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「仕事にやりがいがない、楽しくない」は当たり前?理由と対処法、意識したいサインを紹介

仕事やりがいない

仕事にやりがいを感じられない。そう思いながらも、「仕事は楽しくないものと割り切った方がいいのか」「やりがいのない仕事だからと、辞めてもいいものだろうか」と悩んでしまう人もいるでしょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント・粟野友樹氏に、仕事にやりがいを感じられない理由や対処法などを解説いただきました。転職のきっかけとなるサインや、やりがいある仕事を探すための方法なども紹介していきます。

「仕事にやりがいがない」は当たり前?割り切るべき?

仕事にやりがいや働く喜びを感じられないことに悩んでいる人は、少なくありません。
株式会社リクルートが2021年に実施した「働く喜び調査」(※1)では、「働く喜びを感じている」と回答した人は全体の43.3%、「どちらとも言えない」は23.3%、「感じていない」は33.4%となっています。全体の3割超は「働く喜びを感じていない」ことがわかりました。しかし、同調査の「働く喜びが必要か」という質問に対しては、全年代を通じて8割以上の人が「必要」と回答しています。

大多数の人が働く喜びを求めている一方、働く喜びを感じているのは全体の約4割という状況が浮き彫りになりました。仕事にやりがいや喜びを感じづらい環境があったり、仕事に対する期待と現実のギャップが大きいことで、より強く「やりがいがない」と認知したりするケースが推測されます。

また、同じく株式会社リクルートが実施した「転職活動者の意識・動向調査(2021)」(※2)では、「転職活動を始めたきっかけに、新型コロナウイルスが影響としている」と回答した人が63.5%を占めており、かつ、「新型コロナウイルスの影響で、よりやりがいのある仕事をしたいと思ったため、転職を検討した」と回答している人は全体の26.7%となっていました。

これらのデータを見ると、「仕事にやりがいを感じない人」が相当数いる一方で、割り切ることなく「やりがいある仕事への転職を目指す人」も同様にいると言えるでしょう。

(※1)出典:2021年「働く喜び調査」(株式会社リクルート)
(※2)出典:「転職活動者の意識・動向調査(2021年)」(株式会社リクルート)

仕事にやりがいを感じられない8つの理由と対処法

ここでは、仕事にやりがいを感じられない8つの理由と対処法を紹介します。

今の仕事に意義・意味を見出せない

任されている仕事に対し、「自分がその仕事をやる意義・意味」を見出すことができないと感じているケースです。「そもそもやりたい仕事ではない」という場合や、集計作業・資料作成などに対して「自分でなくても誰にでもできる」と感じている場合などがこれに当てはまるでしょう。しかし、新入社員や社会人歴が短い人材の場合は、一定の経験を積むまでは、やりたい仕事や責任あるプロジェクトを任せてもらえないことも多いため、今後にやりたい仕事や、やりがいあるポジションを経験できる可能性があります。

<対処法>
新入社員や社会人歴が短い人材の場合は、課された業務をきちんとこなせるようになることが重要です。上司から一定の評価を得ていく中で、よりやりがいある仕事を任せてもらえるようになるでしょう。
「そもそもやりたい仕事ではない」と感じている場合は、社内でやりたい仕事を探し、プロジェクトに手を挙げたり、部署異動を申し出たりする方法があります。

ミスを繰り返して、自己肯定感が低下している

仕事でミスを繰り返してしまい、自己肯定感が下がったためにモチベーションが保てなくなるケースもあります。また、成果を出せない状況が続いた場合なども「自分に向いていない仕事」と感じて自己肯定感が下がり、同様の状況に陥りやすいでしょう。

<対処法>
まずはミスをなくすことを意識し、改善した上で、成果を上げるための努力をすることが大事です。自分では改善方法がわからないという場合は、上司や先輩などに相談してみると良いでしょう。

正当に評価されない・評価基準に納得できない

自分の仕事が正当に評価されない場合は、仕事のやりがいを感じられず、モチベーションが下がるものです。この場合、会社としての評価の仕方が正当でないケースだけでなく、自分が考える評価基準と会社や上司の評価基準がずれているために不満を感じるケースもあるでしょう。評価基準は、会社の風土や業界によって変化します。数字による成果を評価することもあれば、プロセスを評価することもありますし、個人の成果とチームワーク、どちらを重視する社風なのかによっても評価基準は変わってくるでしょう。

