採用面接において、電話・WEB・Skype(スカイプ)の手段を導入する企業が増えています。「面接日程の調整がつかない」「住んでいる場所と応募先企業の場所が離れている」といった事情がある場合に便利。しかし、対面コミュニケーションではない分、注意しなければならないこともあります。電話・WEB面接において気をつけるべきポイントを、リクルートのキャリアアドバイザーが解説します。
対面の面接とはどこが違う?
聞かれる内容や事前に準備しておくポイントは、対面もWEB・電話も同じです。ただし、相手が目の前にいるわけではないので、表情やジェスチャーなどが伝わりづらくなります。また、思いがけないことで、会話に集中できない事態に陥ることもあります。
「もったいない」採用見送りを防ぐためにも、電話・WEB面接の場面ではどんな困りごとが起きるのかを押さえておきましょう。
電話面接とWEB面接・スカイプ面接で、共通して気をつけたいポイント
通信環境
電波状況が不安定な場所で行うと、「音声がブツブツと切れる」「相手の声が聴き取りにくい」、WEBなら「画面がフリーズする」といったことが起きます。電波状況を確認の上、場所を選びましょう。
周囲の雑音
面接中、雑音が入るような環境はなるべく避けてください。お互い、会話に集中できなくなってしまいます。例えば、他の人の話し声、車や電車の音、音楽など。できる限り静かな個室で行うようにしてください。また、面接途中で携帯電話が鳴らないよう、なるべく電源オフにしておきます。マナーモードにしたとしても、バイブ音が響くと気になるものです。家族と同居している自宅で行う場合は、家族にも物音を立てないよう伝えておきます。
直前のスタンバイ
電話であればどちらからかけるのか、WEBであれば何分前にログインするか……など、直前になって「あれ、どういう約束だったっけ?」と焦るのはありがち。事前に確認しておきましょう。
電話面接で気を付けたいポイント
声のトーンと発音
対面に比べると、どうしても声が聴き取りにくくなります。いつもよりワントーン高めの声で、一つひとつの言葉をはっきりと、ゆっくりと発音するようにしましょう。
ダラダラ話さず、言葉を区切る
「~で、~で、~だから、~だと思って、~したら、~で」といったように、言葉を区切らず延々と話を続けるクセがある人は少なくありません。文章にした場合、「、」ばかりが続き、「。」がない状態です。対面の面接であれば、表情の変化が見える分、それほど気にならないかもしれませんが、電話だと相手をイラつかせてしまう可能性あり。伝えたい内容は端的にまとめ、区切って話しましょう。そうすれば会話にテンポが生まれ、お互いに話していて心地よさを感じられます。
長時間の対話に備え、イヤホンを準備
面接は長時間に及びますので、途中で音声への集中力が落ちてくることもあります。イヤホンで聴く方が負担も軽いので、準備しておくことをお勧めします。
WEB・スカイプ面接で気を付けたいポイント
背景
背景が雑然としていると、面接相手は気になって会話への集中力が落ちてしまうかもしれません。何より、「礼儀を欠いている」「整理整頓ができない人なのか」というマイナス印象を与えかねません。背後になるべく余計なものが映らないように、ものを片付けるか、位置を調整しましょう。
照明の当たり具合
照明が作り出す「影」は、印象を大きく左右します。影が濃くなると、表情が険しく見えてしまいます。日中であれば、なるべく太陽光が入る部屋で、自然な明るさの中で行うことをお勧めします。窓のない部屋や夜間の場合は、照明の位置や角度に注意してください。
カメラの角度(目線)
カメラの角度にも配慮が必要です。下の方から自分の顔を映すと、相手から見れば「上から目線」。尊大な態度に見えてしまいます。
面接開始直前の「アップデート」
スカイプに登録後、しばらくログインを行わず、面接直前に久しぶりにログインすると、システムのアップデートが始まることがあります。面接開始時間までにアップデートが完了せず、焦ってしまうと、動揺が収まらないまま面接に入ることになります。時間に余裕を持ってログインしましょう。
面接中の「目線」
質疑応答に備え、伝えたいことをメモにまとめておくのは構わないのですが、メモを頻繁に確認するのは控えましょう。何度も目線を外すことになるため、心証を損ないます。
なお、メモに書いた文章をそのまま読み上げるのはNG。「これだけは伝える」というポイントを押さえておき、その場で相手と目を合わせ、素直な気持ちを話したほうが伝わりやすいものです。
事前の面接対策について
電話・WEB面接に向けて準備しておくことは、対面の面接と変わりません。
● 自身の経験・スキル、これまでに挙げた成果、その成果につながった工夫・行動などを整理する
● 自身が仕事において「大切にしたいこと」「将来目指すこと」を考える
● 「転職理由」について、現状への不満だけでなく、「これからやりたいこと」「目指したいこと」という切り口で語れるようにしておく
● 応募企業について、企業サイトや採用情報サイト、メディアの記事など多方面から情報収集。自分の経験・スキルが活かせるか、大切にしたいこと・目指す方向性がマッチしているかをすり合わせる
● 上記のポイントをふまえ、「志望動機」を語れるようにしておく
● そのほか、想定される質問への準備をしておく
● 面接の最後に聞かれる「何か質問はありますか?」に対し、質問を準備しておく。
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