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【キャリアプランがない方必見】考えるメリットや年代別の例文

キャリアプラン ない

キャリアプランとは、「将来、なりたい自分を実現していくための中長期的な見通し、計画」のことを指します。
キャリアプランは、自身の思い描くキャリアを実現する上で1つの指針になることもありますが、「キャリアプランがない」という方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、キャリアプランを考えるメリットや考え方、面接での伝え方などを、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏に解説いただきました。

キャリアプランがない場合に考えるメリット

ここでは、キャリアプランがない場合に、自身のキャリアプランを考えることで得られる期待がある下記6つのメリットについて解説します。

  • 具体的な行動計画で行き詰まり感がなくなる
  • 自分の人生のビジョンが見つかる
  • 日々の仕事のモチベーションが上がる
  • 転職活動で自分にマッチする企業を見つけやすくなる
  • 面接でキャリアプランを聞かれた際に役立つ
  • 社内のキャリア面談などにも役立つ

メリット1. 具体的な行動計画で行き詰まり感がなくなる

キャリアプランを作成することで、具体的な行動計画で行き詰まり感がなくなるメリットがあると考えられます。キャリアプランを定めていない場合、目指すキャリアが明確になっていないため、キャリアに関する具体的な行動がとれなくなることがあります。

その点、キャリアプランを定めることでキャリアのゴールが明確になり、今取り組むべき具体的な行動が明らかになる可能性があります。目標が見えずに行動できないと感じることが軽減し、目標に向かって前向きに行動できるようになるでしょう。

メリット2. 自分の人生のビジョンが見つかる

人生のビジョンが明確になるきっかけを見つけられる可能性がある点も、キャリアプランを作成することで得られるメリットの1つであると考えられます。キャリアプランがない場合、自分の目指すキャリアの先がわからず、人生においても不安を感じることがあるかもしれません。

キャリアプランを定めることで、キャリアに関する目標が定まるでしょう。その結果、人生における目標もキャリアプランに紐づいて具体化することがあります。キャリアとプライベートの両面で自己実現に向けた指針を持てるようになることが期待できるため、日々の生活に良い影響が生まれることもあるでしょう。

メリット3. 日々の仕事のモチベーションが上がる

キャリアプランを定めることで、日々の仕事のモチベーションが上がる可能性が期待できます。目標が曖昧だと、日々の業務に意義を見いだせず、モチベーションの低下につながることもあるかもしれません。

しかし、キャリアプランが明確になれば自分の目標に向けてやるべきことも明確になるため、今携わっている日々の業務にも意義を見いだせるようになるでしょう。その結果、日々の仕事におけるモチベーションも高まるかもしれません。

メリット4. 転職活動で自分にマッチする企業を見つけやすくなる

キャリアプランが定まると、転職活動で自分にマッチする企業を見つけやすくなるケースもあります。反対にキャリアプランがないままの状態で転職活動に臨むと、将来のキャリアを考慮することなく企業を選んでしまう懸念もあります。

キャリアプランを作成しておけば、次に積むべきスキルや必要な経験が明確になるでしょう。転職活動では、キャリアプランの実現に必要なスキルや経験を積める企業に絞り込めるため、より自分にマッチする企業や仕事を選択できるようになるでしょう。

メリット5. 面接でキャリアプランを聞かれた際に役立つ

面接でキャリアプランを聞かれた際に役立つ点も、キャリアプランを作成するメリットと言えるでしょう。

面接では「将来どのようなキャリアを目指しているか」と質問されることがあります。その企業のキャリアパスを踏まえた上で自身のキャリアプランを伝えることができれば、「目標が明確であり、入社後成長してくれる可能性が高い」と評価してもらえる可能性が期待できます。

反対にキャリアプランを定めていない場合、その企業のキャリアパスを踏まえたキャリアプランを即座に回答できない可能性があり、採否にも影響を及ぼすかもしれません。

メリット6. 社内のキャリア面談などにも役立つ

転職しない場合でも、キャリアプランを定めておくと社内のキャリア面談で自分の意向を伝えやすくなるでしょう。自分の想いや希望をしっかり伝えられることで、目指すキャリアの実現に寄与する可能性の高い仕事やプロジェクトなどにアサインしてもらえることもあるかもしれません。

