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休職中の転職活動は不利になる?リスクと注意したいポイントを紹介

休職中 転職

会社を休職中に転職活動をしたいと考えている人の中には、「休職中であることがバレたらまずいのでは?」「転職活動で不利になるのでは?」などの疑問や不安を抱えているケースも多いのではないでしょうか。

そもそも、休職期間に転職活動をしてもいいものなのでしょうか?

今回は、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏に、休職中の転職活動におけるリスクや注意ポイントについて聞きました。

休職中の転職活動はしてもいい?

まずは、休職期間中の転職活動についての考え方やリスクについて紹介します。

休職中の転職活動は可能

休職中の転職活動は可能です。しかし、自己都合で休職している場合には、「現在の勤務先に復職すること」を前提としているため、休職中の転職活動は推奨されるものではないと考えた方がいいでしょう。

休職中の転職活動はリスクがある?

第一に知っておきたいのは、休職中に転職活動をしていたことが内定後や入社後に発覚した場合、内定取り消しや解雇となるリスクがあることです。

企業には、労働契約法において、「労働者の安全への配慮(*1)」が義務付けられています。もしも応募者が「心身の健康状態やケガなどにより、業務に支障が出たために休職した」などの状況を伝えず労働契約を交わした場合、企業は適正な配慮ができず、就労後に安全配慮義務を果たせなくなる可能性があるのです。「企業は、労働者が自分の状況をきちんと伝えるという信頼関係の基に、雇用契約を結ぶ」ということを大前提に考えましょう。

また、休職中であることを隠していたことが選考途中に発覚した場合、業務への支障などを不安視される恐れがあります。

(*1)労働契約法第5条「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」

転職活動では、休職していることを事前に伝えるべき?

ここでは、応募先企業に休職していることを伝えない場合のリスクと、隠していたことが発覚するケースについて解説します。

面接中や面接後に隠していたことが判明すれば、不信感を抱かれる原因に

心身の病気や怪我による休職を隠していたことが判明した場合、「雇用後に企業の安全配慮義務を果たせない可能性がある」「そもそも、雇用契約において伝えるべきことを隠しているため、雇用後も信頼関係が築けない人物では?」と捉えられ、採用の判断そのものに影響するリスクがあります。

また、隠す行為が応募者自身の心理状態に影響し、面接の受け答えに悪影響が出てしまう可能性もあるでしょう。例えば、現職における勤務状況や職場の人間関係などを聞かれた際、あやふやな回答をすることで不審に思われるケースもあります。

内定後に発覚し、内定取り消しになる可能性も

選考通過できた場合でも、内定後に発覚し、内定取り消しになるケースは実際にあります。内定通知書に、「健康状態の著しい悪化」やそれに準ずる可能性を内定取り消しの要項として盛り込んでいる企業は少なくありません。また、入社後に発覚した場合も、「企業が安全配慮義務を果たせない」として解雇されるリスクがあることも忘れないようにしましょう。

転職先企業に休職がバレてしまうケース

休職期間中の転職について「隠し通せば大丈夫では?」と思う人もいるでしょう。しかし、転職先企業に入社後、諸々の手続きによって発覚する可能性は高いと言えます。

⑴源泉徴収票を提出した際に、「在職期間の給与額」から発覚

転職先企業では、源泉徴収票の提出を求められるケースがかなり多くあります。1年間の給与総額などが記載されるため、長期間の休職などで極端に収入が少ない場合は、休職を疑われる可能性があるでしょう。

(2)住民税の納税額が極端に少ないことから発覚

会社員の住民税は、企業が給与から天引きする方式(特別徴収)が一般的です。前年の所得が課税対象となるため、「前年に長期間休職したため、納税額が極端に少ない」という場合は、転職先の企業から休職を疑われる可能性があります。

自分で住民税を納付する方式(普通徴収)もありますが、こちらに切り替えようとする場合も、不審に思われたりする可能性があるでしょう。

(3)傷病手当金の申請の際に発覚

業務外の病気やケガが理由で働けないときに健康保険から支給される給付金が「傷病手当金」です。同じ病気(同一疾病)の支給期間は、最初の支給日から数えて1年6ヶ月以内と決まっています。

もしも転職先で病気が再発・悪化し、再申請をする場合、手続き担当者が受給条件の確認を行うケースがあります。確認の前には、対象者の了承を取りますが、受給歴の照会で休職が発覚する可能性があります。また、社内申請の時点で、過去の受給情報を記載した書類の提出が必要な企業もあり、そこで発覚するケースもあります。

そのほかのケース

最終面接の選考に通過した後、最終的な内定を出す前に、源泉徴収票や、直近3カ月の給与明細の提出を求められるケースがあります。年収金額設定の参考とすることが目的ですが、極端に収入が少なければ、不審に思われ、内定を出す以前に社内で採用決定の判断を取り下げる可能性があるでしょう。

また、入社時の健康診断で発覚するケースもあります。労働者への安全配慮義務の基に、適正な配置や健康管理を行うために、雇入れ時の健康診断は企業に義務付けられています。「業務に支障が出る、またはそれに準ずる状態である」と判断された場合、雇用契約を解除される可能性があるので注意しましょう。