<対処法>
自分の考えと会社の評価基準がマッチしていない場合は、上司に評価基準を確認することで、評価される方法を再認識できます。また、評価が正当でないと感じる場合は、成果をアピールできていない可能性もあります。成果をわかりやすく伝えることで、評価につながるケースもあります。

仕事内容に飽きてしまった

仕事に慣れていくうちに、仕事内容そのものに飽きてしまったり、ルーティン化してしまったりするケースです。同じ業務を続けていくことに対し、モチベーションを保てなくなることもあるでしょう。

<対処法>
上司に相談し、より責任ある仕事や新しい領域の仕事を任せてもらう方法があります。また、自分自身でストレッチ目標などを立てるなどでも、仕事に張り合いを感じることができるでしょう。部署異動やプロジェクトへの参加などを申し出ることで環境を変化させることもできます。

思うようなキャリアを実現できない

「今の仕事で働き続けても、自分の思うようなキャリアステップを実現できない」と感じてしまうケースです。仕事内容そのものが、自分の目指すキャリアとずれている場合や、会社の昇進・昇格制度が機能していない場合などがこれに当てはまるでしょう。

<対処法>
先輩社員のキャリアステップを調べ、自分にマッチするキャリアの道筋がないか探してみると良いでしょう。また、部署異動の可能性や社内公募の制度などを調べ、自分が目指すキャリアビジョンを実現する方法を探す方法もあります。

仕事に対する目標がない

仕事に対し、自分なりの目標を持てない場合は、何かを達成したいという意欲が湧きにくいため、やりがいも感じにくいと言えます。給与や待遇、福利厚生、会社のネームバリューなど、条件面だけで仕事を選んでしまった場合に多いケースでしょう。

<対処法>
「仕事を通じて成長すること」「人から感謝されること」など、自分なりに仕事において大事にしたいことを考え、その達成を目標にしてみる方法があります。また、同じ職場で楽しそうに働いている先輩に、仕事のやりがいについて聞いてみるのもいいでしょう。

「働くこと」そのものに意義を感じない

仕事よりプライベートを重視するタイプの場合、働くこと自体に意義を持たず、「仕事はこなすもの」という意識を持っているケースもあります。「とにかく精神的に楽な仕事がいい」と考え、やりがいよりもストレスがないことを重視して仕事を選ぶ場合なども同様のことが言えるでしょう。

<対処法>
仕事のやりがいにこだわらず、「効率化して早く帰る」「数字達成で収入をアップする」など、プライベートを充実させるための目標を設定する方法もあります。また、仕事の中で「自分なりに楽しめること」をクローズアップして働くなどでも、モチベーションを保ちやすくなるでしょう。

職場環境が自分に合わない

職場の人間関係が合わずに仕事を辞める人や、労働環境に不満を感じて転職を目指す人は少なくありません。「企業文化や働く人との相性が合わない」「残業時間が多い」など、「裁量権が小さい風土のために、成長できない」などの不満を感じているケースがこれに当てはまるでしょう。

<対処法>
人間関係が合わない場合は、まず自分から歩み寄るなどの工夫をしてみることで、改善できる可能性もあります。残業時間が長い場合は「効率化のための工夫をする」、成長できない環境が不満な場合は「自分なりに成長できる方法や道筋を探す」などで対処する方法もあります。

社会に役立てる実感がない

仕事を通じて人から感謝される機会がなく、社会に役立つ実感を持てないケースです。誰からも「ありがとう」と言われることがなければ、自分の仕事に意義を感じにくいと言えます。また、「社会に影響を与えていきたい」と考えている場合は、それを実現できない仕事に就くとモチベーションが下がるでしょう。

<対処法>
顧客などと直接関わらない仕事の場合は、周囲の人に役立てることを探してみると良いでしょう。社会的影響力のある仕事を望んでいる場合は、勤務先の会社が社会に影響を与えている部分を探すことで、組織の一員として人に役立つやりがいが見つかる可能性もあります。

仕事にやりがいを感じていない時のサインは?

