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転職エージェントは掛け持ちできる?転職エージェントを併用する際の注意点

転職エージェント 掛け持ち

「転職エージェントを複数社利用してみて、幅広いアドバイスが欲しい」「様々な求人を紹介してもらいたい」などの理由から、複数利用を検討している方も増えているようです。そこで、人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント粟野友樹氏に、転職エージェントを掛け持ちする際の注意点についてお伺いしました。

転職エージェントは掛け持ちして利用できる?

転職エージェントを掛け持ちで利用するか迷っている方向けに、転職エージェントの併用利用についてデータを交えてご紹介します。

転職エージェントを掛け持ちして利用している求職者もいる

前提として、転職エージェントは複数社の利用が可能です。転職エージェントは基本的に無料で利用できるサービス。そのため、複数の転職エージェントを活用して転職活動を行っている求職者もいます。転職支援のためのツールが充実していたり、業界・職種に特化していたりなど、転職エージェントによって特徴は異なります。「1社では不安」「選択肢を広げたい」という方は、興味を持った転職エージェントに相談し、掛け持ちで利用してみましょう。

転職経験者の7割以上が転職サイト・転職エージェントを併用

リクルートが行った「就職活動で転職サイト・エージェントはいくつ登録しましたか?」というアンケート調査によると、登録した転職サイト・エージェントの社数は、「2社」という回答がもっとも多く、33.1%を占めました。なお、「3社」は26.1%でした。

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【調査概要】2019年7月16日~7月17日 株式会社ジャストシステム「転職に関するアンケート」 調査対象:転職を経験したことのある男女199名(単一回答)

転職エージェントに相談する

転職エージェントの掛け持ちを伝える際の伝え方

転職エージェントを複数利用する場合の伝え方をご紹介します。それぞれの転職エージェントの特徴や強みを理解し、自身の転職活動をより良い形で進められるように工夫しましょう。

・「転職エージェントA社を利用しています。A社は○○領域に特化しているので、応募している求人はすべて○○職になります。御社では○○職以外にも、マッチする求人があればぜひ紹介していただきたいです」
・「転職エージェントA社からはこのような求人を紹介されましたが、御社でも同様の求人はありますか?」
・「A社では〇〇業界へのキャリアチェンジを提案されましたが、他に選択肢はあるでしょうか」

リクルートエージェントの転職活動サービス

転職エージェントを掛け持ちする場合のメリット

転職エージェントを掛け持ちする場合のメリットをご紹介します。

紹介される求人の幅が広がる

転職エージェントによって求人の数や種類が異なります。転職エージェントは、企業の採用ページや転職サイトなどに公開していない「非公開求人」を保有しています。また求人を公開せずに、限られた転職エージェントを通じて採用活動を行っている企業もあります。こうした「独占求人」を保有しているケースもあるため、転職エージェントを掛け持ちすることによって、紹介される求人の幅は広がるでしょう。

なお、企業との関係性が深く、人材ニーズを熟知している転職エージェントの場合、レジュメを元に新しいポジションを打診してくれるケースもあります。経験・スキルや希望条件などにもよりますが、転職エージェントを掛け持ちすることで、選択肢の幅が広がる可能性があるでしょう。

多角的なアドバイスを受けることができる

また、転職エージェントに申し込むと、担当のキャリアアドバイザーとの面談が行われます。面談では今後のキャリアプランや転職活動のアドバイスを受けることができますが、キャリアアドバイザーの経験や知識、転職支援に対する価値観などによってアドバイスは異なります。求職者が置かれている環境や経験・スキル、希望条件を考慮した結果、「現職に残る」という選択肢を提案するケースもあります。

なお、“人”が介在するサービスのため、キャリアアドバイザーとの相性の「合う/合わない」ももちろんあります。転職エージェントを掛け持つことで、第二、第三の意見を聞いた上で、納得度の高い選択をすることができるでしょう。

転職エージェントを掛け持ちする場合の注意点

転職エージェントを掛け持ちする場合の注意点をご紹介します。

事前に掛け持ちしていることを伝える

転職エージェントの掛け持ちを、正直に伝えるか否かは求職者の考え方次第であり、どちらを選択しても問題はありません。ただし、選考が進んでから伝えるよりも、初めから伝えた方が的確なアドバイスがしやすく、キャリアアドバイザーとの信頼関係も深まるでしょう。

