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転職がうまくいかないのはなぜ? 年代別の傾向と対処法

転職活動がうまくいかない原因とは?理由別に対処法を解説

転職市場は、求職者と企業の採用ニーズの需給バランスで成り立っています。採用ニーズの高い職種で、求職者が少ない場合は「売り手市場」となり、比較的転職活動がしやすくなりますが、採用ニーズが低く求職者が多い「買い手市場」の場合は、転職活動が苦戦する可能性があります。転職市場に詳しくない方の中には、倍率の高い求人ばかりにチャレンジしたり、希望条件を高く設定しすぎたりして、「転職活動がうまくいかない…」と悩んでしまうケースもあるようです。

そこで、転職活動がうまくいかない場合の対処法について、組織人事コンサルティングSegurosの粟野友樹氏にお伺いしました。

転職がうまくいかない5つの理由

転職がうまくいかないケースとは、どのような共通点があるのでしょうか。よくある理由を5つご紹介します。当てはまっていないか、確認してみましょう。

人気企業や大手企業ばかりを狙っている

転職活動が初めての方に多いのが、「待遇の良い大手企業が希望」「新卒で憧れていた企業にチャレンジしたい」など、条件の良い人気企業や大手企業ばかりに応募するケースです。人気企業や大手企業は、多くの求職者が応募しているため競争倍率が高くなる可能性があります。また、応募者の多い人気ポジションは厳選採用となるため、たとえ求人に記載されている人材要件にマッチしていたとしても、他の応募者と比較されて選考を通過しないケースもあります。人気企業や大手企業にチャレンジすること自体は問題ありませんが、うまくいかないと感じているのであれば、応募企業のラインナップを見直すことも大切です。

応募先を厳選しすぎている

自分の条件や興味関心に合致した、厳選した企業だけに応募するケースもよく見られます。応募書類の作成や面接の日程調整の手間が省けるため一見効率的なようですが、数社しか応募せず、不採用になった場合はまた数社を厳選して応募するという進め方は、転職活動が長期化する原因になってしまいます。また、複数社から内定を得て比較検討して選ぶことが難しくなるため、選択する際に迷いが生じ入社後に後悔してしまう可能性もあります。複数の企業から内定を得て比較検討して選ぶために、選考の通過率を考慮して応募数を調整するようにしましょう。

経験・スキルが合っていない

企業が求める経験・スキルを満たしていないのに、興味や憧れなど自身の希望を優先して、経験・スキルを重視する求人に応募しているケースがあります。また、自己を過大評価して、身の丈に合わない企業に応募しているのかもしれません。求人に記載されている「求める経験」「仕事内容」を確認し、自身の経験・スキルとマッチしているかどうかを客観的に確認してみましょう。未経験の求人にチャレンジしたい場合は、ポテンシャルを重視し、未経験者にも門戸を広げている求人に応募するという選択肢もあります。

職務経歴書の内容が不十分

これまでの経験・スキルを、職務経歴書で上手にまとめられていないケースもあります。これまで経験した職務を全て記載するのが基本的なルールですが、応募する仕事に関係のない職務が冗長に書かれていると、採用担当者は募集するポジションにマッチしているかどうか判断することができません。また、「隣の部署のプロジェクトを少しだけ手伝った」「半年間だけ、臨時で○○業務を担当した」といった経験を、「少ししか携わっていないから」と、職務経歴書に記さない方もいるようです。応募する仕事との接点を意識して、過去の職務を分かりやすくまとめることが重要となります。

面接の準備をしていない

中途採用の面接の多くは、人事担当者、現場責任者、役員など、採用担当者を変えて複数回行われることが一般的です。複数回行う理由は、多角的な観点で応募者を判断するためです。面接に慣れていない場合は、それぞれの採用担当者から聞かれたことに対して、的確に回答するだけでも難しいものです。さらに回答に一貫性を意識して、相手の求めていることに対して答えることは、準備なくしてできることではありません。

