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30代前半の転職に関する「よくある疑問」にプロが回答

30代前半 転職

30代前半は、経験・スキルが身について、年収アップやキャリアチェンジなどを検討したくなる年代です。そこで、人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント粟野友樹氏に、30代前半の転職に関する5つの疑問に回答してもらいました。

【疑問1】30代前半で年収アップ転職するには?

厚生労働省が発表している「雇用動向調査(令和2年)」の「転職入職者の賃金変動状況別割合」によると、30代前半で前職の賃金と比べて「増加」と答えた人は41.1%という結果に。そのうち「1割以上増加」と答えた人は31.8%でした。なお、30代前半と比べると、35歳以降は増加した人の割合が下がるため、年収アップ転職を実現したい場合は、30代前半のうちに検討した方が良さそうです。

出典:「雇用動向調査(令和2年)」(厚生労働省)

なお、30代前半で年収アップ転職をするには、これまでの経験・スキルを活かして同業種・同職種で転職するのが基本です。また、語学力に自信がある方は、外資系企業に転職するという方法があります。外資系企業は平均年収が高い傾向にあるので、日系企業から外資系企業に転職する場合は、年収アップを実現できる可能性が高いでしょう。

なお、同業種・同職種以外で年収アップしたい場合は、職種経験を活かしながら平均年収の高い業界に転職するという方法もあります。例えば、金融やコンサルティングファーム、医薬などの業界は平均年収が高い傾向にあるので、求人選びの参考にしてみましょう。

【疑問2】30代前半で未経験での転職はできる?

リクルートエージェントの転職決定者分析データで、転職決定者の転職前後の業種・職種を見てみると、30代前半の転職では、「同業種×同職種(21.0%」「同業種×異職種(11.4%)」「異業種×同職種(34.5%)」「異業種×異職種(33.0%)」という結果が出ています。30代前半は、職種を変えずに異なる業種に転職するパターンが一番多いようです。また、業界も職種も異なる転職にチャレンジしている方も約3割おり、未経験での転職は不可能ではないことが分かります。

『リクルートエージェント』転職決定者データ分析 10年間で起きた中途採用市場の構造変化

30代前半で未経験職種に転職したい場合は、業界や職種を超えて持ち運べるスキルである「ポータブルスキル」を軸にすることが重要です。例えば「リーダーシップ」「交渉力」「巻き込む力」など、自分にどのようなポータブルスキルがあるのかを分析してみましょう。

【疑問3】アピールできるスキルがなくても転職できる?

30代前半は異業種×異職種の転職も多く、即戦力となる経験・スキルがなくても、ポータブルスキルをアピールすることで転職は可能です。なお、「転職活動でアピールできるスキル」と言うと、とても高度で専門的なスキルをイメージする方も多いのですが、ポータブルスキルは汎用的に仕事で活かせるスキルを指します。例えば、「納期を必ず守る」ということも、一見当たり前のようですが、どのようなシーンでも必ず期日を守るという姿勢は、「目標達成力」や「責任感」のアピールに繋がります。日頃から仕事でこだわっていることや信条、工夫していることなどを思い出し、強みとして言語化してみましょう。

【疑問4】20代に比べて転職は難しくなる?

「雇用動向調査(令和2年)」の「年齢階級別転職入職率」では、男女ともに20代よりも30代前半の方が転職入職率は下がっています。一般的に、20代前半は経験・スキル不足でもポテンシャルを期待されて採用されるケースが多く、年齢が上がるに従って即戦力を期待されるようになります。そのため、30代前半で未経験の転職の場合は、20代に比べると転職は難しくなる傾向にあります。

なお、経験者の転職については、業界や職種、求職者の希望条件などによって難易度は異なります。ITエンジニアや施工管理のように採用ニーズの高い職種は、一定の経験・スキルを満たせば30代でも転職は難しくないでしょう。

【疑問5】転職活動にはどのくらい時間がかかる?

求人を探し始めてから転職先に入社するまでの転職活動の期間の目安は、およそ3カ月から半年程度です。会社を辞めてから転職する場合は、面接の日程調整がしやすいため、1~2カ月で終わることもあります。ただし、退職後の転職活動は活動期間が短くなるのがメリットですが、転職活動が長引いた場合にブランク期間や金銭面の不安から焦って転職先を決めてしまう傾向があります。30代前半は、リーダーやマネジャーとして日々忙しく働いている人が多い年代。仕事と転職活動を両立するのは大変ですが、できれば会社に在籍しながら転職活動を進めましょう。なお、最近はオンライン面接を実施する企業が増えているため面接の日程調整がしやすく、以前よりも転職活動期間が短いケースが増えています。

30代前半の転職は転職エージェントを有効活用しよう

「年収を上げたい」「キャリアチェンジしたい」など、30代前半で転職を検討している場合は、転職エージェントに相談しておくと安心です。転職エージェントは、業界・職種別の転職動向や具体的な転職事例を把握しているため、自分の経験・スキルが転職市場でどのようなニーズがあるのかを知ることができます。例えば、「経験を活かして転職するのであれば、年収XX~XXアップの可能性があります」「キャリアチェンジするなら、○○の経験を活かして△△業界はいかがですか?」など、具体的なアドバイスを得ることができるでしょう。

また、面接の日程調整や条件交渉も代行してもらえるので、転職が初めてでもスムーズに転職活動を行うことができます。オンライン面談を実施している転職エージェントも多いので、複数の転職エージェントに相談し、多様な観点でアドバイスを受けるのも有効です。

30代の転職に関するQ&A

30代の転職でよくある質問に回答します。

30代の転職で失敗しない方法を教えてください

できる限り、仕事を続けながら転職活動を進めましょう。また、「上司と合わない」「評価が納得できない」など、現職の不満解消だけで転職すると、転職先で別の不満が出た場合にまた転職したくなる可能性があります。そのため、まず不満の裏側にある「転職で実現したいこと(転職理由)」を明らかにして、転職理由を軸に求人を探すことが重要です。

30代前半で転職するのはもう遅い?

20代に比べると転職する人の割合は下がりますが、30代前半の転職が「遅い」ということはありません。転職活動は、これまでの経験・スキルを振り返り、今後のキャリアを考える良いきっかけになります。キャリアチェンジも可能な年代なので、中長期的にどのようなキャリアを描いていきたいのか、じっくり考えてみましょう。

35歳までに転職活動を始めた方がいいですか?

「35歳転職限界説」と言われ、35歳になると転職のチャンスが極端に減少するという状況は、今日では少なくなっています。ただし、30代後半になるに従って、高い専門性やマネジメントスキルなどが求められるようになります。そのため、もし転職を検討しているのであれば、年齢にこだわらず自己分析や応募書類の作成、求人検索、転職エージェントへの相談など、具体的な転職活動を始めてみましょう。転職活動を行ってみた結果、「所属企業の方が良い」という判断になることもあるので、焦って退職しないことがポイントです。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏


約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。

リクルートエージェントでは、転職でお悩みの方に適切なアドバイスをお送りしています。また、企業の面接対策や職務経歴書の作成サポートや、スムーズな退職のためのサポートを行っています。お悩みの方はぜひ一度相談に来てみてください。