仕事にやりがいを感じなくなっているサインの例を挙げるので、自分に当てはまるものがないか考えてみましょう。

<仕事にやりがいを感じていない時のサイン>

  • 仕事に行くのが面倒
  • 朝起きて仕事に行くのが辛い
  • 友人や知人の仕事が羨ましいと感じる
  • 上司や同僚などとコミュニケーションすることが面倒
  • 仕事に主体的に取り組めない
  • 給料日しか楽しみがない
  • 仕事そのものに物足りなさを感じる
  • 何のために仕事しているのかわからず、虚しさを感じる
  • 成果や改善に向かう意欲が湧かない
  • 目標を達成しても、充実感や達成感をあまり感じない
  • 新たな知識を得たり未知の仕事に挑戦したりしたいというモチベーションが湧かない
  • 会社やチームに貢献しようという意欲が起きない

これらのサインを感じた場合は、以降で紹介する対処法に取り組んでみると良いでしょう。

「仕事にモチベーションを感じられない」辛いと感じた時の対処法は?

仕事に対するモチベーションが下がり、働くことそのものが辛いと感じた時の対処法を紹介します。

周囲の人に相談する

上司や先輩、友人、知人、家族、パートナーなど、まずは周囲の人に相談してみましょう。「仕事量が多過ぎる」「仕事の責任が重過ぎる」という場合は、上司に相談して負荷を軽減してもらったり、部署移動を申し出たりすることもできます。また、社内の先輩にモチベーションを高める方法を聞いてみるのも良いでしょう。社内で相談しにくい内容の場合は、友人・知人に「客観的にどう思うか」などのアドバイスをもらうこともできます。話すことでスッキリするケースもありますし、今後の対処法が見つかるかもしれません。

思い切って仕事を休む

モチベーションが下がりきっている場合は、思い切って仕事を休み、リフレッシュすることも必要です。仕事と関係ない環境に身を置いたり、仕事以外の友人・知人などと接したりすることで気分が変わる可能性もあります。

自分の将来についてあらためて考えてみる

将来、自分がどうなりたいのかをあらためて考えてみることも大事です。今の会社で実現したいこと、やってみたい仕事などを考えてみれば、働くモチベーションを高めることができます。また、自分の強みや、それが発揮できる環境などを考え、部署異動や転職などを検討してみるのも良いでしょう。

趣味や副業などでやりがいを探す

仕事とは関係のない自分の趣味を通じて、人に役立ったり、喜ばれたりすることに取り組んでみる方法もあります。副業をOKとする会社で働いている場合は、副業を始め、スキルアップを目指すこともできます。副業NGの場合は、プロボノなどのボランティア活動に取り組めば、社会貢献の喜びを感じることができるでしょう。また、仕事以外でやりがいを感じることに挑戦した結果、仕事そのものにもやりがいを見出せるようになるケースもあります。

自分に向いている仕事や楽しいと思える仕事を探す

転職サイトなどを調べ、「自分に向いている」「楽しいと思える」「成長できる」「キャリアを実現できる」など、自分がやりがいを感じられる仕事を探してみるのも良いでしょう。今後のキャリアも含め、自分の新しい可能性を見つけることができます。

転職活動を始めてみる

やりがいのある仕事に就くために転職活動を始めてみるのも一つの方法です。転職活動を始めたからと言って、転職しなくてはいけないわけではありません。転職するかどうかを決めず、自分の可能性を見つけることを目的としてスタートする方法もあります。

「仕事に行くのが嫌すぎる」「ストレスのために体調が悪い」と感じた場合は?

今の仕事が辛いことが原因で、明らかに心身に異常を感じている場合は、まずは仕事を休んだり、医師の診断を受けたりすることが大事です。休職や退職などが必要な場合は、上司や人事などに相談の上、手続きを進めましょう。

仕事を辞めてもいい?転職のきっかけとなるサインは?

「今の仕事を辞めるべきなのか」「本当に転職した方がいいのか」と悩んだ時、きっかけとなるサインや考え方について紹介します。

転職のきっかけとなるサイン

先に紹介した対処法を実践した上で、「どうしてもモチベーションが上がらない」「今のままでは自分のやりたいことを実現できない」「ほかの仕事でやりたいことが見つかった」などと感じた場合は、現在の仕事や職場が自分にマッチしていない可能性があります。転職のきっかけとなるサインと捉え、本格的に転職活動を始めてみるのも良いでしょう。一歩踏み出すことが不安な場合は、在職中に転職活動を進めれば、最終的に「転職せずに現職にとどまる」という選択もできます。

合わない仕事を続けた場合はどうなる?

