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転職の最終面接で落ちる確率はどのくらい?落ちる傾向と対策を解説

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転職活動で最終面接に進んだ際、「ここまでいけば合格だろう」と楽観視する人もいれば、「落ちる確率が気になってしまう」と不安感を抱く人もいるでしょう。実際のところ、最終面接の選考まで進んだ場合、合否の確率はどの程度のものなのでしょうか。そこで今回は、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏に、最終面接の意味や合否の確率、よくある落ちる要因とその対策を教えてもらいました。

転職の最終面接で落ちる確率は?

まずは、最終面接の意味と合否の確率について解説します。

そもそも「最終面接」とはどんなもの?

最終面接は、選考における合否の最終判断を行う場です。入社後のキャリアビジョンや本人の人柄や企業との相性、入社意欲の高さなどを確認し、求める人材にマッチするか、定着・活躍してくれる人材であるかを判断するケースが多いでしょう。

最終面接に落ちる確率はケースバイケース

最終面接を「役職者との顔合わせと、入社意思の確認の場」としている企業もあれば、「複数の有力候補者の評価を最終検討する場」としている企業もあるので、落ちる確率はケースバイケースと言えます。

前者の場合は、一次面接や二次面接の評価でほぼ採用することを決めている傾向があります。しかし、最終面接には経営層など、採用の決裁権を握る人物が登場するケースが多く、その評価によっては、一転して不合格とすることもありますし、中長期的な事業計画と照らし合わせ、採用そのものを見送ることもあります。

後者の場合は、ライバルとなる複数の候補者を残しているため、採用枠に対する倍率を、そのまま落ちる確率だと思う人もいるでしょう。しかし、応募者個人の評価そのものが採用の基準を満たしているかどうかが重要なので、「合否の確率を競争倍率のみで判断することはできない」と言えるでしょう。

最終面接で落ちる確率を上げてしまうよくあるパターンと対策

ここでは、最終面接で落ちる傾向があるパターンと、それぞれの対策を紹介します。

「ほぼ合格」と思い込んで油断しているパターン

「最終面接まで行けば、ほぼ合格」と思い込み、まだ選考を受けている最中であることを忘れて油断してしまうパターンです。例えば、フランクに接してくる面接担当者に対し、自分もフランクな態度や言葉遣いをしてしまうケースが挙げられます。1次面接や2次面接では謙虚な姿勢を見せていた人物が、最終面接で急に態度を変えた場合、そのギャップが不信感につながり、評価を見直される可能性があります。

一方、最終面接の最中に、採用されることを前提に自ら年収などの条件交渉を始めてしまうケースもありますが、 こちらも同様のことが言えるでしょう。また、身だしなみやマナーなどで油断し、「一次面接や二次面接ではきちんとしていたのに、最終面接では印象が違う」と思われた場合も、採用の判断に影響を与える可能性があるでしょう。

対策:最後まで気を抜かず、一貫した姿勢で臨む

それまでの面接の中でどんなに反応がいいと感じても、 面接選考を受けている意識を忘れないようにしましょう。最後まで気を抜かず、一貫した姿勢で臨むことが大事です。年収などの条件面が気になっている場合は、最終面接で設けられる応募者からの逆質問のタイミングや、条件面談などで相談ができるので、 急ぐ必要はありません。最終面接では相手の質問に対し、真摯かつ誠実に答えることに集中しましょう。身だしなみやマナーについても、常に見られていることを忘れずに、一次面接や二次面接と同様に緊張感を持って臨みましょう。

掘り下げた質問に回答できないパターン

最終面接では、本人の人となりを見ているケースも多く、仕事に対する価値観や考え方、転職理由などをより掘り下げて聞かれる傾向があります。これまで経験した仕事の内容や取り組み方などをより深く質問されるケースもあるでしょう。
また、志望職種の事業領域における責任者などが出てくるケースでは、専門的な領域の話に及ぶ可能性もあるでしょう。役員などが登場する場合は、今後の業界に対する展望や経営戦略の考え方を質問されることもあります。

掘り下げた質問に回答できず、しどろもどろになってしまうパターンは少なくありません。こうした場合は「自分の考えを整理できていない」「求める人材要件を満たしていない」「企業研究をしていないため、志望度が低い」などの判断につながりやすいでしょう。

対策:一次面接、二次面接の内容を振り返っておく

最終面接に臨む前には、一次面接、二次面接で聞かれた内容を振り返っておきましょう。うまく答えられなかった部分を再度掘り下げ、考えをまとめておくことが大事です。また、職務経歴を 聞く際、さらに遡って「学生時代に新卒入社した企業を選んだ理由は?」などの質問をされるケースもあります。応募者の価値観に一貫性があるかどうかを確認するために掘り下げた質問をするので、仕事や働き方に対する自分の軸をしっかり整理しておくといいでしょう。

企業・業界の戦略や展望については、「その企業や業界で何ができるのか」を考え、自分なりにビジョンを持つことが大事です。仕事の専門領域なども含め、回答できないレベルの質問だと感じた場合は、取り繕うための 回答をするより、「今はまだ勉強不足のため、お答えができずに申し訳ございません」と正直に伝えた方が マイナス印象につながりにくいでしょう。

入社意欲の高さを伝えられていないパターン

最終面接では、内定辞退によって採用計画が遅れるリスクを踏まえ 、応募者の「入社後の定着性」も見ているため、入社意欲や志望度の高さを再度確認される可能性があります。その際、「第一志望とするほかの企業の選考が進んでいる」などの理由から言葉を濁してしまい、意欲が低いと判断されるパターンも少なくはありません。また、最終面接でも一次面接や二次面接と全く同じ志望動機を回答すれば、「選考を経ても話す内容が変わらず、考えが整理されていない」と思われてしまうでしょう。

