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【仕事を辞めたいと思ったら】人間関係の悩みは「考え方・接し方・相談」で改善を

仕事_人間関係

「仕事を辞めたい」と思う理由は人によって違いますが、常に上位に挙がるのが「職場の人間関係」。

とはいえ、「あの人が嫌だ」という一時の感情で転職するのはキャリアのロスになり、また次の転職先でも再び人間関係で悩まないとは限りません。

後悔しないためにもまず冷静になって、現職で問題を解決する方法を探してみましょう。そのためのヒントを組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏がお伝えします。

人間関係で仕事を辞めても良い結果に繋がらない?

「人間関係の不満」で転職は成功しにくい

言うまでもありませんが、日々一緒に働く上司や同僚との人間関係はとても重要です。会社はビジネスで成果をあげる場なのに、人間関係がぎくしゃくすることで仕事がスムーズに進まなかったり、仕事へのモチベーションが下がったりすることは、働く人にとって大きなストレスです。

ただ、人間関係から逃れるために転職をしたいと思った時は、いったん冷静になり、まずは自分が直面している問題をきちんと分析した方が良いでしょう。「上司が嫌い」「先輩が冷たい」などという感情に任せて、安易に会社を飛び出してしまうのはお勧めできません。

たとえば今の仕事自体は面白いと感じていて、問題の相手以外に大きな不満がないのであれば、一時の感情でキャリアを中断してしまうのは自分にとっての損失になります。さらに、人間関係への不満を理由に転職活動に踏み切っても、うまくいかないかもしれません。

採用面接では必ず「転職理由」を聞かれます。その時に人間関係の不満をストレートに伝えれば、「嫌なことから逃げたいだけ?」「この先、何がやりたいの?」と突っ込まれてしまうことになります。ここで表面的な受け答えをしても、おそらく面接官には見透かされてしまうでしょう。「愚痴や不満ばかりで、解決策を講じていない人」「物事を建設的に考えられない人」などと思われてしまうかもしれません。

仕事の人間関係に悩んだときは、今後を見据えて行動を起こそう

ただ、「〇〇が嫌い」という感情は、今後のキャリアを前向きに考えるきっかけとして捉えることもできます。不満を感じる理由を突き詰めて分析していくと、改めて「自分に足りないものは何か」「自分はどのように働きたいのか」が見えてくることも多いからです。

まずはいったん立ち止まり、次にご紹介する「考え方を切り替える」「接し方を工夫する」「周囲に相談する」という3つの方法で、自分が置かれた状況を少しずつでも改善する手立てを探してみましょう。

1.冷静になって「考え方」を切り替えてみる

具体的にどこが嫌なのかを書き出す

人間関係に悩みを持っている時はどうしても感情が先に立ち、冷静に現状を分析・判断ができにくくなっています。そこで、いったん自分の気持ちを吐き出すために、その相手の嫌なところと、自分が嫌だと思う理由を、できるだけたくさん紙などに書き出していきましょう。それだけでも頭が整理できて、気持ちが落ち着くこともあります。

問題がどこにあるか冷静に考えてみる

次に書き出したものを一歩引いた第三者の視点で見てみて、理にかなっているか、独りよがりの単なる不満や愚痴になっていないか考えてみましょう。

たとえば、上司に毎回ミスを厳しく指摘されるのが嫌で「なぜ自分にだけ厳しいのか」と感情的になっていても、よく考えてみたら他の同僚に対しても公平に厳しく指導していたかもしれません。

さらには同じミスをしてしまった自分の方に、仕事のやり方を改善する余地があるかもしれません。現状を客観的に分析すると、自分の工夫で変えられるものや、自分だけの力では解決が難しいことも見えてきます。

関係がずっと続くものではないと割り切る

状況を整理して冷静になってみると、「どうしても我慢できないほど深刻な問題ではなかったな」と気づくこともよくあります。そんな時はマインドを切り替えて、相手との関係性を割り切ってしまうだけで、憂鬱な気持ちが晴れることも多いようです。

たとえば、上司と部下の関係は決して永続的なものではありません。しばらくすれば上司か自分が部署異動するケースもあると考えれば、「それまでの辛抱」と腹をくくることもできるでしょう。時には「あの人はそういうキャラクターだから」と割り切ってしまうことも有効です。同僚が相手の場合は、「会社では仕事ができればいい」と考えて、その人とはなるべく距離を置き、自分自身の仕事をうまく進めることに集中するのがいいでしょう。

