携わる際に大事にしてきたことと共通する部分があり、志望いたしました。貴社の今回の募集では、人事の中でも採用と労務の2つを担当できると拝見しました。今まで労務をメインに担当しながら採用業務支援をしてきたことにやりがいを感じており、今後この2つを軸に経験を積んでいきたいと意欲を持っております。労務業務は8年の経験があるため、すぐに貢献でき、採用業務については新卒・中途双方の繁忙期に、採用面接以外の採用業務全般を経験しているため、こちらも貢献できると考えております。これらの経験を活かして、貴社の人事労務部門の下支えをできる存在になりたいと強く志望いたします。

事務経験者の志望動機ポイント

まず、事務職として任される仕事内容をよく理解し、その業務に必要な経験と自分の経験の接点を整理して伝えていきます。また、今までの経験での強みをどのように活かして、次の業務につなげていくのか、明記することも大切です。40代の志望動機のポイントは、「即戦力」ですので、任せたい仕事内容にすぐに対応できることを伝えながらも、今後、社内でどのような役割を担っていきたいかがわかるようにまとめましょう。

事務職未経験者の志望動機例文

私は不動産営業として10年以上勤めてきた経験を活かし、今後は自分がフロントに立つのではなく、部署やチームをサポートする立場で仕事をしたいと考えております。貴社では、開発・営業・運用の各部門が一つのチームとして業務を進めておられ、全体で目標を共有しながら、それぞれの力を発揮している点に、部署全体の目標達成を目指し、お客様に寄り添った営業方法をチームに提供し受け入れられてきた、自分の仕事に向かう姿勢と重なる部分を感じております。

今回の営業部門では、開発、運用チームそれぞれと連携しながら、お客様に有益な情報をセミナー等で提供していくこともあり、不動産営業として、近隣の買い物事情をPower Pointでまとめてお客様にお渡しするなど、相手の立場になってサポートをしてきた経験を活かして、営業部が必要な資料作成等に貢献できると考えております。また、事務作業においては、営業実績評価のために営業プロセスをExcelで管理していたため、自分で売上目標から行動数値を分析して、シュミレーションプロットを作るなどの対応をし、後輩にも表の見方や作成のポイントを指導して参りました。自分の担当する仕事を全うするのはもちろんのこと、貴社の事業・組織を成長させるために、スキルと経験を発揮したいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

事務未経験者の志望動機ポイント

未経験職種から事務職へ転職をする場合、今までの経験の中で、事務職に活かせる内容を具体的に示していきましょう。また、職種を変える場合、自分だけの想いではなく、客観的な評価として、応募先の職種に適性があることを伝えていきます。特に接客・販売・営業など、コミュニケーションスキルを活かした仕事の場合、事務スキルが見えにくい場合が多いので、具体的にどのような事務対応に強みを持っているのか、わかるようにしましょう。40代の場合は、業務として未経験であっても対応可能なポータブルスキルがあると伝えることがポイントです。担当する仕事で何が求められるのか、事前に調べ、その業務と共通する経験があることをアピールしていきましょう。後輩の指導に関わっていた経験もポータブルスキルの一つなので、伝えておくといいでしょう。

事務職の志望動機NG例

私は不動産営業として、特にファミリーや女性への提案で実績を上げて参りました。家族や女性が気にする住まいの事情を想定し、提案物件に補足情報を加えていくことで不安を払拭し成約へつなげていました。ただ、最近は自分が営業をするよりも後輩育成の機会が多く、サポート業務が増えてきました。その中で営業事務としてフロントメンバーのサポートをすることにやりがいを感じるようになったので、今後は営業事務として経験を活かしていきたいと考えています。

貴社では、営業担当者と事務職のチームワークを大事にされているようですので、営業経験を踏まえたサポートをすることで、売り上げに貢献できると思います。どうぞよろしくお願いいたします。

事務職の志望動機NG例の改善ポイント

今までの経験のどの部分を、志望している職種に活かせると考えているのか、共通する部分がわかるように伝えましょう。現職の営業で実績を出したことを強調してしまうと、営業の方に適性があると見えてしまいます。また、「サポートにやりがいを感じる」のは本人の主観で、客観的な評価がない場合、サポート業務に本当に適性があるのか判断がつきません。会社への志望動機も、この会社ならではのポイントがないため、熱意が伝わりません。また、「売り上げに貢献する」という、プレイヤーとしての視点しかないと、40代という年齢の視野として物足りなく感じられます。組織全体、会社全体を見渡して、自分がどのような立場で貢献できるのかを改めて見直す必要があります。

志望動機に悩んだらエージェントに相談を

例文を見ても、自分にどう当てはめたらいいのか、迷う方も多いことでしょう。主観的なことしかかけていないかもしれないと不安を感じた場合は、転職エージェントに相談するのも一つの方法です。一人で悩むよりは、専門家に相談して、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。

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