転職理由や志望動機、自己PRなどの一貫性を持たせながら伝えるためには、キャリアの棚卸しを通じて自己分析を行うことが重要です。特に、転職が初めてで面接に慣れていない方や、複数の転職経験がありキャリアに一貫性がない方はなおさら、転職で何を成し遂げたいのか、どういうキャリアを築いていきたいのか、しっかり自分自身に向き合い考える必要があるでしょう。その上で、模擬面接を含めて面接の準備や練習を念入りに行っておくことが大切です。

【年代別】転職がうまくいかない人の傾向

転職がうまくいかない場合の、年代別の傾向はあるのでしょうか。20代、30代、40代に分けて解説します。

20代の転職活動

20代の場合は、30代・40代と比べると社会人経験が少ないため、キャリアの棚卸しの素材が少なく、自己分析が十分でない可能性があります。その結果、転職理由や自己PR、志望動機に一貫性がなくなったり、行き当たりばったりの転職に見えてしまったりします。

「なぜ転職を考えたのか?」「転職で実現したいことは何か?」「目指しているキャリアは何か?」「どのような働き方を希望するのか?」など、自己分析を通じて転職の方向性や譲れない軸を明らかにすることが、20代の転職では重要になるでしょう。

30代の転職活動

30代で転職がうまくいかないケースの多くは、企業が30代に求めていることと、求職者の希望とのミスマッチです。30代では、より経験・スキルを重視され即戦力が求められるようになります。また、後半に近づくに従って、リーダー経験や管理職経験も求められるようになります。一方で、30代になると結婚や育児などのライフイベントが発生するため、求職者側の希望条件は増えていきます。

企業も求職者もお互いに譲れない条件が増えていくことで、転職活動がうまくいかなくなるケースが増えるのが30代の傾向です。自身の経験・スキルの市場価値を確認したり、希望条件を「絶対条件」と「できれば叶えたい条件」に整理したりして、マッチングの精度を高めましょう。

40代の転職活動

40代は、30代よりも一層ピンポイントのマッチングになります。40代ともなると、マッチするポジションの多くが管理職か専門職になります。異動や昇進などで社内の人材を据えるのではなく、あえて外部から人材を採用するからには、企業側に「自社に変革を起こすような責任者が必要」「企業ステージが変わったので専門家が欲しい」などの狙いがあります。経験・スキルの専門性が求められるだけでなく、企業の狙いやカルチャーに合致した人物であること、また、事業に与えるインパクトや待遇も高いことから、厳選採用になる傾向があります。一方で、求職者側は管理職や専門職の経験があるだけに、希望条件や自己評価が高すぎてマッチしないケースも多いのが、40代の転職です。40代にマッチした求人が豊富にあるわけではないので、じっくりと腰を据えて転職活動に取り組む必要があります。

転職活動を好転させる方法

うまくいかない転職活動を好転させるには、どのように対処したらいいのでしょうか。5つの改善策を解説します。

自己分析を行う

キャリアの棚卸しを通じて、自己分析を行うことは転職活動の第一歩。自分の強みや向いている仕事、転職で大切にしたいことは、自己分析を行わないと明確にはなりません。特に20代では、まだ自分の得意分野や強みが明らかになっていないケースも多い傾向があります。転職がうまくいかないと感じているのであれば、面倒でも自己分析から始めてみるのがお勧めです。

転職の軸を決める

「転職の軸」とは、「転職で実現したいこと」を指します。転職の軸が定まっていないと、企業を選ぶ基準が曖昧になり、企業のブランドイメージや待遇の良さだけで選んでしまうことになります。こうした選び方をすると、企業から志望動機を聞かれた際に、「大手企業だから」「給与が高いから」と直接的な回答になってしまう可能性が高くなります。また、面接を通過して複数の企業から内定が出たとしても、転職の軸が定まっていない場合は、基準がないため比較検討が難しくなります。入社後に「こんなはずじゃなかった…」と後悔する可能性もあるので、転職の軸は必ず決めておきましょう。

転職市場の相場を掴む

転職市場の相場が分からずに、経験・スキルに見合わない条件を希望していたり、競争率の高い仕事ばかりを探そうとしていたりしているのかもしれません。自分の希望条件が転職市場で適切なのか、また、転職可能性の高い仕事なのかどうかを把握しておくと、転職活動の進捗が大きく変わります。ただし、一人で転職市場の相場を掴むことは容易ではありません。転職エージェントに相談して、自分の転職の方向性は合っているのかを確認するか、転職サイトで求人を探して、合致する求人は多いのかどうかを調べてみるといいでしょう。転職サービスやビジネスSNSに登録してオファーを待ち、自分の経験・スキルのニーズがあるかどうかを確認するという方法もあります。