選考状況を伝えて内定時期を揃えてもらう

複数の企業の選考が同時期に進んでいる場合は、その事実を伝えるという方法もあります。転職エージェントは基本的に自社で紹介した企業の選考スケジュールのみを考慮して動くため、他社で進めている選考スケジュールを揃えてはもらえません。転職エージェントに併用状況を伝えることで、選考や内定時期を調整するように動いてもらえる可能性があります。

例えば「この時期にA社で選考が進んでいる2社の内定を獲得し、複数候補から比較検討したい。そのために、B社で進めている2社の選考を早めに進めてもらいたい」など、ご自身で計画を立てた上で状況を伝えることで、転職活動を上手に進めることができるでしょう。

たくさん応募する際に企業が被らないように確認する

複数の転職エージェントを利用して数多くの求人の紹介を受けていると、誤って同じ企業に応募してしまう可能性があります。複数の転職エージェントから同じ企業の応募することはトラブルの原因となるので、応募の際は社名を確認するようにしましょう。

転職エージェントの掛け持ち利用のコツ

転職エージェントを上手に掛け持ちするためのコツはあるのでしょうか。3つのポイントをご紹介します。

最初は2~3社に申し込み様子を見る

掛け持ちをする転職エージェントを増やしすぎてしまうと、やり取りやスケジュール調整の手間がかかります。そのため、掛け持ちをする場合は、まず2~3社に申し込んで、やり取りにどの程度負荷がかかるのか様子を見てみましょう。最初に申し込んだ転職エージェントのサポートで十分であればそのまま続行し、転職活動にゆとりがありアドバイスや求人紹介を受けたいのであれば、1社ずつ増やすようにすると手一杯になる事態を防げるでしょう。

スケジュールをこまめに共有しておく

利用している転職エージェントには、自身のスケジュールをこまめに共有しておきましょう。選考状態が進んでいくと、複数の面接が入ってくるようになります。仕事を続けながら転職活動している場合は、自身の仕事のスケジュールの合間を縫って面接を入れなければならないので、面接可能な日時は適宜更新して転職エージェントに共有しておきましょう。

どのようにサポートしてほしいのか伝える

転職エージェントを掛け持ちで利用する場合は、どのようなサポートをしてほしいのかを事前に伝えるようにしましょう。前述した通り、「転職エージェントA社からはこのような求人を紹介されましたが、御社でも同様の求人はありますか?」「A社では〇〇業界へのキャリアチェンジを提案されましたが、他に選択肢はあるでしょうか」など、掛け持ちしている他の転職エージェントの例を挙げると分かりやすくなります。

また、「方向性が定まらないのでキャリアの棚卸しからサポートしてもらいたい」「転職が初めてなので、応募書類や面接のアドバイスが欲しい」など、困っていることがあれば率直に伝えることも有効です。

掛け持ちする転職エージェントの選び方

転職エージェントを大きく分けると、「大手・総合型」と「中小・特化型」の2つがあります。「大手・総合型」とは、幅広い業界・職種の求人を扱い総合的に転職支援を行っている転職エージェントを指します。一方で、「中小・特化型」とは、特定の業界・職種・地域などに特化し、深く専門的な転職支援を行っている転職エージェントを指します。

「幅広い選択肢から考えたい」「未経験業界・職種にチャレンジしたい」という方は、「大手・総合型」の転職エージェントを中心に利用するのがおすすめです。すでに希望の業界・職種が決まっていて、「詳しく業界・職種の採用動向を教えてもらいたい」「経験・スキルの効果的なアピール方法を知りたい」など、業界・職種に特化した転職支援を受けたい場合は、「中小・特化型」も視野に入れると転職成功の確率が高まるでしょう。

転職エージェントの掛け持ちは可能なのでまずは登録してみよう

冒頭でお伝えした通り、転職エージェントの掛け持ちは可能です。しかもサービスの利用に費用はかかりません。転職エージェントの多くは、オンライン面談を導入しているため、自宅から面談を受けることも可能です。そのため、興味を持った転職エージェントには、積極的に申し込んで面談を受けてみましょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。