反対にキャリアプランがないと、社内のキャリア面談の時に自分の希望をはっきりと伝えられずに終わってしまう懸念があります。その結果、あまり希望をしていないプロジェクトに配属されてしまう可能性も考えられます。

【年代別】キャリアプランがない場合の考え方

キャリアを積むうちに自分も周りの環境も変化することもあるため、キャリアプランは定期的にアップデートしましょう。年代によってキャリアプランが変化する背景には、年代ごとに企業が求めるものが変化するという側面もあります。
ここでは、転職活動における年代別のキャリアプランの考え方と、各年代のキャリアプラン例文を紹介します。

20代でキャリアプランがない場合の考え方

経験や実績よりも、将来性やポテンシャルを期待して選考が行われるケースもあるため、幅広い視野を持ち、様々なことを吸収して成長したいという姿勢が伝わるキャリアプランを提示できると良いでしょう。身近な先輩社員、上司で優秀な人、成果を出している人等をモデルにするのも1つの方法です。

20代のキャリアプランの例文

営業として〇年以内に、組織でトップの成績獲得を目指しています。そのために、毎月の営業目標の達成から常に50%プラスを念頭に置き、顧客対応力を磨くために何に取り組めば良いかを週次日次で設定しています。また、社内で先輩に高業績を出すためのアドバイスを受けるほか、異業界のトップ営業担当のノウハウを書籍やセミナー、動画でも学んでいます。

30代でキャリアプランがない場合の考え方

30代はある程度社会人経験を重ねていることも考えられるため、これまでの経験・スキル、専門知識を活かし、組織や業界に与える影響範囲を大きくしていくことを伝えられると良いでしょう。例えば「より大きな組織をマネジメントする」「会社全体の新しい技術の導入をリードする」などです。その際は、応募企業のミッション、ビジョン、バリューが求めるものと、自分の目指すもの、取り組みたいことの接点をより具体的に探すことが大切です。

30代のキャリアプランの例文

蓄積してきた営業ノウハウを活かし、5年後には○名規模の営業組織をまとめるマネジャーとして活躍したいと考えています。特に、新人・若手を早期に戦力化する育成力の高い組織を作りたいと考えており、現在は1on1やコーチングスキルを専門家に学んでいます。同時に、体系的に営業手法をインプットできる、オリジナルの教材コンテンツ作りを進めています。

40代でキャリアプランがない場合の考え方

社会人経験が数十年にもなる場合は、「組織を牽引する戦略づくり」「環境変化に対応した新事業の創出」など、企業が求める人物像にリンクする具体的なキャリアプランを作成することを意識してみましょう。例えば専門性の高い人材を採用したいと考えている企業の場合、企業が求めるスキルや技術に焦点を当ててみましょう。

40代のキャリアプランの例文

3年以内に売上○億円規模のビジネスを生み出す営業組織を構築し、責任者として貢献したいと考えております。そのために、営業組織の最適な体制や教育の仕組みづくり、マーケティングやエンジニア組織との円滑な連携構築のノウハウなど、これまで現職で培った知見や、成功・失敗事例を整理し、ブラッシュアップに取り組みます。より大きなビジネスインパクトを持ち、生産性の高い組織を構築したいと考えています。

50代でキャリアプランがない場合の考え方

かつて50代は役職定年を迎える世代でした。しかし人生100年時代の今は、これまでの様々なリソースの蓄積を活かし、異分野に挑戦するという選択肢もあるかもしれません。そのため、ほかの世代と同様にキャリアプランを描くことが、自分のキャリアのためにも必要でしょう。積み上げてきた経験・スキル、人脈を生かすことを考えつつ、アンラーニングできる柔軟性や成長意欲、新たな仕事に挑戦する情熱が伝わるプランを伝えられると良いでしょう。

50代のキャリアプランの例文

営業とマーケティングの部門長として培ってきたマーケット観点や分析力、多様な業界の経営陣との人脈、そして事業開発を通じて培った経営視点を活かし、2年~3年以内に確実に利益貢献できる新規事業を立ち上げ、形にしたいと考えています。また、営業やマーケティング領域の、管理職層の実践的な人材育成や、事業の目利きができる後進の育成も並行して行い、組織の総合力の向上に貢献したいです。

