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仕事の辞めどきを見極める方法は? 退職前に確認したいポイント

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様々な理由から転職を考え始めたものの、本当にいま辞めていいのだろうか――仕事の辞めどきが分からず悩んでいる方は多いようです。けれど、仕事の辞めどきを見極める方法はあるのでしょうか。

そこで今回は、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏に、仕事の辞めどきを見極めるサインや退職を申し出る前に確認したいことなどについてお伺いしました。

「仕事の辞めどき」を見極める7つのサイン

仕事の辞めどきは、職場や家庭の状況や、仕事への関わり方によって大きく異なるため、共通する絶好のタイミングはありません。ただ、仕事を辞めるきっかけには傾向があるので、退職するかどうかの判断軸のひとつにしてみてください。

仕事をやり切った

思い切り仕事に熱中し、「やり切った」と感じた時に転職を考えるケースは多いようです。大きなプロジェクトが終了した、設定していた高い目標をクリアした、所属している企業の成長ステージが一段上がったなど、仕事をやり切ったと感じるシーンは様々です。このタイミングで転職する場合、アピールによっては「責任をもってやり遂げた」という印象を採用担当者に与え、さらに実績も説明しやすくなるでしょう。

成長実感が得られない

学習意欲が高く、仕事でスキルアップ・キャリアアップを図りたいと考えている方にとって、成長実感が伴わない仕事を続けるのは苦痛なものです。ただし、どの企業に所属していても、常に成長実感を得られる仕事を任されるとは限りません。場合によってはルーティンワークのような仕事を任されたり、経験者が他にいないなどの理由から目新しさのない仕事が回ってきたりすることもあります。

「成長実感が得られない」と感じている仕事でも、取り組み方によっては、思わぬ成果を生み出すこともあるかもしれません。現職でできる限りのチャレンジを行い、それでも得られるものがないと感じたら、転職を検討しましょう。

昇進・昇格を逃した

昇進・昇格を期待していたのに、昇進・昇格の辞令が下りなかった――キャリアアップの機会を逃して、退職を検討するケースも少なくありません。昇進・昇格を逃した場合、次の辞令まで待つ必要がありますが、待ったとしても必ず昇進・昇格できるとは限らないでしょう。

ただし、転職する場合は、できるだけリーダーやマネジメント経験を持っていた方が、選択肢は広がり条件も良くなる傾向があります。現職で昇進・昇格できないため転職するか、昇進・昇格を目指して成果を出してから転職を検討するかは慎重に判断したいところです。

異動願いが叶わなかった

希望している職種・職場への異動が叶わなかった場合も、退職を検討するきっかけになります。特に、UIターンなど事情があって働く地域を変えたい場合は、「異動願いが叶わらないのであれば、退職して希望を叶えよう」と考える方が多いようです。ただし、転職活動を始めても、希望条件に適う仕事や職場があるとは限りません。現職で異動願いが叶わなかった場合は、その理由を確認して今後も実現しないのか見極めが必要です。並行して転職活動を始めてみて、希望条件に合った企業が見つかった段階で、退職を検討するのもひとつの方法です。

経験・スキルの市場価値が高い

同じ職種の同僚や先輩などが転職して「待遇が上がった」と耳にしたり、何気なく登録したスカウトサービスや転職エージェントから好条件のオファーが届いたりして、「自身の経験・スキルの転職の市場価値が高いことに気づいた」という人は少なくありません。企業ニーズがとても高い職種では、転職を繰り返して年収アップ・キャリアアップを実現するケースもあります。現職に残るか退職するかで悩んでいる場合は、伝聞やオファー文面だけで判断せずに、実際に企業に面談や面接で話を聞いてみて、自身の目で待遇や条件を確認してから判断しましょう。

業績不振でボーナスが減った

業績不振でボーナスが減った場合は、「在籍企業の将来性」という観点で考えましょう。一時的な業績不振であれば、直ちに退職するのは早計と言えますが、業界自体が縮小している、競合優位性のある商品・サービスがないなど、今後の成長が期待できない場合は、転職を視野に入れてもいいかもしれません。ボーナスも、業績不振が一時的なものであれば、業績が改善した場合は支給額アップが期待できます。ボーナスの減額にショックを受けて退職を検討するのではなく、在籍企業の将来性をしっかりと考え、業績回復が見込めないのであれば転職を検討しましょう。

仕事でストレスを感じている

人間関係の悪化や業務過多などでストレスを感じている場合も、退職を検討するきっかけのひとつになります。ストレスが心身に影響を及ぼしているのであれば、退職する前に休職を検討しましょう。転職活動は応募書類を作成して企業に応募し、面接対策を行うなど、思っている以上に心身に負担がかかるものです。入社後も慣れない環境で新しい仕事を覚え、成果を出すことが求められるため、心身に影響が出ている状態で転職活動を行うと、さらに悪化してしまう可能性があります。仕事でストレスを感じて退職を検討している場合は、産業医などに相談し、休職も視野に入れて慎重に検討しましょう。

