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自己PRを1分間でする方法 転職面接でポイントと好印象を与える回答例

自己PR 1分間

転職活動の面接では、「自己PRを手短かにお願いします」と言われるケースはよくあるものです。

そこで今回は、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏に、自己PRを1分間でするポイントや上手にアピールするコツ、好印象を与える回答例についてお話を聞きました。

あなたの自己PRの参考にしてみませんか。

自己PRはなぜ聞かれる?1分間でまとめるべき理由は?

まずは企業がなぜ自己PRを聞くのかを知り、1分間でまとめるべき理由について把握しましょう。

企業が自己PRを求める理由は?

企業が自己PRを聞くのは、応募者の持つ強みを通じて、「入社後に活躍できるか」「自社にマッチするか」を判断するためです。これまでの経験・実績・スキル・任せられる業務の水準などを把握すると同時に、仕事の進め方や取り組み方などから自社のカルチャーにフィットする人材であるかを見極めています。転職理由や志望動機を聞いた後に、自己PRを求める流れが多く、「なぜ今、転職をするのか」「なぜうちの会社なのか」「うちの会社で活かせる強みは何か」を聞くことで、一連の回答に一貫性があるかどうかを見定めているといえるでしょう。

1分間で簡潔に話せば好印象につながる

「自己PRを簡単にお願いします」と言われたら、1分前後で簡潔にまとめましょう。要点をまとめずにダラダラと長く話せば、聞き手はポイントを把握できませんし、飽きさせてしまう可能性もあるのです。また、質問するタイミングを与えずに一方通行で話し続けることで、自分のいいところを引き出してもらいにくくなるでしょう。さらに、結論ファーストで端的に伝えることができなければ、「論理的思考やプレゼン能力がない」「準備不足=やる気がないのでは?」と判断されてしまう可能性もあります。長くても1分半までにまとめ、自分の強みを簡潔に話せる方が、好印象につながりやすいでしょう。

また、「自己PRを1分間で話してください」など、時間制限を設ける場合は、「時間内での対応能力=即戦力人材であるか」を判断している可能性が高いと考えましょう。

「1分間」で語れる内容は約300文字。何を伝えるべき?

1分間で語れる内容を文章に書き起こすと、300字前後(250字~350字)の文字数となります。自己PRでは、アピールしたい強みや、それを裏付ける成功体験のエピソードをコンパクトにまとめることが大事です。自分の経験・実績・スキルを具体的に伝え、その企業でどう活躍できるかをイメージしてもらうことが重要だと考えましょう。

「1分間の自己PR」で伝える内容とポイント

それでは、実際にどんな内容を伝えるべきかを把握していきましょう。また、上手にアピールするためのポイントについても紹介していきます。

構成を把握し、内容を簡潔にまとめる

自己PRで話す内容は、以下のような構成にするといいでしょう。

<自己PRの構成>
1. 最初に、「結論=自分の強み」を端的に伝える
2. 根拠となる「理由・背景・エピソード」を伝える
3. 強みによる「成果や実績」を具体化・数値化して伝える
4. 志望する企業・職種で「どう活かせるか」を伝える

これらを300字前後の文章にまとめることを意識しましょう。

強みは1つに絞る

1分間の自己PRは想像以上に短いものです。アピールしたい強みがたくさんある場合は、あれもこれもと入れるのではなく、1つに絞るといいでしょう。応募先の企業や職種に最もマッチするものを選ぶことがポイントです。また、冒頭で伝える強みについては、「コミュニケーション力」「柔軟性」「責任感」などの曖昧な表現は避けましょう。

例えば、「コミュニケーション力」は、“伝える”“聞く”“連携する”という力に分解することができます。自分がどこを得意とするのかを踏み込んで分析すれば、「顧客の気持ちに寄り添う提案ができる」「顧客の潜在ニーズを引き出すヒヤリング力がある」など、より具体的な言葉に落とし込むことができるでしょう。

イメージしやすいキーワードを盛り込む

強みの裏付けとなる成功体験のエピソードでは、「誰に対し、何をして、どのように成果を挙げたのか」をきちんと伝えることが大事です。その際には、仕事の規模感や水準がイメージしやすくなるキーワードを盛り込むといいでしょう。有名な大手企業を顧客としていたり、ITツールやプログラミング言語などに精通していたりするなら、それらの“固有名詞”を伝えることで、「任せられる仕事のレベル感」を把握してもらいやすくなります。また、担当していた案件で扱った金額や、かかわった人数、期間などの“数字”も伝えれば、規模感をイメージしてもらいやすくなるでしょう。

1分前後に収まるかチェックする

アピールする要点を文章にまとめたら、実際に口に出して1分前後に収まるかどうかチェックしましょう。長過ぎはもちろんNGですが、短か過ぎる場合も「やる気がない」「準備不足」というマイナス印象を与えてしまう可能性があります。1分前後を目安に、削るポイントやプラスする要素を考え、足し引きすることが大事です。