そのほかにも、 企業理念に対する考えや、入社後のキャリアビジョン、働き方のイメージなどを聞かれ、答えられないパターンもあります。こうした場合も、「志望度が低いために、きちんと調べていない」「入社後、ミスマッチで早期離職する可能性がある」という判断につながりやすいでしょう。

対策:入社意思の説得力を高める準備をしておく

志望度の高いほかの企業の選考を意識する必要はありません。最終面接を受けている企業に対する入社意欲の高さを伝えることが大事なので、自分なりに感じた「入社したいと思った理由」をまとめておきましょう。また、企業のホームページや採用ページなどで、企業理念やビジョン、クレドなどを調べ、自分なりに共感、共通する部分を整理しておくこともポイントです。志望動機については、「二次面接でこんなキャリアパスがあるという話を聞き、ますます魅力を感じました」「面接時に教えてもらった業界の情報を調べ、新たな魅力を発見しました」など、選考過程の中で変化した考えを伝えると、より説得力を高めることができるでしょう。

逆質問に答えられないパターン

「最後に、何か質問はありませんか? 」と聞かれた際、「特にありません」と回答し、そのまま面接を終えるパターンです。「これまでの面接の中で多くの質問をさせていただきましたので、現時点では追加の質問はございません」などの説明をせずに、「特にありません」のみで面接を終えた場合は、 志望度が低く、入社意欲も低いと思われてしまう可能性があるでしょう。また、福利厚生や待遇などの条件面や、研修内容などについて質問するケースもありますが、最終面接を担当するのは、役員などの経営層であることが多いため、「調べればわかるような制度について、なぜ最終面接で質問するのか」「ほかにもっと聞くべきことがあるのでは?」と思われてしまうでしょう。

対策:これまでの面接の中で気になったことをまとめておく

経営層が担当する最終面接の場は、企業としての方針や事業の方向性などを直接聞ける場でもあります。これまでの面接の中で気になったことや興味を持ったことについてまとめておき、それらを質問すれば、志望度の高さが伝わりますし、自分自身もその企業の将来性や今後の展望などについて理解を深めることができます。制度関連について気になることがあった場合は、別のタイミングで人事担当者に聞いた方がいいでしょう。

最終面接における不安を解消するQ&A

ここでは、よくあるQ&Aを紹介します。最終面接に向かう際の不安解消に役立てましょう。

Q:最終面接が早く終わったら落ちる確率が高い?

早く終わっても、落ちる確率が高いとは限りません。採用することを前提とし、最終確認の場としているために早く終わるケースもあれば、逆に、最終面接での評価が高くないため、比較的短い時間で終えるケースもあります。ケースバイケースなので、不安に思うよりもほかの企業の選考を受ける準備を進めておくことをお勧めします。

Q:面接担当者の反応に手応えを感じない場合は、どうすればいい?

フラットに個別選考を行うために、あえて大きく反応をしない企業もありますし、面接担当者のキャラクターそのものが、もともと反応が薄いタイプだったりするケースもあります。また、昨今の採用選考では、企業としての評判を大事にするために、すべての応募者に丁寧に対応する企業が増えているので、反応が良くても評価と関係ないケースは少なくないでしょう。相手の反応を窺い、落ちる確率に気を取られるよりも、質問にしっかりと回答することが大事です。

Q:最終面接が終わった後にはお礼のメールを出した方がいい?

お礼のメールを出すことにマイナスはないので、出さないよりは出した方がいいでしょう。面接選考の時間を取ってくれたお礼に加え、面接内容に対し、自分の入社意欲がどう高まったかなどをアピールすると、熱意が伝わりやすくなります。メールの宛先は、選考についてやりとりしている人事担当にしましょう。転職エージェントを活用している場合は、エージェント経由でメールを送ることもできます。

Q:最終面接で落ちる確率が低いのはどういうとき?

最終面接の中で人事担当者 と入社日程や給料などを具体的に詰めた場合は、採用の意思があり、入社の手続きを進めていく流れとなっている可能性もあります。しかし、最終面接に合格しても、社内決裁で承認されず、内定が出ないケースもあるので注意が必要です。正式に内定通知を得ない限り、覆る可能性があるので、「受かった」と感じても、他社の選考を辞退することはお勧めできません。

最終面接で落ちる確率を不安に思うより、転職活動を進めよう

最終面接に限らず、面接における合否の判断には、「面接時点における最新の事業計画・採用計画」が大きく関係し、それらの計画が変化することも少なくはありません。また、応募者の経験スキルの水準が高いかどうかよりも 、企業文化や社風にマッチしているかどうかを重視するケースも少なくはありません。つまり、落ちるか受かるかは、企業の事情や相性も含めてのケースバイケースと言えるのです。「落ちるかもしれない」と不安に思うよりも、最終面接まで進んだことに自信を持ちましょう。

もしも落ちた場合でも、「自分を求めてくれる企業、自分と相性のいい企業がある」と、前向きに考えましょう。落ちる確率に悩み、転職活動をストップするよりも、他社の選考を進めることに集中し、自分自身の選択肢を増やすことが大事です。より納得度の高い転職を実現するためにも、気持ちを切り替えて、どんどん転職活動を進めていくことをお勧めします。

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組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏


約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

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