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同業他社への転職で注意すべきポイント──競合である同業他社への転職は可能?

「今の仕事が好き」「これまでの経験をこの先も活かしていきたい」、だけど「今の会社には不満」……そんな状況で転職を図る場合、選択肢には自然と「同業他社」が挙がってきます。同業他社に転職する際の注意点や成功ポイント、競合にあたる同業他社への転職の可否などについて、リクルートキャリアのキャリアアドバイザーが解説します。

同業の競合会社に転職してもいいの?

同業他社の中には、競合となる企業もあります。同業他社が競合にあたる場合は、そもそも転職していいか気になる人もいるかもしれません。そうした競合相手である同業他社に転職することは、結論からいえば、「法律上、問題なし」。職業選択の自由は憲法でも保障されていることですから、競合会社に転職するのも自由です。

ただし、企業によっては就業規則や誓約書に書かれている内容によって、制限されていることもあります。現在の会社の就業規則、あるいは入社時に提出した誓約書を確認してみましょう。

例えば、「競業避止に関する事項」「競業避止義務」などとして、「退職後○年間は競合関係にある同業他社へ就職し、会社と競合する事業または営業行為をしてはならない」といった内容が書かれていることがあります。これは、退職した社員が転職先で自社の機密事項や製品開発などのノウハウを漏洩することを禁止することを目的としたものです。

とはいえ、就業規則や誓約書に競業避止の記載があっても、同業他社への転職が完全に不可能なわけではありません。競業避止の内容に以下の事項が書かれているかどうかを確認してください。

● 競業を制限する期間
● 制限する場所
● 制限の対象となる職種
● 代償措置

これらが、合理性のある範囲で明記されている場合は、明記された期間中に該当する企業への転職をすると、損害賠償の対象となる可能性があります。

しかし、制限の対象となる職種が明記されていない、期間や場所が限定されていない、内容に合理性がない……といった場合、憲法により「職業選択の自由」が保障されていることから、就業規則や誓約書の内容が無効となる可能性もあります。自身で判断がつきにくい場合は、転職エージェントに相談してみるといいでしょう。

同業他社への転職で気をつけるべきポイント

同業他社に転職する際に、もっとも配慮すべきポイントは「守秘義務違反」です。
例えば、顧客名、経営に関わる数字、プロジェクトの内容などは、詳細に伝えると守秘義務に抵触する恐れがあります。職務経歴書に記載したり、面接で話したりするのは控えましょう。

こうした配慮を怠ると、在職中の会社とトラブルになるだけでなく、応募先企業からも「機密情報を簡単に漏らす人物」と不信感を抱かれ、採用を見送られる可能性があります。

とはいえ、経験内容を伝えることは必要です。例えば、顧客の企業名を出すのではなく「従業員○○人規模のメーカー」とするなど、個社が特定できない表現で伝えましょう。プロジェクト経験についても、大まかな領域、メンバー数、期間などを伝えれば、同業界の相手であればイメージできるはずです。

また、守秘義務違反とまではいかなくても、会社の内情を暴露したり、特定の社員を批判したりするのもNG。同じ業界ですから、発言したことがどこで誰に漏れ伝わるかわかりません。信用にも関わることですので、くれぐれも注意しましょう。

同業他社への転職を成功させるためのポイント

同業他社への転職を成功させるためには、どんなポイントを意識すればよいかをお伝えします。

企業選び

同業他社への転職に限ったことではありませんが、転職によって何を得たいのか、目的を明確にしましょう。現在の会社への不満を解消することだけに気をとられて転職を決めた結果、「前職で満足していた部分が、転職先には欠けていた」と、入社後に気付くケースもあります。

今の会社と志望先の会社のメリット・デメリット、得られるもの・失うものを比較しながら検討することをお勧めします。

また同業界であっても、企業によって仕事の進め方、社風などは異なるものです。製品・サービス・プロジェクト内容などには魅力を感じても、やり方・価値観・文化などがフィットしないとストレスを抱えることになります。その視点でも企業をしっかり研究してください。

応募書類作成/面接

先ほど「守秘義務違反に注意」とお伝えしましたが、慎重になりすぎて経験内容を十分に話さず、相手に強みが伝わらずに不採用になるケースもあります。詳細までは伝えなくても、相手が大体のイメージをつけられる程度には開示したほうがいいでしょう。

通常、面接においては、経験・スキルを伝えるために以下を具体的に話すことになります。

* 仕事や役割の説明
* 実績や成果を出すための仕事の進め方や工夫

同業他社の面接では、特に後者について細かく突っ込まれる可能性がありますので、しっかりと話せるように準備しておいてください。
業界が同じであるということは、抱えている課題、起こり得るトラブルやアクシデントなども共通しているはず。「どんな課題に対し、どう解決・改善したか」「トラブルが発生したときにどう対応したか」などの具体的なエピソードを語れるようにしておくことをお勧めします。

また、あえて競合会社に転職する理由も、相手にとっては気になるところ。「なぜこの会社に入りたいのか」という志望動機を、相手が納得できるレベルまで詰めておいてください。

同じ業界であることから、相手企業の面接官もあなたが在籍している企業の事情を把握している可能性が高いといえます。少しでも違和感を覚えれば突っ込まれるかもしれませんので、なるべく本音で話したほうがいいでしょう。

内定/退職

志望企業から内定を得たら、今の会社に退職意思を伝えます。このとき、転職先の社名は明かさないほうが得策です。競合会社に移ることが知れると、退職交渉が難航するケースが多く見られます。

転職先が競合である・なしに関わらず、転職先を聞かれて答える義務はありませんので、基本的には「言わない」ことをお勧めします。

それでも執拗に問われ、何らかの回答をしなければならない場面もあることでしょう。
これまで競合に転職された方々の場合、「まだ複数の企業を検討中です」と伝え、候補企業名を聞かれても「決まっていないので」と、明確に答えずにやり過ごした方もいらっしゃるようです。

同業他社への転職事例

IT企業に勤務するSEのAさん(30代)は、業務量のあまりの多さから体調を崩し、転職を決意。同種類のサービスを扱う競合会社に応募しました。プログラミングスキルや最新技術知識の高さ、アプリの開発経験などが評価され、順調に最終の役員面接まで進みます。

そこで改めて、今の会社に入社する際に交わした契約書の守秘義務事項を確認。そこには、守るべき秘密の内容は明確に定義されていませんでしたが、「製品・サービスの価格の詳細」「新製品・サービス開発状況」「製品・サービスの不具合情報」「組織内部の人事情報」などは話さない方がいと判断。その部分に触れないように注意しつつ、自身のこれまでの経験、また、ニュースリリースやIRページなどで公開されている範囲の計画については自身がどう関わっているかを伝えました。

結果、無事に内定を獲得。「同業界だから、今後もどこかで前職の人と会うことがあるかもしれない」と、円満退職にも努めました。また、辞める会社の同僚や後任者に迷惑をかけないよう、業務の引き継ぎをしっかり行いました。

転職後は毎日19時に帰宅できるようになり、健康を取り戻したそうです。なお、年収も15%アップ。「前の会社よりもちゃんと評価されている」と、満足の転職となりました。

リクルートエージェントでは、応募した企業の面接で質問されることなどの傾向や、どんな候補者が評価されるかなどの情報をお伝えすることができます。面接対策にお悩みの方はぜひ相談に来てみてください。