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施工管理の仕事内容は?施工管理に向いている人と仕事のやりがい

施行管理 仕事内容

建築・不動産・インフラ系企業に欠かせないのが施工管理です。施工管理は現場の管理者として多様な業務を行い、納期通りに安全に工事を進める役割を担います。施工管理の役割や採用ニーズ、仕事の魅力や未経験で施工管理を目指す方法などを、リクルートエージェントのキャリアアドバイザーに聞きました。

施工管理の仕事内容と役割

施工管理が活躍する業界と建築現場における役割、仕事内容について解説します。

施工管理が活躍する業界

施工管理は、ゼネコン(総合建設会社)、サブコン(専門建設会社)、ハウスメーカー、土木工事を行うインフラ系企業、プラント、建材メーカーなどに所属し、工事の管理を行います。

建築現場における役割

施工管理には「4大管理」と呼ばれる「工程管理」「品質管理」「原価管理」「安全管理」を行わなくてはなりません。具体的には、朝礼に始まり、職人の方に当日の作業内容を指示して、安全に配慮して指揮を執ります。工事の規模によって施工管理の人数は異なり、工期が長い大規模の工事になると複数名の施工管理が配置され、外装や外壁などを部分的に任されることもありますが、小規模の工事であれば全ての施工管理を一人で任されることもあります。

施工管理の仕事内容

施工管理の仕事内容は、大きく分けて「建築現場」と「デスクワーク」の2つがあります。施工管理の1日の流れは、朝から現場に出て工事の進捗管理を行い、現場の作業が終わったら書類作成などのデスクワークを行うのが一般的です。デスクワークは、施工計画書の作成や原価計算、発注書類の作成や現場写真の整理など、様々な作業を行います。

施工管理の資格

施工管理には7つの資格があり、国家試験です。いずれの資格も1級と2級に分かれており、国が指定した3つの団体が試験を行っています。令和3年度には、試験制度が改正されて各級に「技士補」が追加されました。

◆一般社団法人日本建設機械施工協会
建設機械施工技士

◆一般財団法人建設業振興基金
建築施工管理技士
電気工事施工管理技士

◆一般財団法人全国建設研修センター
土木施工管理技士
管工事施工管理技士
造園施工管理技士
電気通信施工管理技士

施工管理に向いている人

施工管理は現場に出る仕事なので、「体を動かす仕事」という印象があるかもしれませんが、現場を指揮する役割なので、施工管理が実際に工事作業をするわけではありません。現場責任者として状況に応じて判断して指示を出す仕事なので、的確な判断力が求められます。その上で、建設関係の業者や職人の方に作業をお願いする立場になるので、様々なタイプの方と折衝することができる力や、コミュニケーション力が求められます。年上の方に指示を出すこともあるので、リーダーシップがあるとなおいいでしょう。

施工管理の魅力や仕事のやりがい

ビル、マンション、各種施設、橋、道路など、建築物やインフラという「スケールの大きい仕事」に携わることができるのが施工管理の魅力です。土木などのインフラ整備に関わる場合は、「『人々の生活を守っている』という実感を得られる」という方も多いようです。建築・土木双方を通じて、自分が携わった仕事が「目に見える」「地図に残る」という点や、現場の方とチームでモノづくりをする達成感も施工管理のやりがいの一つです。

施工管理の求人ニーズ

施工管理は、建築・土木といった生活の基盤となる仕事。人々の生活がある限り、求人ニーズは今後もなくならないでしょう。ただし、社会的なニーズはある一方で、働き手不足が深刻なのも施工管理の特徴です。施工管理は現場とデスクワークをどちらも行うため、ハードワークになる傾向があります。また、施工管理の資格や経験があれば「不動産管理会社で建物の修繕計画を立てる」「事業会社の建築部門で建築計画を統括する」など、施工管理以外のキャリアを描くことができるので、施工管理以外の職種に転職する方が増えています。

ゼネコンもサブコンも人手不足で、「経験者は喉から手が出るほど欲しい」という状態なので、施工管理経験者で、施工管理に転職を希望される方はとても希少価値が高くなっています。施工管理の経験や資格があれば、施工管理としてキャリアアップ転職をすることも、施工管理以外のキャリアを選択することもできる市場価値の高さが、施工管理の魅力と言えるでしょう。

なお、施工管理不足に対して、国や業界としても課題を認識し改善を図ろうとしています。国土交通省はBIM(Building Information Modeling)を推進しガイドラインを導入しています。BIMとは、3次元のモデリングソフトウェアを活用し、「調査・測量・設計」「施工」「維持・管理」などの各段階でデータを共有することで、品質を維持しながら手戻りを防止し効率化を図ろうとする考え方です。

施工管理になるには

施工管理は、現場の指揮を執りながらデスクワークも行うポジションです。そのため、多岐にわたる知識・経験が求められます。人手が不足している施工管理だからこそ、未経験者にも門戸を広げる企業もありますが、施工管理に関する知識や経験が全くない状態で転職しても、現場で勝手が分からず辛くなってしまうかもしれません。また、企業によって待遇や働く環境が異なります。よく分からないまま転職し、待遇や働く環境に不満を持って短期で辞めてしまい、転職を繰り返してしまう可能性もあるかもしれません。

建築・土木業界には、施工管理を派遣している派遣会社があります。未経験から施工管理を目指す場合は、教育体制が整っている派遣会社で施工管理に求められる知識を身につけ、派遣先で経験を積むという方法があります。派遣会社で1~2年経験をすれば、施工期間中の施工の流れを理解することができます。また、派遣会社であれば、複数の企業を経験することができるので、様々な企業を経験した結果、自分が伸ばしていきたい経験分野や社風などが分かるので、自分に合った企業を選びやすくなるでしょう。派遣先企業から評価されて、正社員の施工管理として引き抜かれる方もいます。

施工管理は未経験から目指すことができる職種です。もし施工管理を希望するのであれば、「建築・不動産・インフラ系企業に応募する」「まず派遣会社で経験を積む」の2つの選択肢のメリット・デメリットを考え、自分に合っている転職先を選びましょう。

リクルートエージェント キャリアアドバイザー 久保 今日子氏

市役所の職員を経て、リクルートエージェントに転職。施工管理を含めた不動産・建築業界の各職種を担当、現在に至る。

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