
転職エージェントでは女性を積極的に採用する企業の正社員・契約社員の転職や、転職活動のサポートも行っています。今回は、リクルートエージェントのキャリアアドバイザーが「評価される仕事がしたい」「出産後も働ける会社に移りたい」など、女性からよく受ける転職相談事例、ヒントとなる考え方や行動の例をご紹介します。
【よくある相談例-1】男女関係なく活躍できて、評価される会社に行きたい
例えばメーカーで営業アシスタントを務めてきたAさんの例をご紹介します。Aさんは、仕事にもの足りなさを感じ、転職エージェントを訪れました。このような方は、大勢いらっしゃいます。
Aさんの希望も「成果が目に見える営業の仕事をして、評価されたい」というものでした。そこでキャリアアドバイザーは営業職には様々なスタイルの営業職があることと、それぞれの働き方や特徴を紹介していきました。
Aさんの営業アシスタントとしての経験をお聞きすると、顧客と直接やりとりすることも多く、営業の動きを観察しながら先回りして資料を準備するなどの行動を心がけてきたそうです。人の話をじっくり聴く姿勢やホスピタリティも備えています。役割が「アシスタント」であっても、主体的に的確に行動している様子から、「この方なら、転職先で、営業としてもすぐに活躍できる」とキャリアアドバイザーは考えました。
一口に営業といっても、最近では多様なスタイルがあります。新規開拓のほか既存顧客のフォローを専門とする営業、自分から顧客にアプローチするだけでなく、広告やCMへの反響に対応するスタイルの営業、顧客先を訪問せず、自社オフィス内でオンラインや電話で顧客とやりとりする「インサイドセールス」など。
さまざまな種類の営業職があることを知ったAさんは、自分の適性や志向性なども熟慮した結果、興味があったり相性がよさそうな複数の業種の営業に応募しました。その結果、人材サービス業のベンチャー企業に営業として採用されました。面接では、営業アシスタントとして培った顧客対応力のほか、「チャレンジしたい」「成長したい」という意欲が高く評価されました。Aさんは入社後、さほど時間をおかず高い業績をあげるようになり、転職先の経営陣からも頼られる存在となりました。
<転職実現のポイント>
数年前から政府が主導する「女性活躍推進」などの影響により、これまで男性中心だった業界でも女性営業部隊が新設されました。女性が活躍することの有用性が認識されるようになり、女性が活躍できる職種領域が広がっています。
事務職の皆さんは「今後、AIやロボットの活用によって事務職が削減されていくのでは」と不安を抱いている方も多いようです。事務職として培った気配り力、段取り力、調整力、コミュニケーション力などは、営業をはじめ他の職種でも活かせます。キャリアチェンジのチャンスは豊富にありますので、自身に向く仕事を探してみてはいかがでしょうか。
【よくある相談例-2】出産後も働きたいから、育児と両立できる会社に移りたい
このようなお悩み・相談も、大変多くいただきます。中堅商社で事務職として働くBさん。最近結婚し、いずれは子どもを生みたいと考えています。しかし、その会社の女性事務職で出産後に復職した人はいないのだとか。男性中心の古い会社であり、産休・育休制度などは、制度はあるものの、実際に取得した人はほとんどいないそうで、運用されているとはいいがたい状態なのだそうです。
そう訴えるBさんにキャリアアドバイザーが提案したのは、「大手企業の契約社員」という道です。
大手企業であれば育休・時短勤務・在宅勤務など、子どもを持つ女性が働きやすい制度が整っており、契約社員でも利用できます。正社員だと転勤などの可能性がありますが、契約社員であれば勤務地が限定されており、保育園や自宅から遠い拠点に配属される心配もありません。
「大手企業の契約社員」という提案に対し、Bさんの反応は2つ。
「中小企業出身の私が、大手企業に転職できるんでしょうか?」
「契約社員ということは、長期間働くことができないのではないでしょうか?」
まず一つ目の疑問ですが、企業が重視するのは「業務遂行スキル」ですので、それがマッチしていれば中小企業から大手企業に移ることも可能です。通算5年を超えて契約が結ばれたとき、本人が望めば以降の契約を「無期契約」にすることができます。ただし、無期契約へと自動的に変更されるのではなく、本人から企業に対して通知する必要があります。企業によっては、正社員に登用する制度もあります。
キャリアアドバイザーから、Bさんと同じ状況・目的で転職活動を行い、実現した事例をいくつか紹介すると、Bさんは安心して「大手企業の契約社員」を目指すことに。複数の会社に応募した結果、大手サービス企業に営業事務の契約社員として転職を果たしました。しかも、この企業は契約社員から正社員への登用の制度・実績がある会社です。
<転職実現のポイント>
Bさんが面接に臨むにあたり、キャリアアドバイザーからお伝えしたことがあります。それは、志望動機を聞かれた際に「育児と仕事を両立できる環境が整っているから」とストレートに伝えてはいけない、ということです。
その会社を選んだ第一条件がそれであっても、志望動機を語る場合は、次のような視点で語れるように準備しておくことが大切です。
- これまでの経験、身に付けたスキルを活かすことができる
- 会社の事業理念・ビジョンに共感している
この2点について、具体的なエピソードを交えて伝えた上で、「ライフステージが変わっても活躍している女性が多い。私も成長を続けながら長く働きたい」と伝えるといいでしょう。
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記事更新日:2024年08月05日
記事更新日:2025年06月22日 リクルートエージェント編集部
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