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転職エージェントの内定率は、直接応募より高い? 活用するメリットを解説

転職活動を進める際に「転職エージェントを活用したほうがいいのか」「直接応募よりも内定率が高いなら活用したいけれど、実際はどうなのか」と迷っている人もいるでしょう。今回は、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏に、転職エージェントの内定率や活用のメリット、上手な活用方法などについて伺いました。

転職エージェントの内定率

転職エージェントの内定率は各社によって異なるため、一概に明言することは難しいと言えます。しかし、転職エージェントは多くの求人情報を取り扱っており、それぞれの企業から直接求める人物像などを聞いた上で、マッチする人材を紹介しています。反対に、転職希望者にとっては、自分の希望条件を伝えた上で、経験・スキルに合致する求人を紹介してもらうことができます。客観的な視点で企業と求職者をマッチングするため、内定率も比較的高い傾向にあると言えるでしょう。

また、転職エージェントは企業から直接、人材確保の依頼を受けているため、非公開の求人情報を持っていることも少なくありません。転職希望者にとっての選択肢が広がりやすく、企業とマッチングの可能性も広げやすいと言えるでしょう。さらに、自分とはまた違う視点で多様な企業を紹介してくれるため、幅広い企業を見ることができ、比較検討もしやすくなります。多くの情報を得ることができるため、今後のキャリア形成を考える際の参考にすることができるでしょう。

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直接応募の内定率

直接応募の内定率も個人によって異なるため、算出することは難しいと言えます。自己分析や企業選び、企業研究、応募書類のブラッシュアップ、面接対策などがどれだけできているかが内定率に影響します。また、直接応募の場合、自分一人でこれら全てを行うため、客観性に欠ける可能性もあります。自分の市場価値にマッチする企業を探すことができなかったり、応募書類や面接対策などの改善ができていなかったりするために、なかなか内定を得られないケースも少なくはありません。

もちろん、直接応募でも転職エージェント経由でも、転職希望者の経験・スキル・実績、意欲、準備などが内定率に大きく影響しますが、転職エージェントではやっておきたいことや改善点などにアドバイスをもらうことができます。「自分一人で転職活動を進めることが難しい」という場合は、転職エージェントを活用した方が内定率も上がる可能性があると言えるでしょう。

転職エージェント活用の内定率は世代で異なる

転職エージェントの内定率は「20代〜30代前半の若手層」と「30代後半以降のベテラン層」では異なる傾向があります。20代〜30代前半の若手層に向けた採用では、ポテンシャル採用や人材育成を目的に若手に絞った求人などが多くあります。求める経験・スキルなどの人材要件を厳密に設けていないケースも多いため、内定率は比較的、高い傾向にあると言えるでしょう。

一方、30代後半以降のベテラン層の採用では、年齢に応じた経験・実績・スキルが求められ、相応のポジションや裁量・責任を任せることも多くあります。そのため、本人の経験・実績・スキルと企業が求める人物像のマッチング精度をより高めることが必要です。なおかつ、責任あるポストなどの場合は採用枠そのものが少ないという背景もあるため、若手層よりも内定率は下がる傾向にあると言えます。

転職エージェント経由だと内定がもらえない? 受かりにくい?

転職エージェントでは、企業が求める人材要件によりマッチする候補者を紹介するために、社内で書類選考を行います。自分の経験・スキルなどがマッチしていない企業に応募した場合、エージェント内の選考で落ちてしまうこともありますし、直接応募と同じく、企業の面接選考で落とされることもあります。

しかし、転職エージェントだから内定がもらえない、受かりにくいということはありません。むしろ、キャリアアドバイザーとしっかりコミュニケーションを取り、客観的なアドバイスを受けながら軌道修正をしていくことで、選考通過の可能性をより高めていくことができます。転職エージェントを上手に活用すれば、内定率もアップさせることができるでしょう。

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転職エージェントを活用するメリット

転職エージェントを活用する場合、さまざまなメリットがあります。具体的にどのようなサポートを受けられるのかも合わせて紹介するので、参考にしてみましょう。

キャリアの棚卸しをサポートしてくれる

転職エージェントは、転職希望者のこれまでの経験、スキル、実績の棚卸しをサポートし、強みやアピールできるポイントを整理してくれます。また、転職先で実現したいことを明確にする自己分析などもサポートしてもらえるため、自分の希望条件を明確にできます。

自分の市場価値が客観的にわかる

転職市場の相場観も理解しているため、転職希望者の経験・スキル・実績からその市場価値を判断した上で、採用の水準にマッチする企業や採用の可能性がある企業を探してくれます。自分の市場価値を客観的に把握できるため、内定率を高めることに役立てられるでしょう。

転職エージェントだけが持っている求人情報もある

転職エージェントは一般には公開されない、非公開の求人情報を持っている場合が多くあります。応募者が多い人気企業や人気職種などの採用活動では、選考を効率化するために転職エージェントに人材の確保を依頼するケースも少なくありません。転職サイトなどで公開している情報と違い、非公開の求人は直接応募できませんが、転職エージェントを介することで、そうした企業・職種にも挑戦できる可能性が高まります。

自分の希望にマッチする企業を紹介してくれる

転職希望者が転職先に求める条件を把握した上で、マッチする企業や可能性がある企業を紹介してくれます。また、企業が求める人物像や採用水準を満たす人材を把握しているため、内定を得られる可能性が高い企業を紹介してくれるでしょう。

「現時点の自分の市場価値では、希望を叶える企業への転職が難しい」という場合には、必要な経験・スキルを積める企業に転職してから再度転職するなど、段階的にステップアップしていく方法なども教えてくれます。