2.自分から「接し方」を工夫してみる

自分の接し方が適切だったか考える

上司との関係性が良くない場合、仕事に対する考え方や進め方が違うか、逆にとても近すぎるために反発している可能性があります。ただ、いずれにせよ相手が組織上の上司であるのは事実ですから、上司の考えに合わせた接し方を心がけることが、関係改善に繋がるかもしれません。もし可能であれば、自分に足りないことは何か、評価を上げるにはどうしたらいいのか、素直にアドバイスを仰いでみるのが一つの対応策になります。

「報連相」のやり方を見直す

関係を改善する方法として「報連相」の見直しがあります。同じ管理職でも、頻繁な報連相で細かく部下を管理したい人や、逆に数日分まとめて整理した報告を上げて欲しい人など、タイプが異なります。もしかしたらそこで上司との行き違いがあったのかもしれません。どんな方法がいいのか分からなければ、実際に上司から評価されている人のやり方を見て、研究してみるのも有効です。

仕事に熱心に取り組む姿をアピールする

もう一つのやり方として、今までより熱心に仕事に取り組む姿を見せることも効果的です。たとえば、ステップアップを目指して資格の勉強に取り組んだり、業務改善を提案してみたり、会議でも積極的に発言をするなどして、仕事で成果を上げることにエネルギーを注いでみましょう。

相手が「頑張っているな」と見てくれれば、自分への接し方や評価も少しずつ変わってくるかもしれせん。現状改善に動く過程で、ビジネスパーソンとしてのさらなるスキルアップも期待されますし、人間関係に対するネガティブな感情も小さなものに思えてくるかもしれません。

3.周囲に「相談」して共有する

身近な人に相談するだけで気持ちが整理される

人間関係に限らずひとりで悩みを抱え込んでしまう人は多いですが、追い詰められてしまう前に、誰かに相談することをお勧めします。家族や友人など内情を知らない人であっても、話をすることでストレスが軽くなったり、改善の糸口が見えたりする場合もあります。信頼できる第三者の意見を聞くことで、気持ちを整理してみましょう。

もし同じ職場に自分の悩みを受け止めてくれそうな同僚や先輩がいたら、その人に相談してみるのもいいでしょう。たとえば、自分にとってはとても嫌な相手でも、別の人はまた違う見方をしていることがあります。その人の目を通じて相手を客観的に見られるようになると、辛い気持ちが軽くなるかもしれません。

状況が改善できそうな社内の人に相談

どうしてもその相手と仕事をしていく自信がない時は、異動や配置換えを願い出ることも考えてみましょう。もし定期異動前に社員に対してヒアリングをしてくれる会社であれば、申し出ることで希望が通るかもしれません。また、チーム内での人間関係に問題を抱えている場合は、上司に「〇〇さんとチームを変えて欲しいのですが」と相談する方法もあります。

ただいずれの場合も、単に「〇〇さんが嫌い」という自己中心的な理由では受け入れられないかもしれません。「自分としてはパフォーマンスが発揮しにくいので、違うチームで経験させてもらえれば、より自分の持ち味を出して貢献できると思います」というように、会社にとって利益になる伝え方をするようにしましょう。

パワハラの疑いがあれば当該部署へ相談を

人間関係の悩みも深刻度が上がり、精神的に追い詰められると、自分自身で改善を図ることは難しくなります。もしも集団で無視されて業務に支障が出る、人前で執拗に叱責されるなどパワハラが疑われるケースであれば、限界だと感じる前に、社内のコンプライアンス室や人事など、しかるべき部署へ相談することをお勧めします。そうすれば転職をしなくても、部署を変えるなどの対策で問題を解決できる可能性があります。ただ、社内慣習的にそうした対応が望めないと考えられる時は、転職によって環境を変えた方が良いかもしれません。

外部の転職エージェントに相談

人間関係の悩みを社内で相談するのがためらわれる場合は、転職エージェントに相談することもお勧めです。それぞれのケースでどういう対策を取ればいいのか、第三者の視点でアドバイスをもらうことも可能ですし、転職を選ぶとしたら、どんな選択肢があるかの提案を受けることもできるでしょう。

たとえ「現職で現状改善を図ろう」と決めたとしても、すぐに問題を解決することは難しく、辛い場面も多いと思います。でもそんな時に「いざというときは転職という選択肢がある」と思えることは、大きな支えになります。最終的に転職を選ばなかったとしても、転職エージェントに相談することは問題解決の役に立つことでしょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

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