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キャリアチェンジは難しい? 転職の成功ポイントと注意点

キャリアチェンジ

これまで経験のない業界や職種に転職する、「キャリアチェンジ」を実現する方が増加しています。そこで、キャリアチェンジを成功するポイントや注意点などを、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏にお伺いしました。

キャリアチェンジとは?

まず、キャリアチェンジの意味を解説します。また、混同されることの多いキャリアアップとの違いも紹介しています。

キャリアチェンジの意味

キャリアチェンジとは、経験のない業界や職種に転職することを指します。例えば、不動産業界の営業からIT業界のテクニカルサポートなど、業界も職種も変えることを、一般的にキャリアチェンジと呼んでいます。

未経験の職種に転職するため、経験業界・職種への転職に比べると、選考通過の難易度は高くなります。ただし、世の中に登場して間もない技術・概念などで転職市場に経験者が少ない職種や、あえて異業界の知見を得て社内に変革を起こしたいと考える企業などで、業界・職種未経験者にも門戸を広げているケースがあります。

キャリアアップとの違い

キャリアアップとは、より深い知識や経験・スキルを身につけて能力を向上させ、経歴を高めることを指します。そのため、異なる業界・職種にキャリアを変えるキャリアチェンジとは大きく意味が異なります。

ただし、「エンジニアとしてのスキルを磨いてキャリアアップしたいため、まず事務職からITエンジニアにキャリアチェンジする」など、キャリアアップを目指してキャリアチェンジをするケースもあります。

キャリアチェンジを実現する人は増加中

リクルートエージェントが2021年に発表した転職市場の動向分析によると、これまではあまり多くなかったキャリアチェンジ(異業種×異職種)の転職パターンが、2017年以降は最多になっていることが分かっています。2009年と2020年を比較したグラフでは、2009年は24.2%だった「異業種×異職種」転職が、2020年には36.1%まで増加しています。

出典:『リクルートエージェント』転職決定者データ分析(株式会社リクルート)

業界や職種を越えた転職が主流になっている背景として、中途採用市場の構造的な変化が考えられます。ビジネスの在り方を変革するIX(インダストリアル・トランスフォーメーション)・CX(コーポレート・トランスフォーメーション)の動きによって、全ての産業において業種や職種を再定義しています。それに対応して、異業種・異職種の人材を積極的に採用していると見られています。

また、100年ライフと言われる時代において、働き手の意識の変化も影響しています。終身雇用ではなく終身成長を目指して、業界や職種を越えて成長機会を得ようとしているのです。

キャリアチェンジ成功のポイント

では、実際にキャリアチェンジを成功させるためのポイントを解説します。

自己分析を行い、経験・スキルを整理する

経験を活かして転職する場合は、例えば営業から営業への転職であれば、過去の営業実績を数値でアピールし、営業活動に必要な提案力や関係構築力などを自己PRで伝えることで、即戦力として評価される可能性が高くなります。でも、営業からマーケティングといったキャリアチェンジの場合は、営業経験をそのままアピールするだけでは不十分です。

これまでの経験で、異業界・異職種で活かせるようなスキルがあることを伝える工夫が必要です。そのために、まずキャリアの棚卸しを行い、経験・スキルを洗い出し、異業界・異職種で活かせるスキルを整理しておきましょう。

ポータブルスキルをアピールする

経験・スキルの洗い出しと整理が終わったら、ポータブルスキルとしてアピールするスキルを絞り込みます。ポータブルスキルとは、業界や職種を越えて持ち運びができるスキルを指します。

例えば、課題発見力やプロジェクトマネジメント、交渉力や傾聴力などが挙げられます。過去の経験・スキルの抽象度を高めることで、ポータブルスキルとして言語化することができるでしょう。