応募書類の作成や面接対策などをサポートしてくれる

転職エージェントは応募企業の求める人物像を理解しているため、よりアピールできる応募書類を作成できるようにアドバイスしてくれます。また、模擬面接の実施などで面接対策のサポートもしてくれます。よりアピールできる回答内容や、好印象につながる話し方、改善した方がいい点など、客観的な視点のアドバイスをもらえるため、内定率を高めることができるでしょう。

面接日程の調整・交渉もしてくれる

面接日程の調整などの応募企業とのやりとりも転職エージェントに全て任せることが可能です。そのため、よりスピーディに転職活動を進められるでしょう。現職と転職活動を並行する場合には「夜間や休日しか面接に対応できない」と悩む人もいますが、希望を伝えれば企業に交渉してもらえます。

面接時の注意点や筆記試験の対策を教えてくれる

面接時に注意したいことや、面接当日の立ち居振る舞い、身だしなみなどについても、転職エージェントからアドバイスをもらうことができます。また、筆記試験が行われる場合には、過去の実施内容やどの程度の準備をすれば良いのかを教えてくれます。ほかにも、試験対策ができるWebサイトや参考書なども転職エージェントから紹介してもらえるでしょう。

面接後にフィードバックをしてくれる

面接後には転職エージェントが応募企業に感触を聞き、どのような評価を得たのかを把握した上で改善したほうが良い点を教えてくれます。一次面接で大きく評価されなかった場合でも、二次面接に向けた改善のアドバイスをもらうことができるので、選考通過率を高めることができるでしょう。一次面接で落ちてしまった場合でも、ほかの企業の選考に向けて改善できるため、今後の選考通過率を高めることができます。

企業の社風や働き方の実態などを教えてくれる

転職エージェントは応募企業の社風や働き方などを理解しています。企業ホームページや転職サイトの情報では把握できない実態を教えてもらえるため、より自分にマッチする企業かどうかを判断しやすくなるでしょう。また、内定後に、内定承諾するか迷っている場合には、希望すれば先輩社員や人事との面談の設定、オフィス訪問などを設定してくれます。複数社の選考を進めている場合、どの企業を選ぶべきか判断に悩むケースは多くありますが、客観的なアドバイスをもらうことでより自分にマッチする企業を選択しやすくなるでしょう。

内定後の交渉もしてくれる

内定後の交渉などの企業とのやりとりも転職エージェントに任せることができます。例えば「第二志望の企業から内定を得たが、選考中のほかの企業を第一志望としている」という場合には、企業に内定承諾を待ってもらうための交渉などもしてくれるでしょう。また、内定承諾の際には、収入などの条件面の交渉や、入社日の調整なども任せることができます。

内定後に必要な手続きや現職の会社とのトラブルなどもサポートしてくれる

内定承諾書の提出や、入社時に必要な手続きや書類などについてもサポートしてもらえます。また、現職に退職を申し出る際には、退職日の交渉などでトラブルが起きる可能性もあります。こうした場合も転職エージェントが対処法などの相談に乗ってくれるので、より安心できるでしょう。

全て無料でサポートしてくれる

転職エージェントでは、上記のような支援を全て無料で受けることができますし、目指すキャリアを実現するためのさまざまな相談にも無料で対応してもらえます。転職希望者から一切費用を取らない理由は、採用に至った際に採用企業から報酬をもらう仕組みがあるからです。そのため、安心して活用することができるでしょう。

転職エージェントを上手に活用するためのポイント

転職エージェントを上手に活用するためのポイントをご紹介します。

転職先に希望することは遠慮せずに全て伝える

転職先で実現したいことや希望する条件などは、遠慮せず全て伝えることが大事です。全ての希望が叶わないこともありますが、優先順位をつけるアドバイスなどもしてくれるため、納得できる転職先を探しやすくなるでしょう。また、優先順位が明確になることで転職エージェント側もマッチする企業を見つけやすくなり、内定率を高めていけるでしょう。

意欲が高い人はより応援される

転職に対し、高い意欲を持っている人は転職エージェントのキャリアアドバイザーにも応援されやすいと言えます。希望に沿う企業をより親身に探してくれたり、転職エージェントから応募企業に対し、より丁寧にフォローやプッシュをしてもらいやすくなったりすることもあります。また、キャリアアドバイザーに積極的に相談したり、アドバイスを求めたりすることで、面接対策や応募書類の改善を行うことができるので、内定率もより高めることができるでしょう。

さまざまな業界・企業を検討してみる

転職エージェントでは、客観的に企業と転職希望者のマッチングを行います。転職希望者が視野に入れていない業界、企業、職種などを紹介することもありますが、「実は希望にマッチしていた」というケースは少なくないため、一度話を聞いてみることが大事です。また、さまざまな業界・企業に挑戦してみることで、自分の可能性を広げていくこともできるでしょう。

転職エージェントを活用するかどうか迷ったら?

転職エージェントに対し「一度相談したら必ず転職しないといけないのでは?」と考える人もいますが、そんなことはありません。まずは話を聞いてみて、転職活動に役立つのか、求める情報や解決策を得ることができるのかを判断してみると良いでしょう。

また「無理やり、希望していない企業に転職させられるのではないか」と不安に思う人もいるようですが、転職エージェントは企業から依頼を受けた上で人材を紹介しています。転職希望者にマッチする企業を紹介し、入社後に定着・活躍してもらうことは、転職エージェントのビジネスにおいても重要なポイントと言えます。きちんとした転職エージェントを選べば、ミスマッチな企業に転職させられるようなことはないでしょう。

ただし、企業体質や担当するキャリアアドバイザーによっても「相性が合う・合わない」はあるものです。それを確かめるためにも、本音で自分のキャリアや希望に対する考えを伝えることが大事です。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。