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【転職相談室】やりたいことがわからない…どうやって見つける? キャリアアドバイザーが伝授、「やりたいこと」の見つけ方

やりたいことが見つからない

今の仕事は自分に合っていないような気がする。でも、やりたいことが何なのかわからない…こんな悩みを抱えている人は少なくないようです。

今回は、「やりたいことがわからない」と悩む27歳男性の悩みにキャリアアドバイザーがお答えします。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

お悩み:「やりたいことって、どうやって見つければいいの?」

中堅メーカーで総務業務に就いています。もう入社して4年になりますが、この仕事は自分に合っていないように思います。しかし、かといって「じゃあ何がやりたいのか?」と言われると、それもピンときません。

今の仕事も、長く続けていれば何らかのやりがい、楽しさを得られると思っていましたが、感じられずに今に至ってしまいました。もう中堅になる年齢なので、そろそろ将来を考えなければならないのですが、やりたいことも、自分の経験やスキルが活かせる場所もわかりません。私はどうすればいいのでしょうか?
(Nさん:メーカー・総務職/27歳)

今までの業務を振り返り、「やりたいこと」のヒントを見つけよう

アドバイザー:
「やりたいこと」は、これまでに携わってきた業務の中にヒントがあります。それを一緒に洗い出していきましょう。
Nさんはいつぐらいから、どんな場面で「この仕事は自分に合わないな」と感じるようになったのですか?

相談者:
もともと営業志望だったので、総務部に配属された直後から「自分には合わない」と感じていました。営業の最前線でバリバリ働き成果を上げたいと思っていましたが、総務は社内の各部署とのやり取りがメインで成果を感じる場面がありません。それでも、頑張って続けていけば仕事に愛着も出て、やりがいも感じるかもしれない…と思っていたのですが、入社4年目になっても「合わない」という思いが強まるばかりです。

アドバイザー:
入社以来ずっと総務のお仕事なのですね。では総務部門の規模と、現在手掛けていらっしゃる業務を具体的に教えていただけますか?

相談者:
総務部の人数は約15名。その中で、私は備品管理と発注、オフィス管理に携わっています。各部署の必要な備品を取りまとめて発注し、納入するほか、オフィスの机やPC、什器などの管理も私の仕事。メンテナンス依頼や故障対応のほか、オフィスレイアウト変更なども担当しています。なお、この業務は私を含め3名で回しています。

アドバイザー:
社内のあらゆる部署とコミュニケーションを取る必要がある、責任あるお仕事ですね。現在4年目とのことですが、別の業務を担当していたことはありますか?

相談者:
1年目から2年目にかけては社内行事の企画・運営サポートがメイン業務でした。入社式や社員旅行、四半期ごとのキックオフ、株主総会などさまざまな社内イベントがあります。イベントの企画は先輩社員が担当し、私はイベントの運営サポートを主に担当しました。2年目の途中から、現在の業務に担当替えになり、丸2年が経ったところです。

紙に書き出しながら考えると、思いが整理しやすくなる

アドバイザー:
今までの業務を振り返ってみて、やりがいや醍醐味を感じた業務はありませんか?

相談者:
うーん…急に言われても、なかなか思い浮かばないなあ…。

アドバイザー:
では、紙に書き出しながら整理してみましょうか。では1、2年目に携わった社内イベントの管理サポートの業務を思い出してみてください。ちょっとでも楽しい、面白い、充実していたと思えるものを、挙げてみてください。どんな小さなことも結構ですよ。

相談者:
そうですね…やはり、大きなイベントが無事に終わったときはほっとしました。サポート的な立場ではありますが、当日滞りなくイベントが進んだときは「大変だったけど、何カ月も前から準備してきてよかった」と思えました。あとは…新人のときに部内研修の一環で、新しい社内イベントを企画立案したことがあったのですが、それを考えているときは楽しかった覚えがあります。

アドバイザー:
なるほど…(紙に書き出しながら)。では、現在の役割においてはいかがでしょう?

相談者:
正直言って、今の仕事自体には、あまりやりがいを感じません。ルーティン業務がほとんどで、仕事にもすっかり慣れてしまっていて…。間違いや抜け漏れのないよう確認を徹底しているぐらいで、とりたてて努力していることもありません。

敢えて言うなら、社内のすべての部署とやり取りする必要があるので、いろいろな部署とコミュニケーションを取れるのは、楽しいと言えるのかもしれません。日々の仕事に刺激が少ない分、備品やオフィス機器の増減などで部署ごとの変化や課題感を感じ取れたときに面白みを感じることがあります。それぐらいしか思いつかないなあ…。

アドバイザー:
いえいえ、だいぶお仕事内容がイメージできてきました。では、これまでの業務で評価されたり、褒められたりした経験はありますか?