仕事を辞めたいときに考えるポイント

仕事を辞めたくなったときは、どのように考えればいいのでしょうか。3つのポイントをご紹介します。

辞めたい理由を洗い出して整理する

まず、辞めたい理由を整理しましょう。「辞めたい」と考え始めると、当初はそれほど重視していなかったことも「そういえばこれも不満だった」と、退職理由が増えてしまうことがあります。例えば、「仕事の範囲が限定的で成長できない」「もっと大規模なプロジェクト経験を身につけたい」など、辞めたい理由を箇条書きで構わないので言語化します。そして、所属企業で本当に実現できないことなのか、転職すれば必ず実現するのかを考えてみましょう。

仕事を辞めてデメリットがないか考える

基本的に、退職を考えている場合は次の職場を見つけてから退職を申し出ましょう。勢いで退職してしまうと、次の職場が見つかるまでは無収入になってしまいます。もちろん雇用保険の基本手当の支給もありますが、自己都合退職の場合は一定の待機期間が必要です。また、経歴上もブランク期間が生じてしまうため、ブランクが長引くと「無計画に行動するタイプなのでは」「評価されない理由があるのでは」と懸念され、転職活動では不利に働きます。こうした次の職場を見つけないまま退職することのデメリットを理解し、すぐに退職するか判断しましょう。

キャリアの棚卸しをする

退職するか迷ったときは、キャリアの棚卸しをして整理しましょう。キャリアの棚卸しとは、これまでの経験とともに、仕事でやりがいを得たことや褒められたこと、成果を出したことなどを洗い出し、自分の強みや得意分野を明らかにする作業です。キャリアの棚卸しを通じて、本当に所属企業を辞めていいのか、今後どのようなキャリアを描きたいか、じっくりと考えてみましょう。

退職を申し出る前に確認したいこと

所属企業に退職を申し出る前に、確認しておきたいことを3つ解説します。

転職活動を始めて、自身の市場価値を知る

前述の通り、次の職場が見つかる前に退職を申し出てしまうと、ブランクが発生してしまう可能性があります。そのため、勢いで退職を申し出ることは避けて、まず転職活動を始めてみましょう。転職活動を始めた結果、「現職の方が良さそう」と判断しても、退職を申し出る前であれば遅くはありません。求人に応募したり、転職エージェントに申し込んだり、スカウトサービスに登録してオファーを受けたりすることで、転職市場における自身の市場価値を把握することができます。場合によっては、想定していなかった経験・スキルが高く評価されることもあるかもしれません。市場価値を知ることは、相場と比較して現在の待遇が良いのか悪いのかが分かるため、退職の判断がしやすくなるでしょう。

転職理由を明らかにする

転職活動を始める前に、「転職理由」を明らかにしておきましょう。転職理由とは、転職で実現したいことを指します。評価や人間関係など、所属企業の不満解消だけを理由に退職してしまうと、次の職場で同様のことが起こった場合に転職を繰り返してしまう可能性があります。例えば、「○○領域の経験を身につけたい」「△△の商材を扱って営業活動したい」など、転職先で実現したいことを明らかにすれば、たとえ不満が発生したとしても、実現したいこととのバランスを考えて冷静に判断することができます。また、転職理由を決めておけば、転職する企業選びの軸になり、複数社で内定が出た際に優先順位をつけやすくなるでしょう。

転職スケジュールを立てる

転職活動にかかる期間は、求人を探し始めてから面接、内定獲得、引継ぎまでを考えると、3~6カ月程度が目安です。特に、仕事を続けながら転職活動を行う場合は、どうしても面接の日程調整に時間がかかってしまいます。会社を辞めようと思ったら、まず所属企業の就業規則を確認し、退職希望日の何カ月前までに退職告知が必要か調べておきましょう。そして、3~6カ月程度を目安に転職スケジュールを立てて、転職活動を開始します。選考状況に応じて、いつ所属企業に退職を申し出るのか判断しましょう。

新卒の仕事の辞めどきはいつ?

厚生労働省の調査によると、新規学卒就職者の、就職後3年以内離職率は高校卒で36.9%、短大など卒で41.4%、大学卒で31.2%となっており、約3~4割が入社後3年以内に辞めてしまうという傾向があるようです。

出典:新規学卒就職者の離職状況(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00004.html

「石の上にも3年」と、入社して3年をキャリアの区切りとして考えている方もいるようですが、必ずしも3年が辞めどきというわけではありません。「辞めどき」というのは、デジタルに期間で区切れるものではなく、人の価値観や仕事への姿勢、キャリアの考え方などによって大きく異なります。そのため、もし新卒入社した会社で辞めどきを考えているのであれば、ご説明したサインや考えるポイントなどを参考に、適切なタイミングがいつなのかを冷静に判断してください。

「仕事の辞めどき」を考えたらエージェントに相談してみる

仕事の辞めどきを考えたら、まず転職エージェントに相談してみましょう。転職エージェントは、数多くの転職支援実績があり、業界ごとの採用動向や経験・スキルの市場価値を把握しています。面談で経歴や所属企業の勤務状況、待遇や希望条件などを伝えたら、総合的に判断してアドバイスをしてもらえるでしょう。転職エージェントは必ずしも転職を勧めるとは限らず、状況によっては、「現職に残る」という提案をすることもあります。転職エージェントのサービスは無料で受けることができるため、辞めどきに悩んでいるのであれば、まず相談してみましょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。
記事作成日:2020年09月07日 記事更新日:2023年02月15日

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