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転職が決まらない…辛い…その理由と特徴・対策を解説

転職活動を進める中、「思うように転職先が決まらない」「選考が思うように進まなくて辛い」などの不安や悩みを抱えてしまうケースは少なくありません。転職先が決まらない焦りから抜け出すための対策や考え方について、組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント粟野友樹氏にお伺いしました。一般的な転職期間や選考がうまく進まない人の特徴や対策なども知り、今後の転職活動の参考にしてみましょう。

そもそも転職先は何カ月で決まる?みんな何社応募している?

まずは転職活動の一般的な傾向を紹介します。転職活動に要する期間や平均の応募社数の目安を知り、自身の転職活動の状態を客観的に把握しましょう。

一般的な転職活動の期間は3〜6カ月程度

転職活動にかかる期間は人それぞれですが、求人を探し始めてから面接、内定獲得、引継ぎまで含め、「3~6カ月程度」が一般的です。特に、在職中に転職活動を行う場合は、面接の日程調整などが難しく、時間がかかってしまいがちです。また、あまり求人が多くない条件・ポジションを希望している場合も、時間がかかる傾向があります。

こうした場合は、転職活動が想定より長引くケースも少なくないので、焦らず客観的に自分の状況を見つめ直しましょう。

転職者に実施した調査では、約半数が20社以上に応募

2019年4月~9月にリクルートエージェントを通じて転職活動を行って転職した26,762名のデータを集計したところ、転職した方の半数近くが「20社以上」に応募したことが分かりました。「応募社数10社未満」は28%、「10社以上20社未満」は26%、「20社以上30社未満」は16%となっており、「30社を超えている」と回答した人も30%という結果となりました。

応募社数が少ないことが原因でなかなか転職先が決まらないケースも少なくはないので、応募数や応募先を見直してみると良いでしょう。

2〜3カ月間で選考がうまく進まない人は珍しくない

2〜3カ月間、転職活動をしても選考がうまく進まない人は珍しくなく、20社受けていても決まらないケースもあります。しかし、なかなか転職先が決まらずに苦労した場合でも、応募企業の見直しや、応募書類の内容、面接でアピールするポイントなどを改善した結果、すんなりと転職先が決まることはよくあるものです。

焦りや辛さにとらわれるよりも、選考がうまく進まない人の特徴を把握し、改善していくことが大事です。自分を求めてくれる企業は必ずあるものだと考え、以降を参考に改善につなげていきましょう。

選考がうまく進まない人の特徴とは?

選考がうまく進まない人によくある特徴を紹介します。自分に当てはまるものがないか考えてみましょう。

経験・スキルを適切にアピールできていない

経験・スキルは十分にありながら、適切なアピールができていないため、応募企業に伝わっていないケースがよくあります。こうした場合は「職務経歴書を上手にまとめられず、書類選考に通過できない」「書類選考は通過できても、面接で適切なアピールができていない」という2つのケースが考えられます。
まずは書類選考の通過率を確認してみましょう。書類選考に全く通過できていないのであれば、応募書類を見直す必要があります。一方、書類選考に通過しているのに内定に至っていない場合は、面接で自分の経験・スキルをアピールできていない可能性があります。

企業の目線を意識していない

「経験・スキルをアピールしなければ」と考え、自分がアピールしたいことのみを一方的に伝えているケースもあります。企業の目線を意識せず、求める人物像や能力にマッチしないことをアピールしても、評価にはつながりにくいでしょう。

例えば、個人営業の求人に応募し、「私は○○領域の法人営業で提案力を発揮し、高い実績を残しました」と法人営業の経験・スキル・実績をアピールした場合、入社後の業務にどう活かせるのかが伝わらないと言えます。
採用担当者は、経験・スキルを活かしてどのように自社で成果を出すことができるのかを知りたいと考えています。ただ自分の経験・スキル・実績を伝えるのではなく、応募企業の目線を意識したアピールで、入社後にどう活躍・貢献できるのかを採用担当者にイメージしてもらうことが大事です。

