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【ゲーム業界の転職】経験を活かしたキャリアチェンジを成功させるには?

近年、ゲーム市場は飽和状態。「作ってもなかなか売れない」という状況が続いています。そうした中、「ゲーム制作に集中したいが、経済環境的に難しい」という理由で転職エージェントに相談に訪れる方が増えています。
ゲーム業界内での転職を考えている方、ゲーム業界での経験を活かして異分野へのキャリアチェンジを考えている方に、最新トレンド、転職成功のポイントをお伝えします。

ゲーム業界内での転職動向は?

ゲーム業界で働く人の志向性は多様。志向性と身に付けているスキルによって、企業選びは大きく異なります。

これまでに多く見られる転職事例には、「受託開発からパブリッシャーへ」「ソーシャル運営から新規ゲーム開発へ(またはその逆)」「新規ゲームのIP協働開発から新規IPの企画へ」「スマホゲームからコンシューマー系へ」といったものがあります。

そして昨今多く相談を受けるのが、「ゲーム制作に集中したい」。そんな方にお勧めするのが以下の選択肢です。

ゲーム以外に多角的経営をしている企業

ゲームをヒットさせて収益を挙げた企業は、それを資本にゲーム以外の新規事業を複数展開し、さらに収益を拡大させています。ゲーム事業が緩やかに減収していても、新しいゲームへの投資や製作を行う体力を維持しているのです。

また、自社のヒットゲームをアニメ、漫画、映画、ローカライズと多角的に展開することでオリジナルIPを収入源とし、新規のゲーム開発へ投資する企業もあります。

協働開発によって、当たる確率の高いゲームを作っている企業

未上場であまり知られてはいないながらも、ヒットを生み出す可能性を秘めた企業もあります。

大手コンシューマー系企業の受託制作会社/グループ会社

大手企業の息がかかった大手企業のグループ会社や出資先・提携先などの企業であれば、働き方が考慮されており。ゲーム作りに専念できる環境が整っています。将来性に不安を抱いている方にはお勧めです。

ゲーム業界は短期間で勢力図が激変するため、数年後、どのような経営状態になっているかは予測がつきません。現状を見るだけではなく、「次世代の新しいゲーム観」に投資をしている企業に注目してみてください。

例えば「VR(仮想現実)」「AR(拡張現実)」。デバイスが普及していない現在は、まだ求人は少ない状態ですが、今後新しいゲーム領域として確立されるのは間違いありません。そこへいち早く投資している企業、長期的なビジョンを掲げている企業もあります。

書類選考・面接をクリアするためのポイント

応募書類では…

エンジニアの皆さんは、自身のスキルや経験してきた業務の「棚卸し」ができていないことが多いものです。
職務経歴書には「PHP」「JavaScript」といった言語経験を羅列するだけでなく、それぞれの経験年数やレベルが分かるように記載しましょう。

面接では…

面接担当者は、「この人はチームに入って活躍できるか」を見極めようとしています。働いている姿がより明確にイメージできるよう、「具体的なエピソード」を交えて業務経験を話すようにしてください。

また「どんなゲームが好きか」「どんなゲームをしているか」は、よく聞かれる質問です。企業側はこの質問を通じて、ゲームに対する考え方や価値観を探っています。ただタイトルを答えるだけでなく「どこが面白いか」「どんな部分が評価できるか」というポイントを考え、整理しておきましょう。

なお、技術に関して、経験したことがないものについては、学習への前向きな姿勢を見せることが重要。すでに独自で勉強を始めており、それを伝えられれば評価アップにつながります。

以下はゲーム企業の面接を受けた人が聞かれた質問の一例です。必ず聞かれるわけではありませんが、自分ならどう答えるかを考えておくといいでしょう。

* ゲームの魅力とは
* ゲームの運営にあたり、大切なことは何だと思うか
* 好きなゲームのいいところ、悪いところ
* 他部署と連携する際、どのように進めているか
* 仕事をする上で工夫した点
* 知っている技術手法
* 後輩や部下に仕事を教えるときの接し方
* 参加したことがある(参加したい)外部セミナーやカンファレンスなど
* 好きな技術書
* 今後のキャリアプランをどう描いているか

ゲーム業界での経験を活かして異分野へ

ゲーム業界で培ったスキルを活かして異業界へ転職する事例も、まだまだ少ないですが見られるようになっています。一例を挙げてみましょう。

●シナリオライター → チャット小説アプリ
活かせる能力:ユーザー心理をつくライティング能力

●ゲームのUIデザイナー → IoT系のUIデザイン(ロボティクス系)やスマホアプリのUIデザイン
活かせる能力:ユーザー体験を理解した上でのインターフェース設計

●ソーシャルゲームプランナー → ECサイト運用
活かせる能力:KPI、売上の状況を分析しつつ、次の企画を考えるPDCA能力

このような異分野へのキャリアチェンジでは、年収アップを果たしている事例もあります。

キャリアチェンジ転職を成功させるポイント

異分野への転職を目指す場合は、専門領域や専門スキルだけでなく、「ポータブルスキル」の強みを発掘・言語化しておきましょう。
「ポータブルスキル」とは、業界・業種が変わっても持ち運び可能なスキルを指します。
これを応募書類および面接でしっかり伝えられるようにすると成功率が高まります。
相手に伝わりやすくするためには、現在の具体的な業務内容を抽象化し、他の業種・業界でも活かせるスキルとして表現してください。
例えば、シナリオライターであれば、次のように言い換えられます。

<ゲーム業界で発揮しているスキル>
ゲームの世界観、ゲームの展開、そして独特のストーリーをユーザーにわかりやすく伝えるライティング能力

<他の業界でも応用できるスキル>
ユーザーの心理をふまえ、わかりやすく構成し、興味を引くライティング能力

こう表現すると、例えば「イベントのシナリオ制作」「番組のシナリオ制作」などでも応用できそうだと期待を持ってもらえるでしょう。

また、「ゲームディレクター」のスキルを因数分解すると、「制作進行管理」「社内・社外調整」というポータブルスキルを抽出することができます。これらはWeb制作会社などでも求められているスキルです。ゲームでの経験が思いがけない分野で応用できることもありますので、可能性を探ってみてください。

リクルートエージェント キャリアアドバイザー 藤山和久
リクルート(旧:リクルートキャリア)の転職エージェントサービス「リクルートエージェント」のキャリアアドバイザーとして、主にインターネット領域全般を担当。

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