事前にしっかり練習しておく

スラスラ語れるようにするためには、事前に練習しておくことが重要です。「面接本番で実際に口に出してみたら、思うように話せなかった」というケースは非常に多いのです。書き言葉と話し言葉は違うので、聞き手の理解しやすさを考えた上で、自然な流れで話せるように修正しましょう。また、練習している姿を動画撮影する方法もお勧めです。声のトーンや表情、抑揚などを客観的に確認し、改善しておけば、より安心できるでしょう。

オンラインと対面、それぞれを想定することも大事

昨今は、オンライン面接を中心に行う企業が増えていますが、最終面接のみは対面で行うケースもあります。オンラインと対面では、相手に与える印象も雰囲気も違うので、それぞれを想定して練習するといいでしょう。

オンラインの場合は、「カメラの位置によって姿勢が悪く見える」「目線の置き場に困る」「対面より、声の抑揚が伝わりにくい」などの問題があります。事前にチェックしておくことが大事でしょう。また、対面の場合は、雰囲気に飲まれて緊張しやすくなるケースもあるので、イメージトレーニングをしておくことも大事です。オンラインのように手元に履歴書や職務経歴書のコピーなどを置いておくことができないので、しっかりと語るべき要点を咀嚼(そしゃく)しておきましょう。

志望先の企業に合わせてカスタマイズする

転職活動では、複数の企業の面接を並行するケースも多く、「企業ごとに1分間の自己PRを作成して練習する時間がない」ということがよくあります。こうした場合、応募先の企業にマッチする内容にカスタマイズするといいでしょう。顧客層や仕事内容などを踏まえ、そこにマッチするエピソードを持ってくることで、よりアピールできます。また、自分の持つ「強み別」に1分間自己PRを作っておき、志望する企業に合わせてアレンジを加えるのもいいでしょう。

1分間自己PRの例文

営業職、事務職における1分間自己PRの例文を紹介します。自分の自己PRを作成する際の参考にしてみましょう。

営業職の1分間自己PR

<結論=自分の強み>
顧客の本質的な課題を深掘りできることが私の強みです。

<理由・背景・エピソード>
現在、1000名規模の上場企業を中心に約10社を担当し、AIソリューションのハイタッチセールスをしております。
多忙なCTOや役職層に向け、競合他社と差別化できる提案を短時間で行うために、3つの取り組みを大事にしております。
過去の導入事例を資料にまとめ、短時間で適切な説明を行うこと。業界情報を収集し、顧客先の業務課題を想定した仮説を3つ用意すること。導入の際に懸念される点や想定質問への回答を事前にまとめることです。

<成果や実績>
これにより、初期段階から本質的な課題解決の提案ができ、新規開拓における導入率80%と、社内トップの成果を出しております。

<どう活かせるか>
大手企業を顧客とし、直接提案を行う御社においても、潜在ニーズを掘り起こす力を活かして課題解決に貢献していきたいと思っております。

事務職の1分間自己PR

<結論=自分の強み>
総務事務として、新しいツールやシステムなどの導入選定を数多く経験したことが強みと考えております。

<理由・背景・エピソード>
前職は総務業務全般を担当しておりました。50名規模の会社で、社内の就業インフラが整備されていなかったため、業務効率化のITツールやオフィス移転先候補の選定、健康診断の受診先病院やストレスチェックツールの選定まで携わりました。
会社にとっての費用対効果や、社員にとっての働きやすい環境作りを常に考え、多様な選択肢の中から優先順位をつけて選定することを心掛けております。

<成果や実績>
経営層からの評価に加え、外部の社労士や社外監査役からも「同規模の他社と比較して適切な環境が整えられている」というお言葉も頂きました。

<どう活かせるか>
御社に入社後も、総務事務の業務領域の中で経営陣や社員に役立つ提案を行い、社内の環境整備に貢献していきたいです。

自己PRで悩んだら転職エージェントに相談しても

自己PRを作成・練習する際、「語るべき内容の客観的な判断ができない」「これでアピールできるのだろうか」と悩む人もいるでしょう。自己PRで悩んだら、転職エージェントに相談し、キャリアアドバイザーから客観的なアドバイスをもらうことがお勧めです。客観的な改善点を指摘してくれますし、志望する企業によりアピールできる強みや要素を抽出してもらうことができます。

また、経験やキャリアに自信がある場合でも、「その場で上手く話せるだろう」と考えて何も準備せずに面接に臨んだ結果、うまく伝えられなかったというケースは少なくありません。さらに言えば、求職者が考える自分の強みと、志望先の企業にアピールできる強みが違っているケースはよくありますし、伝える内容や表現を少し変えるだけでぐっと評価がアップするケースもあるのです。キャリアアドバイザーから第三者目線のアドバイスをもらい、適切な準備をしてから面接に臨めば、採用の可能性をより高めることができるでしょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

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