選択肢を広げる

応募先を厳選していたり、特定の転職チャネルのみを使っていたりすると、転職先の幅が広がらず、なかなか転職先が見つからない可能性があります。転職サイト、転職エージェント、ビジネスSNS、友人や知人に聞いてみるなど、できるだけ多くの情報に触れるようにして、応募の選択肢を広げてみましょう。思わぬところから声がかかり、転職に結びつく可能性があるかもしれません。

応募書類・面接の対策を行う

書類選考がなかなか通過しない場合は、応募書類を見直してみましょう。特に職務経歴書は、書き方ひとつで選考の通過率が変わる重要な書類です。職務経歴書の職歴やスキル、自己PRが、応募する求人にマッチしているのか見直してみましょう。採用担当者は1日に何通もの応募書類に目を通しています。経歴のサマリなども冒頭に入れて、パッと見てどのような人物なのか分かりやすくしておくことも重要です。

書類選考は通過するのに面接を突破できない場合は、応募書類で経歴は評価されているため、面接でアピールが足りていないかマイナス評価となっている可能性があります。必ず面接で聞かれる「転職理由」「志望動機」「自己PR」の回答の準備だけでなく、面接でどのような印象を与えているのか、鏡の前で練習して確認するようにしましょう。特にオンライン面接の場合は、画面を通じた印象のみなので、雰囲気が伝わりにくくなります。
身ぶり手ぶりや表情などもチェックし、クセなどを改善しておきましょう。

「転職がうまくいかない…」から好転させた転職成功事例

転職がうまくいかなかったところから、好転させて転職が成功した事例もあります。

転職がうまくいかず疲れてしまった場合

転職がうまくいかないと、転職活動が長期化するため心身ともに疲弊してしまいます。転職活動に疲れてしまった場合の対処法をご紹介します。

第三者に話を聞いてもらう

転職活動は孤独なものです。一人で活動していると、不安やストレスが溜まってしまいます。もし転職活動に疲れたと感じた場合は、友人や家族などに「ちょっと話を聞いてもらっていいかな?」と聞いてみましょう。友人や家族などに相談するのが難しい場合は、転職エージェントに相談し、うまくいかない原因がどこにあるのか聞いてみるのもひとつの方法です。

できるだけ割り切るようにする

不採用が続くと、自分の経験・スキルや人柄を否定されたような気持ちになって落ち込んでしまうものです。ただし、転職とは企業と求職者のニーズのマッチングなので、転職がうまくいかないのはお互いのニーズが合わなかっただけです。経験・スキルや人柄が「どこにも通用しない」というわけではありません。転職活動の方法や条件を見直したり、応募する企業の選択肢を広げたり、応募書類や面接の準備をしたりすることで、解決の糸口が見えてくるでしょう。

休息を取りメリハリをつける

応募書類の作成や面接準備、面接の受け答えなど、転職活動は慣れないことが多く、緊張感から疲れてしまいやすいものです。さらに長期化すると、心身ともに疲れてしまうのは仕方のないことです。もし、転職活動が疲れたと感じたら、いったん休息を取ってリフレッシュするのも重要です。「転職先が決まらない」という焦りがあるかもしれませんが、疲れていると面接で顔に出てしまいやすくなります。転職活動にメリハリをつけて気持ちを切り替えることで、新たな気づきを得られるかもしれません。

うまくいかない時は転職エージェントに相談を

転職エージェントは、応募書類の添削や模擬面接の実施、マッチする求人の紹介や面接の日程調整などを無料で行います。また、豊富な転職支援実績から、転職市場の動向や転職成功しやすいポイントなども把握しています。もし転職がうまくいかないと感じたら、転職エージェントに相談し、アドバイスを受けることをお勧めします。転職活動の心強いサポーターになってもらえるでしょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏


約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。

記事作成日:2019年10月03日 記事更新日:2023年03月15日

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