応募する企業や職種がマッチしていない

「仕事内容が面白そう」「有名企業だから」など、自分の興味関心のみで企業選びをしているために、転職先がなかなか決まらないケースもあります。そもそもの自分の経験・スキルが、応募企業が求める人材要件とマッチしていない場合は、選考を通過することは難しいでしょう。
特に、有名・大手企業や、人気の高い職種、条件の良い求人は、応募者数が多い傾向がある上、ライバルとなるほかの求職者の経験・スキルが高い可能性もあります。興味を持った企業に応募すること自体に問題はありませんが、自分の経験・スキルにマッチしているかを考えた上で応募する企業を選ぶことは、選考通過において非常に重要なポイントとなります。
「転職先がなかなか決まらない…」と悩んでいる場合は、応募企業を見つめ直すことも大事です。

「今の仕事を辞めたい」が転職理由になっている

現在の職場に不満があり、「早く辞めたい」という思いだけが転職理由になっているケースです。面接で説得力のある転職理由を伝えることができなければ評価につながりにくいでしょう。また、現職の不満をそのまま伝えれば、ネガティブな印象を与えてしまう可能性もあります。
「今の仕事を辞めたい」という思いをきっかけに転職活動を始めることに問題はありません。しかし、転職先で何を実現したいのかを明確に伝えることができなければ、採用担当者も入社後に活躍するイメージができないでしょう。また、現職への不満のみが転職理由だった場合は、「入社しても同じことを繰り返すのでは?」と早期離職を懸念される可能性もあります。

「転職がなかなか決まらない」を打開するための方法

転職先が決まらない多くのケースでは、「転職の軸が明確でない」「アピール不足」が要因となっています。これらを打開するための方法を紹介します。

事前準備を再度しっかり行う

自分にどのような強みや得意分野があるのかが明確になっていないと、自己PRに説得力がなく、転職先選びの軸も定まりません。自分の強みが分かれば、それを活かせる企業を選びやすくなるため、選考の通過率も高まります。過去の経験を振り返って、自分の強みや得意分野を明らかにしておきましょう。
また、自分の強みや経験・スキルを活かせる職場であれば、入社後の活躍可能性は高まります。求人を探すときはできるだけ自身の強みや経験・スキルとの共通点がある企業や仕事を探すことがポイントです。求人に記載されている事業内容や仕事内容、求める人物像などを確認して自分との共通点を探し、自己PRや志望動機でアピールしましょう。

離職期間にどう取り組んでいたかを整理する

退職後、転職先が決まらず離職期間が長引いていた場合は、面接で「その間に何をしていたのか」を聞かれることが多いです。離職期間に注力したことや、自分自身で改善しようと思ったこと、そのために行動したことなどを整理しておきましょう。採用担当者に離職期間の理由を理解いただけたり、自己改善ができる人物であることを伝えたりすることができます。

応募書類を見直す

少しでも応募企業が求めている経験があれば、職務経歴書に記載しましょう。例えば、先輩社員のプロジェクトをサポートした場合、「自分がメイン担当ではないから」と書かないケースもありますが、サポート経験もプラスの評価になる可能性はあります。また、応募企業の仕事にマッチしない経験・スキルは、箇条書きでまとめるなど最小限に抑え、できるだけマッチする経験・スキルをアピールしましょう。

具体的な内容と読みやすさを心がける

職務経歴書では、時系列に所属部署や担当業務を羅列するのみでなく、応募企業の仕事に活かせる経験を具体的に記載することが大事です。「どのような課題に対して」「どのような戦略・計画を実行し」「どのような成果・実績を挙げ」「どのような学び・気づきを得たのか」まで、しっかりと書き、プロジェクト体制や予算、成果や実績などを数値で記載すると良いでしょう。

また、職務経歴書はできるだけ読みやすくまとめることを意識しましょう。冒頭に職務経歴のサマリを2~3行で入れておくことで、どのような経験・スキルを持っている人物なのか把握してもらいやすくなります。