【業種・状況別】キャリアプランがない場合の考え方

今就いている業種や置かれている状況によっても目指すキャリアプランが変わることもあります。本章では、業種・状況別にキャリアプランがない場合の考え方とキャリアプランの例文を紹介します。

事務職でキャリアプランがない場合の考え方

事務職では、正確さや効率性、事業運営をサポートする力が重視される傾向があります。キャリアプランがない場合は、自分のスキルをどのように向上させることで業務改善や効率化に貢献できるのかを考えてみましょう。

例えば、「経理や総務の専門知識を深め、より専門的な業務を担当できるようスキルアップしたい」など、習得したい具体的なスキルや貢献度の向上を目指すキャリアプランが評価されると考えられます。

事務職のキャリアプランの例文

チームを牽引できる、ポジションへの昇進を目指しています。
そのためには、PCスキルなどのレベルアップだけではなく、物事を言語化して第三者に伝える力が必要だと考えています。現在、社内の業務改善プロジェクトに参加し、業務を俯瞰して捉えその業務が必要か否かなどを周囲に説明する力を磨いています。
今後は、貴社(御社)の事務領域で、人材育成や組織生産性の向上に貢献していきたいと考えています。

営業職でキャリアプランがない場合の考え方

営業職では、結果や成果を残すことにコミットできる力が求められる傾向があります。目標達成や成果創出のために工夫したいことや、結果を出すために取り組んでいきたいことを盛り込んだキャリアプランを考えてみましょう。

また将来的にマネジメントを担うポジションへの昇進や昇格を望む場合は、いつまでにどのようなポジションに就きたいのかも明確にしておきましょう。

営業職のキャリアプランの例文

組織内で最も高い成果を残すことが目標です。
そのためには、既存の方法だけではなく、新規開拓や新しい営業手法に取り組むことが必要だと考えています。現職では、これまで未開拓だった大手企業への提案に注力し、孫会社から営業をスタートした結果、1年かけて親会社への提案にたどり着くことができました。
貴社(御社)に入社した後も、既存の方法に捉われず、戦略的に営業に取り組んでいきたいと考えています。

企画職でキャリアプランがない場合の考え方

企画職は、市場動向を読み取りながら新しい価値を創造する力が求められる傾向にあります。キャリアプランがない場合は、どの分野でアイデアを生み出したいか、どのようにビジネスに貢献したいかを考えてみましょう。

例えば、「3年後には○○業界に関する知識を深めるとともに市場分析やプロジェクト管理のスキルを身に付け、○○業界に関連するプロジェクトを主導したい」などのように具体的な分野や貢献を示すことがポイントの1つです。

企画職のキャリアプランの例文

市場分析やプロジェクト管理のスキルを身に付け、3年後には○億円規模のプロジェクトを主導できる人材へと成長したいと考えています。
新しい価値を創造しビジネスに貢献するためには、データに基づいた企画提案力とプロジェクト全体を俯瞰する力が不可欠だと考えています。現職では、○○万円規模のプロジェクトに携わり、消費者のニーズを分析し企画に反映する経験を積んでまいりました。
今後、貴社(御社)が得意とする○○分野での知見を広げつつも、これまでの経験を活かし、事業成長に寄与するような規模の大きい企画を担当したいと考えています。

技術職でキャリアプランがない場合の考え方

技術職では、専門的な知識とスキルが重視されるでしょう。
そのため、キャリアプランを作成する場合は、新たな技術の習得やスキルの向上を軸に考えることを意識してみましょう。また、将来的に1つの分野に特化した技術者になりたいのか、チームや組織を牽引する管理職を目指したいのかを明確にしておくと良いでしょう。

技術職のキャリアプランの例文

プロジェクトを主導できる技術者になることを目標としています。
そのためには、後進育成に携われるレベルの技術力とマネジメントスキルが不可欠だと考えています。現職では、AI技術に関する勉強会や研修会に参加し、自身の知見を広げるとともに、指導の方法も学んでいます。
貴社(御社)では、引き続き自身の専門性を深めながらも、プロジェクト管理にも携わりたいと考えています。