現職の会社に休職中の転職活動を知られるリスクもある

次に、休職中に転職活動していたことが現職の会社に知られた場合のリスクと、発覚するケースについて紹介します。

休職中の転職活動がバレて、トラブルになる可能性も

休職期間は、あくまで「復職」を前提とするものです。そのため、休職中に転職活動していたことが発覚すれば、現職の会社に大きな不信感を抱かれるでしょう。

転職活動が思うように進まずに在職を続けた場合、復職後の職場の人間関係が悪くなったり、今後の昇給・昇格などに悪影響を与えたりする可能性があるでしょう。

また、同じ業界内などで転職する場合、前職と転職先の企業の社員同士につながりがある可能性も否めません。トラブルを起こせば、転職先企業に悪い評判が伝わるリスクもあるでしょう。

現職の会社に休職中の転職活動がバレてしまうケース

現職の会社に、休職中の転職活動が発覚するケースは、以下のようなものがあります。

親しい先輩や同僚に話したことで、噂が広がる

親しい人に転職活動の話をしてしまい、噂が広がって発覚するケースはよくあるものです。特に同業界に転職する場合は、転職先企業にまで伝わるリスクも考えた方がいいでしょう。

SNSの投稿で発覚する

SNSの投稿は、多くの人に見られています。フォローしていない場合でも、「この企業に興味がある」「面接を受けた」など、転職に関係する投稿をし、現職の会社の人がたまたま見てしまう可能性もあるでしょう。また、転職先企業の人が目にするケースもあるので、休職中に限らず、人間性を疑われるような言動を投稿しないように注意した方がいいでしょう。

お勧めは、「休職中の転職準備」と「復職後の転職活動」

休職中に転職準備をし、復職後に転職活動をすることで、さまざまなリスクを避けることができる上、メリットもあります。また、休職期間中にやっておきたい準備のポイントを紹介するので、今後に役立てましょう。

「復職後の転職活動」がお勧めなのはなぜ?

休職理由が心身の健康状態にあった場合、すでに復職していれば「業務に支障なく働ける状態」であることを理解してもらえます。復職をOKとした産業医の診断そのものが、その裏付けとなるでしょう。

復職して仕事の感覚を取り戻すことで、心に余裕が生まれ、焦らずに転職活動を進めることができるでしょう。面接の受け答えなどにもプラスの影響をもたらしてくれるはずです。

休職期間中にやっておきたい転職準備のポイント

休職中は回復を最優先とし、自分の健康管理をしつつ、着手できることに手をつけていきましょう。準備することとしては、自身の経歴の棚卸しや、転職先に求めることの整理、求人情報の収集、気になる企業についての比較・検討などが挙げられます。健康状態によって、自分の考え方も情報の捉え方も違ってしまうものなので、回復している時期に行うことをお勧めします。

休職期間の印象をマイナスにしないために

「休職期間があればマイナス印象を与えるのでは?」と思ってしまう人もいるでしょう。最後に、休職期間の伝え方のポイントを紹介します。

「業務に支障なく働けること」を伝える

心身の健康状態が理由なら、現在の状況をきちんと伝え、「転職後も業務に支障なく働ける状態であること」を理解してもらいましょう。その際、定期的に病院に通うなど、自分で健康管理の対策をしていることも伝えるといいでしょう。休職の理由が心の病気の場合は、客観的事実を基に、そこに至るまでの状況や「自分もこういう対策を取れば良かった」などの改善策も話すといいでしょう。

休職理由や状況を伝えることに抵抗がある人もいますが、企業によっては、すでに同じような事例を社内で経験し、理解を深めている可能性もあります。「入社後、健康状態を維持しながら働くための対策」を一緒に考えてもらえるケースもあるのです。事実を伝えた上で採用してくれる企業の方が、自分自身にとっても働きやすい環境があると言えるでしょう。

休職理由では、現職の職場を批判しない

休職理由で現職の職場批判をした場合、「入社後にも同じような状況に陥る」と判断される可能性があります。人間関係をはじめとするストレス環境はどの企業にもあるため、同じように業務を遂行できなくなる人材と捉えられかねません。

あくまで客観的な事実を伝えるのみにとどめ、自分自身で対策できそうなポイントも伝えましょう。それにより、企業サイドが「メンターをつける」「人事担当者から定期的にフォローアップする」などの対策を取ってくれるケースもあります。

休職期間にとらわれず、自分に合う働き方や今後のキャリアを考えること

心身の病気やケガなどで休職する可能性は誰にでもあるものですし、現在は、休職自体が特異なケースではない時代と言えるでしょう。休職の経験を隠すことよりも、自分に合う働き方や今後のキャリアをしっかりと考え、それを実現できる道を探すことが大事です。転職先で一定期間働いてから、また次の選択肢に向かうこともできるので、今の自分にマッチする企業を探すことをお勧めします。

この記事のおさらい

休職中に転職活動をしてもOK?

休職中の転職活動は可能ですが、自己都合で休職している場合には推奨されるものではないと考えた方がいいでしょう。その理由はこちらで紹介しています。

転職活動で休職中であることを伝えるべき?

休職中であることを伝えない場合のリスクはあります。詳しくはこちらをご覧ください。

休職中の転職活動が現職の会社にバレたらどうなる?

休職期間は、あくまで「復職」を前提とするものなので、休職中に転職活動していたことが発覚すれば、現職の会社に大きな不信感を抱かれるでしょう。詳しくはこちらをご覧ください。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。
記事作成日:2021年03月08日 記事更新日:2022年3月31日

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