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転職の軸はどう決める?転職軸の作り方と面接で使える例文を解説

転職 軸

転職活動の面接で「転職の軸」について聞かれることは少なくありません。「なぜ、企業が転職の軸を聞くのか」「転職の軸をどのように決めたらいいのか」について、組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント粟野友樹氏が解説します。面接で使える例文もご紹介します。

転職の軸とは?面接で聞かれるのはなぜ?

転職の軸とは、転職する際に「大事にしたいこと」や「重視したいこと」、そして「譲れないこと」です。つまり、転職理由となる目的を実現するために、大事にしたいことだと言えます。

例えば営業職の場合、転職したい理由・目的が「より高いソリューションセールス力を身につけたい」であるならば、それを実現するために大事にしたいこととして、「大企業向け法人営業を経験して、提案力をつけたい」「様々な分野のトップセールスが在籍している環境で、切磋琢磨しながら働きたい」という転職の軸が考えられます。この営業職の事例においては、以下のように優先順位をつけるとよいでしょう。

  • 最も重視すること:顧客の規模や特徴営業組織にどんな人がいるかなど
  • 次に重視すること:商品サービス力、業界シェア、業績状況、成長性など
  • その後検討すること:年収、福利厚生、役職など

面接で転職の軸を聞かれる理由とは

企業が転職の軸を聞く理由は、応募者が転職することによって何を大事にしたいのかを理解するためです。それを通じて、自社のカルチャーにフィットするか、キャリア面でマッチするかなどを確認し、入社後の定着性や活躍の可能性を判断しているのです。

転職の軸となる条件

具体的に転職の軸となる条件別に、どのようなことが考えられるかそれぞれ要素を挙げてみました。

転職を検討する当初は、給与、勤務地、場所、職種・仕事内容、事業内容・業界などの希望条件から考え始める方が多いのですが、転職活動を進めるうちに、次第に「今回の転職で実現したいこと」が見えてくるようになるでしょう。その転職理由を叶えるために大事にしたいことが、転職軸となります。

例えば営業職の場合、「自信を持って営業できる商品サービス」「シェアの高さ」「早期にマネジメント職に挑戦できる環境や制度、実績がある」「幅広い業界の顧客を担当できる」「短期業績ではなく年間という時間軸で評価される環境」「年功序列ではなく、成果を公平に評価してくれるところ」「フラットな社風」などです。

以下の表では条件の核となる分野と条件となる要素を挙げてみました。転職の軸となる「転職で大事にしたいこと」を考える参考にしてみてください。

企業目標への共感 企業理念
MVV
経営者の考え方
社会貢献性
経営戦略  など
活動内容 事業内容
仕事内容
役割
商品サービス
シェア
成長性
先進性
グローバル など
企業組織・構成員 組織体制や規模
構成員の特徴
社風
文化
経営陣との近さ
定着率
女性管理職比率 など
特権・諸条件 給与・待遇
インセンティブ
評価制度
教育研修制度
異動制度
キャリアパス
働き方(時間、リモート、時短、フレックスなど)
雇用形態
勤務場所
休日休暇
各種手当 など

面接で使える転職軸の回答例

面接で転職軸を聞かれた場合、どのように回答するとよいのか。転職理由をもとにした回答例をご紹介します。参考にしてみてください。

新しい挑戦がしたい

転職の軸は、新たな挑戦を追求することです。これまでの経験を活かしつつ、新しい環境や業界での経験を積みたいと考えて御社に応募しました。自己研鑽や自己啓発に積極的に取り組んできており、新たなスキルを習得し、新しい視点を持つことに興味があります。また、SDGsへの先進的な取り組みをされている御社に魅力を感じており、そのような企業理念を持つ御社に貢献したいと考えています。

ワークライフバランスを充実させたい

私の転職の軸は、バランスの取れたライフスタイルと職務満足度の向上です。以前の職場では、長時間労働が主流であったため、ワークライフバランスに課題を感じていました。御社はフレキシブルな労働環境やサポートがあり、自分の時間を大切にしながら、仕事に全力を注ぐことができる環境に魅かれました。

自分の専門知識やスキルを活かしたい

自分の専門知識やスキルを活かして、より大きな影響を持つ仕事に関与することを転職の軸として考えています。以前の職務で培ったスキルと経験を活用し、リーダーシップを発揮して組織やプロジェクトに価値を提供したいと考えています。また、チームと協力し、共に成長し、目標を達成することが重要だと思っています。

社会貢献がしたい

転職の軸は、社会貢献を通じて価値を提供することです。私はビジネスが社会や環境に与える影響が非常に重要だと感じています。以前の職場では、CSR(企業の社会的責任)プロジェクトや持続可能性イニシアティブをリードし、ビジネスが環境への影響を減らし、地域社会に対する貢献を最大化する方法を模索しました。御社のCSRへの取り組みや社会的な使命に共感し、その一員として貢献したいと考えています。

転職軸の作り方とポイント

転職軸はどのように考え、作っていけばいいのでしょうか。転職の軸を作るためのポイントをご紹介します。

転職したい理由を書き出す

転職の目的となる「こういうことを実現したい」という転職理由を考え、書き出してみましょう。この段階では複数出てきたり、内容が抽象的だったり、粒感もバラバラであったり、優先度もついていないことが多いと思います。

例えば、「営業力を高めたい」「実績を評価されたい」など。まずは思いついた転職理由をアウトプットしてみることが大事です。

これまでの経験・スキルを書き出す

次に、転職したい理由に対して、自分の経験・スキル・実績、仕事の中で大事にしていることなども書き出します。

自身のこれまでのキャリアを振り返ると、「こんな経験・実績が評価された」「自分の強みとなるスキルをより強化したい」といったことが浮かび上がってきます。

それらを実現するために「実績・実力を評価される人事制度があるが大事」「強みを磨いて、より専門性を高めることにこだわりたい」というように、この転職で大事にしたいことが転職軸と言えるでしょう。

転職市場の情報をリサーチする

転職理由とキャリアの棚卸しを通じて整理されてきた転職軸を念頭に、転職市場の情報を調べてみましょう。

自分ではたいしたことがないと思っていた経験・スキルが、意外な業界や企業で求められていることや、思ってもみなかった可能性や選択肢が見つかることもあります。逆に経験・スキル不足でステップを刻んだりしないといけないといった現実が見えてくるのではないでしょうか。

希望条件や実現性から優先順位をつける

最初は転職軸が曖昧・抽象的で、希望条件も複数あって優先順位がついていない状態から、転職市場のリアルな情報を見ていく中で、それらが明確化していきます。
転職活動における応募や面接を経ることで、より具体化していく可能性もあります。そこから優先順位をつけていくことで、転職軸も明確になっていくでしょう。

最初から求人情報を見てしまうと個別の条件だけにとらわれ、転職軸を見失う可能性もあるので、抽象的であってもまずは転職理由から考えることをお勧めします。

転職軸に迷ったら転職エージェントに相談してみよう

転職の軸となる志向や目指すキャリア観を自分一人で考えていても、なかなか答えが出てこないこともあるかもしれません。転職エージェントでは、客観的な第三者の視点で経験・スキルの棚卸しや、キャリアプランを立てるサポートも行っています。

転職軸で迷ったり、悩んだりした際は、プロの視点からアドバイスをもらえる転職エージェントのサポートサービスを活用してはいかがでしょうか。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏


約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

リクルートエージェントでは、転職でお悩みの方に適切なアドバイスをお送りしています。また、企業の面接対策や職務経歴書の作成サポートや、スムーズな退職のためのサポートを行っています。お悩みの方はぜひ一度相談に来てみてください。