転職エージェント トップ > MR・メディカル専門職の転職 > あなたの人生が最高に輝く時 > MRになれたと、ホッとしている君へ

あなたの人生が最高に輝く時(ミクスOnline提供)あなたの人生が最高に輝く時(ミクスOnline提供)

MRになれたと、ホッとしている君へ

ミクスOnline公開日 2013/5/2

【向上心を忘れるな】

MRになれた時点で、ホッとしてしまって、向上心を忘れてしまう人がいる。一方で、さらなる向上を目指して勉強に励む人がいる。

勉強するといっても、闇雲に手を出せばいいというものではない。多忙なMR活動の間隙を縫って手に取ってほしいのは、この3冊だ。直ちに、これらの本に書かれているレベルに達するのは無理としても、世の中には高度のMR活動が存在していることを知り、それらを目標とすることは、あなたに充実した人生を提供してくれることだろう。

【勝ち残るための7つの眼】

重大なルール変更がなされた時、それを無視して我武者羅にゴールを目指すだけのサッカー選手に勝利の女神が微笑むことはない。同様に、医療制度改革によって環境が大きく変わろうとしている時、その変化に気がつかないMR、気がついていても新しい環境に対応できないMRが勝ち残ることは難しいだろう。

『MRバブル崩壊時代に勝ち残る“7つの眼”――医療制度改革とMR活動』(川越満著、エルゼビア・ジャパン。出版元品切れだが、amazonなどで入手可能)は、MRバブル崩壊への9つの足音が聞こえると警告を発している。すなわち、①独立行政法人国立病院機構の「共同購入」と「採用品目削減」、②DPC拡大による低薬価シフト、③処方箋様式の変更による後発医薬品の使用促進、④高齢者の自己負担増、⑤パテント切れ症候群とピカ新欠乏症、⑥シェア・オブ・ボイスからシェア・オブ・マインドへの転換、⑦バーチャルMR、CSO、DTCの普及、⑧再編統合による医療機関の減少、⑨薬価の年度改定化――である。

それでは、これらの環境変化を踏まえて、勝ち残るMRになるためにはどうすればよいのか。著者は7つの眼を備えるべきと明言している。変化を読む眼、顧客を見る眼、顧客の感情を読む眼、経営を見る眼、地域医療を見る眼、違いを見る眼、患者を見る眼――の7つ眼であるが、観点がユニークで、説得力がある。

「顧客の感情を読む眼」のところで、「カタログ・セールス」は最低レベル、「差別(異)化セールス」は中間レベル、質問力を備えた「コンサルティング・セールス」が最高レベルと位置づけられているが、私の20年に亘るMR経験からも同感である。

標的ドクターに「現在、先生が最優先して取り組んでいらっしゃることは何ですか?」と質問し、答えを得た後に、「先生は私が担当させていただいている先生方の中で○番目に重要な先生です。今日から、その最優先事項に関して先生のお役に立てるよう頑張ります。本当に私が頑張っているか、お手数ですが監視をお願いします。私が頑張っていると認めていただけましたら、○○の患者に○○を1例だけ処方してください」と依頼する。標的ドクターを監視役に仕立ててしまうことによって、ドクターとMRが目的を共有することができるのだ。また、「先生が一番優秀と思われるMRは誰ですか? そのMRのどういうところが凄いのですか?」という質問も威力を発揮する。

【差をつけるためのITツール】

『MR活動が10倍効率化されるIT活用法』(池上文尋著、医薬経済社。出版元品切れだが、amazonなどで入手可能)は、IT環境の急激な変化に対応すべく、「MRが個人の持つ能力を瞬時に多数の顧客に伝えることができる時代」のMRのあり方を提言している。

著者は、自身の豊富な経験から、MRのITツールは「SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)→ブログ→メルマガ(メールマガジン)→WEBサイト(ホームページ)」という順で展開していくことを勧めている。それぞれのツールについて適切なアドバイスが盛りだくさんなので、IT初心者の心強い味方となるだろう。

