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食品メーカーへ転職する方法は?職種や難易度、志望動機のポイントを紹介

食品メーカー 転職

食品メーカーに転職したいと考えている場合、「どのような職種があるのか」「未経験でも転職は可能なのか」など、詳しい情報を知りたい人もいるでしょう。今回は、リクルートエージェントで食品メーカーへの転職支援を手掛けているキャリアアドバイザーに取材し、代表的な職種と必要なスキル、転職活動の方法や未経験から目指す方法などをご紹介します。

食品メーカーへの転職は難しい?

食品メーカーとは、「原材料を仕入れて商品となる食品を製造し、製造した商品を流通・小売業界に卸し、消費者に向けて販売する企業」のことです。ここでは、食品メーカーの転職市場について解説します。

食品メーカーの転職市場の状況

食品メーカーにおける採用は、恒久的に消費される食品を扱うため、景気に左右されにくいと言えます。しかし、新卒採用を中心とする企業が多いため、中途採用の求人においては、食品業界における経験・スキルを重視した即戦力採用を行う傾向にあります。

最終商材を扱う食品メーカーは身近な商品に携われる魅力があり、同業界からの転職を目指すケースが少なくありません。競争倍率は高いと言えるでしょう。

未経験から転職できる可能性は?

先にも述べたように、食品業界における経験・スキルなどの求人要件を満たしている人物が応募することが多いため、業界未経験の場合はハードルが上がると言えるでしょう。営業職や総務・人事・広報などの管理部門以外の仕事は、それぞれ食品関連の専門知識が重要となるため、即戦力採用を行うケースがほとんどと言えます。

専門知識が必要な職種で未経験者が採用されるケースもありますが、こうした場合は、「大学で食品・微生物・衛生などを専門に研究をしていた」というケースが多いでしょう。

業界未経験でも採用に至る可能性が最も高い職種は“営業職”ですが、こちらも何らかの営業経験を積んでいることがポイントになります。過去に経験してきた営業スタイルや商談の相手などが、応募先の業務と近い場合は、評価につながりやすいでしょう。

また、大手企業や上場企業は食品業界経験者が応募することが多いため、未経験者の場合は中小企業やベンチャー企業の方が、採用のチャンスがあると言えます。

転職エージェントを活用する方法もある

食品メーカーでは、中途採用の求人情報を広く公開していないケースもあるため、転職エージェントを活用するのも1つの方法と言えます。転職エージェントは、業界未経験者も歓迎する企業や、過去に未経験者を採用した企業など、内部の事情にも精通しているため、マッチングの可能性がある企業を紹介してもらいやすいでしょう。

食品メーカーの主な職種と仕事内容

ここでは、食品メーカーの主な職種の仕事内容や、求められるスキルなどを紹介します。

営業職の仕事内容

流通・小売業界に向けた営業と、飲食店などの外食産業に向けた営業、卸売業者に向けた営業に大きく分かれます。流通・小売業界、外食産業を顧客とする仕事では、各店舗に向けた営業を行うケースと、本部やバイヤーに向けた営業を行うケースがあります。

店舗に向けた営業では、地域性や顧客層に合わせた商品提案を行い、店舗の販促企画などを手がけるケースもあります。

求められるスキル・資格

営業経験などが求められますが、他の職種と比べて、異業界からも転職しやすいでしょう。ごく稀なケースとして、海外で事業展開している企業の場合は、現地代理店との交渉などが必要となる業務もあり、英語力を求められる可能性があります。

研究開発職の仕事内容

商品の研究・開発を行います。商品化するために、原料の選定や製造方法の検討はもちろん、高い品質と理想の味を追求し、改良を重ねていく仕事です。食材の研究や衛生検査、保存技術の研究なども行います。

求められるスキル・資格

食品化学やバイオテクノロジーなど、理系的な専門的知識が必要なケースが多いでしょう。また、消費者が口にする商品であり、人命にかかわる可能性があるため、食品の成分知識や素材特性などの知識があれば、プラスに評価されるでしょう。薬剤師や栄養士などの資格は一定の評価につながるでしょう。

生産管理の仕事内容

工場などの生産部門で、生産計画や生産管理に携わります。納期・品質・コストを守る生産計画を立て、進捗を管理することが主務となります。海外の生産企業や工場などとやりとりするケースもありますし、完成した商品を納品するまでの物流・ロジスティクスの計画に携わるケースや、原料調達や調達計画などを担当する購買部門や、品質管理を担当する部門と連携するケースもあります。

求められるスキル・資格

賞味期限を守り、スピーディーに商品を届けるために、物流やロジスティクスの知識が求められるケースがあります。また、海外の業者とやりとりする場合は、英語力も必要となります。

品質管理/品質保証の仕事内容

取り扱う原料や最終製品の調査・分析を行い、商品の品質を管理する仕事です。食品の安全性の評価や、食品表示の法規制への対応や工場への衛生指導なども担当します。

求められるスキル・資格

食品化学やバイオテクノロジーなど、理系的な専門的知識が必要となるケースが多いでしょう。栄養士、薬剤師などの資格もプラスに評価されやすいと言えます。

企画・マーケティングの仕事内容

商品企画や販売促進、市場調査や宣伝などに携わります。商品開発や営業などの部門と連携しながら、消費者に向けたキャンペーンやプロモーション方法の企画などの営業戦略を担います。