未経験からの転職でキャリアプランがない場合の考え方

未経験の業界や業種に転職する場合は、学ぶ姿勢や柔軟性、適応力などが求められる場合があります。そのため、キャリアプランがない場合は、まず目指す業種で必要とされるスキルや経験を把握し、それをどのように習得していくかを考えてみましょう。

例えば、「最初の1年で基礎スキルをしっかり習得し、3年目までには自立できる状態になっていたいと考えています。また、5年後にはリーダーとしてチームを牽引できるようになりたいです。」など、学習計画やスキルアップの目標を具体的に設定すると良いでしょう。また、振り返りや自己分析を通じて、これまでの経験を新しい業種にどのように活かしていきたいのか明確にしておきましょう。

未経験からの転職のキャリアプランの例文

【接客職→IT企業の人事職に転職】
従業員がより満足度高く働ける職場を作る人事担当者になりたいです。
まずは現場の理解を深め、キャリアについてコミュニケーションの機会を作っていこうと思います。
前職の接客では、体力的にハードなために離職率も高い環境でした。本社や人事担当者との接点がなく、キャリアが限定されることに課題を感じたため、経営陣との対話の場や現場管理職が集まって現場の声を届ける活動を行い、離職率低減に取り組みました。
今後は、現場の声も大切にしながら、従業員がモチベーション高く働ける環境づくりにこの経験を活かしたいと考えています。

キャリアプランが思いつかない人に役立つ3つのヒント

ここでは、キャリアプランを考える際に参考にしたい、下記3つのヒントを紹介します。

  • 身近な人をロールモデルにしてみる
  • 企業のキャリアパスを参考にしてみる
  • キャリアアップの例から考えてみる

身近な人をロールモデルにしてみる

自分の身近にいる人をロールモデルとし、5年後、10年後になりたい自分像を考えてみる方法があります。「あの人のように活躍したい」「あんな風に、仕事とプライベートを両立できたら良いな」など、自分が共感できる人を探してみましょう。また、キャリアプランの考え方について、本人に直接聞いてみても良いでしょう。

企業のキャリアパスを参考にしてみる

勤務先の企業が公開しているキャリアパスや、興味がある仕事や企業のキャリアパスなどを調べ、自分にマッチしそうなものを考えてみることもできます。上司や人事などと定期的な面談がある場合は、「今の自分にとって参考になる社内のキャリアパス事例を教えてほしい」など、具体的なキャリアパスについて聞いてみるのも良いでしょう。

キャリアアップの例から考えてみる

キャリアアップの具体例から、自分にフィットしそうなものをイメージしてみる方法もあります。以下に一例を紹介するので、これをヒントにどのような道筋があるかを考えてみましょう。

<キャリアアップの一例>

  • 大手企業に転職し、スケールの大きな仕事に携わる
  • ベンチャーや中小企業に転職し、幅広い業務経験を積みながら活躍する
  • 管理職やマネジメントなどのポジションに就く
  • 自分のやりたいことを実現するために起業する
  • 自分の専門性を磨き、プロフェッショナル人材として活躍し続ける
  • 自分がやりがいを持って働ける仕事に転職する
  • 年収を高め、理想のライフプランを実現する
  • 社会的地位を高め、活躍の範囲を広げる

面接に臨むにあたってキャリアプランが思いつかない時に避けたいこと

面接に臨むにあたってキャリアプランが思いつかない時に避けたいことの例として、次の2点が挙げられます。

  • 実現性や具体性がないプランは避ける
  • プライベートに偏ったプランは避ける

ここでは、上記2つの注意点について解説します。

実現性や具体性がないプランは避ける

実現性があること、具体的に取り組んでいくことなどを伝えることが大事です。現実から大きく離れているキャリアプランや、抽象的なキャリアプランを伝えても、「自社にマッチしていない」「現状を把握する力に欠けている」「実現できる説得力がない」と判断されてしまう可能性もあります。応募職種に対し、直近のキャリアをどう築いていくのかを伝えましょう。

プライベートに偏ったプランは避ける

キャリアプランは、目指すキャリアを実現するための行動計画なので、プライベートに偏った内容にしないことも大事です。また、「将来、起業したい」「いつか海外で働きたい」など、応募職種の業務に当てはまらないプランを伝えても評価にはつながりにくいため、避けた方が良いでしょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

記事作成日:2023年10月18日 記事更新日:2025年02月17日

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