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在職中とは?就業中や在任中の違いと在職中の履歴書の書き方

「今の会社で働きながら転職活動をする」「業務が忙しすぎるので、退職して転職活動に集中する」――そのいずれかで悩む人もいらっしゃいますが、やむを得ない事情がない限り、在職中に転職活動をスタートすることをお勧めします。会社を辞めずに転職活動をしたほうがよい理由や業務と両立しながら転職活動を成功させるポイントを、組織人事コンサルティングSeguros代表コンサルタント粟野友樹氏が解説します 

在職中とは

「在職中」とは、会社に勤めている社員である状態のことです。つまり「在職中の転職」とは、現在勤めている会社に属しながら転職活動を行うことを指します。

「在職中」と似た言葉に「就業中」「在任中」がありますが、それぞれの意味について解説します。

就業中との違い

「就業中」とは、職務についている状態のことです。会社に出勤して業務に取り掛かっているケースや、失業していない状態を指します。また、近年はリモートワークを行う機会も多く、在宅で仕事をしている状態も就業中と言えます。

在任中との違い

「在任中」とは、ある任務についている状態のことです。例えば、あるプロジェクトを任されていたが異動となった場合、取引先に対して「在任中はお世話になりました」と伝える際などに使用されます。

在職中に転職活動をするのが望ましい理由

やむを得ず退職する場合もありますが、会社を辞めずに転職活動をしたほうがいい理由は、予想よりも転職活動が長引いてしまうことがあるためです。離職した状態で転職活動が長期化すると、次のような不安が生じるといわれています。 

お金の心配が出てくる

転職活動中は面接に行くための交通費、あるいはスーツを新調しなければならない場合もあるなど、何かと出費がかさみます。何より離職期間は収入が途絶えてしまうのです。もし実家で暮らしているのであれば負担は減らせるかもしれませんが、独り暮らしや養う家族がいる場合は生活資金がいつまで続くか不安になりますし、貯金が減っていくことに焦りを感じるでしょう。なお、自己都合退職の場合、失業保険の給付は一般的には退職3ヵ月後からとなるため注意が必要です。 

離職期間(ブランク)が長引くと選考に影響を与える可能性がある

離職期間が長期におよぶと、企業側は「この間、何をしていたのだろう」と疑問を抱きかねません。面接で問われたとき、相手が納得する回答ができれば問題ないですが、あやふやな回答では「本気で働こうという気がないのでは」「他の企業が採用を見送るような問題を含んでいるのだろうか」と懸念され、その後の選考に影響が出る可能性も考えられます。

在職中における履歴書の書き方

在職中に転職活動を行う場合の履歴書の書き方について解説します。

職歴欄には「現在に至る」と書く

職歴欄は時系列に沿って記載をし、最後には「現在に至る」と書きましょう。もし「現在に至る」と記載されていないと、在職中であっても採用担当者が「離職中なのでは」と捉えてしまう可能性があります。

職歴
20XX年 4 株式会社〇〇 入社
20XX年 6 一身上の都合により退職
20XX年 7 株式会社△△ 入社
現在に至る
以上

退職予定日と出社可能日が分かれば記載する

退職日や出社可能日が分かっている場合は、職歴欄の最後に「現在に至る(20XX年○月末退職予定)」「現在に至る(20XX年○月末契約満了見込)」のように記載します。企業の採用担当者は「いつまでに何人採用する」といった目標を立てて採用活動を行っているものです。明確なスケジュールを伝えておくと、採用担当者が選考の進め方や日程などを配慮してくれる可能性があります。

本人希望記入欄
退職予定日 〇月〇日
出社可能日 〇月〇日

 

連絡可能時間と連絡手段は本人希望欄に書く

連絡が取りやすい時間や手段を伝える場合は、本人希望欄に記載しましょう。お互いに連絡が行き違いになってしまうと、あらためて連絡を取る手間がかかったり、先に連絡の取れた他の候補者の選考が進んでしまったりする可能性があります。ただし応募企業の営業時間外を指定するのは、一方的な要求となってしまうので避けましょう。日中でも比較的連絡がつきやすい時間や、メールにて連絡をもらうなどの姿勢を見せることが大切です。

本人希望記入欄
現在、在職中のため平日9時~18時は電話に出られない可能性があります。
気付き次第すぐに折り返し電話いたしますが、メールにてご連絡いただけますと幸いです。

在職中の転職活動の注意点

在職中に転職活動を行う際の注意点を2つ解説します。

スケジュール調整を事前に行う

働きながら転職活動をする場合、一般的には準備から内定まで3ヵ月程度を要します。企業によって選考スケジュールが大きく異なるため、事前にスケジュールを確認しておきましょう。転職エージェントを利用している場合は、スケジュール調整も相談できるので安心です。

「忙しくて面接に行く時間がとれない」「平日の日中は社外に出られない」といった不安を抱いている人も多いでしょう。有給休暇を使う方法もありますが、最近では平日の夜間や土日に面接を行う企業もありますので、応募企業に相談してみるのもひとつの方法です。

また、Zoomなどを使ったオンラインを導入する企業も増えています。面接をスムーズに運ぶために、自分が週あたり何件の面接時間をとることができるのかを確認したうえで、応募する企業数を設定すると効率的でしょう。 

の企業の機密情報を記載しない 

履歴書や職務経歴書、面接などで在中の企業の機密情報を漏らさないようにすることが大切です。例えばニュースリリースを出していない今後の事業計画や財務情報、取引先社名、出資者名などです。うかつに伝えてしまうと「守秘義務意識、リスク管理意識が薄い人」と思われかねません。また在職中の会社にも迷惑をかけることになるので注意しましょう。 

在職中の転職活動 Q&A

の転職活動についてよくある質問をまとめています。 

Q)忙しくて準備や活動をする時間がありません。

A)初めての転職の場合、職務経歴書の作成に手間取る人が多いようです。この場合、フォーマットを活用すれば書類作成の時間を短縮できます。また、転職エージェントを利用すると企業とのやりとりを転職エージェントに代行してもらえるので、時間と手間を省くことができます。

Q)転職活動をしていることを職場に知られることが不安です。

A)会社の人に察知されるような行動をつつしむようにしましょう。例えば、就業時間中は応募先からの電話を受けないようにしたり、受けた場合も話の内容を周囲の人に聞かれないようにしたりと気をつけてください。面接に行く日に普段は着ないスーツを着ていること知られることも考えられます。応募先に事情を話せば、面接にオフィスカジュアルで臨むことを承諾してもらえるケースもありますので、相談してみるのもひとつの方法です 

Q)どうしても早く辞めたい。辞めてから転職活動はやっぱりまずい?

A)会社を辞めて転職活動することにはリスクがある反面、メリットもあります。例えば「企業研究や面接準備にじっくり時間をかけられる」「企業から指定された面接日程に応じやすい」「内定を得たら、すぐに入社できる」などです。「後がない」と覚悟を決めることで、企業に「本気」が伝わりやすくなるかもしれません離職期間を長引かせないよう、スピーディに活動を進めましょう。 

Q)上司にいつ頃退職意思を告げればよい?

A)会社にいつ退職意思表示をするかは、会社の就業規則によって異なります。まずは規則を確認しましょう。一般的には退職希望日の1~3か月前に伝えます。内定を獲得し、内定承諾をした後に切り出すのがいいでしょう。 自分の業務の後任者選定~引き継ぎにどれくらいの時間がかかりそうかを予測しておくことも大切です。 

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏


約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

記事作成日:2019年06月06日 記事更新日:2023年11月07日

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