私は、ITが進歩すればするほど、直に標的ドクターに会って、ドクターの心に響くディテーリングができるMRの重要性が増してくると確信している。

【MR自身がドクターのための「処方例集」になろう】

製薬企業と医療機関との関係が透明化され、公正競争規約が厳格化される新時代を迎え、MR活動はどうあるべきか、製薬企業はどうあるべきかを真剣に考えようとするとき、見逃すことのできない本が出現した。『優秀なMRはどのようなディテーリングをしているのか?――シェア・オブ・マインドを上げるOPD実践テキスト』(高橋洋明著、川越満監修、セジデム・ストラテジックデータ株式会社ユート・ブレーン事業部)は、このテーマに真正面から取り組んだ刺激的な力作である。

MR活動を、従来のSOV(Share of Voice=処方を依頼する競争)からSOM(Share of Mind=心の繋がりを深める競争)へ進化させるためには、患者志向に立脚した「OPD(One Patient Detailing=ある疾患における、自社製品に限らない個々の症例に基づく有益な情報の提供)」というコンセプトが必要になる、と監修者が冒頭で述べている。

【なぜOPDなのか】

今、一部で「MR不要論」なるものが囁かれているという。MR経験20年、MR育成24年の私としては看過できない事態であるが、現役MRにとっては、もっと切実な問題だろう。また、訪問規制が強化され、やっとの思いで面談に漕ぎ着けても、ネットの発達などを受けて、忙しい時間を割いてまでMRから情報提供される必要性を感じないドクターも存在するという。はっきり言って、これは由々しきことである。

ドクターが会いたいと思うMR、話を聴きたいと思うMRになることが、これからの医療業界でMRが生き残っていくベスト・ウェイであり、延いては、ドクターを初めとする医療従事者、患者に喜ばれ、社会からMRが高く評価されることに繋がる、というのが著者の主張である。

それでは、ドクターが求める、ドクターにとって本当に有益な情報とは何か。この解答を得ようとするならば、ドクター、さらには患者の立場で疾患や治療を捉え、想像し、考える力が必要になるというのだ。OPDこそが、ドクターのニーズ、そしてウォンツに対応可能なディテーリングだというのだ。

著者はOPDを推奨する理由を10挙げている。①OPDはドクターのニーズに合ったディテーリング方法である――OPDは「症例集」をMRの頭の中に作り、ドクターからの質問にスムーズかつ的確に回答できるディテーリング方法と言えるからだ、②OPDはドクターの満足度を高めるディテーリングである、③OPDは疾患領域や治療薬が何かに拘わらず有効なディテーリングである、④OPDはMRにもメリットがたくさんある、⑤OPDの実践によってドクターからの評価が高まる――OPDを続けていると、ドクターの話が理解できるだけでなく、診療におけるドクターの考え方も理解できるようになるからである、⑥今、OPDを求めているドクターが増えている、⑦OPDで口コミ現象を起こすことができる、⑧OPDで得られた情報を蓄積すると、エリア・マーケティングができる、⑨OPDはMRのモチベーションを上げてくれる――MRとは、本来、社会や医療に貢献できる、やりがいのある仕事なのだ。ドクターや医療従事者の便利屋ではない。MRのやりがいや醍醐味は、「MRが提案した薬剤が、患者や家族、ドクターに笑顔と幸せを提供すること」にあるのだ、➉OPDの情報の蓄積はMRや製薬企業にとって財産である。

このように、OPDは、ドクターにもMRにも有効なディテーリングであり、MRによるOPDは、ドクターとの症例情報の共有化だけでなく、「薬剤処方時の信頼、安心感の提供」でもある、と著者はOPDの実践を強く勧めている。

【臨場感溢れる実践例】

100ページ近くが、具体的なOPDの実践例の紹介に充てられているのが、この本の最大の強みと言えるだろう。「新薬上市時」「ピカ新から遅れて上市した薬剤」「生活習慣病治療薬」「がん」「精神疾患」「希少疾患」「病院勤務医」「開業医」「専門医」「薬局長」のそれぞれのケースについて、「従来のディテーリング」と「OPD」を対比する形で示されている。現役MR時代にOPDを実践してきた著者の蓄積が、これらの対話に臨場感と説得力を与えている。

イーピーエス株式会社
榎戸 誠

MRなどメディカル・医療業界の転職市場に精通したキャリアアドバイザーが、あなたの希望に合ったキャリアプランや求人情報をご提案させていただきます。