相談者:
成果が数字で見える部署ではないので、なかなか評価されにくいんですよね。それがやりがいをあまり感じられない大きな理由かもしれません。ただ、先ほどお伝えした新人時代の企画立案で「アイディアの切り口がいい」と褒められた経験はあります。実際、企画を実現することもできました。

一から企画を考え、実行することが「やりたいこと」である可能性

アドバイザー:
実現できたなんて、すごいですね。どんな企画だったのですか??

相談者:
当時、よく売り込みに来ていた飲料メーカーさんと協働して、社内に一週間限定のカフェスペースを作ったんです。うちの会社は社内に社員食堂やカフェなどがなく、「気分転換できる場所がない」というグチを同期から聞いたので、会議室を1つ使ってコーヒーと紅茶を販売したんです。…そういえば、このイベントをやっているときは楽しかったかも。まだ1年目だったので先輩に手伝ってもらいながらですが、飲料メーカーに交渉して安価に商品を卸してもらったり、多くの社員に利用してもらうためにポスターを作ったりして。

アドバイザー:
1年目で貴重な経験をされましたね。どんな成果や反響がありましたか?

相談者:
いえいえ、すごく大きなイベントを成功させたように聞こえるかもしれませんが、会議室の一角にワゴンを出して販売したぐらいの小さな取り組みなんです。でも、「社内で美味しいコーヒーが買えてうれしい」とか、「普段は話せない他の部署の人と交流できた」なんて声をもらうこともできました。この経験を社内イベントでも活かしたいと思っていたのですが、サポートに追われている間に機会を逸してしまいました。

アドバイザー:
今のお話に、「やりたいこと」のヒントがあると感じました。Nさんは、一から企画を考え、それを自ら実行することがお好きなのではないですか?企画したイベントの話をしているとき、とても表情がイキイキしていましたよ。また、社内のさまざまな部署とコミュニケーションを取ることを面倒くさがらず、逆に「面白い」と捉えている点も印象的でした。

相談者:
なるほど…言われてみればそうかもしれません。カフェ企画を考え、実行しているときは、その業務にとことん没頭していましたから。そして備品管理の仕事は決して好きというわけではありませんが、各部署と連携を取るのは好きだし、得意なほうかもしれません。そういえば隣の席の先輩は「すべての部署とやり取りするなんて大変だし、面倒くさい」と言っているなあ…。

今の部署で自ら手を挙げ、企画立案しては?異動や転職も一つの方法

アドバイザー:
それならば、今の職場でも工夫できることはありそうです。例えば、部内で「社内活性化につながるような、新しい企画」を提案してみてはいかがでしょう?総務の仕事は、社内のあらゆる業務を滞りなく回せるよう陰で支える重要な業務ですが、イベントなどによる社内活性化も役割のひとつ。Nさんはそろそろ中堅どころで、さまざまな部署の要望や課題もつかんでおられるでしょうから、与えられる業務をこなすだけでなく積極的に手を挙げ、会社をさらに良くするアイディアを提案してみてはいかがでしょう?

相談者:
そうですね。総務部内でそのような前例はないですが、現状を変えるためにもチャレンジしてみようかな。…しかし、カフェ企画のことなんてさっきまですっかり忘れていました。紙に書き出して整理してもらったことで、当時の気持ちと一緒に思い出すことができました。

アドバイザー:
それはよかったです。紙に書き出していくと、自身の業務が客観視できるので整理しやすくなりますし、楽しいと感じたこと、やりがいを覚えたことなども洗い出しやすくなります。書き出す過程で、当時の想いや感情も思い出せるというメリットもあります。

なお、企画部門に部署異動を願い出るのもアリだと思いますよ。商品企画や販促企画、営業企画などいろいろな部門があると思いますので、より興味を惹かれる部門に異動願いを出してみるのも方法です。各部門とのパイプを活かして、事前にどんな仕事をしているのか、どんなやりがい、醍醐味が感じられるのかをリサーチしてみるといいでしょう。もちろん、やりたいことがより叶えられる会社に転職するというのも選択肢のひとつです。その場合、今洗い出したことを転職理由として、エピソードを交えながら伝えるといいでしょう。

相談者:
わかりました。今回「やりたいこと」の糸口が見つかったので、それを活かすべく勇気を出して行動に移してみます。ありがとうございました。

アドバイザー:
もし、また「やりたいこと」がわからなくなったり、自分の方向性に自信が持てなくなったりしたら、転職エージェントを活用してみてもいいかもしれません。今までの業務を一緒に振り返って整理し、強みや特性、やりがいを感じる仕事、やりたいと思っている仕事などを明確にするサポートをしてくれます。もし、その過程で本格的に転職活動を始めたいと思った場合は、「やりたいこと」に沿ったキャリアステップの考え方や転職先の提案、具体的な転職ノウハウなどもアドバイスしてくれますよ。

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