なお、なかなかスキルが言語化できない場合は、スキル一覧から合致するものを探してみましょう。

<自分に関わる力>

決められたことをやり抜く力/忍耐力/継続力/粘り強さ/実行力/活動意欲/集中力/ストレス耐性/主体性(自分で考え行動できる力)/挑戦心・チャレンジ精神/改善・成長意欲/前向き志向/学ぶ姿勢/度胸・本番に強い/感情をコントロールする力/タフさ(精神力)/使命感・責任感/目標指向性・達成意欲/パッション(情熱)/探究心/どんな仕事でも面白みを見つける好奇心/変化対応力・柔軟性

<他人に関わる力>

親しみやすさ/気配り・ホスピタリティ/チャーム(可愛がられる要素)/素直さ/誠実さ/真面目さ/約束を守る/協調性・チームワーク力/指導・育成力/働きかける力(巻き込み力)/わかりやすく伝える力/傾聴力/プレゼンテーション力/理解力/調整・交渉力

<課題に対する力>

論理的思考力/物事の本質を突き止める力/課題発見力/企画力/計画力/想像力/提案力/分析力/広い視点で捉える力/正確性/スピード/PCスキル/文章作成力/計算能力

応募する仕事との共通点を意識する

洗い出した経験・スキルと、興味を持った求人との共通点を見つけましょう。例えば、営業からマーケティングにキャリアチェンジする場合は、営業販促としてイベントやPR活動を行っていた経験など、応募する仕事に活かせそうな経験を中心にアピールすることで、未経験をカバーできる可能性があります。

過去の経験でなかなか共通点が見つからない場合は、求人に記載されている「求める人物像」などを確認し、仕事への姿勢やこだわりなどに共通点がないか探してみましょう。

キャリアチェンジの注意点

中途採用は、一般的に即戦力を重視します。キャリアチェンジを実現する際に、気をつけておきたいことを紹介します。

年収が下がる可能性がある

未経験として転職するキャリアチェンジは、即戦力としてすぐに活躍する経験者よりも育成に時間がかかるため、年収が下がる可能性があります。

年収を下げたくない場合は、いきなり転職するのではなく、社内異動などで希望職種の経験を身につけることができないか探ってみましょう。

職種経験を身につけた上で、転職で業界を変えるという方法です。業界も職種も変えてしまうより、社内で職種経験を積んで「業界未経験・職種経験者」として転職することで、年収ダウンを抑えられる可能性があります。

選考通過が難しい可能性がある

同じ求人に経験者も応募した場合、未経験では選考通過が難しい可能性があります。特に、人気の高い企業や職種の求人は応募者が集中するため、業界・職種未経験の場合は選考で不利になってしまうでしょう。

なかなか選考を通過しない場合は、応募書類を見直して、未経験でも会って話を聞いてみたくなるような内容に改善が必要です。どこを改善していいのか分からなかったり、改善しても選考を通過できなかったりする場合は、転職エージェントに相談してアドバイスを受けましょう。

活躍できるようになるまで覚悟が必要

キャリアチェンジは転職したら成功というわけではありません。実際に希望する業界・職種で活躍し、成果を出せるようになったら成功と言えるでしょう。

経験者でも、転職は職場や社内の人間関係が一新されるため、仕事に追いついて慣れるようになるまで苦労する方も多いものです。業界・職種を変えるキャリアチェンジは、分からないことが多いため仕事に苦戦してしまうかもしれません。

仕事を覚えるまでは一定の努力が必要であることを転職活動前に覚悟しておくと、入社後の困難を乗り切れるようになるでしょう。

キャリアチェンジの場合は転職エージェントに相談しよう

「新しいキャリアを積みたい」ということは決まっているものの、まだ業界・職種が決まっていない場合は、転職エージェントに相談した方が仕事選びはスムーズになります。

これまでの経験・スキルや希望条件から、マッチしそうな業界・職種を提案してもらうことができます。その際は、幅広い業界・職種の求人を扱っている「大手・総合型」の転職エージェントを選ぶことで、選択肢の幅が広がるでしょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏


約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。

リクルートエージェントでは、転職でお悩みの方に適切なアドバイスをお送りしています。また、企業の面接対策や職務経歴書の作成サポートや、スムーズな退職のためのサポートを行っています。お悩みの方はぜひ一度相談に来てみてください。