履歴書の職経欄は、あなたがいつ、どの企業で働いていたのかを伝える項目です。これまでの経験を応募企業に正確に理解してもらうためには、どのような点に注意すると良いのでしょうか。あなたの職歴を的確に伝える、履歴書の職歴欄の書き方を紹介します。
職歴欄の基本ルール
職歴欄に必ず記載しなければならないのは、「すべての職歴」「入社・退社年」です。また、「所属部署」「雇用形態(正社員以外の場合)」「退職の理由」も記載しておくと事実を正確に伝えることができます。いずれの項目も、間違いのないように記載しましょう。仮に「うっかりミス」でも実際の職歴と異なると「職歴詐称」ととらえられてしまう可能性もありますので注意してください。
すべての職歴を正式名称で書く
学歴の後に一行空けて「職歴」と記し、次行から今までに経験した職歴をすべて書き入れます。短期間で退職に至った会社や、試用期間中に辞めた会社などは、「書くのはちょっと気がひけるな」と感じるかもしれませんが、省略せずに記載します。もし、応募企業に採用となった場合、社会保険の加入歴などで、省略していたことが分かる可能性があります。
■会社名
法人格から略さず、部署名も正式名称を記載します。
■合併や出向などで会社名が変わった場合
「〇〇株式会社(現△△株式会社)」と記載します。
■別部署に異動・転属した場合
部署名と異動年月を記載します。
時系列に沿った編年体式で書く
履歴書の学歴・職歴欄は、時系列に沿った「編年体式」で書きます。一緒に提出する職務経歴書に、現在から過去へと時系列をさかのぼる「逆編年体式」や、特定の切り口に沿って職歴を記す「キャリア式」を用いた場合も、履歴書だけは「編年体式」で記載しましょう。また、年号については西暦か和暦のどちらかを選び、学歴や記入日などのすべて項目と統一します。
退職した理由を書く場合
退職した場合は、「一身上の都合により退職」と記載するのが一般的になっています。契約期間満了、出産、家庭の事情のよる転居で退職するなどの場合は、その理由を記載してもかまいません。
また、在職中のまま転職活動をしている場合は「現在に至る」、退職が決まっている場合は「〇年〇月末をもって退職予定」と記します。
自営業や個人事業主から転職する場合
自身が経営していた会社を閉めた場合は「解散」、個人事業主(フリーランス)を辞めた場合は「廃業」という言葉を使います。会社等に勤務していたのと同様、事業内容も添えましょう。
派遣社員として働いていた場合
履歴書の職歴欄には基本的に在籍していた会社名を記載します。派遣社員として働いていた場合、履歴書には「派遣会社名」を書き、職務経歴書で派遣先と仕事内容について説明します。ただし、募集職種と関連性のある業務経験がある場合は、「〇〇会社で△△業務を担当」というように、履歴書でもアピールするのがおすすめです。
アルバイトをしていた場合
中途採用の場合、原則として職歴にアルバイトは記載しませんが、応募先企業にアピールできる内容であれば書いておいたほうが良いでしょう。
また、働いた経験はアルバイトのみという場合も職歴欄に記載を。職歴が空欄だと就労経験がないと思われてしまうからです。このとき、正社員ではなく、なぜアルバイトをしていたかという理由を添えましょう。「資格取得の勉強をしていた」「就活で望む結果に至らず、アルバイトをしながら就職活動をした」など、担当者が納得できそうな理由を書きましょう。
最後の行は “以上”でしめる
すべての職歴を書き終えたら、次行に右寄せで“以上”と書きます。
プラスαのポイント
基本ルール以外にも気をつけたいポイントがいくつかあります。担当者に良い印象を持ってもらえるような履歴書作成を心がけましょう。
全体的なボリュームを考える
履歴書の学歴・職歴欄は行数に限りがあるため、あらかじめ何行程度になるかを考えてから書きはじめましょう。
職歴欄に収まりきらない場合は、学歴欄の義務教育期間を省いたり、職歴欄の多い履歴書用紙を選んだりすると良いでしょう。それでも収まりきらない場合は、「詳細は職務経歴書に記入」と書き添えます。
募集職種に関連した職歴は詳しく記載
職歴欄に余裕がある場合、会社名・部署名の後に、「〇〇業務を担当」「△△に従事」というように業務内容を添えます。とくに、募集職種に関連する職歴は明記することをおすすめします。併せて、昇格や表彰、営業成績などの実績がある場合は、アピールしましょう。
職歴欄の書き方の注意点
内容を吟味して書き上げても、ちょっとしたミスなどで担当者の心象が悪くなることもあります。記載内容はあくまでも正直に、細部にまで気を配り、ていねいに仕上げましょう。
入社・退職年、会社名の書き間違い
漢字などの表記ミス、年代・社名の書き間違いなどは、それだけでマイナス評価につながってしまいます。場合によっては「職歴を詐称している」と受け取られてしまう可能性もあります。すべてを書き終えたら、間違いがないか、よく確認しましょう。
虚偽の記載
未就労期間を隠したり短くしたりするために、前職の勤続年数を操作することは避けましょう。虚偽の記載は、雇用保険の記録などから発覚する可能性があるため包み隠さず記載しましょう。
また、自分が優秀人材であることをアピールしたいあまりに、経歴を盛り過ぎるのも避けましょう。面接でのやり取りで矛盾が発生する恐れがあるからです。入社後に気持ちよく働き続けるためにも、事実に基づいて記載しましょう。