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ITエンジニアの平均年収や年収相場はどのくらい?年収アップ転職の方法を解説

エンジニア 年収

あらゆる業種の企業が課題とする「DX(デジタルトランスフォーメーション)」。コロナ禍を機にその取り組みが加速し、もともと人材不足だったITエンジニアのニーズはさらに高まっています。リクルート HR統括編集長・藤井薫がリクルートエージェントのデータをもとに、ITエンジニアの年収相場、転職による年収の変化、転職で年収アップを成功させる方法をお伝えします。

ITエンジニアの年収相場と平均年収

企業ではIT人材を確保するため、給与体系の見直し・変更を進める動きが見られます。数年前に比べてITエンジニアの給与相場は上昇。転職を機に年収アップを果たすITエンジニアが増えています。今回はITエンジニアの年収相場、転職による年収の変化についてご紹介します。

ITエンジニアは、転職時に賃金アップした人の割合が増加

リクルートエージェントでは、「転職時の賃金変動状況」のデータを収集・分析し、「転職者の賃金は転職前後でどのように変化しているのか」に着目。前職と比べて賃金が増加した転職者数の経年変化を観察しています。

2022 年 10-12 月期、IT系エンジニアで「前職と比べ賃金が 1 割以上増加した転職決定者」の割合は 39.7%に達しました。ここ10年ほど右肩上がりで推移し、2019年頃にはやや減退・停滞したものの、2021年以降は再度上昇。2022 年 10-12 月期は最高値を更新しています。

参考:株式会社リクルート「2022年10-12月期 転職時の賃金変動状況」

この賃金アップ傾向には、さまざまな背景があります。一つは、IT業界だけでなくあらゆる業種の事業会社やコンサルティング業界がIT人材の採用に乗り出しており、獲得競争に勝つために給与額を上げていること。特にグローバルIT企業の給与水準を意識し、その水準に近づけようと新たな報酬体系や制度を導入する動きが見られます。

また、事業会社におけるIT部門の位置付けが変化していることも、ITエンジニアの給与相場アップにつながっています。かつての事業会社では、「情報システム部門」は「管理部門」に位置付けられていることが多く、求められたのはシステムの導入や安定的な運用。「利益を生む部門」ではありませんでした。

しかし、近年のDXに取り組みにおいては業務効率化にとどまらず、最新テクノロジーを活用した新サービスや新事業の創出が期待されています。つまり「売上拡大」に貢献する部門として、IT人材に対する投資額を増やしているのです。

ITエンジニアが年収アップ転職を成功するには

ITエンジニアが転職によって年収アップを実現させようとしたら、どのような企業を選べばいいのでしょうか。もちろん、その人の経験・スキルによって選択肢は大きく異なりますが、大まかな傾向をお伝えします。

一次請け企業(上流工程)に転職する

IT業界は、クライアント企業から直接発注を受ける「一次請け」企業から、業務の一部が「二次請け」企業に発注され、さらにその一部業務が「三次請け」企業に発注されるという、ピラミッド構造となっています。三次請けから二次請け、二次請けから一次請けの企業に転職することで、給与水準が上がるケースが多いといえます。

現在、二次請け・三次請け企業に在籍している方は、設計や要件定義、プロジェクトマネジメントなどを経験することで上流工程への転職が叶いやすくなります。

外資系企業に転職する

外資系企業は日系企業と比較すると、給与水準が高い傾向にあります。日系企業から外資系企業に転職することで、年収アップにつながっている事例は多々あります。メンバークラスであれば日常業務で英語を使う機会がないことも多いため、英語力不問とする求人もあります。

ただし、マネジャークラスへ昇進していけば本国へのレポートなどで英語力が必要となるため、入社後に英語力を磨く意欲が求められるでしょう。

給与水準の高い業界に転職する

DXを推進する事業会社では、ITエンジニアの採用に意欲的です。特に、金融業界や医療業界など、給与水準が高めの業界に転職することで、高年収を得られるケースがあります。

ただし、同業界で経験を積んだ応募者と比較すると、異業界出身者は不利といえます。現在、SES(システム・エンジニアリング・サービス)などで働いていてプロジェクトを選べるのであれば、目指す業界に関わる案件を選び、業界の知見を身に付けるといいでしょう。

コンサルティングファームに転職する

給与水準が高いコンサルティング業界では、クライアント企業のDX支援案件が増える中、ITの知見を持つ人材を対象にコンサルタントの積極採用を行っています。

コンサルティングファームといえば、上流の「戦略」を担うイメージが持たれていますが、近年はIT戦略の提案からシステム開発・運用・保守にいたるまで、一貫したソリューションサービスを提供しています。そのため、さまざまなレイヤーのITエンジニアニーズがあります。

なお、IT企業のSEから「ITコンサルタント」に転職し、100万~200万円の年収アップを果たした事例も少なくありません。

年収アップ転職を目指すなら、転職エージェントの活用を

年収アップ転職を実現させるためには、自身の現在の経験・スキルの「市場価値」を知ることが大切です。転職エージェントに相談し、「今の自分のスキルレベルはどの程度か」「どのような企業・ポジションで活躍の可能性があるのか」「今の自分に足りていない経験スキルは何か」などを理解するところから転職活動をスタートさせましょう。

また、同じスキルを活かすにしても、「IT業界」「事業会社のIT部門」「コンサルティング業界」など、選択肢は多様です。自身の価値観や志向を認識しておかなければ、自身にマッチする仕事や職場を判断することができません。自身の志向や目指す方向性を整理するにも、転職エージェントのサポートを受けるとスムーズに進むでしょう。

株式会社リクルート HR統括編集長 藤井 薫

1988年リクルート入社。以来、人材事業の企画とメディアプロデュースに従事。TECH B-ing編集長、Tech総研編集長、アントレ編集長などを歴任する。2007年からリクルート経営コンピタンス研究所に携わり、14年からリクルートワークス研究所Works兼務。2016年4月、リクナビNEXT編集長就任。2019年4月、HR統括編集長就任。コーポレートコミュニケーション、リサーチ、コンテンツマーケティングなどを兼任。著書に『働く喜び 未来のかたち』(言視舎)。

記事作成日:2021年01月18日 記事更新日:2023年06月30日

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