無理をして自分に合わない仕事を続けた場合は、ストレスや労働環境によって体調が悪化してしまうケースもあります。また、やりがいを感じない仕事を続けた結果、自分が目指すキャリアにマッチする経験・スキル・実績を積み重ねることができなくなる可能性もあります。やりたい仕事を目指すために転職活動を始めても、採用選考で苦戦し続け、「もっと将来につながる経験を積んでおけばよかった」と後悔するケースもあります。
将来のキャリアアップやスキルアップ、自己実現のためにも、自分に合う仕事、自分がやりがいを感じられる仕事に役立つ経験・スキルを積むことに時間を費やした方が良いでしょう。

「今の仕事を辞めたい」だけで転職することはおすすめできない

転職に向かうサインを感じた場合でも、自分の将来についてきちんと考えず、「とにかく今の仕事を辞めたい」「ほかの仕事の方が、やりがいがありそう」という思いだけで転職することはお勧めできません。

特に、部署異動などでやりたい仕事に就ける可能性がある場合などは、現職のままやりがいを感じられることもあるので、転職するかどうかについて、しっかり検討することが大事です。また、憧れやイメージだけで転職を目指す場合は、自分にマッチしない仕事や企業を選ぶ可能性もあり、早期離職につながるケースもあります。転職後に、また転職を繰り返す可能性もあるので、まずは自分にとってやりがいを感じられる仕事とは何か考えることが大事でしょう。

やりがいのある仕事を探す方法

「自分にとって、どんな仕事ならやりがいを感じるのかわからない」「そもそも、自分は何にやりがいを感じるのかもわかっていない」という人のために、やりがいのある仕事を探す方法を紹介します。

好きなこと、楽しいことから考える

過去の経験の中から、好きなこと、やっていて楽しいと感じることを探し、どこにやりがいや喜びを感じるのか考えてみましょう。「物事を分析することが面白い」「人から感謝される瞬間が嬉しい」など、具体的にどういったことにやりがいを感じるのかを掘り下げることが大事です。

自分の強みや人から評価されたことから考える

「自分の能力を発揮して活躍できること」もやりがいの一つに挙げられます。自分の強みを活かせることや、人から評価されたことを振り返り、それを活かせる仕事を探してみましょう。仕事を通じて活躍することでやりがいを感じられる可能性があります。

周囲に「自分に向いていること」を聞いてみる

周囲の友人や知人などに自分がいきいきしている瞬間や、向いていることなどについて聞いてみるのも良いでしょう。他人から見た自分について知ることで、意外な「向いている仕事」「楽しいと感じる仕事」に気づくことができるかもしれません。客観的な意見をもとに、やりがいある仕事について考えてみましょう。

「将来、なりたい自分」について考えてみる

10年後、5年後、3年後などの自分をイメージし、「将来、こうなりたい」という理想像を考える方法もあります。「どんなポジションで、どういった活躍がしたいのか」などのキャリアを思い描き、そこに向かう道筋を考えてみましょう。また、仕事ではなく、ライフスタイルから考えてみることもできます。「こんな生活がしたい」というイメージを描き、それを実現できる年収・ポジションなどをやりがいとするのも良いでしょう。

転職エージェントに相談してみる

転職エージェントに相談したからといって、必ず転職しなければいけないわけでも、すぐ転職先を決めなくてはいけないわけでもありません。転職エージェントは、キャリアの棚卸や自己分析などをサポートしてくれるため、自分にとってやりがいがある仕事を探すヒントを掴むために活用してみるのも良いでしょう。また、自分を求めてくれる可能性がある企業・職種を紹介してくれるので、活躍するやりがいを感じられる仕事が見つかるかもしれません。「何にやりがいを感じるのかはわかったけれど、どういう仕事ならそれを実現できるのかがわからない」という場合にも、客観的なアドバイスをもらうことができるでしょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏


約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

リクルートエージェントでは、転職でお悩みの方に適切なアドバイスをお送りしています。また、企業の面接対策や職務経歴書の作成サポートや、スムーズな退職のためのサポートを行っています。お悩みの方はぜひ一度相談に来てみてください。