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ケース別退職理由の伝え方│仕事を辞める理由は“前向きさ”が円満退社のカギ

仕事_辞める理由

転職先が決まったら、次に取り組むべきは「円満退社」の準備。トラブルなく退職準備を進め新天地で活躍するためにも、これまでの人脈を維持するためにも円満に退社することは大切です。職場の人と良好な関係を築いたまま、円満に退職する方法、退職理由の伝え方を解説します。

円満退社するためのポイント

退職理由は「前向きな理由」に言い換える

新たな活躍の場を求め、仕事を辞める理由は人によりさまざまですが、退職を考えた「本音の理由」は、仕事や会社に対する不満だったというケースは少なくありません。

厚生労働省の「転職者実態調査」(平成27年)によると、転職理由の上位は「労働条件がよくなかったから」(27.3%)、「満足のいく仕事内容でなかったから」(26.7%)、「賃金が低かったから」(25.1%)、「会社の将来に不安を感じたから」(24.2%)、「人間関係がうまくいかなかったから」(17.7%)と、現職への不満が占めています。(複数回答)

ただ、ネガティブな退職理由をそのまま伝えるのは避けたほうがいいでしょう。
転職を決心して、今の会社に「辞めたい」と申し出れば、必ず理由を聞かれることになると思います。その際、たとえ本音であっても「待遇が良くない」「人間関係が悪い」「事業に将来性を感じない」など、会社に対する不満や不安を理由として伝えてしまうと、話がこじれてしまう恐れがあります。

会社といっても対応するのは人ですから、不満をぶつけられれば心証も悪くなります。さらに「不満な点を解消するので、思いとどまってほしい」などと引き止めの理由にされる可能性もあり、希望するスケジュールで転職ができなくなってしまうかもしれません。

本当の退職理由はネガティブだったとしても、前向きに言い換えて伝えると会社も引き止めにくくなります。悪い印象を持たれることもなく、スムーズに退職準備ができるようになるでしょう。

後任への引き継ぎをしっかり行う

退職の意志を伝えたら、後任者への引き継ぎを行いましょう。業務量にもよりますが、退職日の1カ月前ぐらいからスケジュールを立て、引き継ぎを進めたいところです。取引先や顧客への引き継ぎの挨拶は、可能な限り後任者と一緒に行えば、その後の業務がスムーズに進みます。

後任者がなかなか決まらないという場合は、引き継ぎ準備を先に進めておきましょう。仕事内容をリストアップしてわかりやすくファイルなどにまとめておき、後任が決まったらファイルをもとに説明するといいでしょう。

なお、「有給休暇が溜まっているから…」と、自分の都合を優先して休みに入るのは避けましょう。取引先や後任者に迷惑がかからないように、引き継ぎをしっかり行ったうえで有給も消化できるよう、早めにスケジュールを組みましょう。

円満退社するための、辞める意思の伝え方

実際に退職交渉を始める際には、次のようなポイントに注意してください。

1カ月半~1カ月前までに退職の意思を伝えよう

退職の意思をいつまでに会社に伝えるかは、基本的には会社の「就業規則」に従いましょう。ただし仕事の引き継ぎや有給の消化、退職手続きの時間がかかりそうな場合は、1カ月半ぐらい前に退職意思を伝えましょう。特に転職先から内定が出ており、入社日まで1カ月を切っている場合は、すぐに退職の意思を伝えることをお勧めします。

最初に話をするのは必ず「直属の上司」

退職意思を最初に告げるのは「直属の上司」です。これを間違えてその上の上長などに先に話してしまうと、「マネジメントがなっていない」と上司がとがめられてしまうことも。直属の上司との関係が悪化すると、退職手続きがスムーズに進まなくなることもあるので注意しましょう。

礼を尽くしつつ「〇月〇日」と期限を明確に

退職することは、少なからず会社に負担を掛けることになります。そのお詫びの気持ちも込め、上司に退職の話を始める際は「突然で申し訳ございません」と切り出し、「退職させていただきたく、今回お時間をいただきました」と伝えましょう。

その上で「〇月〇日に退職させていただきたいと思います」と期限をつけて、決心がついていることをしっかりと伝えます。「退職を考えている」「検討している」などあいまいな伝え方をすると、相手は「まだ退職の決心がついていない」と捉えるので注意しましょう。また転職が決まっている場合でも、転職先の会社名までは言わないようにしましょう。

ケース別・会社が納得する退職理由の例文

「不満」は仕事に対する前向きな思いが叶えられないからこそ起こるもの。ネガティブな動機に隠れている前向きな気持ちを掘り起こし、退職理由として伝えるといいでしょう。

労働環境に不満があった場合

「残業が多くてきつい」「シフトが不規則で身体的に辛い」など、労働環境に不満がある場合は、どういう環境であれば気持ちよく働けると思うか考えてみましょう。自分が求めているものが見えてくるはずです。