応募企業の幅を広げる

採用の可能性を高めるためには、応募企業の幅を広げ、応募者数を増やすことも大事なポイントになります。

業界・職種の幅を広げて応募する

志望している業界・職種以外でも、自分の経験・スキルや素養にマッチするものが見つかる可能性があります。これまで視野に入れていなかった業界・職種も検討してみましょう。自分の経験・スキルに紐づくキーワードを抽出してみることもお勧めです。転職サイトの検索に使用したり、転職エージェントにキーワードをもとに企業を探してもらったりすれば、意外な求人が見つかる可能性があります。

応募社数を担保する

先にも紹介した通り、転職活動では「20社以上」に応募している人が多くいます。全ての選考には通過できないものと考え、一定の応募社数を担保することがポイントです。
また、複数社の選考に進む中では「1社決まらなかったら、1社追加する」などで応募社数を担保し、今後の可能性を随時広げておくことでより安心できるでしょう。

面接対策をしっかり行う

面接で的確なアピールをするためには、面接対策をしっかり行うことが重要です。自信を持って受け答えができるように準備しましょう。

よくある質問に対する回答内容を整理しておく

面接で聞かれることが多いのは、「転職理由」「志望動機」「自己PR」です。このほかにも、以下の質問を聞かれる可能性があるので、どのように答えるのか準備をしておきましょう。

・入社したらどのような仕事をしたいですか?
・この仕事には、何が大切だと思いますか?
・あなたの仕事観を教えてください
・仕事上の成功談、失敗談を教えてください

面接担当者の傾向を把握しておく

中途採用の面接は2~3回実施されることが多く、面接を担当する人物がそれぞれに違います。以下で傾向を把握しましょう。

<1次面接>
人事担当者が担当することが多く、「採用水準を満たす人物であるか」「社風にマッチするか」などを見ていることが多いです。

<2次面接>
現場責任者が行うことが一般的です。「入社後の業務を遂行できる経験・スキル・実績があるか」「配属先の職場に馴染めそうか」などを判断されることが多いです。

<最終面接>
経営層が担当するケースが多く、自社の理念・ビジョンに共感して、中長期的に働いてもらえそうかを判断しています。また、応募者の将来的なキャリアの方向性が自社の方向性とフィットしているかも見ているでしょう。

転職先が決まらず、焦ってイライラしたときの対処法

転職先が決まらないことに不安や焦りを感じたときの対処法を紹介します。

転職活動を一時的に休止してみる

転職活動を一時的に休止し、リフレッシュするのも良いでしょう。焦る気持ちを一度クールダウンさせることも大事です。また、時期を置いてから転職活動を再開することで、自分にマッチする求人が出てくる可能性もあります。

これまでの転職活動を振り返ってみる

転職先が決まらず焦っている人は、興味のない企業やマッチしていない企業に次々と応募してしまうことがよくあります。時間や労力、気力を浪費した結果、ミスマッチで終わるケースも少なくないので、ただ応募し続けるより、これまでの転職活動を振り返ってみることをお勧めします。通過しにくい選考過程はどこか、どの業界の企業から評価されたのかなどを考えることで、改善ポイントが見えてきます。

「転職先が決まらない=自分を全否定されているわけではない」と考える

転職活動は、企業と求職者のニーズのマッチングで成立します。「決まらない」のは、応募する企業が求める経験・スキルにマッチしていなかったというだけで、他にマッチする企業があるかもしれません。また、応募条件を絞りすぎて、対象の企業が少なくなっているだけという可能性もあります。転職先が決まらなくても「自分自身を否定されているわけではない」と考え、気持ちを切り替えることが大事です。

転職エージェントに相談する

転職活動に自分一人で取り組むより、第三者から客観的な視点のアドバイスをもらう方が上手くいきやすいでしょう。転職エージェントを活用すれば、さまざまな相談ができるため、一人で活動を続けていく不安を解消できます。また、希望にマッチする求人の紹介から、応募書類の作成、面接対策までサポートしてくれるので、活用してみるのも良いでしょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏


約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

記事作成日:2020年02月25日
記事更新日:2023年02月16日
記事更新日:2023年08月09日 リクルートエージェント編集部

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