求められるスキル・資格

市場調査やデータ分析などのマーケティング知識が必要となります。また、商品の販促活動や宣伝などの実務に携わった経験が評価されます。

製造の仕事内容

工場などの生産工程や生産ラインで働くパート・アルバイト・派遣スタッフを管理・指導します。材料の洗浄、加工、調理、包装、検査、出荷など、さまざまな工程があり、生産計画に沿った作業人員の配置を行い、進捗管理や指導を行います。自らヘルプとして生産ラインの実務を担当するケースもあります。

求められるスキル・資格

現場のスタッフをマネジメントするスキルや、生産に伴う各工程の知識が必要となります。

食品メーカーの志望動機を考えるポイント

食品メーカーの志望動機の重要性と、書き方のポイントを紹介します。

食品メーカーでは志望動機が重視される

どの業界・企業においても、面接選考で志望動機は重視されるものです。しかし、食品メーカーには新卒採用に重きを置く文化が根強くあるため、中途採用においても企業の理念や文化を理解し、そこに共感できる人材を採用する傾向があります。また、未経験者の場合は、経験・スキル面でアピールできないため、熱意や思いを伝える志望動機が採用判断に大きく影響するでしょう。

「食品メーカーの仕事を通じて、強い意志を持ってやりたいことがある」「企業はもちろん、食品業界全体を向上させていくための使命感や責任感を持っている」という点をしっかり伝えましょう。採用においても志望動機を重視する傾向があり、「食品メーカーの仕事を通じて、社会にどのような貢献をしていきたいか」「多くの食品メーカーの中で、なぜその企業を志望するのか」などがポイントとなります。

また、食品メーカーにおいては、定年まで働くことを前提とする企業が多く、スキルや経験がマッチしていても、早期離職が懸念される場合は、採用を見送る可能性があります。志望動機を通じて、企業文化にマッチする人材であることを伝えることもポイントとなるでしょう。

下記の3つのポイントを参考に、志望動機を考えていきましょう。

ポイント1「なぜ食品業界を志望するのか」

「食を通して社会にどんな影響を与え、どう貢献していきたいのか」をしっかり伝えましょう。食品業界未経験者の場合、より重視されるポイントのため、「なぜ新卒でほかの業界を選んだのか」「なぜ今、食品業界を目指そうと考えたのか」など、理由・きっかけ・背景まで伝えることが大事です。食品業界に対する熱意の高さを伝える内容としましょう。

ポイント2「なぜその企業を志望するのか」

「貴社の商品が好き」「商品に親しみを感じていた」など、扱う商材に対する思いを伝えても、「消費者の枠を超えていない」と捉えられてしまうでしょう。その企業や志望する職種で、「どんなことを実現したいのか」「それを通じて、どんな社会を実現していきたいのか」を明確にしましょう。

また、「食に対するどんな理念、考え方、こだわりに共感したのか」という点もポイントになります。食品業界は、同じ領域の商品を手掛ける競合企業が多いため、「その企業でないと実現できないこと」を明言しにくいものです。応募先企業の食に対する理念や考え方、事業方針などをしっかり研究し、自分との接点を考えることが大事です。

ポイント3「前職での経験をどう活かせるか」

前職での経験を、どんな領域で活かせるのか、どのように貢献できるのかを伝えましょう。専門スキルが必要な職種は、そこにマッチする前職の経験・実績を書くことはもちろん、チームワークに対する姿勢なども伝えると、企業文化との相性を判断する材料となります。

一方、食品業界未経験で営業職への転職を目指す場合は、過去の営業スタイルや商談相手なども重視されます。各店舗やチェーン店のエリア担当、本部、バイヤーなど、どのような相手に向けてアプローチした経験があるのか、その際、どういった提案をしてきたのかを具体的に伝えることが大事です。

「販売データやエリア特性の分析を行った上で、本部やバイヤーに向けた全国展開の販促提案を手掛けていた」など、これまでの経験が伝わる内容を意識しましょう。

志望動機の例文を参考にしてみよう

未経験の営業職志望者と、経験・スキルがある研究開発志望者の志望動機の例文を紹介します。

営業職の志望動機の例文

 

学生時代から身近な商材を扱う仕事に興味がありました。「身近な人々の生活を豊かにしていきたい」と考え、新卒採用では、広告という無形商材を通じて消費者に良い商品を届けるIT広告代理店に入社しました。しかし、現職で食品関係の企業を担当する中、商品そのものへの思い入れを大切に営業したいと考えるようになりました。

食の安全性や食育など、多様な側面から真摯に向き合う貴社の理念に共感し、商品を広めていくこの仕事で、身近な人々や社会全体により良い影響を与えていきたいと考えております。

前職では主に大手企業を担当し、市場分析を行った上で、商品のターゲットに応じた広告提案を行ってまいりました。これまで顧客の要望に応え、課題解決の提案をしてきた経験を活かし、より多くの人々に貢献していきたいと考えております。

 

研究開発職の志望動機の例文

大学で学んだ食品バイオ化学の知識を活かしたいと考え、新卒で食品メーカーに入社し、研究開発職を3年経験いたしました。新たな商品の開発に携わりたいと考えておりましたが、前職では商品の品質管理や改善・改良を行うプロジェクトがほとんどであり、知識を活かして新商品開発に携われる仕事に就きたいと考えました。

バイオ化学に基づく新商品の開発を積極的に行っている貴社にて、自分の知識とこれまでの経験を活かし、新しいものを生み出す挑戦をしていきたいと考えております。

自分自身、コツコツと地道に研究を重ねることが好きである一方、前職では他部署と連携するコミュニケーション・スキルも身に付けることができました。チームワークを大切にしながら、5年後、10年後の食文化をより良いものに変えていけるよう、貢献してまいりたいと思います。

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