<言い換え例>
・残業が多い→オンとオフのメリハリをもって働きたい、効率的に仕事をしてさらに成果を挙げたい
・シフトが不規則→ワークライフバランスを重視してイキイキ働きたい
・人手不足で労働量が多い→自分が担当する業務に集中して働きパフォーマンスを出したい

<例文>
「残業をすること自体は決して嫌ではないのですが、今の職場は『残業が当たり前』という雰囲気なのが以前から気になっていました。もっと効率的に仕事に取り組めば、さらに成果を挙げられるのでは?との思いが徐々に強まり、オンオフのメリハリをもって業務に臨める環境で働きたいと退職を決意しました」

仕事内容に不満があった場合

「仕事に面白味を感じられない」「扱う商品・サービスが好きになれない」「ノルマがきつい」など、仕事内容に不満がある場合は、その裏にもっとやりがいを持てる仕事に就きたい、顧客1件1件と向き合い喜んでもらいたいなどの前向きな理由が隠れているはず。ぜひ自分自身と向き合い、思いを紐解いてみましょう。

<言い換え例>
・仕事が面白くない→やりがいのある仕事にとことん打ち込みたい、仕事で介在価値を感じたい
・商品・サービスが好きになれない→自信をもって自社商品・サービスを売りたい、ありがとうと感謝されたい
・ノルマがきつい→顧客とじっくり向き合える営業がしたい、顧客と強固な信頼関係を築ける仕事がしたい

<例文>
「営業として常に高い目標数字を追いかけ続け、目標達成能力が着実に身についていると実感していますが、その一方で顧客1件1件にじっくり向き合えていないことに申し訳なさを感じていました。顧客に寄り添い、課題解決のために伴走し続けられるような営業をしてみたいという思いが強まり、退職を決意しました」

給与に不満があった場合

「給与が安い」「ボーナスが少ない」などお金に対する不満は、「もっと正当に評価されたい」という前向きな思いの表れです。会社の評価制度と自身の働き方が合わなかったという可能性もあります。

<言い換え例>
・給与が安い→実績を正当に評価してほしい、成長を実感しながら働きたい、自分に合った評価制度の会社でバリバリ働きたい

<例文>
「これまで与えられた目標数字を達成し続けてきましたが、給与額にほとんど反映されないことから、なかなか自身の成長を実感できずにいました。モチベーション高く仕事に臨み、営業としてさらに成長するためにも、実力主義の厳しい環境に身を投じたいと考え、退職を選びました」

会社に将来性が感じられない場合

「業績が不振で将来が不安」「古い企業体質で新しいことを取り入れようとしない」などの理由で退職を選んだ場合は、安定した環境で腰を据えて働きたいという思いや、トップの理念に共感して働きたいという思いが隠れている可能性があります。

<言い換え例>
・業績不振で将来が不安→腰を据えて長く働きたい、安定的な環境でとことん仕事に打ち込みたい
・ワンマン社長についていけない→自分の目指すキャリアの方向性に合致するところで働きたい
・会社の戦略や方向性に納得いかない→企業理念に共感して働きたい、自分の目標に合った働き方がしたい

<例文>
「これまでリーダーシップのある社長のもと、同じ目標に向かってひたすら突き進むことができましたが、徐々に自分の意見やアイディアを活かせる環境で働いてみたいという思いが強まってきました。年齢や社歴に関係なく挑戦し続けられる環境に移ることで、自己研鑽し続けたいと考え、退職を決めました」

人間関係に不満があった場合

「上司の指導方法に不満がある」「同僚とそりが合わない」など人間関係が不満という場合は、その裏に「人間関係のいい職場でイキイキ働きたい」「チームワークを重視して働きたい」などの思いが潜んでいることもあります。

<言い換え例>
・チームがばらばらで一体感がない→皆と連携を取りながらチームワーク良く仕事を進めたい、お互いにサポートし合える環境で気持ちよく働きたい
・上司と合わない→自分が求める働き方がしたい、現場の目標や戦略に共感して働きたい

<例文>
「今の課では個人業績が重視されているため、個人で行動する機会が多いのですが、私自身はもっと周りとコミュニケーションを取り、いいナレッジを随時共有したいと思っていました。何度か上司には提案したのですが、現状では課の方針を変えるのは難しいとのこと。チームで団結し、互いに高め合いながら働ける環境が自分には向いているのではないかと考え、熟慮の末退職を決断しました」

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

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